DVDFab 8 Qtでブルーレイ3Dのリッピング

DVDFab 8 Qtでブルーレイ3Dのリッピング

次世代Blu-ray 3Dソフトのプロテクトを解除してコピーする事は可能か
(2011.09.04作成)
東芝の裸眼3D立体視表示が可能なノートPC「dynabook Qosmio T851」を購入したのを契
  機に、最近のDVDFab 8はBlu-rayディスクに3D録画された映画のリッピングとバックア
  ップに対応していると云うので検証してみた。
  DVDFab Blu-ray Copy
  DVDFab Blu-ray 3D Ripper
  DVDFab 2D to 3D Converter
マシン環境
 Qosmio T851のマシンスペックは こちらを参照。
  Core i5-2410M (2.30GHz)、PC3-10600(8GB)、GeForce GT 540M
  ディスプレイは、本体15.6型ワイド(16:9) FHD TFTカラー Clear SuperView LED液晶
 外部ディスプレイには、Acerの3D対応PC液晶モニタ HS244HQ(HS244HQ bmii)を使用
 OSは、64 ビットWindows 7 Professional SP1
=検証したコーデック・DSフィルタ類の環境=
  Haali Media Splitter 1.11.96.14、ffdshow tryouts rev3785、MPC-FLV Splitter 1.3、
  AviSynth 2.5
  Win7DSFilterTweaker 4.5で、MP3 decoder以外はMicrosoftからffdshowへ変更した。
   但し、H.264とVC-1はffdshow(DXVA)に変更。
  TS無声再生の対策にDisable Media Fonudationをチェックする事(こちらを参照)はせ
   ず、C:\Windows\SysWOW64\のmfds.dll(12.0.7601.17514)を、こちらから入手した
   古いmfds.dll(12.0.7600.16385)に置換した(アクセス権の問題はこちらを参照)。
  QuickTime7.7、RealPlayer14.0、PowerDVD 11 Ultra

  DVDFab 8 Qtの構成
  DVDFabは、CSSプロテクト、リージョンコード(RC), 拡張リージョンコード(RCE), アナログプロテ
   クションシステム(APS),ユーザ操作制御(UOP), Sony ARccOSといったDVDのプロテクトを解
   除。Blu-rayディスクに使われるAACSのプロテクト解除にも対応している。
    v5.3.2.2辺りから本格的にBlu-rayのリッピング機能が充実しAACS V12に対応、v6.2.18でBD+
   にも対応し、v7.0.4.0でAACS V17に対応し、v8でCinaviaにも対応した。
   最近の仕様では、1)メニュー特典映像を含めたBDのリッピング、2)本編の抜き出し、3)不要な
    音声と字幕の削除、4)映像のトランスコード(圧縮)、3Dへの変換などが可能。
  今回は、DVDFab 8.1.1.2を試用した(こちらから入手)。
  DVDFab.exeを立ち上げると「DVDFabへようこそ」というスタートメニューが表示される。
   現バージョンのBlu-rayリップ機能は30 日間だけ試用可能(下図では、October 02 2011迄)と
   なっている。
 
 
「DVDFabを起動する」ボタンをクリックすると、DVDFabのメイン画面が表示される。
最初に、画面右上の ボタンをクリックし、「共通設定」画面を呼び出して別記の如く 設定変
 更を行った。
 DVDFab Blu-ray Copy 8.1.1.2 (5,700円)
本家「DVDFab Blu-ray コピー」の解説は、こちらを参照。
Blu-rayディスクをドライブに挿入。
 地域・言語を聞かれるので、そ
  のディスクに合った地域・言語
  「A - 北アメリカ, 中米, 南米,
  韓国, 日本,東南アジア」を選
  択する。
 ディスクの解析と読み込みが行
  われる。
「Blu-ray コピー」を試用する事となる。4つのリッピングモードから今回は「フルディスク」を選択。
 「出力先」欄で、データの出力先フォルダを指定(今回は ISO形式でリッピング)する。
 「How to copy Blu-ray 3D」欄で、3つのモードからシンプルに「Copy as Blu-ray 3D」を選択。
 なお、ボリュームラベルに使える文字は「_0123456789ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ」
  だけです。小文字や日本語を使わないようにと云う。
 
  <参考>「Convert to Blu-ray SBS 3D」について
     SBS:サイドバイサイド方式でも変換出来るようだが、幅Full/Halfを選択する箇所がない。
     圧縮を行う場合、ビデオの容量を節約するため、「HDオーディオを除去する」をチェック
     すると、
    (1) Dolby TrueHDをDolby AC3に、DTS-HD マスターオーディオをDTSに変換。
    (2)Cinavia(ビデオコンテンツの音声部分に電子透かしを埋め込む新しいプロテクト)除去。
    (3)minisoファイル(PowerDVD等で再生可能な独特なイメージファイルフォーマット)を作成。
    が可能となると云うのだが・・・変換途中でフリーズしてしまった。
 
 
  そこで圧縮せず、「HDオーディオを除去する」もチェックせずに実行してみたが、
 ・・・やはり、フルディスクのコピーでは3回試みたが途中で停止してしまった ?(゜_。)!
 
