OGM/MKV動画の再生と再利用

OGM/MKV動画の再生と再利用
=海外で最大シェアを誇るフリーの動画編集ソフトVirtualDubModによる編集=
(2004.09.26作成 05.10.23更新)
Windowsの動画界では、従来はPC用動画のコンテナフォーマット(入れ物形式)としてAVI(Audio
-Video Interleave)が主流を占めていたが、マルチメディア技術の発展に伴ない単に映像+音声
だけではなく、複数音声や字幕も取り入れることの出来る形式が望まれるようになっている。
こうした動画フォーマットへの要望が、2002〜2003年に広まったOGMと2003年に生まれたMKV
という新しい形式により可能となって来た。
現在、VirtualDubModを用いて簡単にOGMを作成することが出来、多くのプレイヤーで視聴で
きる時代になった(「Windowsの動画再生ソフト」を参照)
又、LindowsでもMPlayer、XineでOGMの再生が可能で、MacOSXではvlcPlayer、MPlayer
でOGMとMKVのいずれも再生可能となっている (MacOSXとマルチメディアプレーヤーを参照)。
・OGMとはOgg Mediaの略で、MP3よりもコンパクトで高音質なフリーの圧縮形式であるOgg Vorbis
 を音声成分として使うことが出来る事以外にも、複数の音声や字幕の利用が可能、チャプターの
 利用が可能、 シークが高速、末尾が欠けても再生可能などAVIにはない多くの優れた特徴を持
 っている(「OGM再生法: OGM動画とは」 を参照)。
・MKVとはMatroska(マトリョーシカ) Videoの略で、後発故にOgg Mediaで出来る事以外にも、映像
 にRealMediaの利用が可能、音声にAACの利用が可能となっている。又、「SSA」と呼ばれる柔軟
 な字幕を格納させられるが、利用するにはハードルは高い(妖精現実の「.mkv Matroska」を参照)。
・VirtualDubModとは、海外で最大シェアを誇るフリーの動画編集ソフト「VirtualDub」の派生版で、
 AVIの他OGM/MKV作成機能とMPEG2読み込み機能を盛り込んだツール。
・Media Player ClassicはDirectShow系以外にもReal、QuickTime系のみならず、OGM/MKV形
 式にも対応しており、最近では動画ファン必須のプレーヤとなっている。但しNSVには未対応。
今回は、ダウンロードしたOGM/MKV動画ファイルをオンデマンド配信用ムービーファイルとして再活
用する方法について検討した(字幕付きOGM/MKVを作成する方法ではない)。

 前準備
A) 動画再生ツール
 1) Media Player Classic(MPC):日本語版を ここから入手
   追加インストールする必要のあるツールは、「Media Player Classic利用時の注意」を参照

B) OGM/MKV編集ツール
 1) VirtualDubMod(VDM):日本語版を ここから入手
 2) TMPGEncPlus2.5:ここから購入

C) 各種コーデック
 1) 動画コーデック:
   ・DivXここから)と1.01以降のXviDKoepi版:OGMCalcが付属、又はuManiac版)は必須。
   ・Windows Media Video 9 VCM:本体はここから入手
       日本語化パッチはここから入手

   ・DivXここから)と1.01以降のXviDKoepi版:OGMCalcが付属、又はuManiac版)は必須。
   ・ffdshowここから):H.264の他、Ms MPEG4v2, XviD, Windows Media Video9等を内包。  

 2) 音声コーデック:
   ・Radium MP3 Codec: ここから
   ・Oggdrop:WavファイルをOggファイルに変換するソフト。ここから入手

D) コーデックチェッカー
 MMname2ここから入手 ):真空波動研( ここから )よりも機能は強力。


 MMname2.2.5
今回使用したOGM/MKVファイルのプロパティ一覧(一部表示)
2004/09/11版は使い方にコツがある。
1)ファイルをドラッグしたらマウスをアップ後、直にプレスしないと落ちてしまうバッグがある(G8XPはそれでも対応できずクラッシュすることが多い)。
2)パスやファイル名に不適切な日本語があると読み込めない場合がある。
なお、「MediaWiz系での再生可否」とは、PCをテレビとLANで接続してテレビで再生させる機器を利用することが可能かという事。


