二ヶ国語DVDビデオをPxVC1100で超解像処理

二ヶ国語DVDビデオをPxVC1100で超解像処理
WinFast PxVC1100対応ソフトで二ヶ国語DVDビデオをアップコンバート
後、tsMuxeR GUIで多重言語サラウンド音声に差し替えてBD化
(2009.07.12作成)
多重二ヶ国語のDVDビデオをWinFast PxVC1100増設下でDVD MovieWriter
for TOSHIBAないしTMPGEnc 4.0 XPressでアップコンバートする場合には、
単純に変換しただけでは2チャンネルステレオで出力されるので、最終的に多重言
語のサラウンド音声で出力する為には一工夫必要となる。その処理方法を中心に
超解像処理効果についてメモした。
PxVC1100を利用した高速エンコード及び超解像処理アップコンバート法の基本的
操作手順は、 →「WinFast PxVC1100で高速エンコード」を参照。
  マシン環境は、Intel Core 2 Quad Q6600(2.40GHz)、DDR2(PC2-6400)2GBx2、
   GeForce9600GT(VRAM 512MB、Drive v182.50)
   WinFast PxVC1100(Driver v1.2.2.11)
   Windows Vista HomePremium(SP2)で実行した。
   光学ドライブは、I-O DATAのBD&HD DVDコンポドライブBRD-SH6B(LG電子の
   GGW-H20N)を使用した。
   
 I.操作手順の概略
   DVD MovieWriter for TOSHIBAの場合
    DVD MovieWriter for TOSHIBAでアップコンバートした Export....mpgファイルの
    映像を利用し、音声を多重言語のサラウンドに差し替えて、Blu-ray disk化する
    手順の概略は以下の通り
    要点
      1)tsMuxeR GUI でサラウンド音声と結合させてBlu-ray diskを作成する。
      2)サラウンド音声のソースは、DVD MovieWriterでDVDビデオをインポートした際
       にCaptureフォルダに抽出・保存される"dmf.....mpg"ファイルを再利用する。
      3)DVD MovieWriterでアップコンバートした"Export....mpg"ファイルの映像は、そ
       のままではtsMuxeR GUI で利用出来ないので、TsRemuxでM2TS化してか
       ら使用する。
   TMPGEnc 4.0 XPressの場合
     基本的にはDVD MovieWriterと同様にtsMuxeR GUI で映像と音声を結合してBD化
     するが、SpursEngineを利用して作成されたファイルはDVD MovieWriterのように
     TsRemuxでM2TS化する必要はなく、tsMuxeR GUIで利用可能だ。
    要点:サラウンド音声のソースは、コピー時に2つに分割されて保存されたた.dvddata
     ファイルの拡張子を.mpgにリネームして、tsMuxeR join機能を利用して結合する。
      
 II.素材
   市販のDVDビデオ
     片面2層 ビスタサイズ 16:9 スクイーズ収録、5.1chサラウンド(AC3)二重音声:英語,
     日本語吹替、二重字幕。本編 2時間01分
    DVDは、DVD Decrypterの ISOモードでリッピングした(こちらを参照)。
     本編ファイルは、VTS_01_0.VOB〜VTS_01_6.VOB 7個から構成されている。
     本編ファイルの内の一つVTS_01_1.VOB をMediaInfo 0.7.14で解析した情報で、
      MPEG2_AC3.vob形式だ。
  
  
 III..Ulead DVD MovieWriter for TOSHIBAによる処理方法
    WinFast PxVC1100同梱のDVD MovieWriter 5.3 for TOSHIBA(v.5.58.2011.0)
      によるDVDビデオのアップコンバートの操作手順は、
      →「WinFast PxVC1100で高速エンコード」に準じて実行した。
     「メディアの追加」項目の「ディスクまたはハードディスクからファイルをインポート」の
      操作で表示された「インポート」画面では、
      タイトルは映像を確認しながら選別が可能だが、オーディオトラックと字幕トラック
      は表示されるだけで選択出来る訳ではない。
     今回は、「タイトル0」の本編のみを選択した。
    実時間 2時間01分の本編をインポートするに要した時間: 3分10秒
   
メイン画面にインポートされたクリップの右クリックメニューでオーディオ出力の設定
     項目は存在するが、オーディオトラックを選択出来る訳ではない。
    「作業用フォルダの選択」で指定したフォルダ内のCaptureフォルダに抽出・保存さ
      れた"dmf年月日_....mpg"ファイルは、幸いな事に一つのファイルとなっており、

