WinFast PxVC1100で高速エンコード

WinFast PxVC1100で高速エンコード
SpursEngine対応ソフトDVD MovieWriterとTMPGEnc 4.0 XPressとの比較
(2009.07.10作成, 09.07.21更新)
最近話題の「SpursEngine(スパーズエンジン)」搭載のH.264/MPEG2ハードウェア
 エンコードボードには、リードテック社製の「WinFast PxVC1100」(TMPGEnc 4.0
 XPressバンドル版、実売29,000円、ここを参照)とカノープス社製の「FIRECODER
 Blu」(FIRECODER WRITER付属、実売49,700円、ここを参照)がある。
 現在のところ対応するソフトが限られており、後者は高価で手が出ない。
SpursEngineとは東芝が共同開発した高性能チップ「Cell」を搭載したプロセッ
  サで、SpursEngine搭載のハードウェアエンコードボードは、CPUによるソフトウェ
  アエンコードよりも高速でHD画質のMPEG2とH.264の相互変換が可能。
  又、「超解像」処理といって SD画質のMPEG2素材を HD画質のH.264に独自の
  処理(同じ画像の中でパターンが似た部分を見つけ、見つけた部分同士を重ね
  合わせて画素を増やす処理)が行なわれて綺麗にアップコンバート出来ると云
  う(こちらの記事「再構成型フレーム内超解像度映像技術」を参照)。
そこで今回、DVD MovieWriterバンドルのWinFast PxVC1100(実売25,000円)
  を増設して、手持ちの TMPGEnc 4.0 XPressTMPGEnc Movie Plug-in
  SpursEngineを追加(4,980円)して、両ソフトの使い勝手についてPT1で録画
  したTSファイルと自作DVDビデオを素材として比較した。
  マシン環境は、Intel Core 2 Quad Q6600(2.40GHz)、DDR2(PC2-6400)2GBx2、
   GeForce9600GT(VRAM 512MB、Drive v182.50)
   Windows Vista HomePremium(SP2)で実行した。
   光学ドライブは、I-O DATAのBD&HD DVDコンポドライブBRD-SH6B(LG電子の
   GGW-H20N)を使用した。
 
 I.WinFast PxVC1100の増設とドライバのインストール
    WinFast PxVC1100をPCI-Ex1に装着し、FD用電源ケーブルを製品コネクタへ接続
     (FD用電源ケーブルに空きがなかったので付属の分岐ケーブルを使用)。
    PCを起動して付属DVD-ROMの"Driver&Application"をインストール。
    ドライバのインストールに続いて、Ulead DVD MovieWriter 5.3 for TOSHIBAのイン
    ストールが開始されるが、必要に応じてインストールすればよい。
    *筆者の環境は既ににDVD MovieWriter 5 BD for I-O DATAがインストールさて
     いるが、共存させてもDVD MovieWriter 5 for Sanyoとのように競合する事はな
     いようだ。
     旧版のUlead VideoStudio 11 PlusとWinDVDが付属しているが、筆者はそれより
     も新しい製品を既に使用しているので パスした。
    アップデートは、Leadtek's FTP siteのSUPPORTS>DRIVERSへ入ってから、
     Multimedia>HD Transcoding card を選択して「Submit Tis Form」をクリック。
      次に、WinFast PxVC1100(TMPGEnc) 又はWinFast PxVC1100(DMF) を選択。
     WinFast PxVC1100ドライバのバージョンは、付属DVD-ROMでは 1.2.2.11と現時
      点での最新版となっており、WinFast PxVC1100(DMF)の 1.2.2.6は古い。
    なお、SpursEngineを使用する場合、アプリケーションを重複して利用出来ない。
    