 VirtualDubMod(VDM)1.5.10.1
1)

OGM/MKVファイルの読み込みには、以下の注意点が必要。
 1)パスやファイル名に不適切な日本語/漢字があると読み込めない場合がある。
 2)ファイルは、
ファイルメニューの「ビデオファイルを開く」から読み込む(ドラッグ&ドロップで読み込
  むことも可能だが、ハングする事も多い)。

上記以外にも何故か?
読み込めないファイルがある。
 "Birtual block not
 handled"とエラー表示
 又は、右の警告が表
 示される。

参考:
  VDMはAVIの他MPEGファイルの読み込みも可能だが、WindowsMediaVideo、QuickTime、
  RealMediaの読み込みは不可。
2)
OGM/MKVファイルをカット編集し、「ストリームの直接コピー」モードでOGM/MKV形式で一旦保存。
1
停止
2
取り込みファイルの再生
3
処理された出力のプレビュー
4
先頭フレームに移動
5
1フレーム戻る *注意:これを使用するとフリーズしやすい。
6
1フレーム進む
7
最後のフレームに移動
8
前のキーフレーム(MPEGならIピクチャ)に戻る
9
次のキーフレーム(MPEGならIピクチャ)に進む
10
前のシーンチェンジと思われるシーンに移動して再生
11
次のシーンチェンジと思われるシーンに移動して逆再生
12
選択始点の位置を決定
13
選択終点の位置を決定

3)
編集済みのOGM/MKVをAVIとWaveに分割して書き出し:
 映像は「ストリームの直接コピー」モードでAVIファイルとして出力。
 音声は「ストリーム」メニューの「ストリームのリスト」で右クリックして「完全処理モード」を選択後、
 「WAVE保存」にてWaveファイルとして出力。
参考:
  VDMは、WAVE以外の音声で分離・出力することが出来ない!



 後処理

I. TMPGEncPlus2.5
 1)読み込みソース:VDMで分離したAVI(映像)ファイルとWave(音声)ファイル。
 2)書き出し:必要ならクリップ編集して、解像度432×288のMPEG2に圧縮して出力。


II. オンデマンド配信用ファイルの作成
 1) RealMedia:オンデマンドストリーミングムービーの作成と配信」を参照。
 2) Windows Media:同上
 3) QuickTime:同上
 4) NSV:NSVムービーのオンデマンド配信法」を参照。



<参考1>
 VirtualDubModでMPEG2ファイルをOGM/MKVファイルへ変換

手順の概略

1)

素材(MPEG2)ファイルを「ファイル」メニューの「ビデオファイルを開く」で読み込む。

2)

「ストリーム」メニューの「ストリームのリスト」で右クリックして「完全処理モード」を選択後、
「WAVE保存」にてWaveファイルを出力。

3)
WaveファイルをOggdropソフトにドラッグして、Oggファイルに変換。
4)
「ストリーム」メニューの「ストリームのリスト」の「利用可能なストリーム」で、元のMP2を選択して
「無効」ボタンで非アクティブにし、「追加」ボタンからOggファイルを読み込む。
5)
「映像」メニューで「完全処理モード」をチェックした後、「映像」メニューの「圧縮」をクリックすると
→「映像圧縮の選択」ダイアログが表示される。

→目的の圧縮方法を選択して、設定を行った後「OK」ボタンをクリック。
6)
「ファイル」メニューで「名前を付けて保存」をクリック→名前を入力して「保存」ボタンをクリック。
→→レンダリングが行われて、出力される。
*バッチエンコード:「今すぐは実行せず、ジョブコントロールに追加して後でバッチモードで
  処理する」にチェックして保存。
  「ファイル」メニューの「ジョブコントロール」をクリックするとダイアログが表示されるので、
  「開始」ボタンをクリックして進行。

なお、VDMはAVI、OGM、MKV形式での書き出しは可能だが、
   WindowsMediaVideo,
QuickTimeやRealMediaは無論の事、MPEG形式へのエンコードも不可。

