Freemake Video Converterの試用経験

Freemake Video Converterの試用経験
 
Freemake video Converterは多種多様な形式への変換が可能な動画ソフト
(2011.05.16作成)
Freemake Video Converterはフリーのダウンローダ付きビデオコンバータ/オーサリ
   ングソフト。さまざな形式の動画から AVI、WMV、MP4、MKV、FLV,SWF,MPEGへのビデオ
   変換やiPhone、iPad、PS3、Xbox、Android等のメディア形式への変換、DVD、Blu-rayへ
   の書き込み、YouTubeへのアップロード、BGM付きスライドショーの作成、音声ファイルか
   ら視覚エフェクト付き動画の作成など多彩な用途への変換機能やニコニコ動画、YouTube、
   Facebook等のオンライン動画のインポート機能を備えた多機能動画ソフト。
  本ソフトは、ビデオとオーディオのフレームサイズ、フレームレート、サンプルサイズ、サンプ
   ルレート等変換パラメータを自由にカスタマイズ可能で、簡易的なカット編集機能を備えて
   おり複数の動画をひとつに結合する事も可能。
  今回はプロファイルのカスタマイズ性能を中心に、 各種形式のビデオに圧縮・変換してWeb
   配信する場合の使い勝手を検証してみた。
  検討したマシン環境は、Intel Core 2 Quad Q6600(2.40GHz)、DDR2(PC2-6400)8GB、
   GeForce9600GT(VRAM 512MB, Drive v195.62)で、
  OSは64ビット版Windows 7環境で行った。
 
 Freemake Video Converterのインストール
 Freemake Video Converterの入手先は、こちらから (今回は、Version2.1.4.0を使用)。
 インストール中に、プログラムで使用したい言語(日本語)を選択。
 作動には.NET Framework 4.0が必要(Windows7はそのままインストール可能で、XPの場
  合は自動で.NET Framework 4.0のプロファイルがセットアップされる)。
 
 エンコードの概略
 サポートされている入力ファイル形式
  *.3gp;*.3g2;*.3gp2;*.3g2p;*.3gpp;*.asf;*.avi;*.avs;*.amv;*.mtv;*.cavs;*.bik;*.bnk;*.cdg;
  *.dv;*.dv1394;*.dxa;*.dvr-ms;*.dpg;*.ea;*.ffm;*.film;*.film_cpk;*.flm;*.flc;*.flh;*.fli;*.flt;
  *.flx;*.flv;*.f4v;*.f4p;*.gxf;*.h261;*.h263;*.h264;*.m4v;*.mkm;*.mkv;*.mj2;*.mjpg;*.mov;
  *.qt;*.mp4;*.ifo;*.vob;*.mpg;*.mpeg;*.mpe;*.m2p;*.m1v;*.m2v;*.m2s;*.m2t;*.m2ts;
  *.mts;*.ML20;*.mxf;*.nc;*.nsv;*.nut;*.nuv;*.ogm;*.ogv;*.pva;*.r3d;*.rax;*.rm;*.ram;
  *.rms;*.rmvb;*.rmx;*.ivr;*.rpl;*.rtsp;*.sdp;*.smk;*.swf;*.thp;*.ts;*.tod;*.vc1;*.vc-1;
  *.vfw;*.vro;*.wmv;*.asf;*.au;*.aif;*.aiff;*.aifc;*.aac;*.ac3;*.adts;*.alaw;*.amr;*.apc;*.ape;
  *.caf;*.dts;*.gsd;*.gsm;*.flac;*.mka;*.mlp;*.mmf;*.m4a;*.m4r;*.mp1;*.mp2;*.mp3;
  *.mpeg3;*.mpc;*.mp+;*.m2a;*.nut;*.ogg;*.oma;*.qcp;*.ra;*.rmj;*.shn;*.tta;*.voc;*.w64;
  *.wav;*.wv;*.wma;*.xa;*.anm;*.bmp;*.dpx;*.jpg;*.jpeg;*.gif;*.pam;*.pbm;*.pcx;*.pgm;
  *.png;*.ppm;*.sgi;*.sr;*.ras;*.tga;*.tiff;*.tif;*.txd;*.mtv;*.mvi;*.trp;*.mxg;*.thd;*.wtv;
  *.webm;*.rec
 対応ビデオフォーマット形式
   AVi(*.avi), MP4(*.mp4;*.m4v), MPEG(*.mpg;*.mpeg;*.mp2;*.mp3), WMV(*.wmv;*.asf
   ;*wm;*.wmvhd) , 3GP(*.3gp;*.3g2;*.3gpp;*.3gp2), DVD(*.ifo;*.vob;*.vro), RM(*.rm;
   *.rmvb;*.rv;*.ivr),QuickTime(*.mov;*.qt;*.mp4;*.m4v), Flash(*.flv;*.swf), HD(*.tod;
   *.m2ts;*.m2t;*.mts), MKV(*.mkv), WebM(*.webm)
  オンラインビデオのインポート
  ニコニコ動画、YouTube、Facebook、MTV、Google、Vimeo、Megavideo、Veohなど
   サポートされているサイトからオンラインビデオをインポートすることが可能
  DVDビデオのリッピング
  「VIDEO_TS」DVDフォルダ またはDVDディスクのドライブ を選択してDVDから動画を読
   み込む事が可能。
 