 II..Ulead DVD MovieWriter 5.3 for TOSHIBA
   WinFast PxVC1100(DMF) のPatch file 「DVD MovieFactory (DVD MovieWriter)
     Support MPEG-4 file transcoding (MP4, MOV) 」を適応すると、インストール直
     後のバージョン 5.58.2009.0から 5.58.2011.0へアップデートされる。
     MOV/MP4の入力が可能となるが、これらのファイルをアップコンバート出来るよ
     うになる訳ではない。
    アップコンバートが可能な素材は、480×480から720×576のMPEG-2かH.264に
      限られる。    
   本ソフトで素材に編集操作を行うと、「選択したクリップをエクスポート」からハイビジョ
     ン形式での出力項目が消え SpursEngineを利用した変換が出来くなってしまう。
   準備操作
    DVD MovieWriterの起動画面で、「DVDの作成」の「新規プロジェクト」をクリック。
    「ビデオディスクの作成」画面で、「標準DVDを作成」をクリック。
     なお、「情報メニュー」の「環境設
      定」をクリックして「作業用フォル
      ダの選択」で、余裕のある
ボリ
      ームのフォルダを指定
しておいた
      方がよい(DVDビデオをインポー
      トするとフォルダ内のCaptureフォ
      ルダに保存される)。
 
 
 II-1.PT1録画番組を「HD-1920 H264..」でH.264_AC3.mpgへ高速変換 
   A)前試験
    素材:PT1で地上デジタル放送(邦画番組)の一部を録画したMPEG2-TSファイル
   操作手順
     
「メディアの追加」項目の「ビデオファイルを追加」アイコンから素材を読み込む。
     下段左側の「設定とオプション」アイコンの「環境設定」をクリックして、「詳細設
       定」 タブで、「ハードウェアアクセラレーション」のチェックを確認。
      「表示アスペクト比を変更」で、4:3→16:9にソースに応じて指定する。
      *筆者が汎用しているシネスコサイズ(640x272)のファイルはアスペクト比を
        適応出来ない:サイズを自由に設定出来ない。オリジナルがない
(;O;)
      「選択したクリップをエクスポート」のメニューで「HD-1920 H264...」を選択する。
     なお、ビデオのカット編集などをするとこのメニューは表示されなくなってしまう。
    すると、「ビデオファイルを保存」画面が表示される。
     「オプション」ボタンをクリックすると、「ビデオ保存オプション」画面が表示されるの
      で出力形式の設定を確認・変更する。
      「全般」タブはグレーとなっており、フレームレートやサイズの変更は出来ない。
     「圧縮」タブ
       映像の圧縮形式はH.264/AVCHDとなっており変更不可。
        映像の品質: 90%、ビデオデータレート:可変、1.8Mbpsは変更可能。
       オーディオのタイプはステレオ:2/0(L,R)、周波数:48kHzなっており変更不可。
        形式:LPCM→ドルビーデジタルAC3に変更。ビットレート:256kbpsは変更可能。
     「保存」ボタンをクリックすると変換が開始される。
   成績
      2分00秒のカット番組の変換に要した時間: 1分21秒
      変換したファイルは H.264_AC3.mpg 形式となっている。
      音声は無声ファイルとなって出力されてしまう時が稀にあるが、邦画番組ならば
      多くはほぼ問題なく出力されるも音声が少々汚い。
     *本試験の結果の如く録画時間が長いと映像・音声解離が発生しないか、念のた
       めに10分のカット番組で確認したところ最後に約3秒位映像が遅延した
Y (>_<、)Y
     *Corel社のUlead VideoStudio 12 PlusやDVD MovieWriter 5 BD for I-O DATAは、
       PT1で録画したMPEG2_AAC.tsファイルが素材の場合、音声 AACを AC3に変換
       しないでそのまま読み込むと無声となって出力されてしまう。
  B)本試験
    素材:
PT1で録画した地デジ二ヶ国語二重音声の洋画番組(X-MEN[デ][SS][二][字]
      .ts、収録時間 1時間54分、MPEG2_AAC圧縮)を元素材とした。
      しかしこの元素材は読み込み出来なかったので、別記の方法Aこちらを参照)に
       BonTsDemuxWAV to AC3 Encoder
処理後、tsMuxeR GUI
      「TSMuxing」出力した MPEG2_AC3.tsファイルを素材とした。
     操作手順:前試験と同様に実行。
    成績 
     変換に要した時間:変換時間 1時間53分+Mux時間? 37分=計 2時間30分
     <参考>
      DVD MovieWriter 5 BD for I-O DATA
で「AVCHDのビデオディスク」の
      「HD 1920x...」にてH.264_AC3.m2tsへ通常エンコード時: 計 8時間03分
      と比較すればかなりの高速なのだが・・・しかし、
     変換したファイルは H.264_AC3.mpg 形式となっているが、ナッ何んと収録時間が
      3時間25分と 1.8倍に延長して
出力されてしまう! その結果、スローモーション
     
