MediaCoderの試用

MediaCoderの試用
 
MediaCoderで変換したMPEG-4及びFlashビデオは、Web配信用動画として利用可能
(2006.05.19作成 06.09.12更新)
MediaCoder は、多形式に対応したフリーの動画/音声トランスコーダ(Windows用)。
  ビデオの圧縮には多くのフォーマット/コンテナ形式に対応しているMEncoderを利用しており、
  オーディオにはMPlayer、Winampプラグインなど多種類のコーデックが使われている。
  機能
   1) ビデオ+オーディオファイルの変換、圧縮:
      MPG/VOB/AVI/RMVB/MOV/MP4 -> AVI/MKV/MP4 (Xvid/DivX/H.264 + MP3/OGG
      /AAC)。
   2) ビデオ+オーディオファイルからオーディオの抽出。
   3) ビデオファイルをVCD/DVD形式(MPEG)に変換: RMVB/MOV -> MPEG 1/2 など。
   4) ロスレスや高ビットレートのオーディオを低ビットレートのオーディオに変換:
      APE/FLAC/WavPack (+ CUE sheets) -> MP3/AAC/WMA など。
   5) CDをリッピングしてオンザフライで圧縮:
      APE/FLAC/WavPack/MP3/OGG/AAC/WMA/MPCに変換。
  今回は、シネスコサイズのMPEG2_MP2.mpgを素材として、
    I) MPEG-4(H.264_AAC.mp4)及び II) Flash Video(Sorenson_MP3.flv)ビデオに変換
    して、Web配信用途に利用可能か試用してみた。
 MediaCoder のインストール
 MediaCoderの入手先: こちらから (今回 MediaCoder v0.39を使用)。日本語化はこちら
<覚書>
  詳細な解説やTIPS(スプラッシュスクリーンやウェルカム画面の回避)は、「本格的に無料
   ソフト/フリーソフト」さんの「MediaCoder」を参照。
   XULRunner Errorは、..Program Files\MediaCoder\xulapp\application.iniを
    note pad で開いて、MaxVersion=1.9.2 →MaxVersion=1.9.3 に変更すればOK
   「ファイル」>「設定」>「Overall」>「User Interface」を展開して、
    「Show splash for specified time ... 」を 0 と入力、
    「Do not show welcome screen」にビルド番号を入力して、左の「Apply」ボタンを押す。

 MediaCoder対応フォーマット形式(本家の記載)
1)入力
 MP3, Ogg Vorbis, AAC, AAC+/Parametric Stereo, AMR NB/WB, MusePack, WMA, RealAudio
 FLAC, WavPack, Monkey's Audio (APE, APL), OptimFrog, AAC Lossless, WMA Lossless, WAV
 H.264, Xvid, DivX 4/5, MPEG 1/2/4, H.263, 3ivx, RealVideo, Windows Media Video 7/8/9, DV
 AVI, MPEG/VOB, Matroska, MP4, RealMedia, ASF/WMV, Quicktime MOV, OGM
 CD, VCD, DVD, CUE Sheets
2)出力

 MP3, Ogg Vorbis, AAC, AAC+/Parametric Stereo, AMR NB/WB, MusePack, WMA
 FLAC, WavPack, Monkey's Audio (APE, APL), OptimFrog, WMA Lossless, WAV
 H.264, Xvid, DivX 4/5, MPEG 1/2/4, H.263, Flash Video, etc.
 AVI, MPEG/VOB, Matroska, MP4, PMP (PSP Media Player?Format)
  筆者が手持ちの素材を用いてMediaCoder v0.39検討した結果は  別ページを参照
 なお、WMVやRMへ変換出来そうな設定項目があるが不可。MOVへの変換には未対応。

 MediaCoder によるエンコード
A. メイン画面へドラッグ&ドロップ又はツールバーの「ファイルの追加」を押して、素材を登録する。
  今回は素材として、シネスコサイズのMPEG2_MP2.mpgを使用した。
  複数ドラッグ又は「フォルダ追加」で複数登録すれば、一括変換も可能。
  出力フォルダを指定しておいた方がよい(初期設定のままだと、Program Files\MediaCoderに保存
  されてしまう) 。
B. 圧縮方法の設定
 I) MPEG-4(H.264_AAC.mp4)への変換
   1)画面左下の「Video」タブを選択して、
     下図の如くフォーマット形式:H.264、ビットレート:適宜(今回436Kbps)、ビットレートコントロール
      :Default→Adjust by analysisに変更して 2-Passエンコードとする
   2)画面左下の「Audio」タブで、エンコーダ:Nero AAC Encoder、リサンプル:適宜
     メイン画面右下の「Nero AAC」タブで、プロファイル:Auto、エンコードモード:Target Quality→
     streaming(CBR)に変更、ビットレート:適宜(今回 64Kbps)
   3)画面左下の「Container」タブのコンテナ形式:MP4を選択
   4)画面左下の「Picture」タブのフレームレート:Oriiginal→適宜(今回24fps)。ここでビデオのリサ
     イズやカットも可能が、使い易いものではない。
<Video>タブ:映像の設定  (*画面右下は音声の設定)

 フォーマット形式:H.264を選択
 ビットレート:今回436Kbps
 ビットレートコントロール:
  Default→Adjust by analysis
  に変更して 2-Passエンコード
 <フォーマット>
<ビットレートコントロール>

<Audio>タブ:音声の設定

エンコーダ:
 Nero AAC Encoder
リサンプル:適宜
プロファイル:Auto、
エンコードモード:
 streaming(CBR)
ビットレート:
 今回 64Kbps
 <ソース>
 <エンコーダ>

