地デジをハイビジョン画質でリッピング

地デジをハイビジョン画質でリッピング

I.地デジ放送を録画したAACS V4保護付きコンテンツのリッピングが可能!
II.AVCRECしたDVDのリッピングがコンテンツの再生なしで簡単に可能!
(追加)
(2008.08.15作成, 08.09.18更新)
BDレコーダーで録画した地上デジタルテレビ放送をハイビジョン画質のままムーブしたコンテ
  ンツは、2008年06月迄はAACSのバージョンが3以下の場合のみPC上で「BackupBDAV」
  を用いてリッピング可能だった為、08年02月新規にPanasonicのDIGAを購入した筆者は
  悔しい思いをしていた。DIGAを解体して擬似V3化するマニアックな方法もあるようだが、
  とてもトライする気にはなれなかった。
ところが08年07月遂に待望のAACS V4を解除する事が可能となったので、Windows Vista
  環境で検証してみた。
使用した機器は、家電レコーダー:ブルーレイディスクレコーダー(PanasonicのDIGA,DMR-
  BW800)及びPC用のBD&HD DVDコンポドライブ(I-O DATA製の内蔵型BRD-SH6B:ドライ
  ブはLG電子のGGW-H20N)である。
マシン環境は、Intel Core 2 Quad Q6600 2.40GHz、DDR2 PC2 6400 2GBx2、GeForce
  8600GT(VRAM 512MB)
<用語説明>CPRM、AACS、AVCREC、cci

 前準備
1)使用するドライブがAACS対応かの確認
  今回は、手持ちのスーパーマルチドライブ付属及びXacti 付属のNero7 Express Essentials
  同梱のNero InfoTool 4を用いた。
2)コンテンツのAACSバージョンを確認
  
バイナリエディタ Bzの入手先:ここ から Bz ver 1.62(Bz162.zip)を入手。
  BzでAACSないしAACS_bdファオルダ内の「MKB_RW.inf」を見ると 12桁目の数字が「04」と
   なっており、AACSのバージョンは V4だ!

 I.地デジを録画したBD-RE(BDAV)のリッピング
素材:地上デジタル放送を、ブルーレイディスクレコーダー(PanasonicのDMR-BW800)のDR
    (ダイレクトレコーディング)モードで録画した番組を、BD-REに、以下の2方式でムーブ
    したBDAV(DVD規格のDVD-VRに相当
      ・ 「おまかせダビング」のDRモード
      ・ 「詳細ダビング」で設定したHG(ハイビジョン長時間録画の高画質)モード
   BDAVのファイル構成は
       STREAMフォルダ内のファイルは、
         00001.m2ts: 「おまかせダビング」のDRモードでムーブ
             した動画本体。
         00002.m2ts: 「詳細ダビング」のHGモードでムーブした
             動画本体。
方法:PCのBD&HD DVDコンポドライブ(I-O DATA製のBRD-SH6B)上で再生及び以下のセット
    でリッピングが可能か検証してみた。
    IsoBuster2.4、BackupBDAV041+Java Runtime Environment v6 Update4、
    WinDVD8 for I-O DATA(BRD-SH6Bバンドル) 、cciconv
  1) バイナリエディタ Bzここから入手)で確認したAACSのバージョンは、 V4だった。
  2) IsoBuster(ここから入手)で、「AACS」→「AACS_av」の「Unit_key_RW.inf」を開き、LBA値
    (16832)をメモしておく。
  3) BackupBDAV041.rarを(ここから)入手して、解凍する。場所はデスクトップでもよい。
  4) AACS V4のデバイスキー「ProcessingDeviceKeysSimple(V4).zip」(ここから入手)を
    解凍してメモ帳で開き、
    BackupBDAV041フォルダ内にある「ProcessingDeviceKeySimple.txt」に追記して、
    上書き保存する。
  5) 「BackupBDAVforV3.cmd」をダブルクリックすると、コマンドプロンプトが起動する。
    各々ドライブレター(ここでは、q)と保存先(e:\bdav_rip)と IsoBusterで調べたLBA値
    (16832)を入力して「Enter」する。
    すると、「....hammering」と表示されるので「Enter」を押す。
  6) 「Hammering drive...」と表示されたら、BDの再生が可能なプレイヤーソフト(今回は、
     WinDVD8 for I-O DATA)を起動する(但し、実際に再生する訳ではない)。
   →すると、リッピングが始まって
     Time: xxx sec
     Input ENTER key for closing DOS Window. とメッセージされたら完了。
   →指定したフォルダにコピーフリーのm2tsファイルが作成される
  7) cci 情報の削除
    cciconv を(ここから)入手して解凍する。場所はCドライブ直下に配置
     した。
    BDレコーダーで録画したm2tsは、ヘッダ(タイムスタンプ)情報 4byte
     が付加されているので、 ccicinv192.exeを使用する。
    コマンドプロンプトを起動し、「cd c:\」を入力してEnter。ディレクトリを
     Cドライブ直下に移動する。 そして、
     (1)ccicinv192.exe、 (2)読み込みファイル、 (3)保存先とファイル名 を入力する。
     *Windows XPのようにドラッグ&ドロップ出来ないので、 \と赤線部分以外はコピ
       ー&貼り付けで行えばよい。ピンクの囲みは、半角スペースを入れる事。

