MakeMKVはBlu-rayのリピング変換ソフト

MakeMKVはBlu-rayのリピング変換ソフト

MakeMKVでBlu-rayビデオから変換したH.264_AC3圧縮MKVファイルとは
(2009.05.07作成, 09.05.13更新)

MakeMKV

MakeMKV は Blu-ray DiscやDVDをリッピングして、MKV形式に変換(多重化)するツール。
    
MakeMKVは、所有のビデオを何処でも再生可能な特許に束縛されないフリーな形式に変
     換するワンクリックソフトウェアで、別名「トランスコーダ」と呼ばれるフォーマット変換ツール
     です。
    特記事項は、ほとんどの情報を変更することなく保存したまま、特許で保護された(通常、    
     暗号化された)ディスクのビデオクリップから1セットのMKVファイルに変換する事にあります。
    MKV形式は、すべてのメタ情報を保持したまま複数のビデオ/オーディオトラックやチャプタ
     を保存する事が可能です。 MKVファイルは全てのプラットホームで再生可能な多くのプレ
     イヤーが存在し、DVDやBlu-rayディスクも含め多くの形式に変換するためのツールも存在
     します。
   <機能>
     
・DVD、Blu-ray及びHD-DVDディスクの読み込み
     
リージョン制限を無視。
     
全てのビデオとオーディオトラックを保存
     
チャプタ情報を保存
     
全てのメタ情報(トラック言語とオーディオタイプ)を保存
     
速い変換--ドライブがデータを読むと同じくらい速く変換
     
変換や復号化に他のソフトの追加は不必要
     
Functionality to open DVD discs is free and willl always stay free.
       DVDディスクを開く事は可能だが、常駐するわけではない・・違訳か?
     
全ての機能(Blu-ray復号化と処理を含む)はBETA版の間は無料
   以上は、公式サイトの説明文の直訳
 
 MakeMKVの入手とインストール
   今回は、MakeMKV v1.4.2beta を試用した(こちらから入手)。
     ベータ版の間は無料で提供とあるので、正式版を出したら有料となるのであろうか・・・
  
追記(2010.05.xx)
    MakeMKVは、ベータ版にも拘らず試用期限があってしかも短期間となってしまった。
    その経過は、「五十六億七千万の夜」さんのブログ「MakeMKV」に詳しく記載されている。
   インストールで迷うところは無い。
 素材
    Blu-rayビデオ作品A(片面2層、容量23.9GB、本編80分)及び作品B(片面2層、容量46.1GB、
     本編116分)を素材とした。
 操作手順
   1)MakeMKVを起動して、ディスクをドライブに挿入する。
    以下、Blu-rayビデオ作品Aの場合を例に提示する。
    *本ソフトはBlu-ray ISOファイルの読み込みは可能だが、BDMVフォルダや個々のM2TSフ
      ァイルを読み込む事は出来ない。
   2)「Open Blu-ray disc」ボタンをクリックすると、
    AV clips→Processing movie playlists→Decrypting→Processing titles
    の経過で、Blu-rayビデオ作品の解析が行われる(約7〜8分かかる)。
    解析欄にTitle>Video、Audio、Subtitlesの結果が示される(Titleに番号が付加され
      ておらず、特典等は選別し難い。ログの
      "File 00320.m2ts was added title #75"
      等で確認するしかない )。
    ログには、
     Optionの初期設定では、120秒(2分)以内
      のタイトルはスキップする設定となっており
      (右図、2秒以下の設定は不可)、その故
      が表示される。又、
     Beta版は、LPCM、multi-angleには対応し
      ていないのでスキップした故が表示される。
    今回はタイトルやトラックの選択をせず、試験的に全部チェックしたままリッピングする事と
     する(が、メニューファイルや字幕ファイルをリッピングしてもメリットはない)。
   3)メイン画面右上の「Make MKV」ボタンをクリックすると、リッピングとMKVファイルへの変換
     が開始される。
   今回の作品(本編1時間20分)のリッピング・変換には、1時間強かかった。
  結果
   1)リッピング・変換が完了すると、指定したフォルダにタイトル毎にtitle00.mkv、title01.mkv...
     計14個のMKVファイルが作成された。今回の作品の場合は、title00.mkvが本編だ。
     ”a set of MKV files にconvert(1セットのMKVファイルに変換)”とは、こんな事だったのだ
    ・・・メニュー等付きのMKVファイルに構築されるのではないのだ。
   2)本編動画ファイルのメディア情報を MediaInfo GUI 0.7.14betaで解析
    元素材m2tsファイルのメディア情報
    変換後 title00.mkvファイルのメディア情報
       再エンコードなしで変換(多重化)すると云う事なのだが・・ビデオのビットレートは29.7
          Mbps→21.0Mbpsに変更されている?
       音声LPCMには対応していないので、DD 3/2+1=AC3が利用されている。
       字幕はPGSからS_HDMV/PGSとなっている?
   3)MakeMKVで変換後の本編 title00.mkvファイルの再生
    PCでの視聴
     Windows Media Player11は、筆者の自前環境(2009年04月末)では、
      Haali Media Splitter1.7.62.21とffdshow tryouts rev2787(H.264/AVC、AC3有効)により、
      今回の本編ファイルは幸運にも再生可能だったが、言語の選択は出来ない。
      一方、Windows7β及びRC版のWMPlayer12は、言語の選択も可能と進化している
      但し、WMPlayerは作品Bの本編ファイルの場合は途中で停止する等、四カ国言語のトラック
       を有するこの種のMKVファイルを必ずしも再生出来ない。
     MPC HomeCinema1.1.604は、いずれも再生出来ない。
     追記・訂正(2009.05.13)
        
