HandBrakeの使用方法と映像比較

HandBrakeの使用方法と映像比較
MacOSXでDVDビデオを圧縮変換する最強ツールをyade X 0.99bと合体技
(2006.07.11作成)
HandBrake 0.7.1を使用して、
DVDビデオ(片面2層 ビスタサイズ 16:9 スクイーズ収録、5.1chAC3二重音声:英語, 日本語、
吹替二重字幕)の本編 2時間01分を、
CD一枚分(容量:700MB前後、解像度:560x304)に圧縮変換した。
マシンは、2001年10月購入のQuickSilver(PowerMacG4 867MHz、OSX10.4)を使用。
DVDのVIDEO_TSフォルダ及び.IMGイメージファイルへのリッピングは、yade X 0.99bを使用
した(ここを参照)。
内蔵する各種コーディクDivX,Xvidやx264の性能は如何なものか?
1-passエンコードで、 2種類の圧縮法で変換したMP4と3種類の圧縮法で変換したAVIを比較
した。

 特徴
HandBrakeは、Eric Petit 氏がオープンソースで開発し、 GPL ライセンスで配布されている
マルチプラットフォーム、マルチスレッド対応の DVD to MPEG-4/AVI/OGM リッパー/コンバ
ータ。
機能
 - ビデオは ISMA-MPEG4/H264/DivX5.x/XviD1.1に、 1または2パスエンコーディングで
   圧縮変換。
   オーディオはAAC、MP3、Vorbisに圧縮変換(AC-3のパススルー)
 - 出力コンテナ形式はMPEG4,AVI以外にOGM形式と豊富
 - Dolby Digital (AC-3), MPEG,LPCM オーディオサポート
 - ターゲットサイズ又は平均ビットレート、固定品質を指定してエンコード
 - 使用するオーディオトラック、サブタイトル(字幕)の選択と字幕を映像に焼き付け

 - 出力画面のカスタムサイズ、出力オーディオのビットレートを指定
 - インターレース解除、クリッピング(切り抜き)
 - グレースケールエンコーディング
 入手先とインストール
HandBrake(0.7.1)の入手先は、ここから
 DVDリッピングの可否
本ソフトはDVDビデオからのリッピング機能を持っており、CSSプロテクト解除もある程度
可能。
 変換可能な素材
DVDビデオ
VIDEO_TSフォルダ(OSExのDVD Foldersで作成)、イメージファイル(.dmg、.IMGの他、
WindowsのDVD Decrypterでリッピングした .ISO
ファイルも可能)
但し、VOB、m2v、MPEG2は利用出来ない。
 出力可能なフォーマット形式
MPEG4/AVI/OGM形式で出力が可能。
 変換方法
1)素材の読み込み
  a)HandBrakeを起動して「DVD Folder/Image」を選択し「ブラウズ」ボタンをクリックし
    て、リッピングしたVIDEO_TSフォルダ又はイメージファイルを指定する。
  b)ドライブにDVDビデオを挿入してマウントした状態でHandBrakeを起動すると、自
    動的にDVDボリュームが検出される。
  →「開く」ボタンをクリックするとスキャンが開始される。
2)読み込みが完了するとメイン画面が表示される(以下、DVDビデオを用いた場合を示す)。
 始めにDestinationのFileで出力先を指定しておく(ファイル名は後でリネームすればよい)。
3)パーツの選択
 3-1)「Title」欄に、解析されたタイトルの一覧が表示されるので、エンコードの対象となるパ
     ーツを選択する。今回は本編(サイズが一番大きいもの)のみを対象とする。
 3-2) 「Subtitles」欄に、解析された字幕の一覧が表示されるので、一番上のJapaneseを
     選択
 3-2) 「Audio」欄に、解析された音声の一覧が表示されるので、Japanese(AC3)を選択
4)映像コーデックの設定
 4-1)「File Format」で出力するコンテナ形式を選択しておいて、「Codecs」とその「Encoder」
    を選択する。
   なお、x264のMain profileは放送・蓄積型メディア用途、Baseline profileはモバイル用途。
 4-2)エンコードの詳細設定:凝った設定は省かれている。
    出力品質は「Quality」のTaget size(MB)、Average bitrate(kbps)かconstannt quality
     (50%)のいずれかで設定する。→今回はCD一枚分のTaget size 700MBを指定
    なお、2-pass encodingの設定も可能だが、今回は未チェックとした。
 4-3)解像度、インターレース解除、クリッピングの設定
    メイン画面の「Picture Settings」ボタンをクリックすると下図の画面が表示される。
    今回は解像度544(→560)x304に変更、Deinterlace pictureにチェック、Cropは
      Automatic
  画像は2時間の本編中決まった10コマしか表示されず、全編プレビュー出来る訳で
  はなく、任意に選択も不可。
→設定したら、「Close」ボタンをクリックしてメイン画面に戻る。
4)音声の設定
  今回は、
   Sample rateは 44,100Hzのまま
   Bitrateを128→96kbpsに変更
5)すべての設定が完了したら、「Rip」をクリックしてエンコードを開始。
  →変換処理中 進行バーは示されるが、プレビュー映像は表示されない。

 結果 :
1)簡単な操作でDVDビデオから直接リッピングすることが出来る他、リッピングソフトで抜
 き出したイメージファイルやVIDEO_TSフォルダからも、MPEG4/AVI/OGMに変換するこ
 とが可能。
 但し、 パッチエンコードやエンコードの範囲選択は不可。CSSプロテクトを解除出来ない
 DVDビデオも有るようだ。
2)素材にVOBやMPEG2を利用出来ないので、一般の動画コンバータとしての応用は不可。
3)エンコード時間は、筆者は古い機種しか使用出来なかった為 長時間必要とした。
4)今回の設定条件で出力される映像画質の圧縮方法による違いは、以下の通り。
動きの速いシーンを幅1024ピクセル大のフルスクリーンで再生し、主観的にGood〜
Worstの四段階判定した。
AVI ファイルの情報は、WindowsのコーデックチェッカーMMname2で解析した。
映像_音声コーデックとコンテナ
→MMname2でリネーム
(必要エンコード時間)
画質判定
-
変換前のVOB素材

--
Good
 MPEG4(FFmpeg)_AAC.mp4
→ISMA-MPEG4_AAC.mp4
(4時間23分)
Worst
ブロック
ノイズと
ボケが
目立つ
 H264(Main profile)_AAC.mp4
→H264_AAC.mp4
(9時間52分)
Bad
ボケあるも
ノイズ
少ない
映像_音声コーデックとコンテナ
→MMname2でリネーム
(必要エンコード時間)
画質判定
 MPEG4(FFmpeg)_MP3.avi
→DivX5.x_MP3.avi
3時間40分)
So-So
ノイズが
気になる
が、
マズマズ
 MPEG4(XviD)_MP3.avi
 →XviD1.1.0_MP3.avi
(6時間19分)
Bad
ブロック
ノイズが
目立つ
 H264(Main profile)_MP3.avi
 →H264_MP3.avi
(10時間27分)
Worst
ボケて
ベッタリ
2-pass encodingすれば結果は変わるかも知れないが、筆者のマシンでは変換に時間
が掛かり過ぎる。


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