XviD圧縮設定法とMacでの再生法
(2004.09.29作成, 05.10.21追記)
について 
 動画圧縮方法の一つで、MPEG-4をベースに開発されたオープンソースのコーデック。
 MPEG-4ベースには、現在「DivX」、「XVD」、「XviD」などが利用されているが、完全にフリーで
 使用できるのはXviDのみとなっている。
 しかも、DivXに比べて画質・圧縮率が良く、再生もスムーズと云われており、動画マニアには
 話題のOGM/MKV形式の映像として盛んに利用されようになってきている。
 入手方法は少し複雑だ。公式サイト(ここから)では最新の開発情報を入手できるが、ダウンロ
 ードできるのはソースのみで、PCにインストールできるバイナリー形式のファイルは別のサイト
 からダウンロードする必要がある。 ビルドされコンパイルされているプログラムにはいくつかあ
 るが、現在のところ、Koepi氏版 が推奨されている。uManiac氏版 は2003年2月以降更新無し。

 Koepi氏版
 インストー
 ル時の
 エラー

用語説明
 I-VOP(I-frame) :
基準となるフレームでそのまま圧縮されます。もっとも高画質。
 P-VOP(P-frame) :
フレームを順方向に差分や動き補償などで予測して圧縮されるフレーム。
 B-VOP(B-frame) :
過去と未来の双方から予測して圧縮されるフレーム。圧縮効率を高める
ためのもので画質は悪くなる。


 Koepi's CVS Build:XviD 1.0.3 →Xvid 1.1.0b2での変更点追記(05.10.21)
*日本語化パッチは、ここから入手。 設定の詳細説明は、ここを参照
Main Settings[主要な設定]
 ・Profile@Level:
  [プロファイル@
  レベル]
MPEG-4 Visualの仕様を選択する。大まかに「Simple」,「ARTS」,「AS」か
ら選択し,解像度の制限でレベルが決まる。「Simple」は携帯電話向け
(3GPP)、「ARTS」はリアルタイム通信向け使われる。パソコン用途であ
れば、多くの機能が利用できる「AS@L5」を選択する。
なお、「unrestricted」はXviDの機能をすべて利用できるモードだが、
DivXで再生できないこともある。
 ・Encoding type:
  [エンコードの
  タイプ]
エンコードを1-pass(Single pass)で行うか、2-pass(Twopass-1st pass/
2nd pass)で行うか指定する。
「Target・・・」ボタンをクリックすると、ビットレート(bitrate)と品質(quantizer
)のどちらをベースにするか切り替えられる。
 ・Target quantizer
  /Target bitrate:

画質が決まる重要な部分。quantizerは一定の品質で圧縮するモードで、
映像の破綻がなくなる。
bitrateは時間あたりのデータ量が一定になるように圧縮するモード。

 ・Zones[区画]:
XviDはフレーム単位で圧縮率の指定ができるようになっており、本編と
無関係なタイトルロールの圧縮率を高くしてデータ量を減らしたり、
特に複雑な動きの部分のみ圧縮を減らし画質向上を図ることができる。
例えばOP部分をQuantizer:2.5、本編はQuantizer:3.5などのように設定
可能。

Profile@Level/more.(詳細..)
Profileタブ>
・Quantization type:
 「H.263」はMPEG-4の標準的
 圧縮だが、ややシャープさに
 欠ける傾向がある。効率と互
 換重視なら「H.263」、画質優
 先なら「MPEG]を選択する。
・Adaptive Quantization:
 チェックを入れると適応型量
 子化が行われ、圧縮効率は
 向上する。フェードイン/フェー
 ドアウトで映像破綻しやすい。
・Interlaced Encoding:
 インターレースを保持したまま
 保存する場合にOnにする。そ
 の場合、フィールドオーダー
 の指定を行う。
・Quarter Pixel:
 1/4動き補償で、Onにすると
 画質向上が見込めるが、ファ
 イルサイズは増大する。
・Global Motion Compensation:
  S-VOP(スプライトVOP)の有効化オプション。Onにすると背景とオブジェクトを分離して処理
  するので処理時間が増大する。普段はOff。
・B-VOPs:
  Onにすると予測圧縮フレームを利用する。当然、予測に基づくものなので画質は悪くなるが
  、ファイルサイズを小さくするのに役立つ。決められたデータ量へ詰め込むという
  2pass処理を行なうのならばOnにしたほうが高画質。画質にこだわるならB-VOPは使わず
  にOff

 以下の5つはその詳細設定
  ・Max consecutive BVOPs
   圧縮率を高めるB-VOPを連続で使用する最大数で通常は1〜3とされている。
  ・Quantizer ratio:標準値は1.50
   動きの激しいソースならば初期値の1.50かそれより小さく、バラエティやアニメなら2.00
   がよい。
  ・Quantizer offset
   前後のQuantizer平均に上のRatioを掛けこのオフセット値を足したものがB-VOPの
   Quantizer値になる。あまり低くすると、画質の低下が激しくなる。
  ・Packed bitstream
   処理ラグを減らすためにデータをまとめる設定。古いDivXでの再生互換性は低下する。

