RealPlayer Cloud 保存動画の公開と再生

RealPlayer Cloud 保存動画の公開と再生

(2014.06.15作成, 2015.05.31更新)
RealPlayer Cloudは、異なるデバイス間で動画共有可能なプレイヤーアプリ付き、2GB迄無料のクラウドストレージサービス。2013年9月に米国でサービスを開始し 2014年04月から日本語にも対応した(こちらを参照)。
「SurePlay」という自動フォーマット機能(デバイスの種類や画面のサイズ、通信環境、内蔵メモリの容量に応じて動画フォーマットの変換を自動的に行う機能で、プランにより複数のレベルがある。こちらを参照)により、デバイス間の違いを意識せずに誰でも簡単に動画を共有出来ると云う。そこで、その配信技術の実態について無料プランで少々検証してみた。
A1. RealPlayer Cloudウェブに保存した動画を各種ブラウザで視聴する場合
Full HD M2TS動画(スペイン旅行のオープニング、2分)を公開しウェブページへ埋め込んで提示

RealPlayer CloudのWEBサイトへは こちらから
Blu-rayで自作したホームビデオのBDMV\STREAM内ムービー:1920x1080のM2TSを提示した。
この配信元動画のMedeaInfoによるファイル情報:
AVC(NTSC)(High@L4.0)(CABAC/2 RefFrames) 29.970fps 11.0Mbps、AC3 48.0kHz 16Bit 2ch 384kbps
I. RealPlayer Cloudの使い方(以下、無料プランでの使用)
RealPlayer Cloudの使い方は、本家記事を参照。
(1) 1ファイルのアップロード制限は無いが、20分を超える動画は共有出来ない (サインインしてブラウジングしたり、端末用RealPlayer Cloudアプリで視聴する場合は制限なし)。
(2) フォルダの作成は出来ず不便だ(「コレクション」で仕分けして整理する事は可能)。
(3) 無料プランの場合のストリーミング配信帯域は1.5Mbps迄に制限されている為に・・・解像度では 960x540迄に制限されてしまうようだ。
(4) クラウド容量は 2GBとなっているが、[無料で容量を追加]する事により現在筆者は 6.25GBとなっている。


II. ストリーム動画の配信方式
(1) RealPlayer Cloud保存動画は、いずれの形式の素材でも基本的には一連のH.264圧縮 TSに変換・分割され HLS(HTTP Live Streaming)形式で配信される(iPadの Clip動画ダウンローダーで検証、V項を参照)。
(2) PCブラウザでは、JW Player 6の Premium版 ”HLS playback for desktop browsers using Flash”と同様に Flashビデオとして再生されるのであろう。 但し、
(3) Flash無効環境のPCブラウザは、一個の H.264圧縮 MP4に変換され HTML5ビデオとして再生される(Chromeの機能拡張 Douga Getterで検証)。
*JW Player 6 Premium版のFlashによるHLS代用再生については、こちらの ”JW6 Support”項目を参照。
 
III. ブラウザの対応状況
 PC(Win7)用ブラウザ
 
Flash PlayerFlash導入環境では、全てのブラウザで再生可能。
Flash無効環境の場合 Opera(12.17)は再生出来ないが、IExplorer(11), Chrome(35.0)は HTML5ビデオとして再生可能(何故か Firefox(30.0)では再生出来ない)。

