chotBDAVで地デジ二重音声番組の再構築

chotBDAVで地デジ二重音声番組の再構築
リップした地デジ二ヶ国語二重音声番組をMurdoc CutterでCMカット後
chotBDAVを用いて映像・音声を無劣化で再構築
(2008.12.23作成)
 目標:地デジ二ヶ国語二重音声番組を映像の劣化なく CMカットしてBlu-rayに戻したい。
   chotBDAVでBD-REに戻す方法を以下にメモした。
 マシン環境は、Intel Core 2 Quad Q6600 2.40GHz、DDR2 PC2 6400 2GBx2、GeForce
   8600GT(VRAM 512MB)で、
   光学ドライブは、I-O DATAのBD&HD DVDコンポドライブBRD-SH6Bを使用し、
   
OSは、Windows Vista Home Premium SP1環境で検証した。
 MPEG2関連コーデック・フィルタ類の環境は、以下を使用した。
    MainConcept MPEG Demultiplexer(Elecard MPEGPlayer v4.0.3.60412のインスト
    ールで導入される)
    Haali Media Splitter v1.7.62.21(最近のv1.8.122.18でない)
    ffdshow tryouts revision2265:H.264/AVC,AC3を有効に、AACを無効に設定。
    AC3Filter(MediaCoderのインストールで導入されるが、DirectShow Filter Toolで
     メリット値を 0x40000000から 0x10000000に変更)
    CoreAAC directshow filter 1.2.0.573
    WinDVD8 for I-O DATA(BRD-SH6B付属)又は、PowerDVD 8 Ultra

  元素材:地上デジタル放送を、ブルーレイディスクレコーダー(PanasonicのDMR-BW800)の
       DRモードで録画した二ヶ国語番組:高画質放送、番組連動型データ放送、文字多重
       Mr.インクレディブル(The Incredibles)の日本語吹き替え放送。
       全録画時間:2時間08分、CM等を除けば実質の放映時間:1時間48分
       「おまかせダビング」のDRモードでBD-REにムーブしたBDAV
    <参考>Friioで録画したMPEG2-TS(.ts)は188byteパケットで、BDレコーダーのDR(ダ
        イレクトレコーディング)モードで録画したMPEG2-TS(.m2ts)は4byteヘッダ付きの
        192byteパケットとなっている。
    <参考>詳細ダビングのHG(所謂AVCREC)モードでは、40分位しかDVD-RAMに録画
        出来ないので、映画番組の保存には不向き(HEモードでも1時間40分)。
  PC素材:PCで別ページ「地デジをハイビジョン画質でリッピング」の 「I.地デジを録画したBD-RE
      (BDAV)のリッピング」方式で、AACSの解除とcci情報の削除を実行した。
 BackupBDAV041でAACSの解除・リッピング(約37分
         ・・・・・・・・・・・・・・・・
         Processing 00001.m2ts
         End backup on Mon Dec 15 07:31:05 JST 2008
         Time: 2206 sec
         Input ENTER key for closing DOS Window.
     <結果>
       m2tsファイル情報(MediaInfo 0.7.8による解析):15.6GB, 2時間13分←間違い!
         映像:MPEG2(Main@High), 15.7Mbps(24.0Mbps), 1440x1080, 29.970fps
         音声:AAC(ADTS)(Version2)(LC), 251Kbps, 2channel, 48.0KHz
 cciconvで cci情報及のみを削除(約17分
       字幕データパケットとデータ放送パケットは削除しない!
     <結果> BackupBDAV041でリッピング後と同じ
       m2tsファイル情報(MediaInfo 0.7.8による解析):15.6GB, 2時間13分←2時間08分だ!
         映像:MPEG2(Main@High), 15.7Mbps(24.0Mbps), 1440x1080, 29.970fps
         音声:AAC(ADTS)(Version2)(LC), 251Kbps, 2channel, 48.0KHz
   
 Murdoc Cutter 1.9f1(ここから入手)
    MPEG2圧縮型MPEG2-TSファイル(H.264_AC3圧縮型には未対応)を無劣化でGOP単位
     のカット編集が可能な唯一のツール。
    本ソフトは、不要部分を切り取るのではなく、必要部分を抜き出すことでCM等の不要部分を
      カットするトリミング方式。    
    素材は、cciconvでcci 情報のみ削除後のm2tsファイル
    <方法>
     「Input」画面
      「Add」ボタンで素材を読み込む。
      「Get GOP」ボタンを押して、GOP情報
        が取得されてファイルの先頭に●
       が表示される迄待つ(約3分)。
      読み込まれた素材をダブルクリックす
       る。
      すると、編集画面に登録される。
     「編集」画面
      INボタンとOUTボタンで必要な領域を指定して「→」ボタンでClip Listへ登録する。
      <備考> CMのカット領域(特にタイトルなどの黒い静止画部分)は大きく取った方がよい。
      chotBDAVはTS(188byte)を扱えないので、「188 out」のチェックはせずに出力する。
      「Option」で必要なPIDを指定する。
        「Clipping」タブで、
         「only selected PID clipping」にチェック
          を入れ「Get PID」ボタンを押すとPIDが
          表示される。
         一般には、0112が日本語音声、0113
          が外国語音声となっているのだが・・・
         ナッ何んと!今回の素材は分離してい
          ないので、言語を指定出来ない!

