Mac OS X環境でMPEG-4 AVC/H.264動画の再利用

Mac OS X環境でMPEG-4 AVC/H.264動画の再利用
 
avc1Decoderを導入すると、QickTimeエンジンを応用した動画ソフトの多くで
Xacti DMX-HD1000で撮影したFull-HDファイルの利用が可能となる
(2008.07.28作成)
H.264/AVC(MPEG-4 part10)映像とAAC音声と組み合わせたMP4コンテナ形式の動画は、
一般にMPEG-4 AVC/H.264 又はH.264/MPEG-4 AVCと表示されている。
QuickTime Proは、このMP4形式への変換と再生を v7以降から正式に採用しているのだが、
Xacti DMX-HD1000撮影のFull-HDファイルを再生させる事は出来ず、主要な編集ソフト
でこのファイルを利用する事は絶望的だった(こちらを参照)。
しかし、これは筆者の知識不足による誤りで、avc1Decoderを導入すれば、QuickTime依存
プレイヤー(RealPlayer, ReelBean, NicePlayer, DivX Player)やQuickTimeエンジンを応用
した編集ソフトの多くで、この特異なFull-HDファイル(こちらの記事を参照)を利用する事が
既に可能となっていた  \(^O^)/
そこで、主に無料の各種動画編集・変換ソフトについて、avc1Decoderを導入した場合に
Full-HDファイルを再利用
する事に有効かどうか?を中心に検証してみた。   
*QuickTime7.5.5(08/09/18)では、avc1Decoderを導入しなくともこのFull-HDファイル
  の再生が可能となった。
   
 方法
   Mac OS X対応の各種動画編集・変換ソフトについて、下記のMPEG-4 AVC/H.264(以下、
   MPEG-4/H.264)ファイルを素材として利用可能かを検討した。
    QuickTime Pro
作成のムービー(Main 640x480、29.97fps)ファイル
    QuickTime Pro作成のフルハイビジョンムービー(Main1,920x1,080、59.92fps)ファイル
     Xacti DMX-CA65で提供されたサンプル(Main 640x480、29.97fps)ファイル
     Xacti DMX-HD1000で撮影したHD-SHQ(BaseLine 1,280x720、29.97fps)とFull-HD
       (Main 1,920x1,080、 59.94fps)ファイル
    Advanced H.264プロファイルは、Xacti DMX-HD1000撮影HD-SHQ以外はMainプロファイ
     ルが使用されている。
用いた素材の詳細情報は、 →MPEG-4 AVC/H.264動画の解析を参照
  検証に用いたマシン環境は、Intel Mac mini 2.0GHz、Intel Core 2 Duo,メモリ 1GB、
    OSは、OS X10.5.4である。
 QuickTime関連のコンポーネント
   今回のQuickTime関連コンポーネント類の環境は、以下の通り。
   /Library/QuickTimeフォルダ内:avc1Decoder.componentを退去/非退去して検証
    avc1Decoderは、ここから入手(今回は v0.7.8を使用)。avc1Decoder.dmgを展開して、
     "avc1Decoder.component"を /Library/QuickTimeフォルダ内にコピー

      "avc1DecoderPane.prefPane"をダブルクリックして、PreferencesPaneをインストール。
       難解な為、初期設定を変更せずに使用した(詳細は、こちらの記事を参照)。
          de/default:デフォルトのppフィルタセット(hb:a,vb:a,dr:a)
          fa/fast:高速な ppフィルタセット(h1:a,v1:a,dr:a)
          ac:ハイクオリティの ppフィルタセット(ha:a:128:7,va:a,dr:a)
          PostProcess Level(スライドバー):各フィルタの強度指定
   Home/Library/Audioフォルダ内 及び Home/Library/QuickTimeフォルダ
     Perianは、ここから入手(今回は v1.1を使用、詳細は こちらを参照)。v1.0以降は上図
      3つのコンポーネントが ~/library内のAudioとQuickTimeフォルダにインストールされる。
      一元管理を目的に手動で /Library内の該当箇所に移動しても、Perianパネルではインスト
      ールされていると認識されず、インストール操作をすると /Library内は削除されてしまう。

 各種動画関連ソフトでの利用の可否
成績は以下の如く表示した。
等特異アイコン:MPEG-4/H.264を素材として問題なく利用可能。
:MPEG-4/H.264の利用は可能だが、変換したファイルは映像が乱れてしまう。
:MPEG-4/H.264の変換方法によって対応が異なる。
:MPEG-4/H.264に未対応及び変換出来ない
:MPEG-4/H.264を変換可能だが、マトモに変換ないし結合出来ない。
によるXacti DMX-HD1000Full-HDファイル再利用の効果:
有効問題残る、 無効
 成績
素材
 動画編集・変換ソフト
avc1
Dec
環境
QuickTime Pro作成
Xacti DMX-
CA65サンプ

(640x480)
Xacti DMX-HD1000
(640x480)
(1,920x1,080)
HD-SHQ
(1,280x720)
Full-HD
avc1Decoder導入
無し
有り
 QuickTimePro7.45(市販)

