VP9圧縮WebM動画の作成と配信方法の比較(Xsrv)

VP9圧縮WebM動画の作成と配信方法の比較 (Xsrv)

 
=次世代圧縮映像VP9への変換と各種ブラウザの対応=
 
(2014.06.07作成,15.07.31更新)
IExplorerの機能拡張 VLC WebPluginによる動画再生は ⇒ WXR-NASで検証
Windowsでは VLC 2.1.1以降をモジラ&ActiveX プラグインとともインストールして VLC Web Pluginを有効にすれば、HTML5のWebMビデオに未対応の IExplorer, Safariをご利用の方でもご覧になれます(IExplorerは再生時、画面を少々移動すると描画します)。

<作成方法>
XMedia Recode(3.1.8.8)で VP8及び VP9_Vorbis圧縮WebMへ変換した。
映像解像度は 720x408で、データ速度は 375Kbpsの低ビットレートとした
元素材は、Corel VideoStudio 12 Plusで作成した Blu-rayビデオの BDMV\STREAMに生成された M2TSファイル(1920x1080, 11.0Mbps)で、2分間収録のオープニングムービー。
MediaCoder(0.8.30)は VP9圧縮WebMへの変換が比較的速やかに可能だが、何故か VP8への変換は ”vpxenc.exeは動作を停止しました” のエラーとなってしまう(MediaCoder 0.8.36でも同様にクラッシュ)。
SUPER c(2014.b60)でも VP9圧縮WebMへの変換は可能だが、VLC(2.1.2, 2.1.3)では上手く映像が描画出来ないファイルで出力されてしまう(但し、VLC 2.1.1なら問題なく再生可能)。
VLCによるブラウザ埋め込み配信の方法は、VLC の Web Pluginを利用した動画配信..」を参照

<成績>
1) VP9圧縮WebMへの変換に要する時間
VP8圧縮WebMへ
XMedia Recodeで変換
VP9圧縮WebMへ変換
XMedia Recode
(3.1.8.8)
MediaCoder
(0.8.30)
SUPER c
(2014.b60)
3分
1時間53分
18分
58分
ハイスペックPC(Core i7-4770K 3.50GHz)で変換しても、素材の収録時間(2分間)に比して 長時間を要し、最短の MediaCoderも含めて実用的ではない。
2) VP9開発の目標の一つは、同一画質で VP8 の半分のビットレートにする事であったが、今回の変換条件では顕著な画質の改善は認められなかった。
なお、VP9映像は MediaCoderで変換 ≒ SUPER cで変換 ≧ XMediaRecodeで変換の順に良だった。
=各ビットレートの画質比較(XMedia Recodeで変換)=
画質は、 VP9:750 ≒ VP9:500 > VP8:750 ≧ VP8:500 > VP8:375 > VP9:375の順に良で、VP9圧縮 375Kbps ≒ VP8圧縮 750Kbpsになってほしかったが残念な結果だった。
3) VP9圧縮WebMを HTML5ビデオとして再生
(i) Windows 7: WebMに対応する Chrome(29.0以降), Firefox(28.0以降), Opera(16.0以降)は、各々のバージョン以降に再生可能となっている(なお、Opera 12は VP9には未対応。IExplorer 11は WebM for IEが導入されていても VP9映像を描画出来ない)。
(ii) Mac OSX 10.7:Perian 1.2.3(最終版)をインストールすれば、iCab 5.2.0で VP8圧縮WebMの再生が可能となるが VP9映像は描画出来ない(開発終了。なお、QuickTime Xを利用する Safari 6.1.4は未サポート)。
(iii) Android(4.1.2):VP8圧縮WebMに対応する標準ブラウザ, Chrome(35.0), Firefox(29.0), Opera(12.0)のうち、Firefox以外はVP9映像を描画出来ず、Firefoxのみ再生可能だが ガクガク再生となってしまう(Androidの正式対応は OS 4.4と云うのだが、如何?)。
追記(2015.06.27)
 
OS 4.4.2(GALAXY Tab4) で検証したところ、案の定、標準ブラウザ, Chrome(43.0), Opera(30.0)及び Firefox(38.0)は、XMedia Recode, MediaCoder 変換VP9動画の再生は可能だった。
但し、Firefox以外のブラウザでは影付き描画となってしまう。
又、Firefoxはやはりガクガク再生だ。
追記(2015.07.31)
 
OS 5.0.1(GALAXY Note Edge SC-01G) で検証したところ、標準ブラウザ, Chrome(44.0)及び Opera(30.0)は、XMedia Recode, MediaCoder 変換VP9動画は問題なく(妙な影付き描画となならず)再生可能だった。
一方、Firefox(39.0)はやはり少々ガクガク再生だった。
(iv) iPad mini(7.1.1):Safari, Chrome(35.0), Mercury(8.4.1), OperaCoast(3.0.2)及び Puffin(3.7 1)は、いずれも WebMには未対応で iOS端末ではそもそも再生出来ない。
4) VP9圧縮WebMを VLC Web Pluginで再生
(i) Windows 7では、 VLC 2.1.1以降をモジラ&ActiveX プラグインとともインストールすれば、VLCのWeb Pluginを利用したブラウザ埋め込み再生が可能だ。従って、WebMに未対応のIExplorer, Safariでも再生が可能となる。
なお、VLC 2.1.2, 2.1.3では SUPER cで変換した場合のみ映像を上手く描画出来なかった。
(ii) Win8用UI版VLC Beta 0.0では、VLC用Web Pluginの利用は不可。
(iii) Macでは有用なVLC用プラグインを入手出来ない(別記のこちら を参照)。
(iv) Android用VLC 0.9.3及び iOS用VLC 2.3.0では、VLC用Web Pluginの利用は不可。
<参考>VLC media playerの VP9圧縮WebM動画のローカル再生能
 
・Windows用VLC: 2.1.1以降対応した。v2.1.2, 2.1.3では SUPER c(2014.b60)で変換した場合のみ上手く描画出来ない。
・Win8用UI版VLC Beta 0.0:再生可能だが、SUPER cで変換した場合のみ上手く描画出来ない。
・Mac OSX用VLC 2.1.4:再生可能だが、SUPER cで変換した場合のみ上手く描画出来ない。
・Android用VLC 0.9.3と iOS用VLC 2.3.0:VP8圧縮WebMの再生は可能だが、いずれのソフトで変換した場合でもVP9映像を上手く描画出来ない。