Blu-rayビデオのリッピングとバックアップ

Blu-rayビデオのリッピングとバックアップ

次世代DVD:Blu-rayビデオのプロテクトを解除してコピーする事は可能か
(2008.02.10作成, 10.05.24更新)
BD&HD DVDコンポドライブの内蔵型:I-O DATA製のBRD-SH6B(ドライブはLG電子の
GGW-H20N)を購入したのを契機に、Blu-rayディスクに録画されたビデオ作品A(片面2層、
容量23.9GB:25,692,536,832バイト、本編80分)のリッピングとバックアップについて、
Windows Vistaで検証してみた。
追記(10.05.24)は、64ビット版Windows 7で検証した。
マシン環境は、Intel Core 2 Quad Q6600 2.40GHz、DDR2 PC2 6400 2GBx2(追記はx4)、
 GeForce 8600GT(VRAM 512MB)で、
光学ドライブは、I-O DATAのBD&HD DVDコンポドライブBRD-SH6B(LG電子のGGW-H20N)
 を使用した。
*Windows XP(SP2)はUDF2.5に未対応で、筆者の試験ではB's CLIPないしRoxio UDFリー
  ダーをインストールしてもBlu-rayディスクの中身を認識(内容を表示)出来なかった!
  なお、XBox360の東芝製HD DVD ドライブ用のUDF2.5リーダー「thdudf.inf」を借用する方
  法があるようだ。以下のサイトで入手出来ると言うのだが・・・
     http://rapidshare.com/files/3149367/XBOX360-1.HD-DVDRom.UDF.Reader.v2.5
       .WindowsXP-BluePrint.rar.html
    http://forums.xbox-scene.com/

I. Blu-rayビデオのリッピングソフト
Blu-rayのHD-DVDでは、以下の筆者には理解しがたい複雑で強固な「AACS」というプロテクト
が使用されている。
AACSのビデオコンテンツの暗号化においては、暗号ライセンスから「デバイスキー」と「メディア
キー」+「メディアキープロック(MKB)」が提供され、コンテンツホルダーから「ビデオコンテンツ」
と「使用ルール」が提供され、ディスク製造業者は「タイトルキー」を提供し、タイトルの暗号化とが
行われる。このとき、ディスク自体も「ボリュームID」という認識情報を持っており、暗号化に使わ
れる。
ここで、暗号ライセンスから提供されるデバイスキーとメディアキー、MKBは対になっており、その
組み合わせでしか暗号が解読できないようになっている。このデバイスキーはプレイヤーに組み
込まれるキーだ。
デバイスキーは暗号化者から次世代DVDプレイヤーの製造業者にライセンスされ、プレイヤーに
隠されることになる。このデバイスキーと、暗号化ディスクのMKBによって「ProcessMKB」が作ら
れ、それをベースに暗号が解読されていくようになっている。
つまり、デバイスキーとメディアキーの組み合わせによって、最初の暗号解読キーが作成されるこ
とになる。そして、最終的にはタイトルキーが複合され、これによって暗号化されたビデオコンテン
ツが再生可能な状態に戻るというわけだ(PC-GIGA 2007.9月号より)。

  AnyDVD HD(シェアウェア、79.00USドル)
  AnyDVD は 常駐させておくことで動作する、DVD/HD DVDやオーディオCDのプロテクトをオンザ
    フライで解除するドライバ。
    AnyDVDを使うことで、プロテクト(保護)のかかっているDVDやCDをコピーソフトでコピーしたりプ
     レイヤーで再生する事が可能となる。

    機能
     : DVD から 暗号化(CSS) と リージョンコード(RPC) を除去
     : DVDをHDDにコピーすることなくオンザフライで解読が可能
     : ビデオDVD、オーディオCD、その他のディスクの速度制御が可能
  AnyDVD HD は AnyDVD と同様の機能を有し、かつHD-DVD (High Definition DVD) とBlu-Ray
    Disc ムービーの解析を含めてサポートしている。

    デジタルディスプレイでムービーを再生する際、HDCPに対応するグラフィックカードと HDCPに
     対応するディスプレイを必要としなくなる。

    UDF 2.5 のファイルリッパーが搭載されているので、Windows XP 環境でサードパーティー製
     のUDF 2.5 ファイルシステムをインストールする必要はない。
    機能
     : HD-DVD、Blu-Ray から AACS を除去可能
     : Blu-Ray DVD からリージョンコードを除去可能

