無料のVista対応「仮想マシン」ソフト

無料のVista対応「仮想マシン」ソフト
Windows Vista に「仮想マシン」ソフトでWinXP環境を導入して、その優劣を比較
(2007.06.01作成, 07.06.05更新)
最近になって、商品ベースのWindows Vistaに対応する「VirtualPC」や「VMware Player」
「VirtualBox」の無償配布が行われ、一般PCユーザも手近かに「仮想マシン」ソフトで PC
エミュレーションすることが可能となった。
仮想マシンを使用する大きなメリットは、ホスト
OSから隔離された環境という「安全」を確保出
来る点 と仮想マシンはファイルなのでバックア
ップしておけば簡単に「復元」を行える点にある。
 「安全」はP2Pファイル共有ソフトの使用に、
 「復元」は試用期限付き高価ソフトの使用に
 好都合だ。
今回は、Windows Vista で対応出来ていない
動画系ソフト(ここを参照)を使用する事を目的
に、無料で利用可能な「仮想マシン」ソフトを
試用して、Windows XP環境を導入しその使い
勝手について比較してみた。
拡大表示へ
<参考>仮想マシン(VM: Virtual Machine)について
  仮想マシンとは、ここでは仮想化技術によって物理的なコンピュータを分割し、その中で
  独立したOSを持って動作する論理的なコンピュータのことをいう。
  一般に仮想マシンで使われる「ホストOS」とは、仮想マシンソフトをインストールしたOS&
  ハードウェアを指し、「ゲストOS」は仮想マシンにインストールされたOSのことを指す。
ホストのマシン環境
  Intel D945GNT、PentiumD830(3.0GHz)、DDR2-667, 1GBx2、GeForce 6600GT
  (VRAM 128MB)、OSは Windows Vista Ultimate に統一して比較した。
ゲスト環境
  ゲストOSのメモリー割り当て(512MB)、モニター設定、フォルダオプションの表示やシス
  テムのパフォーマンスは同じに設定し、セキュリティソフト等ほぼ同じソフトをインストー
  ルした。

Windows Vista対応無料「仮想マシン」ソフトの使い勝手の比較 (問題点は, ×で表示)

「仮想マシン」ソフト
 パラメータ
Virtual PC 2007
VMware Player 2.0
VirtualBox 1.3.8
 操作・設定方法
ここを参照
ここを参照   v3.0は
VMware Player 3.0の性能
ここを参照
 ゲストOS
Windows XP Home
Windows XP Professional
Windows XP Professional
 言 語
日本語に対応
英語
v3.0では日本語に対応
英語
v2.1.4では日本語に対応
 仮想マシン作成の
 難易度
シンプルで使い易い
VMware Server 1.0.3
等で作成する必要がある。
英語だが、作成法は容易
v3.0ではシンプルで容易
 英語だが、作成法は容易。
 登録記録は、マシンの作成
 場所とは異なったC:\User\
 ユーザー名\,VirtualBox
 保存されてしまう
 ゲストOS表示画面の
 操作性


 ■画面メニュー
  説明は画像をクリック
   して、ご覧さい。
ゲストOS表示画面へGo
↑画面をクリック
ゲストOS表示画面へGo
↑画面をクリック
ゲストOS表示画面へGo
↑画面をクリック
 ■全画面切り替え
右Alt+Enter
画面右上のアイコン
右Ctrl+F
 ■自動リサイズ
 フルスクリーン状態で終了
 すると、次回起動時に解
 像度が落ちてしまう
問題なし
問題なし
 パフォーマンス
  ■動画再生:体感速度
動作は緩慢

比較的快適
比較的快適
  ■ベンチマー
   クテスト
    ベンチマークテストをCrystalMark 2004R2ここから入手)を用いて実行した(数値が大いほど高速)。
    参考:ホストOSのベンチマークテストの成績
    結果:Virtual PC 2007はGDI もD2Dも劣等だ。VMware Player 2.0ではGDI もD2DもSo-Soだ。
        VirtualBox 1.3.8ではGDI は劣等だが、D2Dは良好だ。
       なお、ホストOSのD2DとOGLの描画性能は劣等で、使用したGeForce 6600GT(VRAM 128MB)
         を含めたハードウェアは、Windows Vistaには適していないようだ。
        *デュアルブートで使用しているWindows XPのベンチマークテストの成績を右に示した。