、サイズの変更(resize)、インターレースの解除(deinterlace)は、「映像」メニューの「フィルター」
   で設定可能。クリップ枠の変更(クロップ)は何らかのフィルターを適応しないと有効にならない。



 未対応ファイルをAVI、OGM/MKVファイルへ変換
1)
MPEG2-TSファイルやMPEG-4 AVC/H.264ファイルは、「ファイル」メニューの「ビデオファ
イルを開く」を表示してもそれだけでは読み込めない。
AviSynthを導入しDirectShowフィルタ環境を整えれば、「Use AviSynth template」欄の
プルダウンで 「DirectShow Source」を選択し、「ファイルの種類」欄を「All types(*.*)」に
すれば利用可能となる。
2)
筆者は、WAV→OGGへの変換にはOggdropを使用している。
WAV→AC3又はMP3への変換は、「ストリーム」メニューの「ストリームのリスト」の「利用可
 能なス トリーム」で右クリックして、「完全処理モード」→「圧縮」を選択すると、
 別途導入したAC-3 ACM Codec又はLame MP3を利用する事が出来る。



 音ズレの補正方法
A)
最初から音声がズレている場合
1)「ストリーム」メニューの「ストリームのリスト」で、音声情報を右クリックして
 「インターリーブ」を選択。

2)「音声/映像インターリブオプション」画面の「音声のずれ補正」欄に、音が映像に
 比べてどれだけ進んでいるか又は遅れているかを1,000分の1秒単位で入力する。

B)
徐々に音声がズレていく場合
「映像」メニューの「フレームレート」を選択し「映像フレームレートコントロール」で、
「映像と音声の再生時間が一致するように変更する」を選択する。



 字幕の挿入方法
G-MARKさんの「第2章 字幕作成をやってみよう!(subtitle_2_ver0.1.1.zip)」から解凍した
  PDFファイルを参照。
 VobSubのインストールは、p68を参照
 VirtualDubMod の使い方は、p73から 参照。




<参考2>追記(2005.10.23)
 VirtualDub-MPEG2v1.6.11でVOB/MPEG2ファイルをAVIファイルへ変換
本ソフトは、オープンソースのVirtualDubを元に、MPEG2/VOBの読み込みをサポートし、音声出力
にインストールされている音声コーデックで再圧縮することを可能としたバーション。
但し、MPEG2への出力は無論のこと、OGM、MKV形式での書き出しは不可。
入手先:本体は、ここからVirtualDub-MPEG2.zipをDM
    日本語化パッチは、http://tnetsixenon.xrea.jp/video.html(2007年3月現在リンク切れ)。
    素材としてVOBファイルを使用する場合は、AC3ACM.zip もDMしてAC-3 ACM Codecをイン
    ストールしておく(残念ながらTMPGEnc Plusで利用出来ない)。
1)

素材(VOB/MPEG2)ファイルを「ファイル」メニューの「ビデオファイルを開く」で読み込む。

2)
ファイルをVirtualDubMod(VDM)と同様にカット編集などをする。
3)
「映像」メニューで「完全処理モード」をチェックした後、「映像」メニューの「圧縮」をクリックすると
→「映像圧縮の選択」ダイアログが表示される。
4)
「音声」メニューで「完全処理モード」をチェックした後、「音声」メニューの「圧縮」をクリックすると
→「音声圧縮の選択」ダイアログが表示される。

→目的の圧縮方法を選択して、設定を行った後「OK」ボタンをクリック。
5)
「ファイル」メニューで「名前を付けて保存」をクリック→名前を入力して「保存」ボタンをクリック。
→→レンダリングが行われて、出力される。
*バッチエンコード:「Don't run this jobnow;add it to job control ・・・」にチェックして保存。
  「ファイル」メニューの「ジョブコントロール」をクリックするとダイアログが表示されるので、
  「開始」ボタンをクリックして進行。

なお、サイズの変更(resize)、インターレースの解除(deinterlace)は、「映像」メニューの「フィルター」
   でVirtualDubMod(VDM)と同様に設定可能。



<参考3>
 H.264動画ファイルの作成は、 ここから
 XviD圧縮設定法とMacでの再生法は、 ここから



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