        なお、以下の項目の効用は不明だが、
         「rewrite timecode」:チェック
         「ajust clipping point」:未チェック
      設定を確認したら、「Output」で出力先とフ
      ァイル名(拡張子はm2tsを付ける)を指定
      する。
      「Clipping」ボタンを押すと、出力される。
      今回はこれを9回繰り返して9領域をバラバ
       ラに出力した。 
        (実質出力時間の合計約5分)。
  
    <結果>出力した00001.m2tsファイル情報(MediaInfo 0.7.8による解析):1.69GB,17分03秒
       映像:MPEG2(Main@High), 13.4Mbps(24.0Mbps), 1440x1080, 29.970fps
       音声:AAC(ADTS)(Version2)(LC), 264.6Kbps, 0channel, 48.0KHz

   
     TSReader Lite 2.8.46aによるパケットとPID値の分析結果
  
 chotBDAV 0.56(ここからchotBDAV056.rarを入手)
    chotBDAV 0.56は、複数のMPEG2-TSファイルをBDAV化することの出来るツール。
     M2TS(192byte)ファイルしか扱えず、TS(188byte)には未対応。
     *Frioで録画したMPEG2-TSファイルは、BD2FW等でM2TS(192byte)化しておく。
     又、バージョン0.56はH.264圧縮型MPEG2-TSファイルに未対応。
    素材:Murdoc CutterでCMカットしたバラバラのm2tsファイル
    方法
      chotBDAV056.rarを解凍して得られたchotBDAV056フォルダ(chotBDAV.exe、最初に読
       むよ.txt)をCドライブ直下に配置した。
      予め保存先のフォルダを今回はGドライブに作成して、名称を「BDAV」としておく。
       又、ファイル名は必ず「00001.m2ts」のように「0000」の連番にしておく。
      コマンドプロンプトを起動し、「cd C:\chotBDAV056」を入力してEnter。ディレクトリを
       chotBDAV056フォルダ下に移動する。 そして、
        (1)chotBDAV本体のパス、(2)変換元ファイルのパス、(3)保存先フォルダのパスを入力
        する。
        *Windows XPのようにドラッグ&ドロップ出来ないので、誤字のないようにコピー&貼り
          付けで行えばよい。ピンクの囲みは、半角スペースを入れる事。
      Enterすると、コマンドが実行されてBDAVフォルダ内にCLIPINF、PLAYLISTとinfo.bdavが
       生成される。
       コマンド開始時に「m2tsのファイル長が正しくないため、m2tsに追記補正します。」と
       メッセージされる事があるが気にする必要はない。
      続いて通し番号のファイルのコマンドを実行する場合は、「Pg UP↑」キーを押すと
       前に入力したコマンドが入力されるので、00001→00002etcに変更すればよい。
        Enterすると、コマンドが実行されて「CLIPINF」フォルダ内に「00002.clip」が、
        「PLAYLIST」フォルダ内に「00002.rpls」が作成される。
      同じ作業を繰り返し最後のファイル迄実行する(実質出力時間の合計約3分)。
      コマンドの実行が終了したら、「BDAV」フォルダ内に新たに「STREAM」フォルダを追加
      作成して元素材の.m2tsファイルをその中に移動すれば、BDAVの構築は完成する。
    <結果>
    