 Android(4.1.2)用ブラウザ
 
標準ブラウザでも Opera(21.0), Chrome(35.0)でも HLS形式のビデオとして再生される。
Firefox(29.0)は H.264に未対応の為か再生出来ない(ダウンロードとなる)
┓(´_`)┏

 iPad mini(7.1.1)用ブラウザ
 
・ Safariは、HLS形式のビデオとして再生可能(Clip動画ダウンローダーで検証)。
・ Puffin(3.7.1)は、Flashビデオとして再生可能だ。

IV. 対応ファイル形式
サイトに保存した各種フォーマット形式の 9分間動画(720x408、別記参照)で検証
 Pompeii_WMVファイル の埋め込み
 Pompeii_WebMファイル の埋め込み
 Pompeii_OGVファイル の埋め込み
 Pompeii_H.265_MKVファイル の埋め込み
  ここから 視聴
  ここから 視聴
  ここから 視聴
  ここから 視聴
対応ファイル形式は WMV/ASF, RM, MOV/ MP4, MPEG, M2TS/TS, AVI, OGV, MKV, WebM, FLVの全ては登録出来ストリーム配信可能だった(唯一、H.265/HEVC圧縮FLVのみは登録すら出来なかったが、H.265/HEVC圧縮のMP4, MKV, TSはストリーム再生も可能だった)。
いずれの場合も、Chromeの機能拡張 Douga Getterで取得した動画のMediaInfoは、
AVC(Baseline@L3.0)(2 RefFrames) 24.00fps 1,331Kbps、AAC(LC) 44.1kHz 2ch 132kbps

V. 画質の選択(解像度の変更)について
画質を 540/396/270/144pの 4段階のうちから選択可能だが、高画質 1080/ 720pは表示されない。無料プランの場合のストリーミングは 1.5Mbps迄に制限されている。
従って、サイトにログインして共有を設定する際は 1080/ 720/ 479/ 360/ 315/ 270pの 6段階となっているのだが、無料プランで再生する場合は 960x540迄の制限ありとなってしまうのだろう。
<参考>Windowsストアアプリ版 RealPlayer Cloudの [クラウドからのストリーミング画質] を「高-最大3.7Mbps」に設定してダウンロードしてみた。
 
即ち、アプリの最高で取得しても残念ながら 解像度は 960x540, 転送レート 1,540Kbpsに制限されていた。
<参考>有料プランのストリーミング配信帯域は、以下の 3つライセンスがある。
・月額499円の「Silver」がストレージ容量25GB、ストリーミング2.5Mbps迄
・月額999円の「Gold」がストレージ容量100GB、ストリーミング3.5Mbps迄
・月額2999円の「Pro」がストレージ容量300GB、ストリーミング4.5Mbps迄

VI. ストリーム配信技術HLSを iPadで検証
iPad miniでClip動画ダウンローダープロを使用し、再生中の動画を取得して解析した。
 
結果
 
(1) 「[ページのタイトル名].m3u8」フォルダとして取得され、その中にindex.m3u8プレイリストファイルと低容量(9秒、2MB前後)に分割された H.264_AAC圧縮のTS動画(解像度: 720x408投稿では同じ、Full-HD投稿では960x540)が保存された。
(2) MedeaInfoによるTSファイル情報:
AVC(Baseline@L3.1)(2 RefFrames) 24.0fps 1,550Kbps、AAC(LC) 44.1kHz 16Bit 2ch 132kbps
(3) このHLS(HTTP Live Streaming)は、Bitcasa採用のストリーム配信技術と同じなのだ
⇒「Bitcasaクラウドサービス保存動画の再生」を参照。

<中間総括>RealPlayer Cloudのオンラインストレージにおける位置付け
 
自前のウェブページへの埋め込んでストリーム配信可能なオンラインストレージには、本サービス以外に Box(10GB), SHARED(100GB), Flickr(1TB), Google Drive(15GB)がある(こちらを参照)。
それぞれ一長一短あるが、Boxと SHAREDは汎用性の高い形式に変換して配信するという機能は搭載しておらず、対応ファイル形式は限られる。
Flickrは、再生時間が 3分以内に制限されてしまうという欠点がある。
Google Driveの受け皿の広さ(無料で15GB、1080p, 720pの高画質配信、ソフトサブ表示が可能)には敵わないが、
本サービスは、再生時間20分以内、540p迄の制限、フォルダとしての公開は出来ないが、汎用性の高い配信技術が用いられ比較的使い易い。
   
