Blu-ray ISOイメージファイルの作成と再生

Blu-ray ISOイメージファイルの作成と再生

Blu-rayフォルダから作成したISOイメージファイルを再生する事は可能か
(2009.04.17作成, 09.06.19更新
筆者は以前、AnyDVD HDでリッピングした作品をImgBurnでISOファイルを作成して、仮想ド
 イブ作させること可能かどうか試してみたところ、残念ながら ISOファイルをマウント
 するは出来てもWinDVD8 for I-O DATAで再生出来ない経験があった。
しかしブルーレイドライブを搭載していないパソコンでも、 Blu-rayフォルダをISOイメージファイ
 ル化すれば仮想ドライブで視聴する事が可能になると云う記事が散見される。
そこで今回、WinDVD8 for I-O DATAについて仮想ドライブソフトを変更して再検討すると
 ともに、もはや旧式となっったが手持ちのPowerDVD8 Ultraによる再生状況を対象
 
素材を増やして検討してみた
  
PowerDVD9 Ultra(10,620円)では、DVDを BD並の高画質で再生可能とするTrueTheater
  Technologyの導入、ネットワーク経由で提供される拡張コンテンツの双方向通信(BD-Live)
  を可能にするBD Profile 2.0への対応、UDF2.5でBDAVを書き込んだDVD(AVCRECディスク)
  の再生、HDMI 1.3の正式サポート、MoovieLiveとの統合などの新機能が搭載されている
  が、高価な投資に値する利用価値があるのだろうか?
WinDVD 9 Plus(9,870円)は9.0B014.48時点での使用において、DirectShow経由のプ
  レイヤーでH.264_AC3.m2tsファイルを再生出来なくなる不具合があった為(こちらを参照)、
  DirectShow依存の動画編集・変換ソフトの利用に不都合が想定されたので仕方なく、
  PowerDVD8 Ultraへ乗り換えた嫌な経験がある。
  その後、アップデータ9.0B014.64、9.0B014.87、9.0B014.91、9.0B014.132と進化している
  ようだが、現在はお倉入りとなっている。

 Blu-ray ISOイメージファイルの作成
  対象に用いた素材は、以下の 6種類とした。
1)Blu-ray Video(CARS:特典など):映像は、市販BDビデオのH.264そのまま利用
   ブルーレイのビデオ作品 CARSから AnyDVD HDでリッピングしたBDMV (H.264、AC3)を、
   CERTIFICATEフォルダとともにそのままImgBurnで ISO化したファイル
    (「Blu-rayビデオのリッピングとバックアップ」を参照)
2)VideoStudio12(PEKIN:menu付):映像は、Ulead VideoStudioで変換したMPEG2
   Xacti DMX-HD1000のFull-HDモードで撮影したMPEG-4 AVC/H.264を、
   MPEG Streamclip for Windowsで大雑把に結合・カット編集を無劣化で行った後に、
   Corel Ulead VideoStudio 12 Plusでタイトルや静止画の挿入などの編集後、
    「Blu-rayディスクの作成」でオーサリングし出力したメニュー付きBDMV (MPEG2、AC3)
    のISOイメージファイル(「Corel Ulead VideoStudio 12 Plusの使用概略」を参照)
3)multiAVCHD(PEKIN:XMB付):映像は、Xacti DMX-HD1000の無劣化H.264を利用
   Xacti DMX-HD1000のFull-HDモードで撮影したMPEG-4 AVC/H.264を、
   MPEG Streamclip for Windowsで大雑把に結合・カット編集を無劣化で行った後に、
   以下の如く、無劣化で映像・音声に分離し音声をAC3に変換後合体したM2TSを、
   最終的にmultiAVCHDでオーサリング したXMBメニュー付きBDMV (H.264、AC3)の
   ISOイメージファイル(「multiAVCHDのサムネイル付きメニューを提示」を参照)
4)tsMuxeR(X-MEN:menu無):映像は、PT1録画地デジの無劣化MPEG2を利用
   PT1で録画した地デジ二ヶ国語二重音声の洋画番組(X-MEN)を以下の如く映像の劣化
   なくCMカットして、tsMuxeR GUIでBD化したメニュー無しのBDMV (MPEG2、AC3) を
   ISO化したファイル(「PT1で録画した二ヶ国語番組のBD化」参照)
5)chotBDAV(ERIN:menu無):映像は、PT1録画地デジの無劣化MPEG2を利用
   PT1で録画した地デジ二ヶ国語二重音声の洋画番組(ERIN)を以下の如く映像の劣化なく
   CMカットして、chotBDAVでBD化したBDAV (MPEG2、AC3)を ISO化したファイル
   (「PT1で録画した二ヶ国語番組のBD化」参照)
6)RipBot264(X-MEN:menu無):映像は、RipBot264で変換したH.264
   PT1で録画した地デジ二ヶ国語二重音声の洋画番組(X-MEN)をAvidemux 2.4.3でCM
   カットしてMPEG-PS(A+V)で出力後、RipBot264 v1.10.3でBDMV化(H.264、AC3)して
   ISO化したファイル(「地デジ二ヶ国語番組をRipBot264で圧縮してBDMV化」参照)
 ImgBurn 2.3.2.0(ここから入手)でISO化する操作手順
    「モード」メニューで「構築(Build)」を、「出力」メニューで「イメージファイル」を選択。
    入力元で、「フォルダの参照」ボタンから以下のフォルダを指定して読み込む。
    例えば、
     Blu-ray Videoの場合:「BDMV」と「CERTIFICATE」を同梱するCARS_LAMフォルダ。
     tsMuxeRの場合:「BDMV」と「CERTIFICATE」を同梱するx_men_BDフォルダ。
     chotBDAVの場合:「BDAV」フォルダより上層にフォルダ(今回は「erin_BDAV」)を
       作成して、その「erin_BDAV」を指定しないと上手く行かない(下図)。    
    出力先で、保存先フォルダを指定する。
     「オプション」タブでプルダウンから「UDF」を選択。「ラベル」タブのUDFで適当な名称を
      入力する( Blu-ray Videoの場合は、作品名を忠実に入力する)。
    「情報」タブで「計算」ボタンを押すと右メッセージが表示されるが、イメージ情報に誤りはない。
    「構築」ボタンを押すと、.isoと.mdsファイルが保存先に出力される (出力時間約 6分)。
   追記(09.06.19)
    
