QEMU on Windows 0.9.0は・・・

QEMU on Windows 0.9.0は・・・
バージョンアップしたQEMU on WindowsはVistaで利用可能か
(2007.06.11作成)
最近製品ベースの「仮想マシン」ソフトが無償配
布され、一般PCユーザも手軽にPCエミュレーシ
ョンすることが可能となった。
オープンソースのQEMUは、以前から無料で利
用可能だったのだが、果たしてバージョウンアッ
プしてWindows Vistaでも利用可能か?

今回筆者は、Windows Vista で対応出来てい
ないソフト(ここを参照)を使用する事を目的に、
QEMUを試用してみる事とした。
 (右図:Windows Vista環境下、QEMU on
  Windowsで作成した仮想マシンのゲスト
  Windows XPの起動)
使用したマシン環境は、Intel D945GNT、PentiumD830 3.0GHz、DDR2-667, 1GBx2、
 GeForce 6600GT(VRAM 128MB) で、
ホストOSは Windows Vista Ultimate、ゲストOSはWindows XP Homeである。

  無料のVista対応「仮想マシン」ソフトの比較   ここを参照

 特徴
QEMUは、オープンソースの 「仮想マシン」作成・実行ソフトで、Windows以外にも Linuxや
 MacOS Xなど多くのOS上で動作するのが特徴。
QEMU on Windows 0.9.0
はコマンドベースのWindows用ツールだが、そのフロントエンド
 であるQEmu Launcherを使ってGUI で操作する事が可能だ。

 入手先とインストール
QEMU on Windowsは、「QEMU on Windows」から入手。
 今回は インストーラ方式の Qemu-0.9.0-install.exe
を使用(中段のアクセレレータにある)
  *解凍・手動インストール方式のqemu-0.9.0-windows.zip が一般的だったが・・・
 KQEMU(アクセレレータ)も同上から入手。今回はKqemu-1.3.0pre11-install.exe を使用
QEmu Launcherの入手先は、ここから。今回はqemul012.lzhを使用
 
インストール
  QEMU on Windowsは、C:\Program Files\Qemuフォルダにインストールされるので、
  QEmu Launcherを解凍して、同じフォルダに入れる。
 又、アクセレレータ KQEMUのインストール前後でパフォーマンスを比較してみた。

 仮想マシンの作成
  *参考としたサイト:「QEMU on Windows」に詳しく解説されているが、筆者の能力では理解
    出来ない部分が多い。
  QEmu Launcherを QEmuL.exeをダブルクリックして起動する。
  「QEmu Launcherの設定」ボタンをクリック
        *QEMU-IMGのパスを E:\QEMU にしても同じ?
   「エミュレータ」ボタンの「設定」タブ
        任意の名前を入力する。
   「エミュレータ」ボタンの「拡張」タブ
        *QEMUパス、BIOSパスをチェックしてもしなくても同じ?

   「エミュレーションターゲット」ボタン
       *起動ドライブの指定は、ゲストOSインストール前はCD-ROMにしておき、インストー
         ル後はHDDとする。