各ファイルのPCプレイヤーでの再生
       この MPEG2-TSファイル(MPEG2_AAC.m2ts)は、特異な二重音声AACの為にマトモ
       
再生出来るプレイヤーはない (´ヘ`;)
       (1)Windows Media Player11:筆者のDirectShowフィルタ環境では無声再生
 
         筆者の環境では、m2tsファイルのDirectShowスプリッターはMainConcept MPEG
         Demultiplexerが使用されるが、音声ディバイスにレンダラ出来ない。
       (2)Media Player Classic Homecinema:クラッシュ又は無声再生
        *DolbyOutDSここからDolbyOutDS-0.13build4.zipを入手)によるAACをAC-3に
          変換して出力の方法(こちらの記事)に準じて、内部フィルタ:変換フィルタの「AAC」
          を無効に設定して検証してみたが、筆者のデジタル出力フィルタ(SoundMAX
          Integrated Digital HD Audio)が適切でない為なのか上手く行かなかった (;_;)
       (3)GOM Player2.1.12:クラッシュ
       (4)VLC Media Player0.96:無声再生
       (5)SMPlayer0.6.4:音声トラック一つで二ヶ国語混在しワァウーワァウー再生
       (6)KMPlayer2.9.4.1433:音声トラック一つで二ヶ国語混在して再生
         環境設定のフィルタ調整/ソースフィルタ/その他で、Haali Media Splitterの設定欄
          の「MPEG2TSファイルの再生時に使用」をチェック
       (7)BD対応DVDプレイヤー
         WinDVD 8 for I-O DATA:無声再生
         PowerDVD 8 Ultra:音声トラックの選択不可で二ヶ国語混在して再生
   
    最後に、ImgBurn等のBlu-ray対応ライティングソフト(ここを参照)でBDメディアに書き込む
 B's Recorder GOLD9 BASIC
     今回は、B's Recorder GOLD9 BASIC(BRD-SH6B付属)を使用して、BDAVフォルダ
      を丸ごとBD-REに書きんだ
2倍速で完了迄に約46分)。
   <結果>
     Blu-rayメディアの再生
       PC上 I-O DATA製のBRD-SH6B(BD&HD DVDコンポ)での再生
        WinDVD8 for I-O DATA
        PowerDVD 8 Ultra
        いずれのプレイヤーも音声
        (AAC 2.0)のトラックは一
        しか認識ず、二ヶ国語
        混在して再
てし
        う
(´ヘ`;)


       右図はPowerDVD 8 Ultra
        情報と右クリックメニュー
       TV上ブルーレイレコーダーでの再生
        PanasonicのDIGA(DMR-BW800)で問題なく再生可能
        cciconv処理においてデータ放送パケット等を削除しかった為か?
         「再生設定」>「信号切り替え」の「二音声」で、日本語 ⇔ 英語⇔ 日本語
         /英語の選択が可となっている \(^o^)/
        但し、字幕操作は無効となってしまった。
 
元素材BDAVの「信号切り替え」画面
chotBDAVで再構築後の画面
 
        再生ナビの番組一覧にタイトルが順番に表示される。
        一つのタイトルの再生が終了すれば、次のタイトルに自動で移動する。
        音声・映像解離はほとんど気にならない。

 結果・考察
  1)Murdoc Cutterでのカット編集時間を除いた全処理にかかる必要作業時間は、
    リッピング: 37分+cci情報の削除: 17分+Murdoc Cutter読み込み・出力: 8分
     +chotBDAV処理: 3分=約 1時間05分。
    B's Recorder GOLD書き込み: 46分で、Total 1時間51分は最低限必要だった。
  2)今回の日本語吹き替え映画は、Murdoc Cutterでは言語選択が出来なかった。
    PC上では音声再生も可能なプレイヤーで音声の切り替えが出来るソフトがない為、
   
二ヶ国語が混在した音声となってしまう。
  3)PCで視聴したいのであれば、BonTsDemuxを経由した「Murdoc CutterでCMカット
    →BonTsDemuxで映像・音声(WAV)分離、言語選択tsMuxeR GUI BDMV化」
    方式の試験A(こちらを参照)等で実行する必要がある。
  4)5.1chAC3へ変換してBDAV化しても、用いた素材は以下の方法では禍があるだけだ。
    Murdoc Cutterでバラバラに出力したファイルを、ののたんで映像と音声(WAV)
    分離し、BeLightでWAVを 5.1chのAC3に再配列した後、tsMuxeR GUI Muxing
    したこちらを参照)。
    全てのファイルでこの結構煩わしい作業を繰り返して作成したMPEG2_AC3.m2tsを、
    chotBDABDAVに再構築した。
   <結果>
     PC上PowerDVD 8 Ultraでの再生
       音声(AC3 5.1)の切り替えは、
       「音声1」のみで言語トラ
       出来ない。
      TV上DIGA(DMR-BW800)での再生
       「再生設定」>「信号切り替え」で
         「音声」は「音声1」のみ。
        「二音声」の項目はグレイとなって、
          日本語 ⇔ 英語⇔日本語/英語
         の選択が出来ない。
     残念ながらいずれも二ヶ国語が混在した
      音声
となってしまう(;_;)

| Kenのムービー計画へ >動画狂コーナーへ |