A2. RealPlayer Cloudウェブに保存した動画を端末アプリで視聴する場合
・Windowsストアアプリ版(1.1.4.6):WMV/ ASF, RM, MOV, MP4, MPEG, M2TS/ TS, AVI, MKV, OGV/ OGM, WebM, FLVの全てに対応。
・Android版(1.12.45):WMV/ ASF, RM, MOV, MP4, MPEG, M2TS/ TS, AVI, MKV, OGV/ OGM, WebM, FLVの全てに対応(字幕の追加可能。MOVは何故か描画不可)。
・App Store版(1.11.15):WMV/ ASF, RM, MOV, MP4, MPEG, M2TS/ TS, AVI, MKV, OGV/ OGM, WebM, FLVの全てに対応。
登録出来ない FLV以外の H.265/HEVC圧縮動画(MP4, MKV, TS)は、いずれのアプリでもストリーム再生可能。
<参考>RealplayerのH.265/HEVC圧縮動画を再生する能力
PC版RealPlayer(17.0.15.10)のみが H.265/HEVC圧縮 TS動画のみを再生可能
⇒「H.265/HEVC動画の作成と再利用の方法」を参照。

B. デバイス内の動画をRealPlayer Cloudの端末アプリで視聴する場合
各端末用アプリRealPlayer Cloud for Android、for iPhone, iPad、for Windows 8の利用が可能。その概要は、
(1) 例えば Android用アプリは、ESファイルエクスプローラーで LANネットワークをする場合
に 万能プレイヤー:MTX動画プレーヤーや VLCのように、再生プレイヤーの選択肢として表示されない。
(2) 同じ Wi-Fiネットワーク(LAN内)に接続しているデバイス間で動画を共有して再生可能だが、残念ながらルーター越えの遠隔地で視聴する事は出来ない。
なお、パーソナルクラウドサーバ Tonidoのようにブラウザで視聴する仕様にもなっていない。
(3) Full HDの MP4, 3GPPの再生は可能だが、MPEG, M2TS, TSには対応していない ┓(´_`)┏
(4) 各端末用RealPlayer Cloudの特殊性
・デスクトップ版は、他のデバイスの共有サービスにアクセスする機能を搭載していない。
・Windowsストアアプリ版は、サーバ機能を搭載していない。
・Android版はサーバ機能を有するが、共有する場所を指定出来ない。
・App Store版もサーバ機能を搭載しているが、カメラロール保存の動画しか共有出来ない。
PC内動画の視聴は、⇒ 「RealPayer Cloudのデバイスの共有で配信」を参照。

B1. PC保存動画を Android用RealPlayer Cloudで視聴
サーバー側:LAV Filters+Strongene PC HEVC/H.265 Decoder導入環境のWindows 7。RealPlayer Cloud(17.0) の設定で「デバイスの共有」を有効にする。配信動画は、WMPayerのDLNA機能で指定したものが利用される ?(゜_。)?チンプンかんぷん
受信側:Androidタブレット(dtab 01)の RealPlayer Cloud(1.7.59)で上記各種フォーマット形式の 動画を、 [設定]> [動画の画質]> [PCからストリーミング]: 中 の設定で再生した。
 
WMV/ASF, RM, MOV/ MP4, MPEG, M2TS/TS, AVI, OGV, MKV, WebM, FLVの全てストリーム再生可能。なお、H.265/HEVC圧縮動画は MKVのみ再生可能だった。
例えば、VP8_Vorbis圧縮 WebMを再生してダウンロードしたもののメディア情報を示す。
 
<配信元WebM動画>
 
 
 