   「ディスクイメージ」ボタン
      「ハードディスク」アイコン(上から3番目)を選択し、「IDE0:マスター」にチェック。  
       「>>」
メニューの「イメージファイルを作成」を選択
        ファイル名:「...」ボタンをクリック して、
           保存先ダイアログで任意(今回
           は、qemuHDD)のファイル名を
           入力する
        フォーマット:QEMU(qcow) を選択。
         *qcow2 はv0.9.0から利用可能と
           なった新しいフォーマット形式で、
           仮想マシンの状態をディスクイメ
           ージ中にスナップショットとして
           保存出来る。
       「光学式ドライブ」アイコン(上から5番目)を選択し、「IDE1:マスター」にチェック。
        右のプルダウンメニューで「CD-ROM」を指定する。 
        下のテキストボックスに、ホストのドライブを(Dドライブなら「\\.\D:」と)指定する。
      重要注意:ゲストOSのインストールが完了したら、OSを終了して一旦「IDE1:マスター」
         のチェックを外してから再起動する。そして、「CDドライブ」の自動再生をしないよ
         うに「CDドライブのプロパティ」/「自動再生」タブで全ての項目について、「何も
         しない」にチェックして「OK」する。
         自動再生しないように設定しておかないと、OSを起動するとなにもメディアを挿入
         していないのにも関わらず「自動再生」が起動してハングアップしてしまう。
   「サウンド」ボタン
   「ビデオ」ボタン
   「ネットワーク」ボタン
   「その他のデバイス」ボタン
   「その他」ボタン
  最後に以上の設定を「保存」して、「実行オプション確認」ボタンをクリックすると以下のような
   ダイアログメッセージが表示される。
現在の設定で実行されるコマンドラインと環境変数の内容
(バッチファイルとして内容を保存して実行することが出来ます)
内容
rem 環境変数
set QEMU_AUDIO_DAC_FIXED_FREQ=44100
set QEMU_AUDIO_DAC_FIXED_FMT=S16
set QEMU_AUDIO_DAC_FIXED_CHANNELS=2
set QEMU_AUDIO_ADC_FIXED_FREQ=44100
set QEMU_AUDIO_ADC_FIXED_FMT=S16
set QEMU_AUDIO_ADC_FIXED_CHANNELS=2
set QEMU_AUDIO_DAC_VOICES=1
set QEMU_AUDIO_ADC_VOICES=1
set QEMU_AUDIO_DRV=dsound
set SDL_VIDEODRIVER=directx
rem QEMU実行
"C:\Program Files\QEMU on Windows\qemu.exe" -L "C:\Program
Files\QEMU on Windows" -M pc -smp 1 -m 512 -boot c -localtime -hda
"E:\QEMU\qemuHDD.img" -cdrom "\\.\Q:" -soundhw all -usb
 仮想マシンにゲストOSをインストール
    ゲストOSのインストール用CD-ROM(今回は Windows XP Home)をドライブに挿入する。
    そして、作成した仮想マシンを選択して「エミュレーションターゲット」ボタンの「設定」
      の起動ドライブを「CD-ROM」として、「電源」ボタンをクリックする。
    すると、通常のPCと変わらない作業要領でゲストOSをインストールすることが出来る。
   *マウスカーソルの開放 
       仮想マシン内にマウスカーソルが閉じ込められてしまう。
       [Ctrl+Alt]キーを押しからマウスカーソルを移動すれば、ホストパソコンが操作出来る
       ようになる。
   *全画面切り替え
       [Ctrl+Alt+F]キー  *画面の配色がBasicとなる。
    インストールが完了したら、「エミュレーションターゲット」ボタンの「設定」の起動ドライブ
      を「HDD」に変更して、保存する。

 ネットワーク共有の方法
   本ソフトのホスト/ゲスト間の仮想ネットワークは、NATが使用されており、ブリッジタイプの
   ネットワークが利用出来ない為か?LAN内の外部PCへワークグループ接続が出来ない!
   
ホストOSのNAT側アドレスは「10.0.2.2」に設定されている。
    手順:
      ホストOSでフォルダの共有設定を行う。
      ゲストOS側で「ファイル名を指定して実行」又は「アドレスバー」又は「ネットワークド
      ライブの割り当て」にて、"\\10.0.2.2\[共有フォルダ名]"を入力して、[OK] 又は移動
      をクリックする。
      するとネットワークプレースでアクセスして共有フォルダが展開される。

   
なお以下の如く、"\\192.168.1.xx\[共有フォルダ名]"でも接続が可能だ。
   外部PCと接続する為には、面倒だがブロードバンドルータで割り当てられたアドレスと
    共有フォルダ(例えば、"\\192.168.1.xx\[共有フォルダ名]"を入力する必要がある。

 結果
  1)ゲストOS表示画面のメニューはなく、画面表示の自動リサイズも不可。
  2)Audioディバイスの利用は問題ないが、CD-ROMディバイスは自動再生にしておくとメデ
   ィアを挿入しなくても立ち上がろうとして、ハングアップする。
  3)動作はもっさりで、マトモナに動画再生出来ない(KQEMUのインストール前後で差を感
    じられなかった)。
   CrystalMark 2004R2によるベンチマークテストは不可。
  4)Microsoft Windowsネットワーク共有に難があり、ワークグループ続は出来ない!
   LAN内の外部PCへは、\\192.168.1.xx\[共有フォルダ名]でないと接続出来ない
  5)低速なネット機能と超劣悪なマシンスペックの為、windows Updateは出来ず、
   avast! 4 Home Editionをインストールしたらハングアップ状態でアップデートも出来ない。

 総合評価
   筆者の理解不足の為なのか?Windows Vista-XPの組み合わせではパフォーマンスは劣悪
    で、動画用途は無論の事全く使い物にならない。


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