TMPGEnc Authoring Works 4で地デジ番組を再構築

TMPGEnc Authoring Works 4で地デジ番組を再構築
TMPGEnc Authoring Works 4は地デジ二ヶ国語二重音声のAACにも対応
(2009.01.07作成)
 目標:地デジ二ヶ国語二重音声番組を映像の劣化なく CMカットしてBlu-rayに戻したい。
     その際、CMカット以外に手間のかかる事は極力したくない。
      この番組の音声は二ヶ国語二重音声のAACファイルで扱い難いが、TMPGEnc
     Authoring Works 4
は対応している。
地デジ二ヶ国語映画の無劣化再構築は      →こちらを参照
BonTSDemuxは二ヶ国語二重音声のAACに対応した貴重なツール
  マシン環境は、Intel Core 2 Quad Q6600 2.40GHz、DDR2 PC2 6400 2GBx2、GeForce
    8600GT(VRAM 512MB)で、
    光学ドライブは、I-O DATAのBD&HD DVDコンポドライブBRD-SH6Bを使用し、
  
 OSは、Windows Vista Home Premium SP1環境で検証した。
  MPEG2関連コーデック・フィルタ類の環境は、以下を使用した。
    MainConcept MPEG Demultiplexer(Elecard MPEGPlayer v4.0.3.60412のインスト
    ールで導入される)
    Haali Media Splitter v1.7.62.21(最近のv1.8.122.18でない)
    ffdshow tryouts revision2265:H.264/AVC,AC3を有効に、AACを無効に設定。
    AC3Filter(MediaCoderのインストールで導入されるが、DirectShow Filter Toolで
     メリット値を 0x40000000から 0x10000000に変更)
    CoreAAC directshow filter 1.2.0.573
    WinDVD8 for I-O DATA(BRD-SH6B付属)又は、PowerDVD 8 Ultra

  元素材:地上デジタル放送を、ブルーレイディスクレコーダー(PanasonicのDMR-BW800)の
       DRモードで録画した二ヶ国語番組:高画質放送、番組連動型データ放送、文字多重
       Mr.インクレディブル(The Incredibles)の日本語吹き替え放送。
       全録画時間:2時間08分、CM等を除けば実質の放映時間:1時間48分
       「おまかせダビング」のDRモードでBD-REにムーブしたBDAV
    <参考>Friioで録画したMPEG2-TS(.ts)は188byteパケットで、BDレコーダーのDR(ダ
        イレクトレコーディング)モードで録画したMPEG2-TS(.m2ts)は4byteヘッダ付きの
        192byteパケットとなっている。
    <参考>詳細ダビングのHG(所謂AVCREC)モードでは、40分位しかDVD-RAMに録画
        出来ないので、映画番組の保存には不向き(HEモードでも1時間40分)。
  PC用素材:PCで別ページ「地デジをハイビジョン画質でリッピング」の 「I.地デジを録画した
      BD-RE(BDAV)のリッピング」方式で、AACSの解除とcci情報の削除を実行した。
 BackupBDAV041でAACSの解除・リッピング(約37分
         ・・・・・・・・・・・・・・・・
         Processing 00001.m2ts
         End backup on Mon Dec 15 07:31:05 JST 2008
         Time: 2206 sec
         Input ENTER key for closing DOS Window.
     <結果>
       m2tsファイル情報(MediaInfo 0.7.8による解析):15.6GB, 2時間13分←間違い!
         映像:MPEG2(Main@High), 15.7Mbps(24.0Mbps), 1440x1080, 29.970fps
         音声:AAC(ADTS)(Version2)(LC), 251Kbps, 2channel, 48.0KHz
 cciconvで cci情報を削除(約17分
     <結果>
       m2tsファイル情報(MediaInfo 0.7.8による解析):13.7GB, 2時間13分←2時間08分だ!
         映像:MPEG2(Main@High), 13.8Mbps(24.0Mbps), 1440x1080, 29.970fps
         音声:AAC(ADTS)(Version2)(LC), 251Kbps, 2channel, 48.0KHz
 
 Murdoc Cutter 1.9f1(ここから入手)
    MPEG2圧縮型MPEG2-TSファイル(H.264_AC3圧縮型には未対応)を無劣化でGOP単位
     のカット編集が可能な唯一のツール。   
    素材は、cciconvでcci 情報など削除後のm2tsファイル
    複数のトリミングしたファイルを一つのファイルに結合・出力する事も可能だが、今回は9領
       域をバラバラに、TS(188byte)化して出力した(実質出力時間の合計約5分)。
      「Option」の「Clipping」タブで、「only selected PID clipping」にチェックを入れ
       「Get PID」ボタンを押すとPIDが表示される。
         一般には、0112が日本語音声、0113が外国語音声となっているのだが・・・
         ナッ何んと!今回の素材は分離していないので、言語を指定出来ない!
        なお、「rewrite timecode」:チェック、「ajust clipping point」:未チェックで実行。
    <結果>出力した00001.m2tsファイル情報(MediaInfo 0.7.8による解析):1.69GB,17分03秒
       映像:MPEG2(Main@High), 13.4Mbps(24.0Mbps), 1440x1080, 29.970fps
       音声:AAC(ADTS)(Version2)(LC), 264.6Kbps, 0channel, 48.0KHz

