MPEG Streamclipの試用

 
MPEG Streamclipの試用
=MPEG2の簡便な無劣化カット編集ソフトとして使用可能か=
MPEG Streamclip
(2005.05.31作成, 06.09.xx更新)
MPEG1/MPEG2 (MPEG2-TS含)ファイルを、無劣化映像と音声に分離/合成したり、Quick
Time, DVストリームやAVI形式へ変換出来るソフト。
QuickTimeProは不要だが、このソフトはMPEG2エンコーダを内蔵していないので、「MPEG
-2再生コンポーネント(2,400円)」の購入は必須だ。
本ソフトの特徴は、
 ・QuickTimeProではMPEGファイルを読み込んで書き出すと、音声トラックが失われるが、
  このソフトはMPEG2ファイルの音声を、無変換/変換(例えばMP2に変換)したMPEG2
  ファイルとして出力することが可能。
 ・MPEG2(DVD-RAMに記録されたVRフォーマットも含む)から音声トラック付きのQuick
  Timeムービーや音声ファイルに出力することが可能。
 ・MPEG1/MPEG2 video, MP1/MP2/AC3/A52/PCM audio等ほとんどのMPEGファイルを
  問題なく扱える。
 ・複数のファイルを一括して変換することが可能。
MPEG Streamclipの主目的は、TVキャプチャした素材のCMカットにあるが、今回は各種ア
スペクト比のMPEG2ファイルをカット編集できないか試したので、その概要をメモしてみた。

 I. 前準備
  1) MPEG Streamclip 1.3.1ここから 入手。
  2) MPEG-2再生コンポーネントここから 購入。
<初期設定>
 Fix streams...
  :書き出し時に素材データの不連
   続なTimeCodeを直す(VOBファ
   イル)
 等々あるが、
 今回は変更せず。
書き出し可能な内容は、
・MPEG-1、MPEG-2をQuickTimeやDVに(+LPCMで)書き出し出来る。
・Program Stream(Muxed)書き出し(映像、音声フォーマットはそのまま)。
・Program Stream(M2V+MP2 Muxed)書き出し(PCM/AC3 to MP2エンコード付き)。
・Program Stream(Muxed MPEG-1/2)をDemux(音声変換付き)出来る。
・Transport Stream(MPEG-2)の読み書きが出来る。
・音声デコーダ:AC3、PCM、M1A (MP2はQTで可能)。
・音声エンコーダ:MP2

 II. MPEG2の編集 & III-a.MPGE2への書き出し
  GOP単位での編集が可能で、フレーム単位は不可。編集は、カットと前後の入れ替えに
  限られる(トランジションは無論、タイトルやオーバーレイの挿入、フィルタ処理は不可)。
   カット編集の際、ファイルの最初と最後をカットするとエンコードエラーとなってしまうので
  注意。
   クリップも可能だが、見ながらリアルタイムに出来ない。
<Main画面の操作説明>下図
↑↓:前後のキーフレームへ   ←→:前後のフレームへ   Space:再生、停止
<Fileメニュー/Convert..の説明>
 ・Convert to MPEG..:ヘッダだけ書き直してMPEGへ書き出し。
 ・Convert to MPEG with MP2 audio:上記+音声MP2に変換。
 ・Convert to Headed MPEG:Toastに食わせる用に書き出し。
<Edit メニュー>
  MPEGStreamclip1.2には無かった、コーピー&ペーストが可能となった。
  各種アスペクト比のMPEG2ファイルをカット編集後、Fileメニューの"Save As.."で名前と
  保存先を指定して書き出した。

結果:
 簡単にカット編集が出来、極めて高速に書き出しが可能だ!
 しかし、Windows環境でこのMPEG2ファイルを利用する際、不具合が多々生じる。
  1) VirtualDubModでは問題ないが、TMPGEnc Plusで読み込めないファイルになってしまう!
  2) Windows Media Encoder9やNSV Batch Encoderでは問題ないが、Easy RealMedia
    Producerでエンコード出来ないファイル
になってしまう!  
  3) シネスコサイズ(2.35:1)の場合は、Windows Media Player及びReal Playerで再生すると、
    横幅が僅かに縮小されて左右に黒帯が入ってしまう(ここを参照)。
  4) アスペクト比に関係なく、Winampで再生出来ないファイルになってしまう!
 なお、Windows版DivX Player6.11は問題ないが、Mac版DivX Player1.03では再生出来ない。
 これらの不都合は"Convert to MPEG.."でヘッダを書き直しても、拡張子".mpeg"を".mpg"
  にリネームしてもダメで、対策を見出せない。