  今回は、AnyDVD HD 6.3.1.2を試用した(ここから入手、21日間試用可能)。
  操作手順
    ディスクをドライブに挿入して、
    AnyDVDを有効にすると、ディス
    クスキャンが始まりメッセージが
    表示される。

    →BDビデオを開くとAACSプロテ
     クトが解除されリージョンフリー
     化されて、SLY!となっている事
     が分かる。
    AnyDVDアイコン
    をクリックすると、
    「現在のステー
    ラス」欄にディス
    クとドライブの情
    報に加え、AACS
    プロテクトとリー
    ジョンを確認し、
    解除したという
    情報が示され
    る。
    Video Blu-ray
    欄を表示して、
    Blu-rayのサポー
    トを有効にする。
    又、Blu-rayの
    リージョンコード
    を除去する。
  AnyDVD常駐アイコンを右クリックしてメニュー
  を出し、「Video-DVDをハードディスクへ抽出」
  を選択する(下図)。
  AnyDVD Ripperダイアロッグが表示されるの
  で、入力元ディレクトリのドライブと吸い出した
   データの保存先を指定する(右図上)。
  「DVDをコピー」ボタンをクリックすると、リッピン
   グを開始する(右図下)。
  結果
    1時間04分程で、フォルダ名
     「98368093_LTL1JJE1」
     (作品によって変わる)とな
     って出力先に作成された。

    なお、Windows XP(SP2)環
     境でも問題なくリッピングが
     可能だった(無論、PCに保
     存されたフォルダ内の中身
     を見る事が出来るようにな
     った)。

    フォルダ内のAACSフォルダ
     は消去。BDMVフォルダ中
     にあるStreamフォルダ内の
     *.m2tsファイルが動画ファ
     イルだ。
    WinDVD8 for I-O DATAで
     再生可能で、オーディオの
     選択も可能。
    WMP11, DivX Player6.7で
     も再生可能だが、音声が
     多重となってしまう。
    GOM Player2.1, SMPlayer
     0.562, VLC Media Player
     0.86やMedia Player Class
     ic6.49では再生出来なかっ
     た(詳細は こちらを参照)。
 
追記(2010.05.24)
   
最近のAny DVD HD情報については、「DVDコピー・バックアップ小技全集」記事を参照。
    バージョン6.6.3.4で、AACS MKB V17に対応。
    バージョン6.6.4.2の正式版でも、BD版アバターのBD+プロテクト解除に対応。

  DVDfab HD Decrypter(フリー版)
  DVDFab HD Decrypterは、DVDコピーソフトのDVDFabのフリーウェアバージョン。
  従来の DVDFab Decrypter の機能に加え、HD-DVD及びBlu-Ray ディスクにも対応。
  DVDディスクの全て(フルディスクコピー)、又は本編のみなどタイトルを選択してDVDをハード
    ディスクにコピーすることが可能。
    CSS, AACS等のプロテクトを解読しDVDをハードディスクにコピーする事が出来るので、DVD,
    HD-DVD, Blu-Rayのコピー作業に適している。
  機能  
   : DVD, HD-DVD, Blu-Ray をハードディスクにコピー。
   : DVDファイルまたはISOイメージファイルで保存。
   : DVDのプロテクト(CSS, RC, RCE, APS, UOPs, Sony ARccOS)を解除
   : HD-DVD, Blu-Ray のプロテクト(AACS)を解除

  今回は、DVDFab HD Decrypter 4.0.6.2を試用した(ここから入手)。
  結果:今回の作品のBlu-rayディスクを認識出来なかった。
 
   <参考2>
     同じGGW-H20Nを搭載したI-O DATA製の外付けドライブ:BRD-UXH6を使用した報告でも、
     DVDFab HD DecrypterでBlu-rayビデオをリッピング出来ず、旧型のBRD-AM2SBでは
     可能だったと云う。
    残念ながら、DVDFab HD Decrypterは現時点では、DVDビデオの作品に未対応というよ
     りも対応するドライブの機種が少ないようだ?
 