DirectShow依存プレイヤーの惨憺たる成績は、バージョン1.7.62.21(備考2 の理由で筆
        者が好んで使用)のHaali Media Splitterが、不運にもこのMKVファイルに上手く対応
        
いなかった為であった (-_-;)
        他のバージョンを用いれば、以下の如く再生可能だ …但し無論、WMPlayer12でなけれ
        ば言語選択は出来ない。
Windows Media Player(11.0.6001)
Haali Media Splitterのバージョン
1.6.224.23
1.7.62.21
1.8.122.18
1.9.42.1
 作品Aの本編由来MKVファイル
 作品Bの本編由来MKVファイル
×
描画不可
 作品Bの特典由来MKVファイル

描画不調
MPC Homecinema(1.1.604.0)*注意
 作品Aの本編由来MKVファイル
×
途中停止
 作品Bの本編由来MKVファイル
×
途中停止
 作品Bの特典由来MKVファイル
×
描画不可
       *注意MPC Homecinemaの初期設定では、動画再生支援機能が有効になって
             おらず、
シーン変換時に極々短時間描画が乱れて再生される。
          <対策>
           「表示」メニュー「オプション」の「再生」>「出力」の「DirectShowビデオ」で、
             WindowsXPなら「VMR7(ウインドウ)」を、Vistaなら「EVR(Vista/.Net3」を選択。
           「オプション」の「内部フィルタ」>「変換フィルタ」で「H264/AVC(DXVA)」がチェック
              されている事を確認。
       <備考1>TMPGEnc 4.0 XPress 4.7.1.284によるこの種のMKVファイルの変換も、
         Haali Media Splitter 1.7.62.21の環境では上手く映像の描画・変換が出来なかった。
         1.9.42.1を用いれば映像の変換は問題なく可能だが、本ソフトは二ヶ国語言語に対応
         するも四カ国言語のトラックを有する今回のファイルの言語を選別する事は出来ない。
       <備考2>Haali Media Splitterアップデートに伴うHDC-SD9再利用への危惧
          Haali Media Splitterのバージョンを1.7.62.21→v1.9.42.1に変更する事によって、
          MainConcept MPEG DemultiplexerでスプリットされていたMPEG2-TS動画(特に、
          筆者が常用しているPanasonic製HDC-SD9カメラのHGモードで撮影してムーブした
          H.264_AC3.m2ts:HDC-SD9ファイル)の編集・変換ソフトの使用に不都合が発生し
          ないか危惧が生じたので、検証した。
          幸い、下記ソフトのHDC-SD9ファイルの利用には悪影響はなかった。
             Corel VideoStudio12 Plus、AviUtl、VirtualDubMod、TMPGEnc Plus2.5、
             TMPGEnc4.0 XPress、A's Video Converter、Easy RealMedia Producer、
             NSV Batch Encoder、DVDforger、H264TS_Cutter
           しかし、Windowsムービーメーカー6.0とWindowsDVDメーカー6.1では、
            HDC-SD9ファイルを読み込む事すら
出来なくってしまう Y (>_<、)Y
           