  ・Closed GOV
   編集用ビットストリームを出力する場合にOnにする。1.1.xから設定はOnとなり選択項目
   はなくなった。
 

<Levelタブ>
 通常は変更の必要なし。


<Aspect Ratioタブ
 通常は変更の必要なし。

Zone Options
(区画のオプション)
特定の部分だけ画質を上げたいとか、画質を犠牲にしてもサイズを小さくした
いという場合に使用する機能。指定した範囲だけ別個の設定で圧縮を行な
うことが可能となる。
また、Begin with keyframeにチェックを付けると、指定したフレームを強制的
にI-VOPにすることができるので、P-VOP/B-VOPだとノイズが出てしまうシ
ーンに使うという手段もあり。
 

Adovanced Options
(高度なオプション)
Motion動き検索タブ>
・Motion search precision:
 シーンチェンジ検出精度の
 設定で、5段階あり大きい
 程ブロックノイズが軽減さ
 れる。
 通常は VeryHighを選択。
・VHQ mode:
 追加の動き検出設定で、
 これも数値が大きいほど
 高精度で、多少は圧縮率
 が増す。ただし、これらの
 数値を大きくするとエンコ
 ード時間が増す。1か2。
・Use VHQ for bframes too:
 B-VOPにもVHQを使用する
 ならOn。圧縮時間は増大
 するが圧縮率は向上。
・Use chroma motion:
 色情報を利用した動き検
 出設定を入れるか否かの
 設定。
・Turbo;-):
 B-VOPs有効時に、画質
 を犠牲にして圧縮処理の
 速度を向上させるもの。
・Maximum I-frame interval:
  I-frameを最大何フレームごとに入れるかの指定。
  I-frameはプレーヤーがシーク時に参照するので、頻繁にシークしたいデータを作る場合は
   小さな値にしたほうが便利。ただし、その場合はファイルサイズが若干大きくなる。

<Quantizationタブ>
・Min I/P/B-frame quantizer:
 IPBのQuantizer最小値の指定。
  画質を調整する際に使用する。
・Max I/P/B-frame quantizer:
  IPBのQuantizer最大値の指定。
  これを指定することで最も悪い
  画質となる映像を一定のレベル
  までに制限できる。
  画質を調整する際に使用する。
・Trellis quantization:On:
  Onにすると、DCTで失われた
  情報を回復させて画質を若干
  向上させることができるが、
  処理が若干重くなる。
 
  映像ソースによっては圧縮率も向上するので、画質も考慮するとQuantizerベースで圧縮する
  のであればまずはOnで試してみたほうがよいのではないかと思われる。

<Debugタブ



 uManiac氏版:Vanilla CVS Build (2002.09.09)
uManiac氏版XviDは200年以降開発は停止している。このXviDのデコーダには不具合があるよ
うで、筆者の場合 Koepi氏版で作成したXviD_MP3.aviを上手く再生出来なく、ffdshowのXviDを
利用して再生するように設定を変更する必要があった。

XviD Cnfiguration
・Encoging Mode(圧縮モード):
 今回は、1Pass qualityを選択。
・Qualityは85(規定値)。
  90以上は高画質
  70以下は低画質

 

 

Advanced optionsをクリック
   ↓

Globalタブ>
・Motion search precision
 (シーンチェンジ精度):
 5段階あり大きい程ブロッ
 クノイズが軽減される。
 通常は VeryHighを選択。
・Quantization type
 (圧縮方法):
 高画質ではMPEGを
 低画質ではH.263を選択。
・FourCC use
 (ヘッダ情報の指定):
 例えば、DIVXを指定する
 とDivXのコーディクで再
 生できるが、滑らかでは
 ない場合もある。
・Max. I-frame interval:
 通常フレームレートX10
 が標準とされる。
・Min. I-frame interval:
 1のまま。
・Enable lumi masking:
 目立たない所のフレーム
 サイズの節約。
その他も未チェックのまま
とする。
    

<Quantizationタブ>
一般的にはデフォルトの2、31、2、31
で良い。
画質を上げたい時には 2、4、2、16
更に高画質にしたい時は2、4、2、12
にするが、サイズは大きくなる。

<その他のタブ
Alt.Curve、CreditsやDebugタブ
:不勉強につき省略。



 III. MacOSXでの再生

XviD圧縮されたAVI及びOGM/MKVファイルは、vlcPlayerまたはMPlayerを使用すれば、外部
のコーデックなしで再生することが出来る。
一方QuickTimePlayerで、XviD圧縮AVIファイルを再生する為には以下の何れかの方策が必要。
 1)DivXコーデックがインストールされていれば、圧縮時にFourCC useでDIVXを指定する。
 2)別途 DivX 5.21以降 又はDivX 5.0.6 forMacOS以降+XVID Delegate Component 0.1 又は
   3ivx Delta4 4.x又はFFusion2.2をインストールする。
 但し、OGM/MKV形式のファイルはQuickTimeで
再生出来ない。

→「MacOSXとマルチメディアプレーヤーをご参照下さい。


 課題 :
   XviD動画を再生できる家電製品は少しづつ出回ってきているが、まだまだマニアックな印象を拭えない。

   しかしながら、DivXが有料となてから、再び映像圧縮に汎用されている。



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