動画共有サイトのAV1圧縮360度動画への対応

動画共有サイトのAV1圧縮360度動画への対応

 
(2020.06.05作成)
= 次世代圧縮コーデック AV1動画への動画共有サービスの対応 =
 
AOMedia Video 1 (AV1) はインターネット上での動画配信を目的として開発されたロイヤリティフリーの動画圧縮コーデック。VP9やH.265の約30%の効率上昇を掲げており、その置き換えを目指し名立たる IT企業が協同で開発を進めている。
そこで、今回は H.264圧縮の360度動画を AV1圧縮動画に変換して、Googleフォト及び 各動画共有サービスへ投稿してその対応状況を検証してみた。
I.
AV1動画作成方法
 
AV1動画作成方法の詳細は、別記AV1圧縮動画の作成とウェブ配信方法を参照
 
Insta360Airで撮影した 360度全天球動画(1920x960, 8Mbps)を素材として、AV1動画(同解像度、特に断りがない限りは 5.3Mbps)へ変換した。
・AV1_AAC圧縮MP4動画:AviUtlの「拡張SVT-AV1出力(GUI)Ex」にて変換
・AV1_Opus圧縮WebM動画:Convertio(オンライン版コンバーター)にて変換
・AV1_AAC圧縮MKV動画:AviUtlの「拡張SVT-AV1出力(GUI)Ex」にて変換
・AV1_Opus圧縮MKV動画:上のWebM動画をmkvtoolnix-gui.exeでMuxした
II.
Googleフォトへ AV1圧縮360度動画(36秒)を投稿
III.
動画共有サービスへ AV1圧縮360度動画(36秒)を投稿
II及び IIIはいずれも、360 Video Metadata Tool(こちらから入手)で360度動画にメタデータを付加して投稿した方がよいのだが、MP4以外の WebMや MKV動画には未対応の為、そのまま投稿して検証してみた。
IV. 成績
Googleフォトの AV1圧縮360度動画への対応
 
こちらからサイトへアクセスして閲覧
筆者は容量無制限で使うために「高画質」保存としているので、オリジナル素材は全てH.264/MP4動画に圧縮し直された後に保存される(事がこの試験中に気づいた)。
従って、わざわざ AV1動画に変換して投稿する意味はないものと結論される。
a) AV1_AAC圧縮MP4動画:四段階解像度の H.264_AAC圧縮MP4動画に変換される
(下図はそのスナップショット)
従って、IExplorer, Safariや Vivaldiも含め多くのブラウザで 360度ビュー再生が可能(各ブラウザの対応状況は、別記「Googleフォト共有でスライドショー」を参照)。
b) AV1_Opus圧縮WebM動画:メタデータを付けずに投稿しても、360度動画(四段階解像度の H.264_AAC.MP4)に変換された(同上)。
c) AV1_AAC/Opus圧縮MKV動画:360度ビュー動画へは変換されず、正距円筒図形式の動画となってしまう。
 動画共有サービスの AV1圧縮360度動画(AV1_AAC.MP4)への対応
 
先ずは AV1_AAC.MP4で検討した所、YouTubeと Vimeoでのみ投稿可能だった。
動画共有サービス
成 績
 1) YouTube
投稿可能:H.264/MP4動画へ変換(6段階)
 2) Facebook
投稿途中で中断
 3) Dailymotion
アップロードエラー
 4) Vimeo
投稿可能:H.264/MP4動画へ変換(5段階)
 5) ハコスコストア
エンコードに失敗
 6) PanoPlaza Movie
エンコードに失敗
  7) Littlstar Japan
ダメ(投稿/共有出来ないサイトとなった)
オリジナル素材は H.264/MP4動画に圧縮し直された後に保存されるので、やはり AV1動画にして投稿する意味はないのだが・・・検証してみた
YouTubeへ AV1_AAC.MP4を投稿(埋め込み提示)
 
 
AV1_Opus.webmとAV1_Opus.mkvは、メタデータを付けずに投稿しても 360度動画に変換出来た \(^-^)/
しかし、AV1_AAC.mkvは、360度動画にならず正距円筒図形式の動画となってしまいダメだった(こちらを参照)。
Vimeoへ AV1_AAC.MP4を投稿(埋め込み提示)
 
 
なお、AV1_AAC.MP4以外のAV1動画は上手く変換されなかった(こちらを参照)。
・AV1_AAC.mkvは、360度動画にならず正距円筒図形式の動画となってしまった。
・AV1_Opus.webmとAV1_Opus.mkvは、スタート映像のみが表示され動画として変換されなかった。
 
各ブラウザの対応状況は、別記「360度動画対応動画共有サービスの比較(成績)」のYouTubeと Vimeoの項目を参照。