    最後に「-er」 を入力してEnterすると、コマンドが実行されてcci が除去される。
     何も入力しなければcci情報だけ が除去される。
     *スイッチ [-er] [-c] [-d] の指定は以下の通り。
         -e  字幕データパケットを削除
         -r  データ放送パケットを削除
         -er 字幕データとデータ放送パケットを削除
         -c  ファイルの先頭から、指定した個数分の映像GOPを削除
    なお、続いて通し番号のファイルの解除を実行する場合は、「Pg UP↑」キーを押すと
       前に入力したコマンドが入力されるので、00001→00002etcに変更すればよい。
    * 字幕などを削除すると、書き戻せなくなるというが・・・・?
   <参考>ののたん(D-VHSPlayer、MPEG2-TSの結合、映像・音声分離ツール)でも
         CCI freeが可能。
結果:地デジ録画のAACSが V4でも、BD-REからならリッピングが可能となった。
  1)動画のファイル形式は、WinDVD8 for I-O DATA再生中に得られる情報では
    DRモードのままダビングした場合
      映像:Encrypted and Interlaced MPEG2, 20.0Mbps, 1440x1080, 29.97fps
      音声:MPEG AAC, 383Kbps, 6Ch, 48KHz
    HGモードでダビングした場合
      映像:H.264, 17.499Mbps, 1440x1080, 29.97fps
      音声:AC3, 384Kbps, 5Ch, 48KHz  
  2)再生・再利用:⇒「地デジBDAVリッピング動画の再利用」を参照