  DVDFabで変換機能を利用する場合は一つのタイトル、含める音声や字幕も一つしか
  選べないので、「メインムービー」を選択して取捨選択しておく必要があったようだ!
「開始」ボタンを押すと、コピーが進行する。
  「作業完了!」 というダイアログが表示されたら完了。
 
<成績>
 コピー完了迄に要した時間:1時間01分44秒
 Virtual CloneDriveでイメージファイルをマウントして再生
   Qosmio T851付属TOSHIBA Blu-ray Disc Playerでメニュー操作も含めて問題なく再生可能。
 マウントされたBDフォルダを展開して構成と本編ファイルを検討
  本編は 00800.m2tsファイルだが、サブファイルと思われるの大容量の00840.m2tsも存在する。
  なお、STREAMフォルダ内のSSIFフォルダ内に、SSIFファイル(動画ファイルを制御する3D要素
   ファイルで、メインのm2tsと差分のm2tsを インターリーブでイメージ化したファイル)を収納。
 
  PowerDVD 11 Ultraでは本編00800.m2tsは2D動画として再生可能だが、サブライルと思
   われる00840.m2tsは再生出来ない(このファイルは、MediaInfoでも解析出来ない)。
 
  SSIFファイルは、メインM2TSとサブM2TSを仮想的に一体化させて読み込ませてるファイル?
  サブのM2TSは差分ファイルなので、単独では再生出来ないのであろう(こちらの記事を参照)。
  本編00800.m2tsファイルのMediaInfo情報
   製品のブルーレイ 3Dソフト上では、プロテクトのため解析出来ないが、DVDFab Blu-ray Copy
   でコピーしたものは解析が可能となった(但しこのファイルの充分な解析能力を持っていない )。
 
  tsMuxeR GUI で本編00800.m2tsファイルを読み込んで情報をみると、映像トラック1個、音声
  トラック5個、字幕トラック10個から構成されていた。
 
  VLC media player 1.1.11で本編00800.m2tsファイルを再生してみても、2D動画として再生
  され音声 5個と字幕10個の切り替えが可能だった。
 
  *VLC media player以外のマルチメディアプレイヤーによる再生では、以下の如く SPlayerの
    みが全トラックの再生が可能だった。
   ・MPC-HC 1.5.2:再生不可!
   ・GOM Player 2.1.30: 映像の描画不可!音声トラック 5個、字幕トラックを認識出来ず。
   ・SMPlayer 0.6.9:音声トラック 5個あるも、字幕トラックを認識出来ず無しとなってしまう。
   ・KMPayer 3.0.0:音声トラックが 4個となってしまう。字幕トラックの選択が2個しか出来ず。
   ・SPlayer 3.7(日本語版なし):音声トラック 5個でプロパティーも表示可能。字幕トラック10
    個で切り替え可能 。
 
   ・UMPlayer 0.95:音声トラック 5個。字幕トラック10個認識するも何故か切り替え出来ない。
      なお、UMPlayerはこのファイルではシークバー操作が出来ない。
 
 <追加検証>
   別のBlu-ray 3Dタイトル[「AVATER」を同様にコピーして、本編のM2TSファイル(tsMuxeR
   GUI では映像トラック 1個、音声トラック 3個と字幕トラック10個から構成)を再生したところ、
    SPlayer のみが全トラックの再生が可能だった。
   ・VLC media player 1.1.11:ナッ何んと!万能のVLCがこのタイトルは再生出来ない ?(゜_。)?
   ・MPC-HC 1.5.2:音声はEnglishのみ。字幕トラックは認識出来ず無し。
   ・GOM Player 2.1.30:音声トラック 3個。字幕トラックは認識出来ない。
    ・SMPlayer 0.6.9:音声トラック 3個。字幕トラックは認識出来ない。
    ・KMPayer 3.0.0:音声トラックが 2個となってしまう。字幕トラックは認識出来ない。
    ・SPlayer 3.7:音声トラック 3個でプロパティー表示可能。字幕トラック10個で切り替え可能。
    ・UMPlayer 0.95:音声トラック 3個。字幕トラック10個認識するも何故か切り替え出来ない。
      シークバー操作不可。
 