ImgBurn 2.4.4.0では、初心者にも設定し易い親切な仕様に進化している。
      起動時に「行う作業の選択」画面が表示されるので、「ファイル/フォルダからイメージ
       ファイルを作成」を選択する。
      「オプション」タブで、UDFのうちUDF2.5を選択する。
       間違えて指定しても、書き込み開始時に警告されて適切に処理出来る。

  
  BD対応プレイヤーによるBlu-ray ISOイメージファイルの再生
    仮想ドライブソフトは、Alcohol 52% 1.9.7(ここから入手)及びVirtaul CloneDrive 5.4.3.2
     (ここから入手)を用いた。共存インストールしたが問題はなさそうだ。
    BD対応プレイヤーは、市販のPowerDVD8 Ultra(各種build)とBRD-SH6Bドライブに同梱の
     WinDVD8 for I-O DATA(8.0B09.597)を使用した。
     共存インストールしたが再生環境には問題なさそうだ(動画編集・変換ソフトへの影響は少
     々ありそうだが{こちらを参照}、その後 WinDVD8+PowerDVD8環境では検討していない )。
    <参考>PowerDVD8 Ultra用バッチ
      b8.0.2217a :1080/24 HDTVのサポート、Intel G45環境下のBD再生の品質改善
     b8.0.2705 :HDTV24Hzリフレッシュレート/S3VGAカード/Intel ADI のサポート
    なお、対象素材をBD-REにライティングしてQSVista上で再生した場合、
      WinDVD8は、 multiAVCHD(XMB)とtsMuxeR(X-MEN)及びRipBot264(X-MEN)を再生出来
      なかった。

      それ以外は、両プレイヤーで対象素材のBD再生は可能だった。
  成績
    初め PowerDVD8 Ultraのbuild 8.0.2217 と 8.0.2217aの差異に気付かず、パソコンの機種
    で差異があるのか疑って下記の表を作成したが、グラフィックカードのドライババージョンを
    最近のものとしておけば、そのような事はなかった。
    なお、Quad SilverマシンはBD&HD DVDコンポドライブ:I-O DATA製のBRD-SH6B(ドライブ
      はLG電子のGGW-H20N)を搭載した自作パソコン。
     CompマシンとEGPE66GT50Pマシンは、Super MultiDrive搭載パソコンでブルーレイドライ
      ブを搭載していない。
                右端の(○),(×)は、内蔵BRD-SH6Bドライブ(GGW-H20N)での再生の可否を示す。
                                     素材の映像圧縮: *印のH.264以外はMPEG2
略号
機種
OS
 スペック
CompXP
CompVista
EGGVista
QSXP
QSVista
Comp(自作PC)
EGPE66GT50P
Quad Silver(自作PC)
WinXP_Pro
SP3
Vista Ultimate
SP1
Vista Home
Premium、 SP1
WinXP_Pro
SP3
Vista Home
Pre、 SP1
仮想
内蔵
製造年月
 マザーボード:

 CPU:
 

 メモリー:
.
 ビデオカード:
. ((VRAM:MB)
   
   
 光学ドライブ:
   
2005年08月組み立て
Intel D945GNT
PentiumD830
  3.0GHz
DDR2-667, 1GBx2
  
GeForce 6600GT(128)
Drive v182.50
追記(090619)
GeForce 8600GT変更
LG電子GSA4163B
(Super MultiDrive)
2007年03月購入
Intel DG965SS
Core2 Duo E6600
  2.4GHz
667, 512MBx2
533, 512MBx2
GeForce 7600GT
(256)
Drive v182.50
    
LG電子GSAH42N
(Super MultiDrive)
2008年01月組み立て
ASUS P5E(Intel x38)
Core 2 Quad Q6600
  2.4GHz
DDR2 PC2 6400 2GBx2
GeForce 8600GT(512)
Drive v178.13→v182.50
追記(090619)
GeForce 9600GT変更
I-O DATAのBRDSH6B
(BD&DVD ComboDrive)
PowerDVD8 Ultraのビルドによる違い
○印:再生可能, ×印:再生不可、( )は内蔵ドライブ
 b8.0.1830
 
(2007/11/13)
CARS×
その他
全て
ガクガク再生
(○)
 b8.0.2217
 
(2008/10/23)
CARS×
その他
全て
ガクガク再生
(○)
 b8.0.2217a
 
(2008/12/11)
×
(○)
 b8.0.2705
 
(2009/03/30)
×
(○)
WinDVD8 for I-O DATA 8.0B09.597仮想ドライブと対象素材による違い
I.仮想ドライブ:Alcohol 52% 1.9.7Alcohol 52% 1.9.8
 Blu-ray Video*
 
CARS:特典など
× → ○
(○)
 VideoStudio12
 
PEKIN:menu付き
× → ×
(○)
 multiAVCHD*
 
PEKIN:XMB付き
× → ×
(×)
 tsMuxeR
  X-MEN:menu無し
○ → ×
(×)
 chotBDAV
  ERIN:menu無し
× → ○
(○)
 RipBot264*
  X-MEN:menu無し
○ → ○
(×)
追記(09.06.19)
II.仮想ドライブ:Virtaul CloneDrive 5.4.3.2
 Blu-ray Video*
 
CARS:特典など
(○)
 VideoStudio12
 
PEKIN:menu付き
(○)
 multiAVCHD*
 
PEKIN:XMB付き
×
(×)
 tsMuxeR
  X-MEN:menu無し
×
(×)
 RipBot264*
  X-MEN:menu無し
×
(×)
  結果と考察
    1)グラフィックカードのドライババージョンが古いと、PowerDVD8 Ultraで再生出来ない。
     例えば、CompXP:GeForce 6600GTのドライバが v77.72の場合は再生出来なかった。
    2)PowerDVD8 Ultraによる再生では、仮想ドライブソフトないし素材の差異による再生
       の可否に違いはなく、b8.0.2217ではCompマシン環境(結果4)を除いて検討した
       全ての素材を問題なく、いずれのドライブでも再生する事が可能だった。
      一方、b8.0.2217a以降に更新すると、仮想ドラ
        イブ上で再生出来な
なってしまう
(>_<、)
        QSVista上で、DAEMON Tools Lite 4.30.3、
        Phantom CD1.5.2及びGizmo Drive 2.7.3
        でも検討してみたが、再生出来るようには
        ならなかった。
    追記(09.06.19)
    3)WinDVD8 for I-O DATA
は、ドライブによって素材への対応が大きく異なっていた。
      Alcohol 52% 1.9.7ドライブでは、tsMuxeR(X-MEN)とRipBot264(X-MEN)しか再
        生出来なかった。
      Alcohol 52% v1.9.8にアップデートすると、Blu-ray VideochotBDAV(ERIN)が再
        生可能となったが、tsMuxeR(X-MEN)の
再生が出来なくなってしまった。
         なお、起動時に宣伝が入って10秒間待たる仕様となってしまった。