  DVDFab Blu-ray to Blu-ray 7.0.4.0については下記の追記を参照。

  FreeDVD Decrypter(フリーソフト)
  Free DVD Decrypter はDVDビデオをパソコンのハードディスクにコピーするソフトで、DVDビデオ
  をDVDフォルダ(VIDEO_TS)でPCにリッピング可能。 

  機能
   : DVD, HD-DVD, Blu-Ray をハードディスクにコピー
   : DVDファイルで保存

  今回は、Free DVD Decrypter 1.2.3.1を試用した(ここから入手)。
  手順
   初期設定では、言語に日本語を
   選択する以外に設定する箇所は
   全く無い。
   DVD読み込み元で該当ドライブを
   選択する。
   保存先フォルダを指定して、
   「PCに保存」ボタンをクリックする
    と、
   読み込みが開始されて、約70分
   位で完了した。
  結果
   余分な空のVIDEO_TSとAUDIO
   _TSが作成されるが、
   オリジナルがそのままコピーされ
   るだけで、プロテクトの解除はさ
   れておらず、
   WinDVD8 for I-O DATAで再生
   出来なかった。
  
追加
  MakeMKV(フリーソフト)
  こちらのMakeMKVはBlu-rayのリピング変換ソフトを参照。

       
II. Blu-rayビデオの圧縮及び分割ソフト
    Blu-rayビデオの圧縮及び分割ソフトは、⇒BD RebuilderはBlu-rayビデオの圧縮ソフト
      のBD RebuilderBlu-ray to DVD Expressを参照。


III. Blu-rayディスクのライティングソフト
    「Blu-rayディスクのライティングソフト」は   ⇒ こちらに独立させました。


 <参考>Blu-ray ISOイメージファイルの作成と再生
  AnyDVD HDでリッピングした作品をImgBurnで .isoファイルを作成して、
  Alcohol 52%を用いて仮想ドライブで動作させること可能かどうか試してみた。
   残念ながら、 .isoファイルをマウントする事は出来ても、何故か?WinDVD8 for I-O DATA
     再生出来なかった。
   しかしその後の検討で修正が必要となった⇒Blu-ray ISOイメージファイルの作成と再生

     を参照。


追記(2010.05.24)
  DVDFab Blu-ray to Blu-ray 7.0.4.0 (シェアウェア、72.80USドル+α+β)
  DVDFabは、CSSプロテクト、リージョンコード(RC), 拡張リージョンコード(RCE), アナログプロテ
   クションシステム(APS),ユーザ操作制御(UOP), Sony ARccOSといったDVDのプロテクトを解
   除。Blu-rayディスクに使われるAACSのプロテクト解除にも対応している。
    v5.3.2.2辺りから本格的にBlu-rayのリッピング機能が充実しAACS V12に対応、v6.2.18でBD+
   にも対応し、v7.0.4.0でAACS V17に対応した。
    なお、フリー版DVDFab HD DecrypterはBlu-rayのリップ機能を搭載していない。
   最近の仕様では、1)メニュー特典映像を含めたBDのリッピング、2)本編の抜き出し、3)不要な
    音声と字幕の削除、4)映像のトランスコード(圧縮)、5)HD音声のダウンコンバートが可能。
  今回は、DVDFab 7.0.4.0を試用した(こちらから入手)。
   試用期限が超過しても共通設定をデフォルトにすると復活する事が出来ると云うが、残念なが
   らBlu-rayのリップ機能は復活出来ない。
  インストール時に「VSO burning engine」のインストールを促す画面が表示されるが、ライティング
   に ImgBurnを使用するなら不要。
  DVDFab.exeを立ち上げると「DVDFabへようこそ」というスタートメニューが表示される。
   現バージョンのBlu-rayリップ機能は30 日間だけ試用可能(下図では、June 22 2010迄)とな
   っている。
 
  「DVDFabを起動する」ボタンをクリックすると、DVDFabのメイン画面が表示される。
 
   最初に、画面右上の ボタンをクリックし、「共通設定」画面を呼び出して以下の如く、
    リッピングに失敗した時の対処法「DVDFab HD Decrypter」
    DVD Fab HD Decrypterの設定とFAQ
    を参考に設定した。
   全般:出力ディレクトリと作業ディレクトリを空き容量が十分な場所に変更。
      「最新バージョンを自動的に確認する」と
      「出力ディレクトリのサブフォルダにファイルを作成する」のチェックを外す。
 
   プロテクト>DVD:「2-西ヨーロッパ、日本、南アフリカ」に変更。
    「APS(Analog Protection system)を除去..」と「レイヤーブレークを除去..」のチェックを外す。
 