 ■動画変換:
   MPEG2を
   右へ変換
   するに必
   要な時間
  ( ):ホスト比
WMV
→RM
→DIVX
→MOV
11分07秒( x1.8)
10分02秒( x2.2)
05分18秒( x1.7)
21分27秒( x1.6)
10分18秒( x1.7)
09分39秒( x2.1)
05分03秒( x1.7)
22分46秒( x1.7)
10分05秒( x1.6)
10分11秒( x2.2)
05分25秒( x1.8)
22分28秒( x1.6)
   動画変換の方法:MPEG2(640x272)ファイルを各種フォーマット形式に変換するのに必要な時間
     を比較した。
      1)MOVへの変換に 2分04秒素材を用いた以外は、4分22秒素材を用いた。
      2)変換に用いたソフトは、
       WMV(WMV9_WMA9):TMPGEnc 3.0 XPress, RM(RV10_RA8):Easy RealMedia Producer,
       DIVX(DivX6.51_MP3):Dr.DivX 2.0 OSS, MOV(H.264_AAC):QuickTime7.04 Pro
      3)ファイルサイズの目標値は500kbpsとした(設定方法は別項参照)。
   参考:ホストOSで変換に必要な時間:
 WMV(WMV9_WMA9)へ変換
 06分08秒
 RM(RV10_RA8)へ変換
 04分32秒
 DIVX(DivX6.51_MP3)へ変換
 03分02秒
 MOV(H.264_AAC)へ変換
 13分38秒
   結果:ホストOSと比較した変換速度は、1.6〜2.2倍掛かり、動画再生時の体感速度とは異なり、
       不思議なほど三者間で大きな差異は認められなかった。
 
 ■Photoshopで画像
   処理に要する時間
   ( ):ホスト比
3分16秒( x4.7)
1分42秒( x2.4)
2分21秒( x3.4)
   画像処理の方法:Photoshop 5.5でNILS'Type Effectsのメタリック/オリエンタル効果を実行
    する(複数のフィルタ処理)に必要な時間を計測した。
   参考:ホストOSで処理に必要な時間:
0分42秒
   結果:VMware Player 2.0はSo-Soだが、Virtual PC 2007は劣等だった。
 
 USB機器への対応
未対応
 USB 2.0に対応したと云う
 のだが、
未対応となってし
 まうここの結果6)の
 追記を参照
 USB 2.0に対応していると
 云うのだが、その性能は
 イマイチ劣等だ
 
515MBの動画ファイル
  をUSB2接続型HDDに
  コピーするのに要する
  時間(通信速度)
該当せず
ゲストOS:1分40秒(41Mbps)
ゲストOS:3分05秒(22Mbps)
<参考>ホストOS:0分43秒(96Mbps)
<参考>USB2未対応Pentium4ノートPC
            :9分43秒(7Mbps)
 ドラッグ&ドロップ
 ファイル交換

 :ホスト・ゲストOS間
可能
可能
未対応


 共有フォルダ機能
 :ソフト独自の共有フォ
  ルダ機能の使い勝手
 GUI 操作で簡単に設定が
 可能

 共有フォルダ先をゲスト側
 から自由に変更可能
 Server1.0.3で作成した
 ままでは使用不可
 vmx ファイルの編集等の
 前準備を必要とする
 v3.0ではGUI 操作で簡単
 共有フォルダ先をゲスト側
 から自由に変更可能
 コマンドプロンプトを用いた
 CUI 操作で設定する必要
 がある
 ゲスト側から自由に共有
 フォルダ先を変更出来ない
 
v2.1.4ではGUI操作で可能と
  なった。
 
独自共有フォルダ内の
  対応する動画ファイル
  の再生(体感的評価)

 *WMPlayer:
  Windows Media Player
 *MediaPlayerC:
  Media Player Classic
WMPlayer 9
×
WMPlayer 6.4
Real Player 10.5
QuickTime Player7.04
Winamp 5.33
MediaPlayerC 6.4.9
MPlayer GUI 070226
DVD Workshop 1.2
WMPayer9で再生不可
再生パフォーマンス低下
特にMediaPlayerCは劣悪
WMPlayer 9
WMPlayer 6.4
Real Player 10.5
QuickTime Player7.04
Winamp 5.33
MediaPlayerC 6.4.9
MPlayer GUI 070226
DVD Workshop 1.2
\\.host\Shared Folders
選択して読み込んだ場合、
WMPayer9でも再生可能
WMPlayer 9
×
WMPlayer 6.4
Real Player 10.5
QuickTime Player7.04
Winamp 5.33
MediaPlayerC 6.4.9
MPlayer GUI 070226
DVD Workshop 1.2
×
WMPayer9で再生不可
何故か?DVD Workshop
はフリーズ使用出来ない
 Windows標準の
 ネットワーク共有機能
 Virtual Machine Network
 Services が導入されてホ
 ストとブリッジ接続が可能
 で、Windows標準のワーク
 グループ接続は容易
 VMware Bridge Protocol
 が導入されてホストとブリ
 ッジ接続が可能で、
 Windows標準のワークグ
 ループ接続は容易
 ホストとNAT接続しか出来
 ない為か、Windows標準の
 ワークグループ接続は不可
 LAN内の外部PCへの接続も
 IPアドレスでの指定が必要。
 v2.1.4ではワークグループ
 続
が可能となった
  ゲスト側の動画 515MB
  ファイルをホストにコピー
  した際の通信速度
ドラッグ&ドロップ: 98Mbps
ネットワーク共有 : 68Mbps
独自共有フォルダ:129Mbps
ドラッグ&ドロップ: 66Mbps
ネットワーク共有 : 76Mbps
独自共有フォルダ:126Mbps
ドラッグ&ドロップ: 不可
ネットワーク共有←劣悪だ
 \\192.168.1.xx: 23Mbps
 \\10.0.2.2接続: 32Mbps
v2.1.4での標準ワーク
 グループ接続 
: 90Mbps
独自共有フォルダ:153Mbps
  ゲストOSのDecryptItで
  ホストにあるGyaO番組
  ASFファイルのDRMを
  解除
   : 1時間38分番組の
    解除に要する時間
ネットワーク共有 :5分58秒
独自共有フォルダ:不可
 独自共有フォルダ経由では
 、WMPで再生出来ず、DRM
 の解除も不可
 Windows標準のワークグル
 ープ接続では可能