 III-b.QuickTimeへの書き出し

  QuickTimeProを用いてMPEG2ファイルをQuickTimeムービーにするには、三段階のステップを
  踏む必要があり面倒だ(ここを参照)。本ソフトは 、QuickTimeProを購入しなくとも QuickTime
  コンポーネント(SVQ3の他DivX5.1, 3ivxD4,XviDなど)を使ってCustom Codec Optionでワンス
  テップで書き出しが可能。
Custom Codec
Option:デインターレースな
 どの設定が可能。
内蔵音声コーデック:

参考:QuickTimeProの音声
  コーデック
 
  結果:
    1) 残念ながら、H.264エンコードは出来ない(クラッシュする)→v1.7では可能だが・・・
       Please note that the application crashes if you choose the new H.264 codec for
       MOV or AVI encoding.
    2) 音声コーデックにAAC,MP2を使用出来るが、QDesign Music2などは使用出来ない。
    3) エンコード途中で、時にエラーとなり不安定だ。
    ということで、面倒だが最終書き出しはQuickTimePro三段階法を使用している。

MPEG Streamclip 1.7で変換したH.264.movの配信テスト
      本ソフトで変換したMOVムービーのデモ(500Kbps,約1分)は
  →
ここから

MPEG Streamclip 1.7では、MPEG2からH.264_AAC.movへの変換が可能となったが、
Web Serverから疑似ストリーム(Faststart再生)配信は可能か?

  結果:ダウンロード完了後でないと再生出来ない。


 III-c.AVIへの書き出し

  MPEGStreamclip1.2には無かった追加機能。
  QuickTime コンポーネント(QTの外部コーデックDivX5.1, 3vixD4, XviDも含)
を利用した圧縮
  が可能。
  但し、H.264圧縮は不可。音声圧縮MPEG-4AACもMP2も、無声となって使えない。
  しかも、 Sorenson Video III圧縮で書き出したAVIファイルはQuickTime Playerで再生出来
  ないので、利用価値があるのか不明。



 IV.バッチエンコード

  バッチ処理して複数ファイルを一括して変換できる。
まず、List→BatchListで開く
ウィンドウに、変換するファイル
を登録する。
   
開いたウィンドウの"Add Files..."ボタン
を押す。
開いたオープンダイアログから変換し
たいファイルを選ぶと、
それをどのような変換をするのか聞い
てくるので、
"目的の書き出し設定"を選択し、変換
後のファイルをどこに保存するかその
保存場所を指定する
と登録完了。
あとは必要なだけ登録する。
→Goボタンで変換が開始される。
   

 V.EXtras(付属ソフト)
QuickTimeProに「AVIムービー→AVI書き出し」機能を追加するソフト
1) Save as AVI.component
 
QuickTimeProでAVIファイルを保存する際に、MOV形式ではなく、AVI形式で保存できる
 ようにするプラグイン。しかも、「再エンコード処理を省いて」無劣化で書き出しが可能。
   また、
    a) 再エンコードすること無く、DivX movファイルを開いてDivX.aviに形式変換が可能。
    b) 「re-interleave a bad DivX file」が可能。
    c) AVIオーディオヘッダをCBRからVBRに変更可能。
  注意:
    既にDivX5.21を使用している場合は、以下のいずれかの方策を講じる必要がある
    (理由は使用説明書に記載されているのだが・・・)。
    1) "Install Two DivX Versions"でDivXPro5.11も共存インストールする。
    2) 3ivx D4をインストールする(ここから入手)。
  結果:DivX5.21+3ivx D4 4.51の環境で実行したところ、
    RenderingModeを"Fast"に設定すると、瞬時に書き出しされるが、"Auto"ないし
    "Slow"にすると何故かかなりの時間を必要とする(理由は使用説明書に記載さ
    れているのだが・・・)。


2) Install Two DivX Versions
DivX 5.2.xと5.1.1を共存させるインストーラ支援ソフト(アップルスクリプト)。
The new version 5.2.x of DivX has the MP2 decoder but not the DivX codec; the
older version 5.1.1 has the DivX codec but not the MP2 decoder. So you may
need to install both.
例えばMPEG StreamclipOpenShiivaXRay4ここを参照)で、QuickTime
経由のDivXコーデックを利用するためには、DivXが5.2以降の場合は利用出来ない
ので、DivX5.1.1もインストールする必要がある。
 インストールの
 手順

 


このスクリプトは、/Library/QuickTime内の"DivX5.component"
を"DivX5-2nd.component"にリネームすることによって、DivX
5.2.1のインストール
を可能にする。
 アンインストー
 ルの手順
なお、DivX6.5の場合は DivX6.5を先にインストールした後にDivX5.11をインストール
すれば、当スクリプトで対応することなく両者を共存させることが可能だ(追記06.09.05)。


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