ffmpegXエンコード動画の再生
	ffmpegXエンコード動画の再生

（2005.01.30作成, 06.05.09更新）

Macユーザーが利用出来る、安価で単純な操作で動画のトランスコード（再圧縮変換）が可能なソフト には、「D-Vision2」や「XRay4」などがあるが（ここを参照）、ffmpegXは更に多様な形式で出力可能 な最強のトランスコーダだ。

ffmpegXは、

UNIX/Linux系で有名な動画トランスコーダーソフトffmpegをMacOS Xに移植したもので、 以下の特徴を持っている。 　1) MPEG1およびMPEG2（VOBを含む）、AVI、QuickTimeなど多くの動画フォーマット 　　 の読み込みが可能。 　2) DivX、XviD、Ms-MPEG4コーデックを利用したAVI.やMPEG1/MPEG2やMPEG4、 　　 XviDコーデックを利用したMOV/MP4など多彩な形式の出力が可能。 　3) 映像エンコーダのエンジンには、ffmpegの他にmencoderとmpeg2encを利用。 　4) シェア登録すれば、VCD、SVCDやDVD作成などフル機能が使用できる。

古いバージョンの「ffmpegX0.0.9sエンコード動画の再生」は、　　　→こちらに退去。

ffmpegX 0.0.9tが05年8月27日〜ffmpegX 0.0.9vが06年2月12日にリリーズされた。 　 1) OSX10.4に対応。 　 2) H.264_AAC.mp4へ変換可能（ME"motion estimation"function追加）。H.264.aviは廃止。 　　　x264 engineによるH.264変換で2パスエンコードが可能となった。 　 3) 日本語環境で動作するようになった。 　 4) mplayer/mencoderのアップデート(20050814〜 20051201)。 　 5) PSP向け形式への変換が大幅に追加・改良された。 　 等の変更

ffmpegX 0.0.9w が2006年4月27日にリリースされた。変更点は以下の通り: 　 1) 本バージョン以降はOSX 10.3 (Panther) ならびに10.4 (Tiger)のみ対応。 　 2) mencoder, mplayer, mpeg2encのバイナリはユニバーサル版となり、PPC・Intel プロセッ 　　 サの両方で動作する 　 3) FLV Flash Video プリセットを追加

Video Codecの変更点 Presetの変更点

I. ffmpegXのインストール 1) ffmpegXの入手先は、こちらから 　　ダウンロードして解凍後、仮想ボリュームが開くので、ffmpegXをアプリケーションフォルダにコピーする。 2) ffmpegX0.0.9wは、日本語環境下でも動作するが下記の「利用可能な素材テスト」の如く完璧ではない。 3) ffmpegXの初回起動段階で、補助ツールのインストールを促すセットアップ画面が表示される。 　　ここにダウンロード先が記載され 　　ているので、ブラウザのURLに 　　コピーしてリンク先に接続出来る 　　が・・・ 　　→mpeg2encは、本家本文中の下記からダウンロードする必要がある。 　　　　「The mpeg2enc binary for ffmpegX 0.0.9w is available here (don't click but use CTRL-click 　　　　on link and then "Download link on disk").」 　　　　下線部を 右クリックして、 　　　　Safariは "リンクされたファイルをデスクトップに保存"を、Firefoxは "別名でリンク先を保存.."をクリッ 　　　　クしてダウンロード。Safariは "mpeg2enc.intel.txt"が、Firefoxは "mpeg2enc.intel"が保存される。 　　準備した補助ツール類を分かり 　　易いデスクトップに配置し、 　　「Locate..」ボタンを押してファイ 　　ルの場所を指定する。 　　MacOSXの管理者権限のパスワードを入力して「Install」ボタンをクリックすると、 　　→これらのツール類も、ライブラリ/Application Support/ffmpegXの中にインストールされる。

