元素材:地上デジタル放送を、ブルーレイディスクレコーダー(PanasonicのDMR-BW800)の
DRモードで録画した二ヶ国語番組:高画質放送、番組連動型データ放送、文字多重
Mr.インクレディブル(The Incredibles)の日本語吹き替え放送。
全録画時間:2時間08分、CM等を除けば実質の放映時間:1時間48分
「おまかせダビング」のDRモードでBD-REにムーブしたBDAV
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<参考>Friioで録画したMPEG2-TS(.ts)は188byteパケットで、BDレコーダーのDR(ダ
イレクトレコーディング)モードで録画したMPEG2-TS(.m2ts)は4byteヘッダ付きの
192byteパケットとなっている。
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<参考>詳細ダビングのHG(所謂AVCREC)モードでは、40分位しかDVD-RAMに録画
出来ないので、映画番組の保存には不向き(HEモードでも1時間40分)。
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PC素材:PCで別ページ「地デジをハイビジョン画質でリッピング」の
「I.地デジを録画したBD-RE
(BDAV)のリッピング」方式で、AACSの解除とcci情報の削除を実行した。
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BackupBDAV041でAACSの解除・リッピング(約37分)
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Processing 00001.m2ts
End backup on Mon Dec 15 07:31:05 JST 2008
Time: 2206 sec
Input ENTER key for closing DOS Window.
<結果>
m2tsファイル情報(MediaInfo 0.7.8による解析):15.6GB, 2時間13分←間違い!
映像:MPEG2(Main@High), 15.7Mbps(24.0Mbps), 1440x1080,
29.970fps
音声:AAC(ADTS)(Version2)(LC), 251Kbps, 2channel, 48.0KHz
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cciconvで
cci情報及び字幕データパケットとデータ放送パケットを削除(約17分)
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<結果>
m2tsファイル情報(MediaInfo 0.7.8による解析):13.7GB, 2時間13分←2時間08分だ!
映像:MPEG2(Main@High), 13.8Mbps(24.0Mbps), 1440x1080,
29.970fps
音声:AAC(ADTS)(Version2)(LC), 251Kbps, 2channel, 48.0KHz
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TSReader Lite
2.8.46a(ここから入手)によるパケットとPID値の分析
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<参考>tsMuxeR GUI は、BackupBDAV041でリッピングしcciconvでcci
情報を
削除しただけのm2tsなら読み込み可能だが、cciconvで字幕データとデータ放送
パケットを削除したm2tsファイルは読み込むことは出来ない。
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Murdoc
Cutter 1.9f1(ここから入手)
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MPEG2圧縮型MPEG2-TSファイル(H.264_AC3圧縮型には未対応)を無劣化でGOP単位
のカット編集が可能な唯一のツール。
本ソフトは、不要部分を切り取るのではなく、必要部分を抜き出すことで不要部分をカット
するトリミング方式。
複数のトリミングしたファイルを一つのファイルに結合・出力する事も可能。
素材は、cciconvでcci 情報など削除後のm2tsファイル
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<方法>
「Input」画面
「Add」ボタンで素材を読み込む。
「Get GOP」ボタンを押して、GOP情報
が取得されてファイル名の先頭に●
が表示される迄待つ(約3分)。
読み込まれた素材をダブルクリックす
る。
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すると、編集画面に登録される。
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「編集」画面