 II.地デジをAVCRECしたDVDのリッピング
素材:地上デジタル放送を、ブルーレイディスクレコーダー(PanasonicのDMR-BW800)で
    DR(ダイレクトレコーディング)モードで録画した後、AVCREC方式でDVD-RAMにムー
    ブした。
方法:PCのBD&HD DVDコンポドライブ(I-O DATA製のBRD-SH6B)上で再生及びリッピング
    が可能か検証してみた。
   AVCRECのファイル構成は、
    AACSを格納するフォルダの名称が少々異なる以外は、BDAVのファイル構成と同じだ。
a)方法A ・・・この方法ではリッピング出来ない  (-_-;)   
  1) バイナリエディタ Bzここから入手)で確認したAACSのバージョンは、 V4だった。
  2) IsoBuster(ここから入手)で、「AACS_bd」→「AACS_av」の「Unit_key_RW.inf」を開き、
    LBA値をメモしておく。
  以下3)、4)、5)は、上記 I BD-RE(BDAV)のリッピングと同じ手順で実行してみた。
  3) BackupBDAV041.rarを(ここから)入手して、解凍する。場所はデスクトップでもよい。
  4) AACS V4のデバイスキー「ProcessingDeviceKeysSimple(V4).zip」(ここから入手)を
    解凍してメモ帳で開き、
    BackupBDAV041フォルダ内にある「ProcessingDeviceKeySimple.txt」に追記して、
    上書き保存する。
  5) 「BackupBDAVforV3.cmd」をダブルクリックすると、コマンドプロンプトが起動する。
    各々ドライブレター(ここでは、q)と保存先(e:\avcrec)とIsoBusterで調べたLBA値
    (16736)を入力して「Enter」する。
    すると、「....hammering」と表示されるので「Enter」を押す。
  6) 「Hammering drive...」と表示されたら、V4の再生が可能なプレイヤーソフト(今回は、
     「PowerDVD 8 Ultra」を起動する。
   →すると、リッピングが始まって指定したフォルダにコピーフリーのm2tsファイルが作
     成される筈だが・・・ダメ だった!
  結果:なッ何んと!PowerDVD 8 Ultraで再生出来ない!
    使用したDVD/BDドライブがAVCRECに対応していない!と云うのであろうが・・・
     2008年1月購入のI-O DATA製のBRD-SH6B(ドライブはLG電子のGGW-H20N)
      ファームウェアを最新のXJ03にアップデートしても対応出来ない。
     無論、手持ちのDVDドライブ:LG電子製GSA-H42N(07年3月)、GSA-4163B05年
      8月
でもダメ。
     ある記事によれば「CPRM対応DVDドライブでOKなので高価なDBドライブはいらない」
     と云うが・・・
     ⇒AVCREC再生対応のドライブを購入する必要があるのだろうか
    *無論、手持ちのWinDVD8 for I-O DATA、WinDVD9 PlusやPowerDVD7.3Ultraでも
      再生出来ない。

追記・修正(2008.09.18)・・・コンテンツの再生が出来なくても、リッピング可能だ\(^o^)/
b)方法B ・・・BackupBDAを以下の如くコマンドプロンプトで実行
  1) 前準備として、DVD-RAM上で「AACS_bd」フォルダ名をBDAVと同じ「AACS」にリネーム
    しておく。
  2)IsoBusterでLBA値の取得は、必要なし。
  3) BackupBDAV050.rarを(ここから)入手して、解凍する。場所はデスクトップでもよい。  
  4)追記の必要はなくそのまま使える。
  5) 「BackupBDAVforV1.cmd」をダブルクリックすると、コマンドプロンプトが起動する。
    *AACSのバージョンはV4だが、BackupBDAVforV1.cmdを使用する:無関係?
    ドライブレター(ここでは、q)を入力して「Enter」。
    保存先(ここでは、e:\avcrec_rip)を入力して「Enter」。
    BN LBAには、16バイト全て00(0を32個)を入力して「Enter」する。
  6)DVDプレイヤーによる再生操作は必要なく、リッピングが始まる。
   →指定したフォルダにコピーフリーのm2tsファイルが作成される
  結果:BackupBDAV050を以上のように使用すれば、AVCREC再生対応のDVDプレイヤ
     ーもLBA値の情報も必要とせず、簡単にリッピングが可能だった!
    動画のファイル形式は、WinDVD8 for I-O DATA再生中に得られる情報では
      映像:H.264, 17.499Mbps, 1440x1080, 29.97fps
      音声:AC3, 384Kbps, 5Ch, 48KHz    