以下主にMacOSX10.4.6 日本語環境下で実行した。

II. ffmpegXによるエンコード 1)起動するとreminder message 　が表示される→「Try for free」 　ボタンをクリック 2)「Summary」タブで、「Open..」 　 ボタンないしドラッグで、素材 　 ファイルを読み込む。 　 素材として、各種のファイル 　 フォーマット形式を検討した 　 （利用可能な素材テストを 　 　参照）。 　 ＊エンコード出来ない素材： 　　　AVI（VP6, WMV）、 　　　MPEG（H.264）、RM、OGM 　　　、MKV、NSV 、FLV 　　「Summary」タブの 　　「Target format」で、目的のプリセット 　　 を選択。 　　後述のように 　　「Video」タブで、VideoBitrate, VideoSize 　　 などを、 　　「Audio」タブで、Audio bitrate, Sampling, 　　 Channels, Modeを調整する。 　　何故か「SVCD ffmpeg」のみが出力出来 　　ない。 3) 「Video」タブ 　 Videoコーデック：選択 　 VideoBitrate：入力 　 VideoSize：入力 　 Autosize：プルダウン選択 　 Framerate：プルダウン選択 　 　＊指定したファイルサイズにな 　　るようにビットレートを計算さ 　　せることも可能。 　プリセットを使用しないと 　　H263(ffmpeg).3gp 　　H264(x264).mp4 　　Flash Video(ffmpeg).flv 　はエンコードエラーとなる！ 4) 「Audio」タブ 　 Audioコーデック：選択 　映像コーデックに非対応の組み 　合わせでも選択出来てしまうが 　・MP3：DivX/Xvid.avi用 　・MP2：MPEG1/MPEG2用 　・AC3：DVD用 　・AMR：H236用 　・PCM：DV用 　・AAC：MOV/MP4用 　→Audio bitrate, Sampling, 　　Channels, Modeを指定 　注意：素材がMOV, MP4, WMV 　　 の場合は、AudioTrackを0→1 　　 に変更してエンコードしない 　　 と無声となる事がある。 　　 変更の必要性は、「Play」ボ 　　 タンをクリックすると 　　 mplayerが起動して素材フ 　　 ァイルが再生されるので、 　　 確認できる。 　　例えば、WMV8も0→1変更す 　　　ると可能となる。 5) 「Filters」タブでは、Deinterlaceなどのフィルター処理や切り取り、字幕の追加が出来る。 6) 「Options」タブで、エンコードの品質に関する設定をする。 　　ffmpegとmencoderでは High Quality, 2-passエンコードなどの処理が可能。 　　mpeg2encでは別メニューだが、概略は割愛。 7) 「Tools」では、エンコード後のVCD、SVCD、DVD作成や映像・音声の分離/結合などを設定できる。 8) 「Encode」ボタンをクリックすると、「ffmpegX Progress」が起動して進行状況が表示される。