ムービーとなって再生される Y (>_<、)Y 
      音声はAC3に再変換されるようだが、再生開始初期3分間コマーシャルの音
声は
      聴取可能だが、本編開始後しばらくしてガーガー音から
無声となってしまう。
   
 
 II-2.DVDビデオを「HD1920 H264 Up Convert...」でアップコンバート
   素材:2007年にDVD MovieWriter 5 for Sanyo(Xacti DMX-HD1000付属)で作成
     したタイトル23個から成る自作のDVDビデオ、合計の実時間 48分54秒
     下図は、本ソフトでキャプチャしたタイトルファイルの一つをMediaInfo 0.7.14で解析
   操作手順
    「メディアの追加」項目の「ディスクまたはハードディスクからファイルをインポート」アイ
     コンをクリックし、「タイトルを選択」画面でドライブを選択して「インポート」ボタンをクリ
     ック。「インポート」画面では、映像を確認しながらタイトルの選別が可能だ。
    「インポート」ボタンをクリックするとインポートされる。
     「作業用フォルダの選択」で指定したフォルダ内のCaptureフォルダに"dmf年月日_
     ....mpg"で抽出され、メイン画面の下段に登録される。
     インポートに要する時間: 1分15秒と短時間で完了。
     クリップを(複数の場合は[shift]を押しながら)選択し、「選択したクリップをエクスポ
      ート」のメニューで「HD1920 H264 Up Convert...」を選択する。
     「ビデオファイルを保存」画面の「オプション」ボタンをクリックし、
     「ビデオ保存オプション」を表示して、
        「圧縮」タブでオーディオ形式をLPCM→AC3に変更する(上記を参照)。
       必要なら映像の品質、データレートやオーディオのビットレートを変更する。
     「保存」ボタンをクリックして変換始する。
   成績
    1)合計の実時間 48分54秒作品の変換に要した時間:実時間とほぼ同じ 51分27秒
      出力ファイル形式:H.264_AC3.mpg
       下図は、変換したタイトルファイルの一つをMediaInfo 0.7.14で解析した結果
    2)出力した複数のH.264_AC3.mpgファイルをBD化
    multiAVCHDは、メニュー付きBDMVの作成が可能な無料ソフト(こちらを参照)。
       残念ながら、このファイルはそのままでは出力時にエラーとなってしまう (>_<、)Y
       無劣化でMPEG2-TS化する方策はないものか検討したところ、
       MPEG Streamclip とTMPGEnc Plus2.5のMPEGツールは、読み込み不可。
       Avidemuxは、読み込み出来ても無劣化でMTS化しようとするとエラー。
       tsMuxeR GUI は、音声の読み込みが出来ない。
      TsRemux 0.21.2は、幸い無劣化でMPEG2-TS化する事が可能だ \(^.^)/
        各MPEG2-PS(ProgramStream)
        ファイルを tsRemuxでMPEG2-
        TS(Transport Stream)のM2TS
        (192 byte)へ変換すると、
        ⇒multiAVCHDで利用する事
          が可能となった!
    Ulead VideoStudio 12 Plusなら、「プロジェクト設定」で「プロジェクトに対   
        応したMPEGファイルを変換しない」にチェックすれば、スマートレンダリングで
        Blu-rayの出力が可能(素材の映像がMPEG2ではなく、H.264でも無劣化で
        レンダリング出来る)。
       なお、「MPEG設定を変更」のカスタマイズでオーディオをLPCMからAC3に毎回
        変更する必要があるのは煩わしい。
 