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INボタンとOUTボタンで必要な領域を指定して「→」ボタンでClip Listへ登録する。
今回はこれを9回繰り返して9領域をトリミングした。
結合して出力したファイルは、再生するプレーヤーによってはカットした所で再生が止ま
ったりする場合がある。
音声をAACからWAVに変更する場合、結合点でエラーしたり、音ズレを起こし易い。
等の理由の為、バラバラに出力した方が無難とあるが・・・
試験Aは、トリミングした複数の領域を結合して1つのファイルで出力した。
試験Bは、トリミングしたらその都度バラバラに出力した。
<備考1>AAC5.1をBeLightで音ズレなしでAC3
5.1chに再配列する場合は、抜き出し
た部分に2ch音声が入っていると出来ない。
CMのカット領域(特にタイトルなどの黒い静止画部分)は大きく取った方がよい。
<備考2>今回の素材は、26:30:43:287のところでTimeCodeがリセットされている。この
場合に、「ReNo.TimeCode」(表示のみの変更)又はOptionの 「rewrite timecode」
(実際に書き換え)をチェックすると、どのような効用があるのか不明だ。
<備考3>残念ながら、Clip Listを保存する機能を持っていない。
今回は、「188 out」にチェックして出力する事とした。理由は、
TS(188byte)化した方が音ズレが少ない。
BonTsDemuxはM2TS(192byte)を扱えない(出力出来てもそのファイルはtsMuxeR
GUI に読み込めなかった)。
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「Option」で必要なPIDを指定出来るが・・・
「Clipping」タブで、
「only selected PID clipping」にチェック
を入れ「Get PID」ボタンを押すとPIDが
表示される。
一般には、0112が日本語音声、0113
が外国語音声となっているのだが・・・
ナッ何んと!今回の素材は分離してい
ないので、言語を指定出来ない!
従って「only slected PID.」は未チェック。
なお、以下の項目の効用は不明だが、
「rewrite timecode」:チェック
「ajust clipping point」:未チェック
*チェックしても試したが、試験Aでは
faad.exeのAAC→WAV変換失敗に
効果はなかった。
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設定を確認したら、「Output」で出力先とフ
ァイル名(拡張子はtsを付ける)を指定する。
「Clipping」ボタンを押すと、登録したファイル
が無劣化で結合される(全部約3分30秒)。
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<結果>出力したTSファイル情報(MediaInfo
0.7.8
による解析):11.1GB, 2時間08分←1時間48分だ!
映像:MPEG2(Main@High), 11.7Mbps(24.0Mbps),
1440x1080, 29.970fps
音声:AAC(ADTS)(Version2)(LC), 264.6Kbps,
0channel, 48.0KHz
TSReader Lite 2.8.46aによるパケットとPID値
の分析結果(右図)
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試験Aの1本化したファイルは、案の定・・・
ののたん(こちらを参照)で、映像・音声分離と
AAC→WAVへの変換をしようとしたが、
映像(m2v)と音声(AAC)に分離されるも
、
WAVへの変換はエラー(faad.exeは動作
を停止しました)となって出来なかった (;_;)
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Optionの 「rewrite timecode」をチェックしても結果は同じだった。
tsMuxeR
GUIを用いて、直接BDMV化 しようとしたが、音声部分を読み込む事は
出来なかった(ののたんで分離したAACを読み込む事も出来なかった) (;_;)
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TsRemux
0.21.2 (こちら
を参照)では、Murdoc Cutterで出力したTSファイルを
直接BDMV化する事は一見可能だが、今回用いた素材は二ヶ国語音声なるも複数
の言語トラックとなっていない(複数の言語トラックとして分離出来ない)。
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出力直後に””と警告される。
案の定、BD-REに書き込んでも
PC上WinDVD 8 for I-O DATAやPowerDVD 8 Ultraで再生出来ず、
TV上DIGA(DMR-BW800)でも再生出来なかった
(´ヘ`;)
このような不都合な二ヶ国語二重音声のAACを、如何に処理したらよいのか?
・・・救世主「BonTSDemux」があった!