III. 利用可能な素材テスト バージョン0.0.9s/w及び英語/日本語環境の違い　　　＜エンコードエンジン＞ff：ffmpeg、mpg2：mpeg2enc 　 バージョン (試験OS環境) ffmpegX0.09s (MacOSX10.3.9 注1:英語環境) ffmpegX0.09w (MacOSX10.4.6 日本語環境) 変換形式 　元素材 XviD(ff) _AAC.mov MPEG2(mpg2) _MP2.mpg MPEG2(mpg2) _MP2.mpg Sorenson(ff) _MP3.flv 　SVQ3_QDM2.mov × ○ ○(注1:英語) × 　XviD_AAC.mov △無声 ○ × ○(注1:英語) 　H.264_AAC.mov × ○ ○(注1:英語) × 　ISMAMPEG4_AAC.mp4 × ○ ○(注1:英語) × 　XviD_AAC.mp4 ○ ○ × ○(注1:英語) 　MPEG2_AC3.vob ○ ○ ○ ○ 　MPEG2_MP2.mpg ○ ○ ○ ○ 　MPEG1_MP2.mpg ○ ○ ○ ○ 　RAW_PCM.avi ○ ○ ○ ○ 　DivX5.1_MP3.avi ○ ○ ○ ○ 　DivX5.21_MP3.avi ○ ×(結合不可) ○ ○ 　XviD1.01_MP3.avi ○ ○ ○ ○ 　H.264_MP3.avi ○ × × ○(注1:英語) 　DivX5.21_Vorbis.ogm × × × × 　XviD2.1_Vorbis.ogm × × × × 　WMV8_WMA8.wmv × ▽ 注意2:WMV Import 存在下で可能 ▽ 注意2:WMV Import 存在下で可能 × 　WMV9_WMA9.wmv × × 　RV8_RA8.rm × × × × 　Sorenson_MP3.flv × × × × 注意1：日本語環境では不可。英語環境下で変換可能となる。 注意2：WMV Import( Flip4Mac WMV Import.component )は、WMV Studio1.0(Trial Version) 　を試用。Flip4Mac WMV 2.02の無料試用では不可（Flip4Mac WMV PlayerPro以上が必要） 　→ ここを参照。

IV. 変換したファイルのフォーマット形式と再生テスト 日本語環境下で、元素材に RAWVideo_PCM.avi を用いて変換した場合 ＜エンコードエンジン＞ff：ffmpeg、menc：mencoder、mpg2：mpeg2enc プルダウン"Preset"の選択 MacOSX10.4.6上の再生 Presetの有無 　フォーマット形式： 　映像(エンジン）_音声.コンテナ ffmpegX 導入mplayer (0.0.9w) QuickTime Player (7.04) MPlayer OSX2 (2b8) VLCMedia Player (0.84) 　.MOV mpeg-4 　MPEG4(ff)_AAC.mov ○ ○ ○注1 ○ 無 　XviD(ff)_AAC.mov × ×音のみ ×音のみ ×音のみ 　.MP4 mpeg-4 　MPEG4(ff)_AAC.mp4 ○ ○ ○注1 ○ 　iPod for TV 　XviD(ff)_AAC(iPodTV).mp4 × ×音のみ ×音のみ ×音のみ 　PSP 　XviD(ff)_AAC(PSP).mp4 × ×音のみ ×音のみ ×音のみ 　h.264 mencoder 　H264(menc)_AAC.mp4 ○ ○ × ○ 　h.264 x264 　H264(x264)_AAC.mp4 × × × × 　iPod h.264 　H264(x264)_AAC(iPod).mp4 ○ ○ × ○ 　PSP h.264 　H264(x264)_AAC(PSP).mp4 × × × × 　3GP 　H263(ff)_AMR NB.3gp △無声 △無声 × △無声 　VCD ffmpeg 　MPEG1(ff)_MP2(VCD).mpg ○ ○ ○ ○ 　VCD mpeg2enc 　MPEG1(mpg2)_MP2(VCD).mpg ○ ○ ○ ○ 　KVCD 　MPEG1(mpg2)_MP2(KVCD).mpg ○ ○ ○ ○ 無 　MPEG2(ff)_MP2.mpg ○ ○注2 ○ ○ 　SVCD ffmpeg 　MPEG2(ff)_MP2(SVCD).mpg 出力出来ない 　SVCD mpeg2enc 　MPEG2(mpg2)_MP2(SVCD).mpg ○ ○注2 ○ ○ 　KSVCD 　MPEG2(mpg2)_MP2(KVCD).mpg ○ ○注2 ○ ○ 　CVD 　MPEG2(mpg2)_MP2(CVD).mpg ○ ○注2 ○ ○ 　MPEG-TS 　MPEG2(ff)_MP2(DVD).ts △無声 × × ○ 　DVD-lo 　MPEG2(mpg2)_MP2(DVD).VOB △無声 × ○ ○ 　KDVD 　MPEG2(mpg2)_MP2(KDVD).VOB △無声 × ○ ○ 　DVD ffmpeg 　MPEG2(ff)_AC3(DVD).VOB ○ × ○ ○ 　DVD mpeg2enc 　MPEG2(mpg2)_AC3(DVD).VOB ○ × ○ ○ 無 　DivX3(ff)_MP3.avi ○ ○注3 ○ ○ 無 　DivX3(menc)_MP3.avi ×音のみ ×音のみ ×音のみ ×音のみ 　DivX ffmpeg 　MPEG4(ff)_MP3.avi 　（QTではDivX4.1.2） ○ ○注3 ○ ○ 　DivX mencoder 　MPEG4(menc)_MP3.avi 　（QTではDivX4.1.2） ○ ○注3 ○ ○ 無 　MsMPEG4v1(ff)_MP3.avi ×音のみ × ×音のみ ×音のみ 無 　MsMPEG4v2(ff)_MP3.avi ○ △注4;無声 ○ ○ 　XviD ffmpeg 　XviD(ff)_MP3.avi × × × ×音のみ 　XviD mencoder 　XviD(menc)_MP3.avi ○ ○注5 ○ ○ 　DV 　DVVideo(ff)_PCM.dv ○ ○ × ○ 　FLV(Flash Video) 　Sorenson(ff)_MP3.flv ○参考 × × × SVCD：Super Video CDの略で、CDにMPEG-2フォーマットで圧縮した映像・音声データを記録する 　　ための仕様。 MPEG2-TS：MPEG-TransportStreamの略で、デジタル放送に使うMPEG2向けに開発された 　　伝送フォーマット。1本のストリームに複数のチャンネルを平行して格納出来る。 注意1) 再生バーの操作不可。 注意2) MPEG2再生コンポーネント（有料）必要。 注意3) Mac用DivX コーデック必要。 注意4) msmpeg4v2.component必要。 注意5) DivX 5.0.6以降+XVID Delegate Component 0.1必要。 参考　 MPEG2を素材として作成した場合は、音声Trackを0→1にしないと無声となる。