 出力可能なファイル形式
  AVI(H.264/XViD/MPEG4; MP3/AC3/PCM)、  WMV(VC1/WMV3; WMA/WMApro)、
  MP4(H.264/MPEG4; MP3/AAC/AC3)、  MPEG(MPEG1/MPEG2; MP3/MP2)、
  MKV(H.264/MPEG4; MP3/AAC/AC3/FLAC)、  FLV(FLV/H.264; MP3/AAC)、
  SWF(FLV; MP3)、  3GP(H.263/MPEG4; AAC/AMR)
  下線は一般的なプリセットにおけるビデオとオーディオコーデックの組み合わせ
  <注意>下記の如く、MP4のH.264_MP3の組み合わせは、H.264_AACとした方がよい!
  Apple、Sony、Androidデバイス向けに動画を最適化
   iPod Classic、iPod Touch、iPod Nano、iPod 5G、iPhone、iPad、Sony PSP、PS2、PS3、
   BlackBerry、Xbox、Apple TV、Android、スマートフォンとその地のデバイス
  Blu-rayへの書き込み
   メディアの他、ISOイメージ、Blu-rayフォルダとしてハードディスクにBlu-ray動画を保存
  DVDへの書き込み
   メディアの他、ISOイメージ、DVDフォルダとしてハードディスクにDVD動画を保存
  YouTubeへ動画やMP3や写真のスライドショーをアップ
   YouTubeにAVI、WMV、MP4、3GP、JPG、BMP、GIF、MP3のアップロード。
 
 操作手順
 使用方法 こちらの記事を参照
 1)ファイルメニューの「オプション」でCUDAを有効にする事が可能だが、出力パラメータの設定
  の所でも有効化が可能。しかし、何故か?筆者の環境ではCUDAを有効にして変換すると、
  アプリがハングアップしてしまう。
  
追記(2011.05.18)
   Version2.1.5.0では”新しいCUDA ドライバで変換クラッシュの問題 が修正されました”と。
    確かに筆者の環境でもハングアップする事は無くなったが・・・後述。
    なお、CUDA変換出来るのはH.264圧縮の時だけで、 VC1, WMV, MPEG4, MPEG2, FLV
    圧縮の場合は適応出来ない。
 
 2)ツールバー上の「ビデオ」ボタンをクリックして素材を登録(複数の読み込み可能)。
   外部字幕SSA/SRT/ASSを読み込んで焼き付ける事が可能となっている。
 
 
 3)出力フォーマット形式の選択
  A)ビデオファイルへの変換
   変換設定の内容は、「プロファイル」としてあらかじめ同じソース、HD 1080p, HD 720p, DVD
    Quality, TV Quality, Mobile Qualityが登録されているが・・・
    今回は、設定を全て手動で行う 「カスタム」を選択
   素材は、TSファイル(MPEG2 1920x1080, 32.5Mbps, AC3 48.0Khz, 256Kbps)を使用。
   以下、「MP4」ビデオに圧縮・変換する場合の設定例を記載。
     フレームサイズ:カスタムを選択し 720x408を指定。調整はストレッチを選択した。
     ビデオコーデック:H.264を選択。フレームレート23.976 fpsを選択。ビットレートはカスタムと
       して 654Kbpsを指定。
     オーディオコーデック:MP3を選択。チャンネル:ステレオを選択。サンプルレート:48000Hz
      として、ビットレート 96Kbpsを選択。
 
 
 *動画のアスペクト比補正機能、動画品質向上機能:黒いバーを追加、ストレッチ、ズーム・
   カット、オートアジャストの4つの自動プログラムから選択可能。
 注意:シネスコサイズ(例えば、640x272)の場合は”ストレッチ”を適応しないと、横幅が縮小
  されて表示(601x272)されてしまう。
  出力パラメータの設定
   下図の如く変更せず、バッチモード、CUDAオフ、1Passエンコードとした。
 
 
*ファイルを結合:入力した動画形式が異なっていても連結可能。
*バッチモード:複数の動画を特定のフォーマットに一括変換可能。
  成績:映像ビットレート654Kbps、音声はビットレート96Kbpsと設定値で出力された。
   AVCは、(Main@L3.0)(CABAC/2 Ref Frames)だった。
   *変換後のビットレートが設定より大きくなる場合が多いと云うが、今回の設定ではOK
 