      の音声を再利用する事になるので貴重だ!
     *DVDビデオのVTS_01_0.VOB〜VTS_01_6.VOB 7個から音声を分離して結合する
       という処理をわざわざ行う必要はない・・・
     そのファイルの音声情報は MediaInfo 0.7.14の解析では得られないが・・・
     AVIcodec 1.2.0.113で解析したところ、音声の詳細情報が少しばかり得られた。    
     「HD1920 H264 Up Convert...」、オーディオ形式をLPCM→AC3でアップコンバート
    途中結果
    1)実時間 2時間01分の作品の変換に要した時間: 5時間37分(実時間の 2.8倍)
      SpursEngine有効にもかかわらず長時間を必要とした!
    2)出力ファイル形式は H.264_AC3.mpgで、音声は2チャンネルのステレオだ Y (>_<、)Y
      下図は、変換したファイルをMediaInfo 0.7.14で解析した結果
    3)変換したH.264_AC3.mpgファイルの映像と抽出・保存された"dmf・・・.mpg"ファイル
      の音声をtsMuxeR GUI で結合してBD化しようとしたのだが・・・
      残念ながら、変換したファイルの映像はそのままでは出力時にエラーとなってし
       まう
Y (>_<、)Y  そこで、
  
 
 TsRemuxMPEG2-PSをM2TSへ変
      TsRemux 0.21.2は、幸い MovieWriterで変換したMPEG2-PSファイルを無劣化
      
でMPEG2-TS化する事可能M2TS(192 byte)へ変換すtsMuxeR GUI
      利用する事が出来るようになった
\(^.^)/

     M2TS化が完了する迄に要した時間: 18分12秒
       M2TS化したファイルをMediaInfo 0.7.14で解析しても、M2TS化す前のファイル
        との差異を明らかにする事は出来ない。
 
  
 
 tsMuxeR GUIでBlu-ray disk化
     M2TS化したExport20090710-001.m2tsファイルをドラッグ&ドロップ登録して音声
      のチェックを外す。
     Captureされたdmf09710-184928〜0.mpgファイルをドラッグ&ドロップ登録する。
      登録時に、幾つかのトラックが認識出来なかった故の警告が表示されるが・・・
      字幕トラックがこの時に失われるのであろうか?判然としないがそのまま続行し、
      映像トラックのチェックを外す。
      General track options欄で、各々の音声トラック(今回は 4トラック)に対応する
        言語を選択する。
        DVDリッピング時に把握しておく
必要があるので注意する。但し、今回は出力
       して
再生してみて不明言語となってしまったので、後でやり直した。
     OutPut欄の「Blu-ray disk」をチェックして、「Blu-ray」タブでチャプタの挿入を適当
      に設定(今回は15分毎に)してから、「Start muxing」ボタンを押す。
元サイズへ
     Blu-ray disk化に要した時間: 16分04秒
   最後にImgBurn 2.4.4.0で、ISO化: 12分48秒 及びBD化: 1時間09分03秒
    BDMV/STREAMフォルダ内の本編ファイルをMediaInfo 0.7.14で解析した結果
  
   結果と考察
   1)取り込みからBDのISO化迄に必要な最短時間:約 6時間09分の内訳
     インポート時間: 3分10秒
     アップコンバート時間: 5時間37分(実時間の 2.8倍)
       SpursEngine有効にもかかわらず長時間を必要とした!
       自作DVDビデオが素材の場合は、実時間とほぼ同じ時間で変換出来たのに不思
       議な事だ。
        WinFast PxVC1100のSpursEngineの性能の問題なのか?
        2008年01月購入の Intel Core 2 Quad Q6600(2.40 GHz)の力量不足
         ・・・今は高価で手が出ないが、Core i7ならもっと高速に変換可能か?
     TsRemuxで dmf・・・.mpgファイルのM2TS化時間: 18分12秒
     tsMuxeR GUIでBD化時間: 16分04秒
     ImgBurnで ISO化時間: 12分48秒
   2)PCで視聴
     Virtaul CloneDrive 5.4.3.2による仮想ドライブで再生した。
     MPC HomeCinema 1.2(デコーダは外部PDVD8)でFull HD画面にて再生したとこ
     ろ、動きの速いシーンでもDVD MovieWriterでアップコンバートした場合は、映像は
     前節と同様にTMPGEnc 4.0 XPressと比較して明らかに綺麗になっていた。
     DVDビデオの元素材は、拡大表示した為にボケている。TMPGEnc 4.0 XPressにつ
      いては後述 。
    音声言語の選択が可能で、映像・音声の解離も認められなかった \(^o^)/
    PowerDVD8 Ultra(b8.0.2217)で再生
    MPC HomeCinema 1.2(デコーダは外部PDVD8)で再生
   3)TVで鑑賞:ブルーレイレコーダーDIGA(DMR-BW800)で再生
     「再生設定」>「信号切換」で、
      「音声情報」:1英 Digital Multi⇔2日Digital
       Multi⇔3英 Digital Stereo⇔4日Digital
       Stereoで言語選択する。
      なお、
「二重音声」:日本語 ⇔ 英語 ⇔ 日
       本語/英語の選択項目などは無い・・・
       BDIGAはそもそもBDMV形式にはホップ