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BonTsDemux
1.10mod.10k4(ここから入手)
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TS(188byte)ファイル(M2TS;192byteは未対応)から映像(m2v)と音声(AAC/WAV)に音ズ
レ無し(本当に?)で分離出来るツール。二ヶ国語二重音声AACファイルに対応している。
*「TSDemux + ToWave」 の方が音ズレ問題が起きにくいと云う情報もあるが、それでは
言語選択が出来ないのでパス。
素材:Murdoc Cutterでカット編集後のTSファイル
エンコード方式:Demux(m2ts+wav)を選択
音声出力方式:「主音声」(日本語)を選択。副音声は英語となる。
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<参考1>BonTsDemux
mod 10k4 (modified by kt)「コマンドラインからの呼び出し仕様」より
「RF64をサポート」をしないとRIFFで出力します。RIFFは規格上では最大4GBまでです。
4GBを超えると規格外になります。規格外WAVをサポートするツールを使うか、RF64
を使用してください。
Video Frame補完はDrop対策に有効で地上波デジタル放送での使用に適しています。
録画時の受信音波レベルが低くてコマ落ちしてしまった為に音がズレる場合に有効。
29.97fps決め打ちですのでCSやWOWOでは、ズレる可能性があります。
但し、大きな音ズレのない動画で使用すると逆に音ズレを発生させてしまう事がある。
スクランブル解除を行わない(スクランブル解除済みファイルの処理高速化用)
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試験Aは、Murdoc
Cutterで結合した1つのファイルを単体で変換した。
試験Bは、Murdoc Cutterで出力した複数(9個)のファイルをバッチリストに「追加」ボタン
で登録して変換した。
「変換開始」ボタンを押すと映像(m2v)の分離と音声の変換(wav)が行われる(約13分)。
試験Bでは、次々とバッチ処理が実行される(下図)。
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<結果>分離・変換したファイル情報(MediaInfo
0.7.8による解析)
m2vファイル:9.92GB, MPEG2(Main@High),
24.0Mbps, 1440x1080, 29.970fps
WAVファイル:1.16GB,
1時間48分, PCM(Microsoft)1536Kbps, 2channel,
48.0KHz
*今回の素材では、試験Aで強制5.1ch(Split)出力したWAVをBeLightで
5.1chAC3
化することは出来なかった。Wave easy function+WAV to AC3
Encoderなら
可能なようだが、前試験で音ズレ補正が出来ず断念(結果・考察5-1)。
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tsMuxeR
GUI 1.8.4(ここから入手)(こちら
も参照)
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ビデオとオーディオをトランスポートストリーム(TS,
M2TS)やBDMV化出来るツール。
M2TS(192byte)とTS(188byte)を相互に変換する事も可能。
残念ながら、BDMVに内包出来るm2tsファイルは一つのみとなるので、chotBDAVのよ
うに複数の番組をそのまま入れる事は出来ない。
HDC-SD9由来の素材(映像の読み込み不可)以外はMPEG2圧縮型、H.264圧縮型いず
れのMPEG2-TSにも対応している。
今回の地デジ二ヶ国語・二重音声映画の場合は、上記の如くややこしい。
BonTsDemuxで分離変換したm2vとWAVは読み込み可能だった \(^o^)/ラッキー
但し、 BonTsDemuxで分離したAACを読み込む事は出来なかった。
「Input files」欄に、「add」ボタンからm2vファイルとWAVファイルを読み込む。
*映像と音声以外のパケットが含まれているとエラー表示されるが、無視してよい。
複数の映像ファイルを順番に繋げるには、append機能を使用する。
tsMuxeRは完全なオーサリングソフトではないので、多重化は単体の映像ファイル、
単体の音声ファイルしか出来ない。「add」を使って複数の映像ファイルを放り込んで
も、それを順番に再生してくれるわけではない。
複数の映像ファイルを順番に再生させるには、「append」を使って複数の映像ファイ
ルを読み込むと++で結合してくれる。音声も同様。但し・・・やはり音ズレが発生する!