  出力されたMP4(H.264_MP3)ファイルのローカル再生
   Windows Media Player (12.0)、「DV」プレイヤー(0.78a)、MPC HomeCinema(1.5.0.2827)、
    GOM Player(2.1.30)、VLC MediaPlayer(1.1.8)、SMPlayer(0.6.9)、KMPlayer(3.0.0)、
    SPlayer(3.7) では問題なく再生可能だが、
   QuickTime(7.6.9)とReal Player(14.0)では再生出来ない。
   
QuickTimeで再生しようとすると ”エラー -2041:ムービーに不正なプル記述があ
     ります”となって再生出来ない
┓(´_`)┏
     ⇒オーディオコーデックを AACにして変換したファイルは再生可能となるが・・・それでも、
      Web上ではFastStart再生出来ない
(;>ω<)/        ⇒下記のWeb配信を参照。
   追記(2011.05.18)
    Version2.1.5.0を用いて、CUDAエンコードの有用性を検証
    素材:5分15秒の上記TSファイル
    変換設定: オーディオコーデック MP3を AACに変更した以外は上記の設定条件でCUDA
    オフ/オン時の変換速度を測定した。
     下図は、CUDA有効時の変換進捗状況
 
    成績:CUDAオフでは 3分42秒、CUDAオンでは 3分44秒で、効果は認められなかった。
 
  B)Blu-rayへの変換
   (1)Blu-rayタイトルの入力
   (2)Blu-rayメニューの種類を選択:モーションメニュー、テキストメニュー、メニューなしから選択。
   (3)BDタイプの選択:標準的なBD(25GB)、BDダブルレイヤー(50GB)
   今回は下図の如くの設定した。背景画像やメニュー配列を設定する事は出来ないおまかせ
    メニューとなる。BGMを挿入する事も出来ない。
 
   成績:下図は作成されたBlu-ray.isoイメージファイルをVirtaul CloneDriveでマウントし、Power
    DVD 8 Ultraで再生したメニュー部分を示す。
    図の如く背景と配列で 60秒モーションメニューとして作成される(会社ロゴが入ってしまう)。
 
   \BDMV\STREAM¥00001.m2tsのファイル解析:ファイル形式はH.264_AC3.m2tsで、
   Blu-raymの場合のAVCは、(Main@L5.0)(CABAC/2 Ref Frames)だった。
 
 
  B)DVDへの変換
   (1) DVDタイトルの入力
   (2)DVDメニューの種類を選択:モーションメニュー、サムネイルメニュー、テキストメニュー、
      メニューなしの中から選択。
   (3)DVDタイプの選択:ミニDVD(1.4GB)、標準的なDVD(4.7GB)、DVDダブルレイヤー(8.5GB)
   (4)画面比率の選択:16:9 又は 4:3
   (5)DVDフォーマットの選択:PAL 720x576 25 fps 又は NTSC 720x480 29.97 fps
   今回は下図の如くの設定した。 カスタマイズは出来ないおまかせメニューとなる。
 
   成績:作成されたDVD.isoファイルをVLC media playerで再生したメニュー部分を示す。
   図の背景と配列で 15秒モーションメニューとして作成された(会社ロゴが入ってしまう)。
 
 
作成したDVDビデオのメニュー部分を提示
 WindowsMedia(MWV9_WMA9) 750Kbps,約1分のデモ
VLCでDVD_ISOファイルを再生し、アマレココでビデオキャプチャ
  したものを WMVに変換して提示した。
Embed方式
Stand方式
 
  バックグランドミュージックが付けられないのは寂しい (´ヘ`)
   \VIDEO_TS¥VTS_01_1.VOBのファイル解析:ファイル形式はMPEG2_AC3.VOB
 
 
  C)DVDビデオのリッピング
   メニューボタンの 「DVD 」ボタン より「VIDEO_TS」DVDフォルダ 又はDVDディスクのドライブ を選択
    してDVDから動画を読み込む。
   1)市販のDVDビデオ
    複数のタイトルから必要な本編タイトル(タイトル1)をチェックして「OK]する。
    著作権保護付きでも簡単なものならリッピング可能なようだ。
    複数言語が含まれている場合は、オーディオ/字幕情報をクリックしてドロップダウンメニューより
     言語を選択。
 
   2)自作のDVDビデオ
    素材は、DVD Workshop1.2で作成したチャプター12個+導入動画2個を有するモーション
    メニュー付きDVD。
    右図はVob Utils Tools
     用いて、VTS_01_0.IFOを開
     いた状態を示す。
     下記の理由の為、前もって
     Vobファイルをチャプター別
     に分離・取得しておく必要
     があったのだが・・・
    読み込み
     タイトル1(メニューファイル)
      は不要なのでタイトル2の
      みを読み込む。
    残念ながらチャプター毎のファイルとして別々に読み込んでくれない。  
 