 III.TMPGEnc 4.0 XPress
    TMPGEnc 4.0 XPressはVer.4.7.0.280(2009.1.28)になって、TMPGEnc Movie
     Plug-in SpursEngineを導入すればSpursEngineの利用が可能となった。
    今回は TMPGEnc 4.0 XPressは v.4.7.1.284を、Plug-inは v1.0.3.8を使用。
 
 III-1.PT1録画番組を「汎用MPEG-4 AVC」でH.264_AAC.mp4へ高速変換  
   今回用いた素材 (上記のDVD MovieWriter本試験と同じ
     PT1で録画した地デジ二ヶ国語二重音声の洋画番組(X-MEN[デ][SS][二][字].ts、
      収録時間 1時間54分、MPEG2_AAC圧縮)を元素材とした。
     しかしこの元素材は変換途中でエラーとなるので、別記の方法Aこちらを参照)に
      て、BonTsDemuxWAV to AC3 Encoder
で処理後、tsMuxeR GUI
      「TSMuxing」出力したMPEG2_AC3.tsファイルを素材とした。

   操作手順
    「入力設定」項目の「ファイルを追加」で読み込み、用に応じてカット編集やフィルタ処
      理をした後(別記「TMPGEnc 4.0 XPress 補足説明」)、
    「出力設定」項目の「追加」ボタンをクリック。
     「出力フォーマット選択」で「SpursEngineファイル出力」を選択する。
     「出力方法」は、「クリップ毎に別々のファイル...で出力」を選択。
     「用途」のプルダウンメニューから、ここでは「汎用MPEG-4 AVC」を選択して、以下
      の如く設定した。
      *筆者が汎用しているシネスコサイズ(640x272)のファイルはアスペクト比を
        適応出来ない
:サイズを自由に設定出来ない。オリジナルがない (;O;)
     今回は初期設定を変更せずに「エンコード」を実行した。
   成績
      出力ファイル形式:H.264_AAC.mp4
      下図は、変換したファイルをMediaInfo 0.7.14で解析した結果
     収録時間 1時間54分の番組の変換に要した時間: 1時間47分
       通常の「MPEG-4ファイル出力」の場合に要した時間は 5時間38分と長時間
       必要としたが、SpursEngineでは実時間とほぼ同じで終了した。

      <補足>64ビット版Windows 7でメモリーを増量して変換を高速
        SpursEngineで変換時は、Vista:1時間47分、 Windows 7:1時間43分
        通常の変換時は、Vista: 5時間38分、 Windows 7: 5時間21分
        で、OS 32→64 ビット、メモリー 3→6GB としても何らメリットはなかった。


     画質の優劣は、ビデオデータレートが大きく違うので比較出来ない。
       ATI Avivo Video Converterはビットレートを 8.000Mbps以上に設定
        出来ないが、変換時間はSpursEngineに匹敵する高速だった(こちらを参照)。
       Super LoiLoScope VENUSはビットレートを自由にカスタマイズ出来るが、
       CUDAエンコーダを使用して「AVCHD」で変換した成績を示した(こちらを参照)。
 
 
 III-2.DVDビデオを「Blu-ray 向け(NTSC)」のSpurs超解像でアップコンバート
   素材:2007年にDVD MovieWriter 5 for Sanyo( Xacti DMX-HD1000付属)で作成
     した自作のタイトル23個から成るDVDビデオ(上記と同じ)
   操作手順
    「入力設定」項目の「追加ウェザード」を起動し、「DVD-Videoから追加する」にチェック
      して「次へ」
      「DVD読み込み元指定」画面で、DVD-ROMドライブを選択して「OK」。
      必要なタイトルを選択(但し、ここでは映像を確認出来ない)して「次へ」を押す。
      コピー先フォルダを指定して「OK」
      複数のタイトルファイルを選択した場合は、「複数のクリップが追加されます。クリ
       ップ編集画面を表示せずに連続でクリップを追加しますか?」が表示されるので
       「はい」を押すと、メイン画面に登録される。
      インポートに要する時間: 1分21秒と短時間で完了。
    「出力設定」項目の「追加」ボタンをクリック。
     「出力フォーマット選択」で「SpursEngineファイル出力」を選択する。
     「出力方法」は、「クリップ毎に別々のファイル...で出力」を選択。
     「用途」のプルダウンメニューから、ここでは「Blu-ray向け(NTSC)」を選択。
     「詳細設定」タブで、今回は「Spurs超解像を使用する」にチェックを入れる。
      Spurs超解像とは、DVDをHD解像度にアップコンバートするというもの。
 