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試験A:Murdoc
Cutterで1つのファイルに結合→BonTsDemuxで分離した単一の
映像と音声を素材とした。
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試験B:Murdoc
Cutterでバラバラに出力した9個のファイル→各々をBonTsDemux
でバッチ変換した映像及び音声を素材として「append」で連結した。
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「Output」欄で「Create
Blu-ray disk」を選択し、保存先を指定する。
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「Blu-ray」タブで、チャプタを作成する事が
可能。デフォルトでは5分単位となって
いる。 |
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設定を確認したら、「Start muxing」を押す。
動画の変換はされずにBDMVにオーサ
リングされる(約14分)。
作業が完了すると、
「BDMV」と「CERTIFICATE」が作成される。
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<結果>
「BDMV」>「STREAM」内に出力された00001.m2tsファイル情報(MediaInfo 0.7.8によ
る解析):11.8GB,
1時間48分
映像:MPEG2(Main@High), ?Mbps, 1440x1080, 29.970fps
音声:PCM(Big/Signed), ?Kbps, 8channel,
?KHz
TSReader
Lite 2.8.46aによるパケットとPID値の分析結果
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ナッ何んと!ES PID 0x1100がAudioパケットとして上手く認識されていない?
プレイヤーでの再生
1)再生可能なプレイヤー
この
MPEG2-TSファイル(MPEG2_PCM.m2ts)は、音声がPCMと稀有な為に、
幸い Media Player Classic Homecinema
1.1.604では問題なく再生可能だ
\(^o^)/
しかし、多くのプレイヤーでは、再生出来ても無声となってしまう
(´ヘ`;)
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(1)Windows Media
Player11:筆者のDirectShowフィルタ環境では無声
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m2ts |
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tsに
リネーム |
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筆者の環境では、MPEG2-TSファイルのDirectShowスプリッターは
m2tsファイルにはMainConcept MPEG Demultiplexerが使用され、tsファイルに
はHaali Media Splitterが使用されるが、音声ディバイスにレンダラ出来ない。
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(2) コーデック内臓プレイヤー
Media Player Classic Homecinema以外の以下のプレイヤーでは無声
GOM Player2.1.12、VLC Media Player0.96、SMPlayer0.6.4、KMPlayer2.9.4.1433
(3)BD対応DVDプレイヤー
WinDVD 8 for I-O DATA、PowerDVD 8 Ultraも無声再生
但し、PowerDVD 8 Ultraでは、Blu-rayメディアに書き込むと下記の如し
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2)映像・音声解離:Media
Player Classic Homecinema で確認
試験A:ほとんど気にならない \(^o^)/
試験B:番組の最後には約3秒音声が先行する音声・映像解離が起こってしまう
(´ヘ`;)
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最後に、ImgBurn等のBlu-ray対応ライティングソフト(ここを参照)でBDメディアに書き込む
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B's
Recorder GOLD9 BASIC |
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今回は、B's Recorder GOLD9 BASIC(BRD-SH6B付属)を使用して、BD-REに書き
込んだ(2倍速で完了迄に約57分)。
<結果>
「BDMV」>「STREAM」内の00001.m2tsファイル情報
や パケットとPID値は、tsMuxeR
GUIで出力した00001.m2tsファイルと同じ。
Blu-rayメディアの再生
PC上 I-O
DATA製のBRD-SH6B(BD&HD DVDコンポ)での再生
WinDVD8
for I-O DATA
:何故か?直ちに停止して再生出来ない (´ヘ`;)
PowerDVD
8 Ultra:音声も含めて再生する事が出来るようになった
\(^o^)/
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TV上ブルーレイレコーダーでの再生
PanasonicのDIGA(DMR-BW800)で日本語再生可能
\(^o^)/
「再生設定」>「信号切り替え」では、「二重音声」:日本語
⇔ 英語 ⇔ 日本語/英語
の選択項目などは無くなっている(下右図)・・・BDMV形式には未対応なのであろう!
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元素材BDAVの「信号切り替え」画面
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BDMVで再構築後の「信号切り替え」画面
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音声・映像解離
試験A:ほとんど気にならない(番組の最後に約
0.5秒位音声が先行) \(^o^)/
試験B:番組の最後には約3秒音声が先行する音ズレが起こってしまった
(´ヘ`;)
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