iCloud Drive の使い勝手:Windowsユーザ視点

iCloud Drive の使い勝手:Windowsユーザ視点

 
iCloud Driveは不都合多く、保存動画の公開やストリーム配信は出来ない
(2014.10.06作成, 15.01.21更新)
 
iCloudは iOSデバイスのバックアップ程度にしか利用出来なかったが、2014年9月18日 iCloud Drive にアップグレードし、普通のオンラインクラウドストレージのように 5GB迄無料でファイルを保存出来るようになったと云うが、一体何が何処まで出来るようになったのであろうか。
Windows 7/8は、iCloud for Windows 4.0の提供により Macより一足早く iCloud Driveに対応したので(Macは 2014年10月中~下旬にリリース予定の OS X Yosemiteで対応)、iPad miniの母艦となる PCを Windowsにしている筆者は早速その使い勝手について検証してみた。
iCloud Driveは、iOSデバイスではそのアプリに専用のフォルダ以外へはアップロード出来ない。PCのブラウザ上では自作フォルダへアップロード可能だが、アプリ専用フォルダへはアップロード出来ない。自由にファイル管理したいなら iCloud for Windows 4.0の導入が必要だが、同期先を Cドライブ以外に変更出来ない。
 <参考>iCloud Drive を使うには何が必要ですか?
   
すべてのデバイスで iOS 8 または OS X Yosemite をご利用ください。システム条件は以下の通りです。
•iOS 8 を搭載した iPhone、iPad、または iPod touch
•OS X Yosemite を搭載した Mac
•Windows 7 以降を搭載し、Windows 用 iCloud がインストールされている Windows パソコン
•Safari 6 以降、Firefox 22 以降、または Google Chrome 28 以降
•インターネット接続

 すでに iCloud Drive にアップグレードしていますが、まだ iOS 7 および OS X Mavericks を搭載したデバイスがある場合は、どうすればよいですか?
   
iOS 8 または OS X Yosemite にアップデートするまで、それらのデバイスで iCloud Drive を使うことはできません。アカウントをすでにアップグレード済みで、iCloud Drive 未対応のデバイスを使う必要がある場合、ローカルで書類の作業を行うことは可能ですが、iOS 8 や OS X Yosemite を搭載したデバイスまたは iCloud.com にある書類とは同期されません。
I.
iCloud Driveへアップグレード
 
iOS 8 をインストール済みのデバイス(今回は、iPad mini)で設定。
Windowsソフトの iCloud for Windows 4.0からアップグレードさせる事は出来ない。即ち、他のオンラインストレージとは違い iOSデバイスを所有せずに iCloud Driveを利用する事は出来ない。
[設定] から [iCloud]へ、さらに [iCloud Drive]をタップ。
 
   
[iCloud Drive]を有効に設定し、[iCloud Drive にアップデート]をタップすると表示されるポップアップから「続ける」を選択すれば更新される。
右下に インストールしているアプリの中で iCloud Drive に対応したアプリ一覧が表示される。Dropbox, Flick.., Safariが表示されるが、現在のところ未対応だ。
 
 

II.
iCloud Driveへファイルのアップロードと閲覧
A)
iCloud Driveへのファイルのアップロードは、iOSデバイスでは基本的にはアプリ毎で行われる・・・スタンドアロンタイプの専用アプリの提供は今後もなさそうだ。
1
)Documents 5.2 by Readdleでアップロード/閲覧
iOS用ファイル管理の定番アプリ「Documents by Readdle」は、バージョン5.2になって iCloud Driveを管理する事も可能となった(PDFファイル:Documents 5.2の新着情報 を参照)。
書類の中から 、[編集]をタップ後にアップするファイルを選択。
   
   
[コピー]をタップ。「コピー先を指定」画面から [iCloud]へ移動してアップロード。
すると、「Documents by Read..」フォルダにアップされる(無論アップしたファイルの閲覧/削除は可能で、MP4/ MOV/ 3GP動画の再生も可能)。
   
   
なお、[Open...]をタップすると起動する「ドキュメント・ピッカー」から iCloud Drive 上の各種フォルダの内、PCで作成した「PC_Browser」にアクセスしてファイル(TXT/ PDFファイル、DOC/ XISX/ PPTの OfficeファイルやPNG/ JPG/ GIF/ TIF/ BMPの画像ファイル)を閲覧する事が可能だ。しかし、動画は MP4ファイルでも再生出来ない。又、いかなるファイルもアップロード/ダウンロード出来ない。
即ち、アップ/削除操作は [iCloud]からアクセスして専用フォルダの「Documents by Read..」でのみ可能だ。
   