   成績
    1)合計の実時間 48分54秒作品の変換時間:実時間の約2倍 1時間 44分50秒
      出力ファイル形式:MPEG2_AC3.mpg
      下図は、変換したファイルをMediaInfo 0.7.14で解析した結果
    
    2)これらのファイルはそのままでも、フリーソフトmultiAVCHDでメニュー付きBDMV
      を作成する事が可能だ。
      Ulead VideoStudio 12 Plusでも、スマートレンダリングでBlu-ray出力が可能。
 
 IV.結果と考察
  1)DVD MovieWriterとTMPGEnc 4.0 XPressの比較
    DVD MovieWriterは、本ソフトで編集するとSpursEngineを利用した変換が出来
     ない。PT1録画二ヶ国語番組をマトモにH.264へ高速変換出来ない。
     一方、 DVDビデオのアップコンバートとしての利用が可能で、エンコード設定の自
     由度は狭いが、結果2),3)の如く変換は高速で画質も良好だ。
     なお、multiAVCHDでBDにオーサリングする場合は、出力したファイルMPEG2-
     PSを tsRemuxで MPEG2-TSへ変換する一つ手間が必要(但し、変換時間は
     極短時間で完了する)。
    TMPGEnc 4.0 XPressは、本ソフトで編集後も SpursEngineの利用が可能で、
     PT1録画番組を H.264_AAC.mp4へ高速変換するのに利用出来る。
     一方、Blu-ray用途にH.264で圧縮・変換出来ないのは致命的欠点だ。
     なお、アスペクト比 4:3のDVDをアップコンバートすると、VLC media playerとDivX
     Player,KMPlayer以外の多くのプレイヤーでは 1:1と縦長に再生され、GOMPlayer,
     SMPlayer以外のWindows Media Player,MPC HomeCinemaは修正出来ない。
  2)アップコンバートした変換ファイルの画質の良否
    DVDビデオからアップコンバートしたファイルを Full HD画面で再生したところ、動き
    の速いシーンでも DVD MovieWriterでアップコンバートした場合は、明らかに綺麗
    になっていた。
    DVDビデオの元素材は、拡大表示した為に全体にボケている。
    TMPGEnc 4.0 XPressでアップコンバートした場合は、ボケとモスキートノイズが目
      立つ。
      編集で、「常にインターレース解除を行う」に変更、「映像ノイズ除去」や「輪郭協
       調」などのフィルタ処理を行えば改善するのかも知れないが、今回は初期設定
       のままで実行した(こちらを参照)。
      「Spurs超解像を使う」にチェックを入れて出力したのにもかかわらず、何故?独
       自の超解像処理効果が顕現化しないのであろうか・・・
  3)実時間 48分54秒のDVD作品を変換するのに要した時間は、DVD MovieWriterで
    アップコンバートした場合の方が高速だった。
    *Ulead VideoStudio 12 Plusでこの作品を一から作成した場合は、変換に6
     〜7時間を要した記憶がある。
  追記(2009.07.21)
   SpursEngineエンコードによるCPU負荷の軽減