  TMPGEnc 4.0 XPress等の編集・変換ソフトで2D動画として編集が可能となるが、多言語・
  多重字幕なのでtsMuxeR GUI で取捨選択しておいてから扱った方が良い。
  *現状ではPC上で3D映像のまま編集して、3Dのブルーレイビデオディスクとして保存出来
   るコンシューマ向け動画編集ソフトなる物は、3Dビデオカメラ付属のPC用ソフトも含めて
   存在しない。

 
 DVDFab Blu-ray 3D Ripper 8.1.1.2 (4,750円)
本家「DVDFab 3Dブルーレイリッピング」の解説は、こちらを参照。
リッピングは、コンテンツをリッピングと同時に別形式に変換する機能。
「DVDFabを起動する」ボタンをクリックすると、DVDFabのメイン画面が表示される。
Blu-ray 3Dディスクをドライブに挿入すると、解析と読み込みが行われる。
「3Dブルーレイリッピング」を試用する事となる。
  6つの変換形式(MKV, AVI , MP4, WMV,M2TS, TS)から今回は「MP4変換」を選択。
  すると、プロフィールファイルは [mp4.h264.aac.3D]となる。
 「出力先」欄で、データの出力先フォルダを指定する。
 DVDFabで変換機能を利用する場合は、タイトル、音声、字幕、全て1つしか選べません。
  MP4やMKVは複数の音声・動画を含める事が可能な筈ですが、DVDFabでは含める音
  声や字幕も一つしか選べないようです。と云う(ぼくんちのTV別館さんを参照)。
 今回は、本編ファイルのタイトル800のみを選択した。
 
   オーディオ言語にはJapaneseを選択して、字幕は無しとした。
 
 
 プロフィールの「編集」ボタンをクリックすると「変換設定」画面が表示される。
  映像の解像度・ビットレートや音声のチャンネル等を変更する事が可能だが、今回は初期
  設定のままとした(音声形式を 5.1chにすると結構な確率で無音になると云うのだが・・・)
 
 「動画効果設定」ボタンをクリックして3D変換方式を設定する。
  アナグリフ、サイドバイサイド(左右)、トップボトム形式で出力可能だが、今回は [左/右(
  サイドバイサイド)]の幅は 「一半(50%)」とした。
 
「開始」ボタンを押すと、リッピングと3D変換が進行する。
  「作業完了!」 というダイアログが表示されたら完了。
 
<成績>
 リッピング(変換)の完了迄に要した時間:1時間47分53秒
  MediaInfoファイル情報
 
  VLC media playerでサイドバイサイドの2D動画として無声とはならずに再生可能。
 
 Qosmio T851付属のTOSHIBA Blu-ray Disc Playerでは何故か再生出来ない ?(゜_。)?
  PowerDVD 11 Ultraでは、HS244HQモニターで3D再生可能だ。

補足
 DVDFab 2D to 3D Converter 8.1.1.2 (5,700円)
本家「DVDFab 2D 3D変換」の解説は、こちらを参照。
アナグリフ、サイドバイサイド(左右)、トップボトム形式でMP4/AVI/MKV/FLVに変換する
 事が出来るようになっている。
「DVDFabを起動する」ボタンをクリックすると、DVDFabのメイン画面が表示される。
「動画変換」を試用する事となる。
サポートする動画ファイルは、*.3gp *.3g2 *.avi *.divx *.flv *.m2ts *.mts *.mov *.mp4
  *.m4v *.mpeg *.mpg *.dat *.mkv *.ogm *.rmvb *.rm *.ts *.vob *.wmv *.asf *.dvr-ms
  と多形式に対応しているのだが、多くの制限があり(成績参照)、筆者愛用のXacti DMX
  -HD1000で撮影したMP4ビデオは利用出来なかった。仕方なく、

 今回はMPEG1, MPEG2とVOBファイルを読み込んでバッチ変換する事とする。
変換プロフィールには、各種携帯用再生機器用と6つのファイル形式への変換が用意され
 ているが、これらのうち 「2D 3D変換」欄にチェックが可能なのはMP4、AVI、MKVとFLV
 変換に限られる(WMV変換は未対応)。
 
 今回は「MP4変換」を選択。
  すると、プロフィールファイルは [generic.mp4.h264.aac]となる。
 「出力先」欄で、データの出力先フォルダを指定する。
 