結果 ：

1) 0.0.9wになってFlash Video(FLV)に変換出来るようになった。 2) 日本語環境下でRAWVideo_PCM.aviを素材として検討したところ、不都合な コーデックが多々ある。 　 XviD(ffmpeg).mov/.mp4/.avi、MsMPEG4v1(ffmpeg).avi、DivX3(mencoder).avi、H264(x264).mp4　 3) MPEG4.aviは、一世代前のDivX4.1.2で、ISO MPEG-4.mov/mp4とは異なる。 4) mpeg2encエンジンのMPEG1は、QuickTimeの情報ではMPEG2 Muxedと表示される。 　　MMname2（Windows）のFourCC/CodeではMPEG2と表示される。 5) クリップは出来ても、編集ソフトとしての機能は皆無だ。 　ffmpegXで変換したFlash Videoの配信テスト（500Kbps,1分)　　　　→ここから Web Serverから疑似ストリーム（Faststart再生）配信が可能だが、シークバーの調節は不可。 画質はOn2VP6圧縮と比較したら劣るものの、ホドホドだ。

結語 ：

Mac環境では、WindowsのTMPGEncPlusやVirtualDubModのように優秀なフリー/シェアウェアの動画 トランスコーダーソフトが無いので、ffmpegXはMPEG Streamclip（ここを参照）と共に貴重なツール だが、不可解・難解な点が未だ多い。 MacユーザーもFlash Videoを作成して配信出来るようになったが、シーク可能にするにはWindowsの 助けが必要だ（ここを参照） 。

「Flash Video PlayerでFLVをWeb配信」 追記（06.05.09）　　　→こちらに記述。

「高画質MOVファイルをMPEG2に変換」　　　→こちらに記述。

最上段へ

| Kenのムービー計画へ ＞動画狂コーナーへ |