描画不可
 QTAmateur 1.0.1

描画不可
 MPEG Streamclip 1.9.1

描画不可
 QTCut 1.0b14

出力エラー
 AddMovie 1.5.2
 Subberbian 1.4

描画不可

初期映像のみ
 DivX Converter 1.2(市販)

変換停止

映像は途中から
 iMovie '08 (7.1.1)

描画不可
 iMovie HD 6.0.4

音声のみ
 iDVD '08 (7.0.1)

フリーズ
 ffmpegX 0.0.9y

無声

無声

描画不良
で出力

奇妙な映像で出力
 携帯動画変換ちゃん 0.34.24
 +ffmpeg-MobileHackerz-
   051107-MacOSX-2

→MP4への変換
では音声中断

→MP4への変換
では音声中断

描画不良
で出力
→MP4:音声中断

→MP4への変換
では音声中断

奇妙な映像で出力
→MP4へは音声中断
 MPEG Exporter TNG 2.68
 +iSquint1.5.2由来ffmpeg

変換エラー
 SmallDVD 0.8

変換エラー
 Burn 1.72
  ビデオ出力でDVD又はDivX
  へ変換
or
変換エラー
,DivX奇妙な映像
 成績の説明
QTAmateur ここから入手)
   ユーザ登録してQuickTime Proにしなくても、フルスクリーン再生、動画書き出しが可能
    なQuickTimeプレイヤー。
   avc1Decoderが導入されていない場合Xacti DMX-HD1000のFull-HDファイルは
    画出来ず編集不可以外は、いずれのMPEG-4/H.264素材にも対応している。

    
avc1Decoderを導入すれば、このFull-HDファイルを利用する事が可能となる。 
       
MPEG Streamclipここから入手) → こちらを参照
   MPEG1/MPEG2 (MPEG2-TS含)ファイルを、無劣化映像と音声に分離/合成したり、
    QuickTime, DVストリームやAVI形式へ変換出来るソフト。
   avc1Decoderが導入されていない場合、Xacti DMX-HD1000Full-HDファイルは
    画出来ず編集不可以外は、いずれのMPEG-4/H.264素材にも対応している。

    
avc1Decoderを導入すれば、このFull-HDファイルを利用する事が可能となる。
   
QTCutここから入手) → こちらを参照(但し、記事にした時以降にMPEG-2関連機能
    及び一括変換予約機能は削除され、まるで別物となってしまっている)。

   QuickTimeムービーの余分な箇所をカットして、QuickTimeのPro機能を利用して多様
    フォーマットで書き出す事が可能なツール。
   avc1Decoderが導入されていない場合、Xacti DMX-HD1000Full-HDファイルは
    画出来ず編集不可(出力も不可)以外は、いずれのMPEG-4/H.264素材にも対応して
    いる。

    
avc1Decoderを導入すれば、このFull-HDファイルを利用する事が可能となる。
   なお、書き出しオプションで「ムービー(独立型)」を選択すれば、無劣化で出力(カット編
    集)する事も可能だが、コンテナはMOV形式に変換されてしまう。
  
AddMovieここから入手)
   複数のQuickTimeムービーを一つに結合するツール。
   いずれのMPEG-4/H.264素材にも対応している。
   avc1Decoderが導入されていない場合、Xacti DMX-HD1000Full-HDファイルは
    画出来ないが、それでも問題なく結合して出力する事が可能だ。
    
Subberbianここから入手)
   QuickTimeムービーに字幕を付加するソフト。。オリジナルには手を加えず、新たに字幕
    (テキストストリーム)付きのMOVとして書き出す事も可能だ。
   Xacti DMX-HD1000のFull-HDファイル以外いずれのMPEG-4/H.264素材にも
    している。

   Xacti DMX-HD1000のFull-HDファイルは、avc1Decoderが導入されない場合
    
描画出来ず編集不可。
     残念ながら avc1Decoder
を導入しても、初期映像のみがレンダグされるだけで
     マトモな動画して出力出来ない。

   
DivX Converterここから入手、市販) → こちらを参照
   DivXファイルの変換に特化した動画変換ソフト
   Xacti DMX-HD1000のFull-HDファイル以外いずれのMPEG-4/H.264素材にも
    している。

   残念ながらXacti DMX-HD1000のFull-HDファイルは、avc1Decoderが導入され
    ない
場合
変換停止してしまう。

    残念ながら avc1Decoder
を導入しても、映像は途中からレンダングされるだけで
     マトモな動画して出力出来ない。

   
iMovie '08iMovie 7に相当) iMovie HD
   HDV/AVCHDカメラからの取り込みが可能な基本的編集機能(トランジション、タイトル
    やBGMの挿入など)を備えたアップル純正のビデオ編集ソフトで、MOVやMPEG-4
    (.m4v、.3gpや.mp4)形式などへ変換して出力する事が可能。
   利用出来るビデオ素材は、SVQ3_QDM2を除くMOVとMP4に限られており、iMovie HD
    (iMovie 6:アップルサイトからDLして、iMovie '08ユーザならインストール可能)で
    利用可能なAVI, DIVXやMPEG-1,VOB, WMV, FLVには未対応だ。但し、iMovieは
    MPEG2ファイルをそのまま利用出来ない。
   avc1Decoderが導入されていない場合、Xacti DMX-HD1000Full-HDファイル以外
    は、いずれのMPEG-4/H.264素材にも対応している。