中画質で再生しダウンロードしたMP4動画
 
 
即ち、いずれの形式も汎用性の高い H.264圧縮 MP4へリアルタイムに変換されて配信される。
 
B2. Windowsストアアプリ版 RealPlayer Cloudで視聴
I. dtab 01をサーバーとして
上と同じWebM動画を Windowsストアアプリ版 RealPlayer Cloud(1.1.4.5)で(中画質で)再生してダウンロードしたところ転送レートに差異はあるも、同じ汎用性の高い H.264圧縮 MP4ファイル形式で配信されていた。
 
  しかし、PCをサーバとした場合よりも何故か高い転送レートで配信され、動画を変換するに
は低スペックデバイスの為、ダウンロードには6~7倍の時間を必要とした。

II. PC保存動画を Windowsストアアプリ版 RealPlayer Cloudで視聴
 
PCをサーバーとしてFull HDの3GPP動画を、
Windowsストアアプリ版 RealPlayer Cloudで再生。
[オプション]>[PCからのストリーミング画質]
を各種設定にてダウンロードして比較した。

なお、[動画の録画フォーマット]の WMVへの
変換は有効にならない(未搭載)。
 
<配信元3GPP動画のMediaInfo>
     
   
低画質(最大900Kbps)で再生し取得した動画のMediaInfo:総ビットレート 1029Kbps
     
   
中画質(最大1.5Mbps)で再生し取得した動画のMediaInfo:総ビットレート 1567Kbps
     
   
高画質(最大2.5Mbps)で再生し取得した動画のMediaInfo:総ビットレート 2454Kbps
     
   
最高画質(元ファイルの画質と同等)で再生し取得した動画のMediaInfo:総ビットレート 16.3MKbps
     
   
取得された動画のストリーミング転送レートは、設定した画質につれて高値を示した。
一方、解像度は 最高画質で再生した場合は1920x1080の Full HDだったが、それ以外は何故か?全て1024x576の WSVGAだった。

追記
(2015.05.31)
RealTimesに変更され搭載された新機能
2015年5月19日 RealPlayer Cloudは RealTimes(今回は18.0)へと名称変更され、
(1)
クラウドに写真もアップロード出来るようになった。
キャプションの表示、簡単な編集、場所の表示などの機能を搭載している。
 
熊野古道を散策
共有したアルバム (10枚)
 
クラウドでスライドショー可能だが、一覧画面に戻して再表示する必要がある。キャプションは大文字で表示されるため、コメントの代用は難しい。並び順を調整出来ない不都合がある。
   
(2)
ショートムービーの自動作成・編集が可能となった。
アップした写真・動画から最適なものを自動で選択し、BGMを加えて1つのムービーとして作成する。一方、手動で素材を追加・削除したり、種々のフィルターを試すことも可能だが、シーンの追加はライブラリに登録された素材に限られ操作し辛い。
今回は、「熊野古道を散策」写真からスライドショームービー を自動作成した。
無料のBasicプランで利用可能な画像は 7枚迄、トランジション効果は 3種類と寂しい。
長さ 30秒迄、利用可能なBGM 10曲で、右下にロゴが表示されてしまう。
作成されたムービーは、H.264圧縮MP4で、解像度 1024x576, AVC:3746Kbps, 30fps、AAC:128Kbps, 44.1Khzだった。
 
RealTimesで自動作成した
スライドショームービーを提示
 
画質:540/396/270/144pの 4段階のうちから選択して再生が可能。
RealTimesのWEBサイトで[ダウンロード]すると、解像度 960x540, AVC:1436Kbps, 30fps、AAC:93.6Kbps, 44.1Khzの MP4で取得される。
   
追記(2016.03.14)
RealTimes 18.0のダウンロード機能
1)
YouTube保存動画は、残念ながら FullHDの動画を取得出来ず、1280x640の MP4動画が取得された。別記「動画ダウンローダーでYouTube動画を取得」を参照。
2)
クラウドサービス26種類の検討では、YouTubeと Veoh及び 4sharedと PromptFileのみから取得可能だった。別記「動画ダウンローダーの対応オンラインサービス」を参照。
 


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