      Virtaul CloneDrive 5.4.3.2ドライブでは、Blu-ray VideoとVideoStudio12(PEKIN)
        しか再生出来なかった。
      なお内蔵のBRD-SH6B(GGW-H20N)ドライブでも、multiAVCHD(XMB)とtsMuxeR
        (X-MEN)及びRipBot264(X-MEN)を再生出来なかった。
       このような欠陥プレイヤーソフトは、CompVista環境以外では使い物にならないので、
        これを最後に通常の検証ツールとして使用する事は見限る事とした \(>_<、)/
    4)CompVista環境におけるPowerDVD8 Ultraの再生は、いずれの素材でもガクガクのスロ
       ー再生となってしまった。
       一方、WinDVD8
for I-O
DATA
の再生はスムースで問題なかった。
       この原因は、Vista環境下におけるPowerDVD8 Ultraの作動はWindows XP環境よりも、
       WinDVD8の作動よりもハイスペックなパーツを必要とする事に起因するようだ。
      CompXP環境おいて、PowerDVD8 UltraでBlu-ray Video(CARS)を再生すると、トップ
       ニューするとハングアップしてしまう(これはCPUの力量不足によるのか)。

       一方WinDVD8でBlu-ray Video(CARS)が再生出来る場合は、このようなトラブル
        発生しなかった。
     CyberLink Blu-ray Disc Advisor」による「Blu-ray Disc再生可否」のシステム解析
       2005年08月組み立てのCompマシンのグラフィックカードは不適格だった。
         GeForceの最小要件は 7600GT以上(ドライババージョン174.53以上)となっている。
        CPUは、Vista環境では不適格だが、XP環境ではアップグレードだった。
         PentiumDの最小要件は 840 3.2GHz以上となっている。
      CompマシンのVista環境で解析(基本再生)
      追記(09.06.19)
     
 ↓ グラフィックボードを GeForce 6600GT(128MB)⇒GeForce 8600GT(512MB)に変更す
         るとスコアーは上昇しマズマズかと期待したが、ガクガクのスロー再生はほとんど改善
         しなかった(映像はやや改善?、音声のガクガクは変化なし)。
      CompマシンのWindowsXP環境で解析(基本再生)
      <参考1>
      EGPE66GT50PマシンのVista環境で解析(基本再生)
      Quad SilverマシンのVista環境で解析(基本再生)
   
      <参考2>
      Quad SilverマシンのVista環境で解析(アドバンス再生 こちらを参照
       Bonus View、BD-LiveはPowerDVD 9にアップデートすれば可能。
       MPEG-2、H.264、VC-1のハードウェアデュアルビデオデコーディングには、ハードウェア
        デュアルビデオデコーディング対応の新機能を持つグラフィックカードが必要。
     追記(09.06.19)
 MPC HomeCinema 1.2によるBDの再生
       フリーのマルチメディアプレイヤーのうち、唯一Media Player Classic Homecinemaだけ
       が v1.2.908.0から Blu-ray ビデオにも対応したが、それは不完全な対応だ。
       従って、仮想ドライブソフト Alcohol 52% 1.9.7又はVirtaul CloneDrive 5.4.3.2でマウント
       した一部のBlu-ray ISOイメージファイルの再生も可能となった。
       しかし、再生出来てもメニュー表示やチャプタ移動は出来ない。
                                     映像: *印のH.264圧縮以外はMPEG2
 
   ドライブ 
   素材
Alcohol 52%
1.9.7
Virtaul CloneDrive
5.4.3.2
内蔵コンポドライブ
BRD-SH6B
 Blu-ray Video*
 
CARS:特典など
一部の
チャプタのみ再生
一部の
チャプタのみ再生
×
 VideoStudio12
 
PEKIN:menu付き
一部の
タイトルのみ再生
一部の
タイトルのみ再生
一部の
タイトルのみ再生
 multiAVCHD*
 
PEKIN:XMB付き
×
×
×
 tsMuxeR
  X-MEN:menu無し
 chotBDAV
  ERIN:menu無し
×
×
×
 RipBot264*
  X-MEN:menu無し

アスペクト比4:3
16:9への調整不可

アスペクト比4:3
16:9への調整不可

アスペクト比4:3
16:9への調整不可
      詳細は、MPC HomeCinemaのBD再生機能を参照。


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