 但し、利用したい場合はHaali Media Splitterをアンインストールすれば、直ちに
            利用可能となる。インストール⇔アンインストールは数秒で実行可能で直ちに
            反映されるので、不都合を承知していれば対応可能だ。
       <備考3>Windows7RC版Windows Media PlayerのMPEG2-TS再生に不具合
          が発生!

           Haali Media Splitterのバージョンを1.7.62.21→v1.9.42.1に変更する事によって、
           Windows7RC版のWindows Media Player(12.0.7100)でMPEG2-TSファイルを再生
           すると、Haali Media Splitterが使用されるようになりそれがアダとなってしばしば
           
ハングアップししまう Y (>_<、)Y・・・
           現時点で、MakeMKVで作成したMKVファイルとMPEG2-TSファイルとを 同時に上
           手く Windows Media Player12で再生させる環境を構築出来ない!!
           
     VLC media player0.99 、GOM Player2.1.1、SMPlayer0.6.7及びKMPlayer2.9.4は、
      自前のコーデックで再生する事が可能で、言語を選択する事も可能だ \(^o^)/
      右図は、VLCでのオーディオトラックを表示。
      再生開始時に、
      ”No suitable decoder module:
       VLCはこのオーディオ/ビデオ形式「undf」
       をサポートしていません。残念ながらこれ
       を修正する方法はありません。”
       とエラー表示されるが、字幕以外は問題
       なく視聴可能だ。


     
なお、PowerDVD8 Ultra(b8.0.2217)や
       WinDVD8 for I-O DATA (b09.597)は、
       再生不可。
    TVでの鑑賞
      PLAYSTATION 3でパソコン内にある
      title00.mkvファイルを再生(こちらを参照)
       PS3 Media Serverによるネット経由では、MEncoderにより言語トラック別/字幕言語別
       に各々のMPEG-2にTRANSCODEされて再生が可能となる \(^o^)/
       図の旗印は字幕の国由来の国旗が示されているが、字幕を表示出来ない。
    即ち、いずれのプレイヤーでも S_HDMV/PGSの字幕を表示する事は出来なかった。
  <参考>tsMuxeR GUIで title00.mkvを BDMV化
    変換した title00.mkvファイルを tsMuxeR GUI に登録する。
    残念ながら、S_HDMV/PGSの字幕を読み込む事は出来ない。
    今回、言語は日本語のみを選択した。Outputは「Create Blu-ray disc」を選択し、保存先
     指定する。
    「Start muxing」ボタンをクリックすると、数分でBDMVにオーサリングされる。
    オーサリング後 00001.m2tsファイルのメディア情報
    ビデオのビットレートは21.4Mbpsで、title00.mkvの21.0Mbpsと大差ない。
    ⇒ImgBurnでBDMVフォルダをBD-REに書き込むか、ISOファイル化する。
  考察
    MakeMKVは、Blu-ray Discに採用されているコピープロテクトAACSの最新バージョンV12にも
     対応しているフリーの現時点では唯一のリッピングツール(ここを参照)。
    