    このFull-HDファイルは、avc1Decoderが導入されていないと描画されず、iMovie '08
     は編集操作をするとフリーズしてしまうが、iMovie HDでは書き出出来ても
     像の無い物となってしまう。

   
 avc1Decoderを導入すれば、このFull-HDファイルを利用する事が可能となる。
   
iDVD '08iDVD 7に相当)
   簡単操作で洒落たモーションメニュー入りDVDビデオを作成出来る、アップル純正のDVD
    オーサリングソフト。
   利用可能なビデオ素材は、MOV,MP4の他にもAVI, WMVを利用出来るが、MPEG2を利
    用する事は出来ない。
   Xacti DMX-HD1000Full-HD以外のMPEG-4/H.264素材にも対応している。
    Xacti DMX-HD1000Full-HDファイルはavc1Decoderが導入されていないと
    込もうとするとフリーズしてしまう。

    
avc1Decoderを導入すれば、このFull-HDファイルを利用する事が可能となる。

   

ffmpegXここから入手) → こちらを参照
   UNIX/Linux系で有名な動画トランスコーダーソフトffmpegをMacOS Xに移植したもので、
    多くの動画を素材として多彩なフォーマット形式へ出力が可能なマルチコンバータ。
   残念ながら Xacti DMX-HD1000のHD-SHQファイル以外は、いずれのMPEG-4/H.264
    素材もマトモに変換出来ない。何故かQuickTime Pro作成素材は無声となっう。
    Xacti由来の素材は描画不良か奇妙な映像で出力される。
    avc1Decoderを導入しても有効ではない。
   
携帯動画変換ちゃんここから入手) → こちらを参照
   ffmpegとQuickTimeとを利用してMPEG/AVI/FLV形式などの動画ファイルを、モバイ
    上で再生可能な動画形式に変換するツール。
   AVIファイル(MPEG4一般設定)への変換は、Xacti DMX-CA65とXacti DMX-HD1000
    
Full-HD
ファイルは描画不良か奇妙な映像で出力されてしまう以外は対応している。
   一方、MP4ファイル(H.264PC向け一般設定)への変換は、全て無声となってしまう。
    avc1Decoderを導入しても有効ではない。
   
MPEG Exporter TNGここから入手)+ iSquintここから入手)
   様々な形式の動画を ffmpegエンジン及びQuickTimeのPro機能を利用してMPEG-1/-2
    /-4に変換するツール。
    Xacti DMX-HD1000のFull-HDファイル以外は、いずれのMPEG-4/H.264素材にも
    応している。

    avc1Decoderを導入しても有効ではない。
   
SmallDVDここから入手)
   シンプルな操作性でメニュー作成可能なDVDオーサリングソフトで、DVDイメージファイ
    (.iso)として書き出しされる 。
   Xacti DMX-HD1000のFull-HDファイルは変換エラーとなってしまうが、それ以外
    MPEG-4/H.264素材には対応している。

    avc1Decoderを導入しても有効ではない。
   
Burnここから入手)
   シンプルで高機能、使い勝手の良いMac OSX向けライティングソフト。
   動画ファイルをffmpegでDVD用の動画ファイルフォーマットにエンコーディングしてDVD
     焼くも可能だ。
   Xacti DMX-HD1000のFull-HDファイル以外は、
    いずれのMPEG-4/H.264素材にも応している。

    avc1Decoder を導入すると、Full-HDファイ
    DivXへの変換は可能とはなるが奇妙な映像で出力
    されるだけだ(右図)。

 結果
  avc1Decoderを導入すれば、QTAmateur, MPEG Streamclip, QTCut, iMovie '08, iDVD '08
    でDMX-HD1000由来Full-HDファイルの再利用が問題なく可能となった。
    しかし、Subberbianは、初期映像のみしかレンダリング出来ない。
      DivX Converterは、途中の映像からしかレンダリング出来ない。
     mp4vDecoder 0.7.8を導入しても、これらの素材では結果に影響はなかった。
  ffmpegベースの動画ソフトでは、avc1Decoder ±mp4vDecoder を導入しても好影響は認め
    なかった。
 <参考>
  *Panasonic HDC-SD3のAVCHD動画を利用する場合は、こちらの記事を参照。
  *Victorのデジタルビデオカメラの一部機種では、iMovie HDとFinal Cut ProでHDファイルを
    利用可能にするプラグインQuickTimeComponent for Everio(for Macintosh)を同梱し
    ているようだが、筆者は未経験で是非試用してみたいものだ!

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