c)方法C
 ・・・RipAVCREC(BackupBDAのGUI ツール)でリッピング+cci の削除、BDAV化
  前準備
   「RipAVCREC(今回は、RipAVCREC_1.0.28.7.zip)」を本家から入手して解凍する。場所は
    デスクトップでもよい。
   3つのツールを「ISDB のインデックスリスト」から入手して解凍し、「RipAVCREC」フォルダ
    に以下の如くコピーする。
     BackupBDAV050.rar::AACを解除して本体動画を抜き出すツール
     cciconv1.7.zip :cci を削除するツール
     deles.zip:字幕ESやデータ放送ESを削除してBDAVを作成するツール
  *ISDBの「Rip_AVCREC.zip」を解凍した後の「RipAVCREC」を使用すれば、組み立てる手間
    はなく有用な情報も得られる。
  手順
   方法Bのように「AACS_bd」フォルダ名を変更する必要はない(変更するとRip出来ない)。
   AVCRECしたDVDをドライブに入れたら、「RipaVCREC.exe」をダブルクリックして起動。
    自動的にDVDのあるドライブが表示される。
    「CCICONV」と「BDAV作成」をチェックして、「Rip」ボタンをクリック。
    「フォルダの参照」画面が表示されるので、保存先(今回は、rip_avcrec)を指定して「OK」
     を押す。
   すると、AACS処理→cciの削除→BDAVへオーサリングが自動的に実行される。
 結果
   保存先に、本体動画 00001.m2tsと cciを解除した00001_cci.m2tsと
「BDAV」フォルダ
    とが出力される。
   「RipAVCREC」は GUI 操作可能なBackupBDAのフロントエンドで、リッピングから cci情報
    の削除、BDAVへのオーサリング迄全自動で実行してくれるおまけ付きツールだ。
    「AACS_bd」フォルダ名のリネームもDVDプレイヤーによる再生操作もLBA検索・入力
    する要はない。


<参考>デジタル放送をコピーフリーの状態でフルハイビジョン録画する方法
1)最近話題騒然のFriioの利用
 地デジをコピーフリー状態でMPEG2-TSというストリーミングデータそのままの形で(映像、
 音声以外に字幕、ワンセグも丸ごと)録画出来るという驚異のTVチューナーだ。
 キャプチャボードとの決定的な違いは画質の劣化が無い事で、VLC Media PlayerとMurdoc
 Cutterを使えば無劣化でCMカットも可能。
 価格は3万円前後で、PCとはUSBで接続すればよいだけなので導入は簡単だ。
 2008年05月時点では入手は困難だったが、→2008.08購入可能な状況になっている。
2)コピースルーなハイビジョンキャプチャボードの増設
 それらキャプチャボードの中、低価格(但し、別途デジタルチューナーが必要)で入手が可
 能なものには、クレバリー社のコンポーネントキャプチャカードCB-HARROC01-PCIE
 とアースソフト社のPV4とがある。
 PV4は、容量の大きなAVI に近いDV形式で録画されるため、CMカット後は再圧縮して保
 存する必要がある。
 前者は、録画後自動的にWMVファイルに変換して保存する事が可能だが、実時間の7〜11
 倍掛ってしまうと云う。
3)"TS抜き"改修コピーチューナーの自作
 鶴(YDBC-30などの対象地デジ・BS・CS対応チューナー、3万円前後)と
 亀(カメレオンUSB FX2:電子工作用のUSB出力基板、7千円位 )とを用いて自作する
 方法で、デジタル放送のTSファイルをコピースルーで直接抜き出す事の出来る究極のテク
 ニックだ。しかし、チューナーのハンダ付け改造が必要など、素人には敷居が高い。
追記(08.11.xx)
4)アースソフトの「PT1」:地上・BS・110CS3波対応PC用デジタルチューナーボード
 2008年10月25日発売 。価格は2万円前後
 地上波デジタル放送とBS・CSデジタル放送の各々をダブル録画(4つ同時)可能。暗号化
 などはそのままだから自分で復号してね…』という代物だ。
 →「デジタルチューナPT1の導入と疑問点」を参照。
 
 

注意
このページでは、CPRM解除プログラムの有効性を検証することを目的に記述しました。
「DRMなどのアクセスコントロールを解除する行為」に対する具体的な法規定は現在ありませんが、技術
的保護手段の回避(「不正競争防止法違反」)に該当する可能性もあり、営業上の利益侵害で損害賠償
の対象となる場合もありますので、私的な利用以外は厳禁です。
ここに記述されている内容を利用することで発生したいかなる問題に対しても筆者は責任を負いません。
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