       アップメニュー作成機能を有するソフトを
       使用する必要がある!
   
  
 IV.TMPGEnc 4.0 XPressによる処理方法
     TMPGEnc 4.0 XPressは v.4.7.1.284、TMPGEnc Movie Plug-in SpursEngine
      は v1.0.3.8を使用。
      別項「WinFast PxVC1100で高速エンコード」の操作手順に準じて実行した。
      「追加ウェザード」 で言語を選択する事が可能となっているが、多言語を選択出来ない。
     又、「出力設定」の用途で「Blu-ray向け(NTSC)」を選択しても、音声はステレオないしモ
      ノラルでしか出力出来ない。
     そこで一工夫する手順をメモした。
      ケースA:音声は 6ch AC3の英語を選択し、字幕は 2.日本語でインポート
         「Blu-ray 向け(NTSC)」の「Spurs超解像を使用する」でアップコンバート。
        中間結果:
         1)エンコード開始後すぐに(5〜6分経過後に)エラーとなってしまった。字幕
          を入れると GeForce9600GのCUDAが異常終了してしまう (>_<、)Y
         2)そこで、「オプション」>「環境設定」で「NVIDIA CUDA 2.0使用」 のチェック
          を外してエンコードしたら、トラブル事なく変換は完了した。
      ケースB:音声は 6ch AC3の日本語を選択して字幕なしでインポート。
         この場合は、CUDAのトラブルはなく完了する。
     中間結果
      インポート(HDDへコピー)に要した時間: 3分25秒
      変換に要した時間は 4時間08分とDVD MovieWriterの 5時間37分よりも少しは
       速かったが、満足出来る速さではない。
      ケースAの2)でアップコンバートすれば字幕の表示が可能だ。
      映像はMPEG2で、ボケとモスキートノイズが目立ちDVD MovieWriterでアップコン
       バートした場合と比べて画質も悪い(上図参考)。
       音声がステレオで、再生時に言語の選択が出来ないのは淋しいので・・・
   
     そこで、もう一工夫
     tsMuxeR GUIで音声を多重言語に差し替えてBlu-ray disk化
       映像ソースは、アップコンバートで作成されたMPEG2_AC3.mpgを使用する。
       *DVD MovieWriterのアップコンバートで作成されたファイルのようにM2TS
         化する必要はなく、tsMuxeR GUI で利用可能だ。
       音声ソースは、「入力設定」項目の「追加ウェザード」時にコピー先フォルダ
        に保存された".dvddata"ファイルはそのままでは読み込めないので、拡
        張子を ".mpg"にリネームして使用する。
       今回の素材の場合は、".dvddata"ファイル 2つに分割されて保存されていた
       ので、複数の映像ファイルを順番に繋げるappend(→join)機能を使用する。 
非縮小画像へ
       Blu-ray disk化に要した時間: 18分09秒
     結果と考察
       ImgBurn 2.4.4.0でISO化してMPC HomeCinema 1.2(デコーダは外部PDVD8)
        で視聴したところ、
        音声言語の選択が可能で、映像・音声の解離も認められなかった \(^o^)/
       しかし、上記の如く画質の方はボケとモスキートノイズが目立ち、明らかに
         悪かった。
        そこで、編集>フィルタの初期設定「必要な場合のみインターレース解除
        を行う」から「常にインターレース解除を行う」に変更して再度試験してみ
        たが、あまり改善は見られなかったor元素材と同じ位に改善した。
        「映像ノイズ除去」や「輪郭協調」などのフィルタ処理を行えばもっと改善す
         るのかも知れない?
        「Spurs超解像を使う」にチェックを入れて出力したのにもかかわらず、何故
          SpursEngine独自の超解像処理効果が顕現化しないのであろうか?
        ・・・TMPGEnc 4.0 XPressのコーデックの問題なのであろうか?
        何れにせよ、映像圧縮がH.264ではないのでこれ以上の深追いは止めた。


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