HandBrake Nightly Buildで H.265/HEVC動画へ変換

HandBrake Nightly Buildで H.265/HEVC動画へ変換
 
HandBrakeで変換したH.265/HEVC圧縮MP4はウェブ配信用途に利用可能か
(2014.07.16作成)
HandBrakeの Nightly Buildは、HandBrake開発プロジェクトの最新のソースコードを用いてテスト目的
で生成されたビルドのこと。現在入手出来る Nightly Buildは、最新の正規版(0.99)では未対応のH.265
/HEVC圧縮MP4及び MKVへの変換が可能となっていたので試用してみた。
 入手先とインストール
HandBrake Nightly Build 64ビット版を ここから入手して(今回は HandBrake-svn6227_x86_64-Win_GU
I.exeを使用)、Win7マシン(Core 2 Quad Q6600、2.40GHz)ないし Win8.1マシン(Core i7, 4770K、3.50GHz)
へインストール。 なお、HandBrake-svn6227_i686-Win_GUI.exeを Vistaマシン(PentiumD830, 3.0GHz)へ
インストールして変換速度を比較した。
 設定準備
1) 初期設定の選択
  VLC playerのパスを指定した以外は、変更なし。
  但し、後記(成績4)の如く H.265へ変換したMP4ファイルをプレビューする事が出来ない。
 
 
 その他の Options ページ表示)
2) 素材は、AVCHD(H.264_AC3圧縮M2TS, Full HD)ファイルを用いた。
 元素材は、SANYOのデジタルムービーカメラXacti DMX-HD1000を用いてFull-HD (1,920
   x1,080、59.94fps、12Mbps)で撮影したMPEG-4 AVC/H.264(MP4)ファイル。
  細切れのMP4ファイルを、MPEG Streamclip for Windows 1.2で再エンコードする事なく
   トリミング/結合した後、Corel VideoStudio 12 Plusで編集してAVCHD NTSC HD-1920
   (1,920x1,080、H.264:29.970fps, 11.0Mbps、AC3:384Kbps)にて出力したファイル。
 今回は、収録時間 74秒のイタリア周遊「イントロムービー」を用いた。

 H.265(x265)出力の設定と変換操作
 1) Source>「File Open a single file」をクリックして素材を選択すると、Scanning後読み込まれる。
 2) 初めに、「Container」でMp4か Mkvを選択して、「Destination」で出力先とファイル名を指定する。
 
 3) Pictureの設定
  今回は解像度720x408(Anamorphic:Loose, Module:8)で出力する事とした。Croppingはせず。
 
 4) Filtersの設定
  今回は、Deinterlaceを有効に Fastを選択。
 
 5) 映像の設定
   Video Codecに H.265 (x265)を選択。Framerateは素材と同じで [Constant Framerate]を指定。
   画質は、Qualityではなく Avg Bitrateで設定し 375 Kbpsとした(2-パスエンコードも可能だが今回
   は未チェックで実行)。
   なお、 Optimise Vedeoの設定項目は上手く機能しない。
    H.265 Profileを変更しても、Main@L3.0の変更不可。Main10に設定するとエンコードエラーとなる。
 
 6) 音声の設定
   Codec:AAC (avcodec)、Bitrate:64、Mixdown:Stereoを選択。
 
 7) 変換開始
   FileのDestinationを確認後、[Start]ボタンをクリックして変換を実行。

 成績及び考察
以下、H.265/HEVC圧縮のMP4形式で出力した場合の成績を示す。
1) 変換速度: 一世代前のCore 2 Quad Q6600 (2.40GHz, Win7)マシンで実行したところ、
  収録時間 74秒のイタリア周遊「イントロムービー」のMP4への変換は 1分51秒とまずまずで、
  Aviutlの拡張 x265 出力(GUI) Exの利用によるMP4への変換時間 6分28秒よりも高速だった。
 *Core i7(4770K 3.50GHz, Win8.1)マシンでは 0分38秒と実用レベルでの変換が可能だったが、
   PentiumD830(3.0GHz, Vista)マシンの32ビット版では 8分19秒と超長時間を必要とした。
2) 画質は、解像度 720x408、映像転送レート363Kbpsでもそれなりに見られる。
 
下図は、出力した HEVC(Main@L3.0)_AAC圧縮 MP4ファイルの MediaInfo
 
3) Qualityと Avg Bitrateとの関係
  PCやTVでの観賞が目的なら、記事「TS抜きにH.265エンコード環境...」を参照
  ・・・Quality(品質)レベルは、VH(最高画質)=18.5、 H(高画質)=23、 L(SD画質)=24 と云うので
   解像度720x408 (Full HDの 1/7サイズ)出力で検証したところ、
    Quality18=1,987Kbps, Quality20=1,469Kbps, Quality22=1,099Kbps, Quality24= 818Kbps,
    Quality26= 619Kbps, Quality28= 465Kbps, Quality30= 348Kbps だった。
4) ローカル再生
 MPC-HC 1.7.6では再生可能だが、何故か?MPC-BE 1.4.0、VLC Media Player 2.1.3ではロー
 カル再生出来ない。
 
 Windows Media Playerは、Strongene PC HEVC/H.265 Decoderを導入して、別記の方策を講
  じれば DirectShow Filter依存のメディアプレイヤー「DV」でもローカル再生が可能になる
   ⇒「H.265/HEVC動画の作成と再利用の方法」を参照。
5) ネットワークストリーミング再生
 H.265/HEVC圧縮MP4をウェブ再生させる事が出来る定番の配信方式は、現時点では無い。
 H.264/AVC圧縮MP4の配信が可能な各種ウェブ配信方式で試験してみたが、DivX Web Player
 方式でも送・受信出来なかった
 ・・・WindowsではVLCのWeb Pluginを利用したブラウザ埋め込み配信が可能。
 一方、H.265/HEVC対応プレイヤー用に、URLを記述したM3Uメタファイルを用意すれば、
  MPC-HC 1.7.6のみならずWindows Media Player、VLC Media Player 2.1.3でもストリーミング
  再生が可能となるが、MPC-BE 1.4.0ではやはり再生出来ない
   ⇒「<補足1>H.265/HEVC動画のメディアプレイヤーによるネット再生」を参照。
 
 



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