 プロフィールの「編集」ボタンをクリックすると「変換設定」画面が表示される。
  映像の解像度・ビットレートや音声のチャンネル等を変更する事が可能だが、今回は初期設定
  のままH.264_AACで変換とした(解像度は元素材と同じに自動設定される)。
  なお、ぼくんちのTV別館さんによれば、音声形式はステレオが無難。5.1chにすると結構な確
  率で無音になりますと云うので、HDC-SD9で撮影したビデオはステレオに変更した。
 
 「動画効果設定」ボタンをクリックして3D変換方式を設定する。
  アナグリフ形式とサイドバイサイドの水平/垂直形式への出力が可能だが、今回は [左/右(
  サイドバイサイド)]の幅は [一半(50%)]とした。
  ゲイン:8、視覚の深さ:254の初期設定のままとした。
 
 「キューを開く」ボタンをクリックすると、「モバイルタスクキュー」画面が表示されるの
 で、確認する。
 
メイン画面に戻って、「開始」ボタンを押すと、3D変換が進行する。
  「作業完了!」 というダイアログが表示されたら完了。
 
<成績>
 出力されたMP4(H.264_AAC) 3Dファイルの再生
  Qosmio T851付属のTOSHIBA Blu-ray Disc Playerでは何故か再生出来ない ?(゜_。)?
  PowerDVD 11 Ultraでは、HS244HQモニターで3D再生可能だ。
  VLC media player等の2D再生プレイヤーではサイドバイサイドの2D動画として再生可能。
 対応ファイル形式
  上記設定と同じ [左/右(サイドバイサイド9]の [一半(50%)]でMP4 3D変換した場合を検証。
  NSV, WebMはそもそも未対応だが、
  FLVは
いずれの圧縮形式(Sorenson, VP6, H.264)でも何故か?読み込もうとするとクラ
   ッシュしてしまう。

  AVI: DivX6.8/XviD/MsMPEG4v2_MP3は可能だが、BI-RGB/HFYU_PCMは変換不可。
  DivX6.11_MP3_DIVX: 可能。
  MKV: DivX5.21/XviD2.1_Vorbisは可能だが、H.264_AAC/AC3は変換不可。
  MOV: SVQ3_QDM2は無声なら変換可能だが、H264_AACは変換不可。
  MP4: H264/ISMAMPEG4_AACいずれも変換エラーとなってしまう。
   ナッ何んと!筆者愛用のXacti DMX-HD1000で撮影したビデオは利用出来ない Y (>_<、)Y
  MPEG: MPEG1/MPEG2_MP2は可能だが、MPEG2_AC3のVOBは無声変換となってしまう。
  M2TS/TS:
    H.264_AC3; 2D Blu-rayビデオからのリップ映像は可能だが、Panasonic製HDC-SD9
    撮影したビデオは無声変換。録画した地デジをHGモードでダビングした番組は無声
    で立体視不可。
    MPEG2_AAC;録画した地デジをDRモードでダビングした番組は無声、変換途中で停止。
  TS: PT1で録画したTS(MPEG2_AAC)は変換不可。
  OGM: DivX5.21/XviD2.1_Vorbisは可能だが、Theora_Vorbisは読み込み不可。
  WMV9_WMA9: 無声変換、途中で停止。
  RV10_RA8: 無声で変換。
  なお、無声変換されてしまった場合には、再度「変換設定」で音声形式が5.1chになって
    いない事を確認した。
 
 <備考1>
   MPEG2を素材としてMP4以外の形式にサイドバイサイドの3D変換した場合の検討では、
    MKV(H.264_AAC)、AVI (DivX5_MP2)、FLV(Sorenson_MP3)に変換され、いずれも
    PowerDVD 11 UltraではHS244HQモニターで立体視可能だった。
 <備考2>
   バッチ変換は同じプロフィールの場合に限られる。複数のファイルを各々別々のプロフィ
   ールで設定・登録する事が出来ない仕様になっている。
 <備考3>
  アナグリフ出力ではプロフィールファイルに、red/cyan, green/magenta, amber/blueの
   monochrome, half color, full color, high quality Dublois等のプロファイルがあり、
   通常のアナグリフ赤青3Dメガネ用途には”red/cyanのfull color”を使用する。


注意
このページでは、AACS解除プログラムの有効性を検証することを目的に記述しました。
「DRMなどのアクセスコントロールを解除する行為」に対する具体的な法規定は現在ありませんが、技術
的保護手段の回避(「不正競争防止法違反」)に該当する可能性もあり、営業上の利益侵害で損害賠償
の対象となる場合もありますので、私的な利用以外は厳禁です。
ここに記述されている内容を利用することで発生したいかなる問題に対しても筆者は責任を負いません。
自己責任にてお願い致します。



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