<Container>タブ:コンテナ形式の選択
<Picture>タブ:画質の設定
  コンテナ形式:MP4を選択
  フレームレート:今回24fps
ファイルメニューの「設定」で各コーデックの詳細設定が可能。
 例えば、x.264圧縮の詳細設定
例えばAAC圧縮の詳細設定


今回は、初期設定のまま使用。

 II) Flash Video(Sorenson_MP3.flv)への変換

   1)「Video」タブ
     フォーマット形式:Flash Video、ビットレート:適宜(今回436Kbps)、レートモード: 2-Pass
     、ビットレートコントロール:Default→Adjust by analysisとする
   2)「Audio」タブ
     エンコーダ:Lame MP3、リサンプル:44100Hz(Originalや
32000Hzに設定すると出力エラー)
     「Lame」タブで、レートモード:CBR、チャンネル:Joint Stereo、ビットレート:今回 64Kbps
   3)「Container」タブ
     コンテナ形式:LAVFを選択。[オプション]でFormatのValueをFlash Videoに設定
   4)「Picture」タブのフレームレート:今回24fps

  <参考>0.60b3866ではモード:Two Passだと上手く出力されないなど、表示が少し変更してい
     るが、 使い勝手も変更している!
C.最後に、ツールバーの「開始」を押すと 進捗バーと統計が表示されて変換される。

 結果
本ソフトは、マルチコンバータSUPER c v2006.b19ここを参照)と比較して
1)映像サイズのカスタム設定が出来る以外にも、コーデックの詳細設定が可能だが、設定次第
  では上手く変換出来ない事がある 。
 ・・・SUPER cは、ハードルの高い詳細設定をあえて省いているようだ。
2)FLV形式のFlashVideoへ変換可能。複数回エンコード可能で画質向上が望めるかも知れな
 いが、1-Passでも SUPER cより画質は良い。
3)QuickTime形式へ変換出来ないが、MP4形式(H.264_AAC)でもストリーミング配信は可能。
 しかも、H.264圧縮も複数回のエンコードが可能だ。
 ・・・SUPER cは、H.264圧縮の複数回エンコード不可。MP4形式でのFaststart再生不可。
4)本ソフトで出力したファイルの容量、転送レートの表示はかなりズレており、バグと思われる。
 ・・・SUPER cでは、640x272サイズ大の場合 620kbps位以下に圧縮することが出来ない。
5)
NTSC DVD(MPEG2_AC3.mpg)への変換は問題ないのだが、MPEG2(MPEG2_MP2.mpg)へ
  上手く変換出来ない。
 ・・・SUPER cでは制限あるも、一応MPEG2への変換は可能だ。
6
)変換可能な素材の種類は、SUPER cと比べて一長一短ある(対応ビデオファイル形式を参照)。
MediaCoderで変換したH.264.mp4の配信テスト(多分約500Kbps,1分)
Embed方式→ここから
Stand方式 →ここから
Web Serverから疑似ストリーム(Faststart再生)配信が可能だが、転送レートの表示に問題あり。
Stand方式で再生し、ウインドウメニューの「ムービーの情報表示」で63.95Kbpsと表示される。
シネスコサイズ640x272(4:3)で出力され、QuickTime7.6.4では362x272で再生されてしまう!
<対策>Yambでアスペクト比を無劣化で修正を参照。
*ムービーを視聴するには、QuickTime7以降が必要です。

 MediaCoderで変換したSornson.flvの配信テスト(多分500Kbps,1分)    ここから
Web Serverから疑似ストリー
ム(Faststart再生)配信が可
能だ。
画質はOn2VP6圧縮と比較し
たら劣るものの、
SUPER c(→
ここから)より
良い。
このままだとシーク操作が
出来ないのでFLVTool2
修正が必要(ここを参照)。

 結語
 現バージョンは、MPEG2への変換がイマイチなので総合評価が難しい。しかし、SUPER cより
  期待出来る部分もある。


追記(06.09.12):本ソフトは v0.3.9...→v0.5.0...→v0.5.1... と頻繁にバージョンアップされている。
 v0.5.1 pre6a (build 2510)では、v0.3.9には無かったFFMPEGの利用が可能となり、MPEG2へ
   の変換は安定的に可能となったが、MEncoderによる変換は、画質がイマイチ満足出来る物
   ではなかった(以下を参照)。 
  MediaCoderv0.5.1でMPEG2_MP2.mpgへ変換     ここから

 なお、本ソフトを用いたDVDビデオの変換については以下を参照。
  MediaCoderv0.5.1でDVDビデオをXviD_MP3.aviへ圧縮変換    ここを参照

 MediaCoderはv0.6xとなって、AC3Filterが..\system32\ac3filter.axに導入されるようになった。
   TMPGEnc Plus 2.5は、VOBを素材とした場合 ffdshow由来AC3フィルターを利用するが、
   AC3Filterによりこれが阻害される為に、無声となって変換されてしまう。
   →DirectShow Filter ToolでAC3Filterのメリット値を、0x40000000から0x10000000に変更。
  
    3年ぶりにMediaCoderを試用したところ、CUDA対応となっていたので新規扱いとして検討した。
  MediaCoderMPEG-4 AVCへ高速変換    別ページを参照
    =MediaCoderはv0.7.1以降 CUDA H.264でMPEG-4 AVCへ高速変換が可能=
 
   追記(2011.04.xx)
     
MediaCoderでWebM (VP8_Vorbis.webm)へ変換
      ⇒「WebM動画の作成(変換)とWeb配信方法」を参照。


| Kenのムービー計画へ >動画狂コーナーへ |