追記(2010.05.xx)v1.5.6 Betaでは、AACS v17と BD+に対応している。
    再エンコードなしで多重化すると云うのだが、変換後のビデオのビットートが元素材と異なっ
     いたのは解せない(が、解析上では異なっても映像の劣化はないのかも知れない)。
    *変換項目の選択を本編のみ、日本語のみとし、字幕なしで実行しても、ビデオのビットレート
      は29.7Mbps→20.8Mbpsに変更されていた。
   作品と同様なメニューや特典を内包したMKVファイルに変換出来る訳ではない。
    *tsMuxeR GUI は、本ソフトでリッピングしたMKVファイルをメニューや特典付きでBDMVに再
      構築させる事は出来ない。
    従って、本編ファイルが複数に分散したBlu-rayビデオ作品Bの場合は利用価値が限られる。
     *UniteMovie 2.11でこのMKVファイルを一応無劣化で結合出来ても・・・
       Windows7RC版のWMPlayer12では、連続再生可能だが前のファイルに戻れない。
       VLCでは最初のファイルしか再生出来ない等 、不都合だ。
     *tsMuxeR GUI のappend機能を使用して、無劣化で本編ファイルを繋げれば体裁は整う。
    今後、DivXが採用した“DivX Plus”形式(こちらを参照)の進展?とともに、音声圧縮がVorbisで
      はない、映像圧縮H.264という特殊なMKVファイル動向が気になる。
追記(2009.05.13)
<備考3>MakeMKVで変換したMKVファイルの再利用
Blu-rayビデオ作品Bの一つの特典ファイルをDD 3/2+1日本語のみとし、字幕なしで
変換したMKVファイルについて、手持ちの動画編集・変換ソフトの対応状況を、
Haali Media Splitter1.9.42.1→ffdshow Video(H.264) Decoder+ffdshow Audio(AC3)
DecoderのWindows Vista環境下で検証した。
( 1)ほぼ問題なく利用可能なソフト
  
編集ソフト:
    AviUtl 0.99g4、VirtualDubMod 1.5.10.2(AviSynth/DirectShow。ここを参照)
    TMPGEnc2.5、TMPGEnc 4.0 XPress 4.7.1.284、Windowsムービーメーカー6.0、
  変換ソフト:
    Easy RealMedia Producer1.94、NSV Batch Encoder4/19/03、Mencoder_VP6 Set、
    A's Video Converter+Avivo Video Converter9.2、Dr.DivX 2.0 OSS
    MediaCoder 0.7.0b4396
  DVD作成ソフト:
    DVDforger 0.6.2a、DVD Flick 1.2.2.1
( 2)一部不具合あるも、利用可能なソフト
  Avidemux 2.4.4:編集時のプレビューの描画がイマイチ不安定だが、カット編集後の
    変換も無劣化での出力も可能。但し、無劣化での結合は上手く結合出来ていない。
    注意:変換する場合は音声フィルタのミキサーで「ステレオ」 を指定する事。
  SUPER c 2009.b35:MP4形式への変換はエラーとなってしまうが、AVI, MPEG2, WMV,
    MOV及びFLV形式への変換は可能。
  携帯動画変換君 0.34:映像の描画と色調にやや不調のあるファイルとなってしまう
    が、変換は可能
( 3)未対応ソフト  
  Corel VideoStudio12 Plus:読み込みすら出来ない
  WindowsDVDメ-カ-6:途中で書き込みエラーが発生して停止してしまう
  UniteMovie 2.11:一応結合出来るが、上手くがっておらず再生に不具合    


注意
このページでは、AACS解除プログラムの有効性を検証することを目的に記述しました。
「DRMなどのアクセスコントロールを解除する行為」に対する具体的な法規定は現在ありませんが、技術
的保護手段の回避(「不正競争防止法違反」)に該当する可能性もあり、営業上の利益侵害で損害賠償
の対象となる場合もありますので、私的な利用以外は厳禁です。
ここに記述されている内容を利用することで発生したいかなる問題に対しても筆者は責任を負いません。
自己責任にてお願い致します。



| Kenのムービー計画へ >動画狂コーナーへ |