   プロテクト>Blu-ray:「A - North America, Central America, South America, ...」に変更
 
   Blu-ray to Blu-ray:Blu-rayの映像をトランスコード(圧縮)する際に設定を行う。
    全くトランスコードしない場合は「BD50」を、25GBメディアサイズに圧縮する場合は「BD25
      1080P」を選択。DVDサイズ(BD5は単一層ディスク、BD9は二重層ディスク)にトランスコ
      ードする事も可能。
 
  プレビュー:PDVD8に変更、    
   PathPlayer:「PathPlayerを無効にする」又は「必要に応じてPathPlayerを有効」に変更。
    *現バージョンでは、特典映像を削除してしまうバグがある為、無効にしておくのが無難と。
  画面右下の「OK」ボタンをクリックし、設定画面を閉じると、再起動を促すダイアログが表示
    されるので、「DVDFab.exe」 を再起動させる。
  Blu-rayディスクをドライブに挿入。
   今回は、Blu-rayビデオ作品A(片面2層、容量
    23.9GB、本編80分)を使用した。
   「Specify the DVD disc's region code 」という
   ダイアログ が表示されたら
   「A - North America, Central America, South
   America, ...」を選択する。
  「Blu-rayから Blu-ray」を試用する事となる。4つのリッピングモードから選択する。
    「出力先」欄で、データの出力先フォルダを指定(今回は ISO形式で出力)する。
    「メインムービー」を選択すると、特定のタイトルやチャプター のみをリッピングする事が可能
     となるが(タイトル、音声トラック、字幕トラックを選別する)、DVDのようにメニューを残して
     特典映像だけを取り除く事は出来ず、メニューは削除されてしまう。
 
  今回は、「ディスク全体」でリッピングし、データを ISO イメージファイルとして出力した。
 
   「作業完了!」 というダイアログが表示されたらリッピング完了。
  結果
    23.9GBのリッピング・コピーに約31分、ISOファイルの作成に約 8分、合計 39分で完了。
 
追記(2010.05.24)
  DVDFab Passkey 7.0.2.1 Beta
  DVDFab Passkeyは、AnyDVD HDのようにタスクトレイに常駐し、光学ドライブにセットされた
   映画BDや映画DVDのプロテクトを自動で解除。MKB v16とBD+にも対応していると云う。
    現時点ではベータ版のみで無料使用可能が、ナッ何んと試用期間は2ヶ月間(下図では、
     July 20 2010迄)となっている。
   今回はDVDFab Passkey 7.0.2.1 Betaここから入手)を試用した。日本語化はこちらから
    dvdfabpasskey7011beta_jp.zip(7.0.2.1 Betaまでの対応確認済み)を入手。
   DVDFabPasskey.exeを立ち上げると 「DVDFab Passkeyへようこそ」画面が表示される。
 
   「DVDFab Passkeyの開始」ボタンをクリックすると、タスクトレイに常駐する。
   Blu-rayディスクをドライブに挿入する。
    今回は、Blu-rayビデオ作品A(片面2層、容量 23.9GB、本編80分)を使用した。
    すると、リージョンコードを指定する画面が表示される。
    「A-北アメリカ...日本..」を選択してOKすると、プロテクトが解除された故が表示される。
 
 

   BD+/AACS等が削除される →
 今回の場合、設定のInfoでは
  AACS (Advanced Access Content
  System) protection is removed!
  BD+ protection is not found.
   ドライブの素材は直接コピー/再生が可能となっているので、ImgBurnでISOイメージファイルの
   
作成やBD Rebuilderで圧縮・再構築が可能。

 結果
    ImgBurnで23.9GBのBD作品を ISOイメージファイルへリッピング・変換したところ、
    Read Speed (Data/Audio): MAX / 8xにて実行し、27分34秒で完了。
    Average Read Rate: 15,169 KB/s (3.4x) - Maximum Read Rate: 23,840 KB/s (5.3x)だった。
  
補足(2011.09.xx)
 DVDFab 8 Qtでブルーレイ 3Dのリッピング
 ⇒ こちらの新規ページを参照。

注意
このページでは、AACS解除プログラムの有効性を検証することを目的に記述しました。
「DRMなどのアクセスコントロールを解除する行為」に対する具体的な法規定は現在ありませんが、技術
的保護手段の回避(「不正競争防止法違反」)に該当する可能性もあり、営業上の利益侵害で損害賠償
の対象となる場合もありますので、私的な利用以外は厳禁です。
ここに記述されている内容を利用することで発生したいかなる問題に対しても筆者は責任を負いません。
自己責任にてお願い致します。


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