ネットワーク共有 :3分11秒
独自共有フォルダ:2分03秒
 Windows標準のワークグル
 ープ接続では無論の事、
 独自共有フォルダ経由でも
 DRMの解除が可能だ。
 しかも高速に解除可能だ

ネットワーク共有 :6分04秒
独自共有フォルダ:不可
 独自共有フォルダ経由では
 、WMPで再生出来ず、DRM
 の解除も不可
 ネットワーク共有経由では
 可能
 ホストOSドライブの
 自動再生機能
について
 ソフトの起動/終了に伴い、
 ホストドライブの自動再生
 は 停止/復活するように
 柔軟に対応している
 インストールすると強制的
 に無効となり、ソフトをアン
 インストールしても復活出
 来ない(v3.0でも同様)
 ソフトの起動/終了に伴い、
 ホストドライブの自動再生
 は 停止/復活するように
 柔軟に対応している

<要点>
  残念ながら、各々の仮想化ツールには一長一短あり、現時点で筆者が満足出来るソフトは無いが、
  動画用途のパフォーマンスとホスト OSとのファイル交換機能の観点からは、
  準備に手間を必要とするもVMware Server 1.0.3VMware Player 2.0のコンビがベターだ。
  但し、ホストOSドライブの自動再生機能を復活させる術を見出せない点に問題が残る。
 なお、オープンソースのQEMU on Windows 0.9.0も試用してみたが、劣悪な低仮想マシンスペック
   の為、評価に値せず比較しなかった(QEMU on Windows 0.9.0は・・・ を参照)。



<参考>笠原一輝のユビキタス情報局:Windows Vistaで使える仮想化ソフトを試す(前編後編)の前編から抜粋
Virtual PC 2007
VMWare
Workstation 6 β
Parallels
Workstation 2.2
VirtualBox
ベンダ
Microsoft
VMWare
Parallels
InnoTek
Systemberatung
ライセンス料
無料
現在βテスト中
49ドル
個人利用に
限りフリー
仮想マシン
スペック
CPU
VT-x
対応
64bitゲストOS時
一部対応
対応
対応
AMD-V
対応
-
対応
対応
仮想マシンプロセッサ数
1
2
1
1
BIOS
AMI BIOS
Phoenix BIOS
独自BIOS
独自BIOS
ビデオ
ビデオカード
Trio32/64 PCI
VGA/SVGA
VGA/SVGA
(VESA 3.0サポート)
VGA/SVGA
Direct3D
-
Direct3D 8準拠
(サポート対象外)
-
-
オーディオ
Sound Blaster 16
ISA Plug and Play
Sound Blaster
AudioPCI
AC'97
AC'97
Ethernet
DEC 21140A
10/100
AMD PCnet‐PCI II*1
RTL8029
AMD PCNet cards
USBサポート
-
1.1/2.0
1.1
対応
対応OS
ホストOS
Windows Vista(32bit)
Windows Vista(64bit)
-
-
ゲストOS
MS-DOS 6.2
(+Windows 3.1)
動作確認のみ
OS/2 Warp
-
OS/2 Warp 4
-
Windows 95
動作確認のみ
Windows 98
動作確認のみ
Windows 98 SE
動作確認のみ
Windows Me
動作確認のみ
Windows NT 4.0
Workstation
Windows 2000
Windows XP(32bit)
Windows XP(64bit)
-
-
-
Windows Vista(32bit)
△(サポート対象外)
Windows Vista(64bit)
-
△(サポート対象外)
-
-
Linux
対応予定あり



| Kenのムービー計画へ >動画狂コーナーへ |