    編集ボタンをクリックして編集画面で動画を再生確認しながらカット編集を行う事は可能だが、
    カットした操作のUndo機能やトリミング機能は搭載していないので不便だ。
 
 
 結果と考察
 1)多種多様な用途に変換・出力が可能なマルチビデオコンバータ。インターフェースはシンプ
  ルで美しく直観的に操作が可能。
 2)サイズやビットレートを自由に設定可能で、カスタムプリセットとして保存されるのはGoodだ
  が、コーデック(MPEG2, H.264等)のプロファイル・レベルを詳細に調整する事は出来ない。
  又、インターレース解除する設定項目も無い。
 3)編集機能は簡素でカットや画像回転・反転の編集を行うことは可能だが、クロップや色補正
  (明るさ/コントラスト/ガンマ/色合い/彩度の調整)は出来ない。
 4)多重音声動画に対応しているが、、単一の言語しか格納出来ない。
 5)字幕付きDVD、MKV、MOVを変換する事が可能。又すべての動画に SSA/SRT/ASS外部字
  幕を焼き付ける事が可能だが、トラックに多重化(格納)する機能は搭載していない。
 6)CUDAテクノロジーで最速のビデオコンバーターが可能とあるが、筆者の環境ではその効果
  は認められなかった。
 7)Web配信用途で実用的な変換形式を検討したところ、MP4形式には不都合があった。
  素材は、PT1で録画した地デジ二ヶ国語音声の洋画番組をMurdoc Cutterで無劣化カットし
   た1分12秒のTSファイル(MPEG2_AAC.ts:14400x1080)。
  変換設定:解像度 640x360、映像ビットレート 654kbps、音声ビットレート 96Kbpsとした。
  以下、変換した ASF,
MP4, FLV及び MKVを Web上で提示する。
 
A)Freemake Video Converterで変換したASF
  (VC1_WMApro.asf)の配信テスト(750Kbps,約1分)
Embed
方式
Stand
方式
映像ビットレート654kbps+音声ビットレート96Kbpsと目標値で出力。
Web Serverから疑似ストリーム配信が可能。

 
B)Freemake Video Converterで変換したMP4
  (H.264_MP3.mp4)の配信テスト(750Kbps,約1分)
 
QuickTimeで再生する一般的配信方式
Embed
方式
Stand
方式
 *H.264_AACで出力したファイル: 再生可能となるもFastStart
    再生不可
 

 *H.264_AACYambで再出力したファイル: FastStart再生可能

 
<蛇足>H.264_MP3.mp4の配信方式を変更して検証 ============
 Flash Playerで再生する方式:FastStart再生可能だが無声となる
 
 Silverlightで再生する方式:再生出来ない
 
 DivXPlus Web Playerで再生方式:問題なくFastStart再生可能!
 
 HTML5 ビデオとして再生する方式:IE9, Chromeでは問題なく
   FastStart再生可能だ(が、Safariではやはり再生出来ない)
 
映像ビットレート654kbps+音声ビットレート96Kbpsと目標値で出力。
H.264_MP3.mp4は、残念ながら FastStart再生どころかストリーミング再生すら
  出来ない Y (>_<、)Y
 Yambを用いた修正(こちらを参照)でも再生不可。
 QuickTimeで再生出来ないファイルの為 、MPEG StreamclipやMP4Exporter
 で読み込み出来ず修正不可。
音声圧縮コーデックをAACとすれば再生は可能となるが、Yamb等で修正しない
 と FastStart再生出来ない
\(;ヘ;)/

C)Freemake Video Converterで変換したFLV
  (H.264_MP3.flv)の配信テスト(750Kbps,約1分)
.こちら
映像ビットレート654kbps+音声ビットレート96Kbpsと目標値で出力。
新しいFLV形式だが、Flash Player 9.0.15.0以降ならストリーミング再生可能。
画質は、MP4(H.264_AAC.mp4)と同様にまずまずだ。
<参考>
 他のH.264/AVC圧縮型FLVに変換可能なソフト(SUPERc, MediaCoder, iWisoft
  Free Video Converter)との比較は、
  「H.264圧縮型FLVの画質比較」、「H.264/AVC圧縮型FLV 変換ツール」を参照。

D)Freemake Video Converterで変換したMKV
  (H.264_AAC.mkv)の配信(750Kbps,約1分)
映像ビットレート640kbps+音声ビットレート96Kbpsとほぼ目標値で出力。
疑似ストリーム再生が可能。画質はSo-Soだ。
<参考>
 他のH.264/AVC圧縮型Matroska(H.264 DivX)に変換可能なソフトとの比較は、
  「H.264 DivXのWeb配信と画質」を参照。


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