   
*「PC_Browser」以外のフォルダは iOSアプリ専用フォルダ
     
2
)iMovieからアップロード/閲覧
iOS用動画編集の定番アプリ「iMovie for iOS」は、バージョン2.1になって ビデオと iMovieプロジェクトファイルをiCloud Driveに保存する事が可能となった。
新規に作成したプロジェクトを選択した状態で [アップロード]を選択し、
   
   
さらに [iCloud Drive]を選択して、「ビデオファイル」か「iMovieプロジェクト」をタップすればアップロードが完了する。
   
   
アップロードされるのは専用フォルダで、他のフォルダへアップロードする事は出来ない(これはどのアプリも共通しているようだ)。
iMovieのドキュメント・ピッカーは、iCloud Driveを開く事が出来るものの投稿した動画ファイルを視聴すら出来ない。
一方、プロジェクトの作成では iCloud Driveから動画(対応形式:MP4/ MOV/ 3GP)を読み込む事が可能だ。
   
     
3
)iWorkからアップロード/閲覧
Pages の書類、Numbers のスプレッドシート、Keynote のプレゼンテーションは、各々のアプリで作成すると iCloud Drive専用フォルダに自動的にアップロードされる(同期する)ように設定出来る。
iWork for iCloud ベータ版については 下記を参照
     
4
 
)端末設定 iCloudの「ストレージを管理」機能
下記PCで作成しアップした「PC_Browser」フォルダやその内のファイルは、端末の [設定]> [iCloud]> [容量] > [ストレージを管理]で、[その他の書類]から削除可能だ。しかし、閲覧したりダウンロードしたりする事は出来ない。
   
 
以上の如く、Appleのサービスなのに iOSデバイスのアプリから自由にファイルを閲覧出来ず、不完全な管理しか出来ないというのは、不便で不思議な仕様だ ┓(´_`)┏
   
B)
 
PCからアップロード/ 閲覧
iOSアプリと関係のないファイルをアップロードしたい場合は、PCの iCloud for Windowsからなら可能だ。
1
) iCloud for Windows 4.0の設定とアップロード/ 閲覧
PCソフト iCloud for Windows 4.0をインストール後、起動(こちらの記事を参照)。
[iCloud Drive]にチェックを入れて「適用」をクリック。
   
   
Apple ID のパスワードを入力して [OK]する。
エクスプローラーを立ち上げると、同期フォルダ「iCloud Drive」が作成されている。残念ながらフォルダの場所は C:\User\[ユーザ名]\iCloud Driveに作成され、「iCloud フォト」のように自由に変更する事は出来ない。
ここに新たにフォルダ(今回は、「PC_Browser」フォルダ)を作成してファイルを入れれば、ウェブサイトへアプロードされる。
   
   
*「PC_Browser」以外のフォルダは iOSアプリ専用フォルダ
   
iCloud for Windows なら、iCloud Driveを自在に管理が出来る。即ち、
「PC_Browser」以外の「Documents..」、「iMovie」フォルダ
へも自由にファイル(動画は MP4/ MOV/ 3GPが無難)のアップロードや削除が可能だ。
しかし、Windows PCの同期フォルダは端末で消去したはずのファイルが残存する場合があり、今一同期が不調で不安定だ ┓(´_`)┏
   
2
) PCブラウザから(ウェブ版 iCloudで)アップロード/ 閲覧
「iCloud Driveサイト」へは、ここからサインイン。そして、 [iCloud Drive]を選択。
   
   
すると、中身が表示されるので上段の+ボタンでフォルダ(今回は、「PC_Browser」フォルダ)を作成してファイルを入れる(ドラッグアンドドロップでもアップロード可能。このフォルダなら動画ファイルのアップも可能だ)。
   
   
*「PC_Browser」以外のフォルダは iOSアプリ専用フォルダ
   
PCブラウザから「PC_Browser」以外のフォルダへファイルのアップロードは出来ない(しかし、ダウンロードや削除は可能)
iWork for iCloud ベータ版では、PCブラウザからの iCloud Driveサイト上でこの専用フォルダ故の特殊機能が提供され、各該当ファイルを作成・編集する事が出来る。
例えば、Pagesで作成した書類をWindowsの IEplorerからサイトの「Pages」にアクセスして開くと、簡易編集ページが起動して編集が可能となる。
   