    A)高速エンコード時のCPU使用率
     動画エンコード時のCPU負荷の軽減は行われているが完全ではない。
DVD MovieWriterでPT1録画番組を「HD-1920 H264...」にて高速エンコード時
 <参考>「環境設定」の「ハードウェアアクセラレーション」のチェックを外すと、
    「選択したクリップをエクスポート」メニューの「HD-1920 H264...」が表示
    されなくなるので、通常変換時のCPU使用率を実証出来ない。
    DVD MovieWriter 5 BD for I-O DATAで「AVCHDのビデオディスク」の
    「HD 1920x...」にて通常エンコード時
TMPGEnc 4.0 XPressでPT1録画番組を「SpursEngineファイル出力」の「汎用
  MPEG-4 AVC」にて高速エンコード時
 <参考>通常の「MPEG-4ファイル出力」にてエンコード時
<参考>Super LoiloScope(GPGPU超高速動画編集ソフトウェア)でPT1録
   画番組を「NVIDIA CUBA .MP4」にて高速エンコード時
 
    B)アップコンバート時のCPU使用率
     いずれの場合もCPU処理は極めて少なく、SpursEngineを使って独自の変換処理
     が行なわれている。
DVD MovieWriterでDVDビデオを「HD1920 H264 Up Convert...」にてアップコン
 バート時
TMPGEnc 4.0 XPressでDVDビデオを「Blu-ray 向け(NTSC)」のSpurs超解像に
 てアップコンバート時
 <備考>
 *1)
カノープス「FIRECODER Blu」(実売49,700円、ここを参照)に同梱する専用ソフト
    「FIRECODER WRITER」は、MPEG-2 Transport Stream(拡張子 .m2ts)ファイル
    への変換以外に、DVD/BDへの書き込みも可能となっている。
    将来はプロフェッショナル向けビデオ編集ソフ ト「EDIUS Pro 5」と連携予定だが、
    これが高価だ(83,790円)。
    なお、DVDをH.264圧縮のHD動画にアップコンバートする目的ではDVDの音声が
    AC3の場合はノイズとなって上手く変換出来ないと云う。
 *2)CodecSys CE-10(2009年6月に発売予定、こちらを参照)について
    CE-10 Professionalは PLAYSTATION 3(PS3)のCellプロセッサをアクセラレータ
    としたMPEG-4 AVC/H.264エンコーダで、PCに専用カードを搭載しなくても PCと
    PS3をギガビットイーサネットでつなぐだけで高速エンコードを可能とする業務専用
    ソフト。入力可能なフォーマットはYUV4:2:0 8bit planar、非圧縮AVI、MPEGだが、
    ファイルフォーマットなど一部機能に制限のあるコンシューマ用のパッケージも販
    売予定との事だが、お値段が半端ではなさそうだ。
 *3)PT1で録画した番組をH.264映像に変換する事でどれ程の利点があるの解らない
    が、H.264圧縮・変換が可能なフリーの動画編集ソフトがSpursEngineに対応するよ
    うになればと期待するのは無理な事であろうか。
    CRI SpursCoder有償版(3,900円)は、SpursEngineに対応したH.264_AAC.mp4
     への変換ソフト。無償版は映像のみをH.264ビデオストリームに高速にエンコード
     する事が可能なコンソールツールで、AviSynthや携帯動画変換君等と組み合せ
     て利用する必要がありハードルが高い。
     →記事 「PxVC1100でtsをMP4(H.264/AVC)に変換 第二版 part.1」を参照。
 *4)総合的動画編集ソフトUlead VideoStudio 12? Plusが対応してくれたならば、
    自作Blu-rayビデオの作成が実用的なものとなるのだが・・・
 *5)筆者はPS3を所有しているので、市販のDVDビデオをアップコンバート変換して
    BD化する必要性は少ない(但し、期待したほど PS3のBD/DVDアップコンバート
    出力効果を認めない作品もあるようだが・・・)。
    多重二ヶ国語のビデオをDVD MovieWriterでアップコンバートする場合には、単
    純に変換しただけでは2チャンネルステレオで出力されるので問題があり、言語の
    差し替え処理を行う手間が必要となる。
    ⇒別記の「二ヶ国語DVDビデオを PxVC1100で超解像処理」を参照。


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