 TMPGEnc Authoring Works 4 体験版でBDMV化
   筆者所有のCorel VideoStudio12 PlusDVD MovieWriter 5 BD for I-O DATAは、
    MPEG-2TSファイルにAAC音声が使用されている今回の素材には未対応の為、別途ツール
    を用いてAACをAC3などに変換しないでオーサリングすると無声となってしまう。
   TMPGEnc Authoring Works 4(ダウンロード版販売価格 ¥9,800(税込))は、
    メニュー付きBlu-ray Disc作成が可能なDVD作成ソフト。BD形式はBDMVで、BDAVは不可。
    ポップアップメニューにも対応。 2ストリーム音声に対応し1ch,2chに別々の音声を作成する
    ことが可能。
    スマートレンダリング(再エンコードが必要とされる部分の前後のみを再エンコードして
     MPEG2映像データの画質の劣化を最低限に抑える)機能を搭載。
    トランスコード(編集した映像がディスク容量に収まりきらない時でも、ディスク容量ピッタリ
     にMPEG2の画質劣化を抑えながらビットレートを下げ間引きして収録する)機能を搭載。
    なお、MPEG-2TSファイルにAAC音声が使用されている場合は、2chまでの音声入力に対応。
    今回は体験版Ver.4.0.3.17を試用した(ここから入手)
   対応入力ファイル:*.divx;*.avi;*.mod;*.mpg;*.mpeg;*.m2p;*.m2t;*.ts;*.dvr-ms;*.m1v;*.mpv;
        *.m2v;*.asf;*.wmv;*.m2ts;*.MTS;*.mp4;*.m4v;*.3gp;*.3g2;*.mov;*.qt;*.amc;*.bmp;
        *.jpg;*.jpeg;*.psd;*.png;*.wmf;*.emf
   素材Murdoc CutterでCMカットしてバラバラにTS(188byte)出力した9個の本編ファイル
        (MPEG2_AAC.ts)
   設定:Blu-ray BDMV NTSC(日本・北米向け)を選択
     1)入力設定:「ファイルから追加する」及び「ファイルを追加」で9個の本編ファイルを読み込む。
      a)クリップの情報の音設定:「音声ストリーム構成」で「二ヶ国語(入力音声1...)」を選択する。
        「音声1のみ」は 1chの、「マルチ音声」は2chの二ヶ国語が混在した音声となってしまう
      b)カット&チャプター操作
       <参考>下図は、cciconvでcci 情報など削除後のm2tsファイル (Murdoc Cutter
          未実行ファイル)をCMカットしている画面
     2)入力設定メイン画面の「トラック1の設定」は音声設定以外は初期設定とした。即ち、
       全体:クリップ同士を結合する。  
       映像設定:「自動設定(スマートレンダリング優先)。
       音声設定の初期設定は「自動設定(スマートレンダリング優先」となっており、今回の
        素材では 「Dolby Digital」、「モノラル」となってしまうので、「下記設定で全ての音声
        を再エンコード」として、 「Dolby Digital」、「5.1chサラウンド」に変更した。
        そして、音声1の言語に「日本語(ja)」を、音声2の言語に「英語(en)」を指定した。
         指定をしないと、「日本語1」、「日本語2」となってしまう(「日本語1」は日本語だが、
          「日本語2」は実際は英語となる)。
     3)メニューの作成は、16:9 HDとしてテンプレートを使用し、ホップアップメニューのみとした。
       ページ編集で、「音声1」を「日本語」に、「音声2」を「英語」にする。
     4)書き出し先フォルダ名を指定して「書き出し開始」をクリックする。
       なお、「容量調整の設定」は今回初期設定の「容量調整は行わない」とした。
       「ユーザ定義カスタムサイズ...」を選択して「目標サイズ」を低く設定すれば、トランス
        コードで画質の劣化無く圧縮する事が出来る。
  <結果>
    本ソフトはBDAV形式に出来ないが、ホップアップメニュー作成機能で補える。
    1)BDMVフォルダの「STREAM」内には、クリップ同士を結合して出力したので本編ファイル
      00001.m2ts
(容量11.0GB)と使途不明の00000.m2ts(容量498KB)作成された。
      00001.m2tsファイル情報(MediaInfo 0.7.8による解析):11.0GB, 1時間48分
        映像:MPEG2(Main@High), 13.3Mbps(24.0Mbps), 1440x1080, 29.970fps
        音声:AC3, 384Kbps, 6channel, 48.0KHz  

    2)BDMV化に要した時間
      BDMVオーサリング時間:13分と高速。今回の素材はスマートレンダリングに対応だ!
      BD-REへのライティング時間:43分(B's Recorder GOLD9 BASICと大差なし)
    3)00001.m2tsファイルのプレイヤーでの再生
      Media Player Classic Homecinema 1.1.604、VLC Media Player0.98a、KMPlayer2.9.4
        .1433:いずれも問題なく言語選択も可能 \(^o^)/
      SMPlayer0.6.5.1:言語選択可能だが、何故かオーディオトラックの切り替えが再生途
         中で出来ない(再生を停止させてから再生しないと変更出来ない)。
      Windows Media Player11:筆者の環境では再生可能だが言語選択不可。
      GOM Player2.1.12:何故かMPEG/AC3/DTS/LPCM Audio Decoderが機能せず無声
    4)Blu-rayメディアの再生
      PC上 I-O DATA製のBRD-SH6B(BD&HD DVDコンポ)での再生
        WinDVD8 for I-O DATA も PowerDVD 8 Ultra も問題なく再生可能 \(^o^)/

       下図は、PowerDVD 8 Ultra で再生したホップアップメニューと再生情報表示及び右ク
        リックメニューを示す。     
      TV上 DIGA(DMR-BW800)での再生
        「再生設定」>「信号切り替え」で「二音声」...の選択項目は無い
が・・・
        ホップアップメニューの「SETUP」ボタンで言語選択が可能なので不都合はない。
    5)音声・映像解離 :クリップ同士を結合して出力したが音ズレは起こらなかった。

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