   
そしてコピーのダ
ウンロードやメー
ル送信をする際に
は、Pages形式を
Officeや PDFファ
イル形式に変換し
て PCに保存/配信
する事が可能だ。
    ウェブ版 iCloudは、残念ながら 「iWork for iCloud ベータ版」のような特別な画像や動画ファイルのビューア機能(スライドショー等)を搭載していない。そこで実験、
 <補足>iCloud Drive保存動画MP4の再生試験
   
MP4動画「スペイン旅行オープニングムービー(2分間)
=方法=
・素材: MP4動画(H.264_AAC圧縮, 解像度720x408, 888kbps)
   
・iCloud for Windowsの同期フォルダから、その中のフォルダ(今回は
  「iMovie」)にドラッグアンドドロップでアップロード。
*PCブラウザからアップロードしようとしても、「iMovie」では失敗してしまう。
   
=成績=
(1)Windows 8.1ブラウザで、iCloud Driveサイトの iMovieにアクセスして試験
・IExplorer 11:ダウンロード後、ブラウザでQuickTimeムービーとして再生。
・Firefox 32.0:ブラウザでHTML5ビデオとして再生。
・Opera 12.17:Windows Media Playerで再生。
・Chrome 37.0:ダウンロードとなり再生不可。
・Safari 5.1.7:ブラウザでHTML5ビデオとして再生。
(2)iPad 8.02の Safari :iCloud Driveサイトにアクセスすら出来ない。
(3)Android 4.1.2の標準ブラウザ: iMovie内の動画をタップしても無反応。
なお、iOSアプリ「Documents by Readdle」や「iMovie」のドキュメント・ピッカーで、再生させる事は出来ない。
   
III.
旧 iCloudの「自分のフォトストリーム」が消失
   
iPad miniの iOSバージョンを 7.1.2から8.0.2へアップデートしたら(2014年10月03日)、「写真とカメラ」アプリから「自分のフォトストリーム」フォルダが無くなった。その為に写真の iCloudへの同期が出来なくなってしまった。
又、写真、ビデオとスクリーンショットが保存される「カメラロール」も消失しており、iTunesの同期時に PCにバックアップされなくなってしまった。
*カメラロールとフォトストリームが「最後に追加した項目」に統合されたおかげで、複数の iOSデバイスを iCloud同期させてる人にとっては...歓迎なのだ、と云うが・・・
*iFunBoxでは、」「カメラ」とRawファイルシステムのDCIM>100APPLEとは同じ
ファイル名を表示する事すら出来ず、やはりファイル名を付ける事は不可だ。
   
そこで、「自分のフォトストリーム」フォルダを新たに作成して以下の操作を実行したところ、 途中トラブったが同期可能となった(画像を開くのをきっかけに同期されるようになった。こちらの記事を参照)。
   
   
1) [設定] から [iCloud]へ、さらに[写真]をタップ。 「自分のフォトストリーム」を有効に設定。
   
   
2) 「写真」アプリを起動して、「自分のフォトストリーム」フォルダにファイルを[追加]する。
3) すると、iCloud for Windows 4.0を導入したPCの「iCloud フォト」が直ちに同期された。
   

追記(2015.01.21)
IV.
Mac OS X Yosemite 10.10で iCloud Driveを使用
 
Windows 8.1 VMwarePlayer上の Mac OS X Yosemite 10.10.1で検証。
仮想化ソフトへの Yosemite導入方法は、別記の「VMware PlayerへMac OS X Yosemiteを導入」を参照。
設定は、システム環境設定の「 iCloud」から実行。
・「iCloud Drive」にチェックを入れる。
・ 「オプション」からはiCloud Driveを利用して連携させるアプリでの作業データを選択することが出来る。
   
A
 
)Finder のサイドバーから各フォルダ、各個別ファイルに自由にアクセス可能(Finderの「環境設定」を開き「サイドバー」というタブをクリックしておく事)。
フォルダにアプリのアイコンが描かれており、アプリごとにフォルダが作成され、ファイルが格納される。
ファイルをiCloud Driveに保存すればクラウドと同期され、iPhoneやiPadのアプリから利用出来る。
 
 
例えば、PagesからiCloud Driveを開くと、他のアプリ用のフォルダも閲覧出来る。閲覧出来ても、そのアプリで開けるとは限らない。
他のアプリ用のフォルダからファイルを開こうとすると、Pagesフォルダにコピーされることが案内される。ファイル形式も Pages用に変換される。
B
)Safari(8.0.2)からアクセス
   
   
     
 

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