経口ED治療薬:バイアグラ(保険外適用)
(2003.11.08作成)
EDとは
EDはElectile Dysfunctionの略で、勃起不全あるいは勃起障害のことです。
専門的には、「性交時に十分な勃起が得られないため、あるいは十分な勃起が維持できないため、満足な性交が行えない状態」と定義されています。
EDについては、性教育の進んだ欧米においても、長い問偏見がありました。たとえば、従来使われてきた言い方に”インポテンスimpotence”がありますが、性的不能と訳されるこの言葉は、人として本来備わっている能力が失われていることを意味し、こうした悩みをもつ患者さんへの思いやりに欠ける差別言葉でした。 欧米では、EDという表現が定着しつつあります。

EDの年令層と症状
最近、日本で行われたEDについての疫学調査の結果によると、日本でも現在、40〜70歳までの男性の半分以上が何らかの原因でEDになっていると考えられています。
EDが年齢パーセントいるとも言われています(40歳であれば40%という意味です)。60代以上の方は、年だからと諦めてしまっている方は少なくないことでしょう。
EDは、誰でもかかり得る、ごくふつうの病気で、しかも治療可能な病気です。

症状としては 20代は緊張でうまくいかない例が多く、30代から中折れ(なかおれ)の悩みが増えてきて、40代から50代までは中折れがほぼ大半を占めます。 60代以上になると中折れ以前に勃起の硬さ不足や最初から勃起しないなどの悩みが増えてくる傾向があります。70代ではしばらく使ってなかったので自信がないという方が多いです。

EDの分類
分類 I
●「器質性」ED:血管、神経、ホルモン、あるいは海綿体の以上または病変などによるED
たとえば、糖尿病、高血圧症、心臓病などの血管の病気がありますし、うつ病、薬物治療、手術やけがなどもそうです。また、喫煙、飲酒などの生活習慣が、EDの原因になる場合もあります。
●「心因性」ED:身体的損傷はなく、精神及び情動の変化によるED
EDの原因は、年齢とは直接的に関係がなく、大半のED患者さんでは、器質性と心因性の要因が絡み合って起こると考えられています。

分類 II
●糖尿病、高血圧症、心臓病、高脂血症
(陰茎(ベニス)の血管に影響を及ぼし、十分な血液が流入しないため)
●前立腺の手術や脊髄神経のけが・外傷
(中枢神経と陰茎の神経のつながりに影響するため)
●EDを引き起こす薬物
(一部の降圧剤やうつ病治療薬などの副作用として)
●喫煙、飲酒、ストレス
(これらの生活習慣から)

EDの治療
これまでに真空装置を使ったり、薬剤を陰茎(ペニス)に注射したり、外科的に植え込み手術をするなどの方法がありました。これらのEDの治療法のほとんどは、性的刺激を感じる感じないにかかわらず、勃起を引き起こすものでしたし、よほどの事がなければ治療を受ける方はいませんでした。
また、カウンセリングや漢方薬の治療で改善する場合もありました。
しかし、最近は勃起の反応を高める経口薬(PDE-5阻害剤)が注目され、話題になりました。そしてバイアグラは、当初心配されたほどの副作用は少ないことがわかってきました。


バイアグラ
成分名 :クエン酸シルデナフィル錠30mg、50mg
効 能 :ED(イーディー:Electile Dysfunction:勃起不全) 治療薬
製造販売元:ファイザー
製薬株式会社
販売開始 :1999年3月

主な作用 :
PDE-5(ホスホジエステラーゼタイプ5)は、人間の勃起組織に主に見られる酵素で、勃起を萎えさせることに関与しています。本剤はこのPDE-5を阻害して、勃起を持続させるというのが主な作用です。 すなわち、陰茎の海綿体の弛緩を強めることによって、海綿体への血液の流入と停滞を増強し、陰茎の勃起を誘発・増強します。
この薬は媚薬でも強壮剤でもありません。性欲を亢進させて陰茎の勃起を誘うものではありませんので、効果の発現には、ほかに性欲を亢進させるような刺激が必要となります。
臨床統計では15%に性欲の昂進が認められていますが、本剤を飲んだという興奮のためだと考えられています。
一方、刺激がなくなれば普通になります。勃起しやすく持続しやすい状態になるのであって、勃起したままになるのではないのです。この自然な勃起状態が本剤の特徴です。

なお、海綿体を弛緩したと同様、血管を弛める作用によって血圧を軽く下げる作用もあります。

臨床成績 :「挿入頻度と勃起の維持」10回中1〜2回が10回中6〜7回にスコアー上昇

副作用 
一般の副作用としては、血管の拡張作用による頭痛とか、顔のほてり(副作用というより付随作用)とか、血圧低下によるめまいがあります。稀には皮膚発疹などのアレルギー症状がありますが、この薬で気持ちが悪くなったりするような症状は、ときに重篤な副作用の前ぶれであることがありますので注意を要します。

副作用
バイアグラ (n=157)
頭痛(頭重感を含む)
12.74%
ほてり
10.19%
視覚障害
1.91%
すなわち、この薬は狭心症や心筋梗塞の人、とくにニトログリセリンなどの心臓病の薬をのんでいる場合には、急激な血圧低下や心筋梗塞の発作を来して急死に至ったり、突然死の原因となることがあります。
広く誤解されていますが、本剤は心臓に負担をかける薬ではありません。
しかしながら、このような心臓病持ちの人とか、心臓の薬をのんでいる場合は、慎重にしないと致命的な事故につながりかねませんので、この薬を希望する時は、必ず医師の診断を受け、指導のもとに服用してください。
素人判断による乱用は危険です。この薬を処方してもらう時は、必ず服薬中の薬を医師に知らせてください。

用い方と注意
通常は1回性行為の約1時間前に内服します。2〜3時間くらい勃起しやすい状態が持続します。
服用は追加して飲まないで、24時間以上間隔をあけてください。
血圧の低下がありますので、車の運転、危険な作業の前には用いないでください。
この薬は医師による処方がないと薬局でもらえません。医師による正しい診断と、指導をとりわけ必要とするものだからです。くれぐれも乱用、自己判断はしないでください。

医師の処方が必要な理由とは

厚生労働省は、本剤を医師の処方が必要な薬に定めました。「薬を適正に服用する」という基本的なルールが、この薬ではよりいっそう求められています。
しかし、患者さんが問診で「うそ」を言って処方箋をもらう場合も考えられます。また、転売により本剤を手に入れて飲んだ方が副作用で死亡する可能性もあります。
日本医師会としては、事故防止の観点から、医師の処方のもとに服用することを強く呼びかけています。

保険の適用について:
残念ながら、保険の適用がありませんから、自費になります。
  50mg1錠、1300〜2000円と病院・診療所によって幅があります。


参考
 日本ファイザーPfizerEDPage

 ウエストEDクリニックのFAQ(よくある質問)

 バイアグラの副作用、実は・・・

 バイエルニュースファイルhttp://www.bayer.co.jp/byl/pub/news2003-7-2.html (06/11rink消失)