VideoPad Video Editorで2D動画を3D動画へ変換

VideoPad Video Editorで2D動画を3D動画へ変換
VideoPad Video Editorは無料で使用出来る本格的動画編集ソフト
(2011.11.08作成)
VideoPadビデオ編集ソフトウェア(VideoPad Video Editor、以下VideoPad)は、NCH Software
が無料で提供しているビデオ編集・変換ソフトで、簡単な操作で直感的にプロ並みのビデオ編
集をする事が出来るように設計されている(本家ページを参照)。
本ソフトの使い勝手について、2D動画を3D動画へ変換する場合を例に試用してみた。
検証マシンは、東芝dynabook Qosmio T851(こちらを参照)
 Core i5-2410M (2.30GHz)、PC3-10600(8GB)、GeForce GT 540M
 本体ディスプレイは、15.6型ワイド(16:9) FHD TFTカラー Clear SuperView LED液晶
 外部ディスプレイには、Acerの3D対応PC液晶モニタ HS244HQ(HS244HQ bmii)を使用
 OSは、64 ビットWindows 7 Professional SP1

 VideoPad のインストール
 VideoPadの入手先:こちらから、今回はv. 2.43を使用。
  vpsetup.exeをダブルクリック。インストールの途中で下記の関連プログラムと追加機能のイン
  ストールの可否を尋ねられる。
  音声の波形編集、スライドショーの作成やマルチトラックミキシングが行える。
  NCH Softwareインターネットツールバーは、IExplorer, FirefoxとChromeに導入される機能
   拡張で、サーチエンジンと自社ソフトの宣伝以外にも、ラジオ、TV、ビデオ共有サイトやニュ
   ース等の視聴が可能となる。
  全て無選択でインストールしても、VidoPadの作動に支障はない。
 
 
 VideoPad の編集操作
「メディアを追加」ボタンから元素材の動画を読み込む。
対応している入力ビデオフォーマット形式は、
  avi、mpeg、wmv、divX、Xvid、mpeg1、mpeg2、mpeg4、mp4、mov、asf、vob、ogm、.3gp、H.264、
  RMおよびその他。 となっている。FLV, MKV, WebM及びTS, M2TSの読み込みも可能だ。
  しかし、息子夫婦使用のPanasonic製HDC-SD9で撮影したM2TS(H.264_AC3)ビデオは、未対
  応の動画となって、”開くには変換が必要なので変換パラメーターを選択して下さい”の「ビデオ
  品質設定」画面が表示される。
  [カスタム品質]を選択すると、MP4エンコード設定でビデオ圧縮をH.264かMPEG4のいずれかを
  選択出来る。一方、[デフォルト品質]を選択するとMPEG-4 Visual(Simple@L1)とAAC(LC)圧縮
  のMP4に変換される。[プレミアム品質]を選択するとHuffmanとMP3圧縮のAVI に変換される。
  なお、多重音声の素材は一つの音声で勝手に変換されてしまう
 
今回は、Xacti DMX-HD1000でHD-SHQ(1,280x720、30fps)撮影したMP4(MPEG -4AVC/H.264)
 ファイルを素材とした。
 「ファイル」リストに読み込まれた素材をドラッグ&ドロップでタイムライン上に登録する。
 
ビデオトラックにあるメニューを適用
 1)分割:再生バーを分割したい場所に移動して[分割]ボタンをクリック。
   今回は後半2/3の位置で分割した。
 2)トランジション:分割したビデオクリップの最後にある 印をクリックすると「トランジション」画面
   が起動する。挿入したいトランジションを選択して、デュレーション時間を決めて「適用する」。
 
  今回は「フリップ」を指定し、デュレーション 5.0秒とした。
  リアルタイムに適用が反映されてプレビューする事が可能だ。
 
オーバーレイトラックにテキスト挿入・編集
  トラックのオーバーレイには、プラスボタンをクリックしてテキスト、画像又はビデオのオーバーレイ
  を追加する事が出来るようになっている。
  テキストクリップを選択してプレビュー領域で、文字の修飾やスクロール方法の選択が可能。
  今回は、”VideoPadで2D動画を3Dへ変換”テロップを 2ヶ所に挿入した。
  これもまた、直ちに反映されてプレビューが可能だ(作品の提示を参照)。
 
 3)エフェクト
  ビデオクリップの最初にある 印をクリックすると「エフェクト」画面が起動する。
  今回は「明るさ」エフェクトを、コントラスト 0→4, ガンマ 1.0→1.2に適用した。
 
  エフェクト効果も直ちに反映されてプレビューが可能(但し、オーバーレイトラックにオブジェクトが
   挿入されている部分はプレビュー画面には反映されないので注意)。
 
  以上で編集操作は終了。
  その他、マイクから録音したナレーションやサブタイトルを挿入するツールも搭載され、実況形式
  の動画を作るような操作も簡単に行える。
   <参考>ナレーションの録画と配置
 
 
 
 VideoPad のビデオ出力
動画保存」ボタンをクリックしてビデオを出力する。
 対応している出力フォーマット形式は、
  ディスク エクスポート: DVD、CD、ブルーレイ ディスク、HD-DVD
  ビデオ エキスポート : avi、wmv、asf、mpg、3gp、mp4、mov、flv、rm、YouTube、iPod、iPhone、
    iPad、PSP、携帯電話
  アップロード:YouTube, FacebookとFlickr
  となっている。Blu-rayも可能とあるが、MPEG2-TS形式へは変換出来ない
  
 今回は、2D動画を3D動画へ変換する場合を例に試用した。
  「ビデオ出力設定」画面で出力フォーマットに「ステレオスコピック 3D」を選択。
 
最初に、MP4で出力した。
 先ずは、[平行に並べる 左の画面が最初」のサイドバイサイド方式
  で出力。
  ビデオの圧縮は、H.264かMPEG4から選択。
   残念ながら、本ソフトのH.264圧縮はビットレートで設定する事が
   出来ず、品質レートで設定する以外にない。
    値が小さくなるほど、画像の質が良くなり、画像の乱れ(マクロ
   ブロックと手ブレ)が減少するが、ファイルサイズが大きくなる。
   今回は、品質(レート因子)を 23.0に設定した。
   なお、プロファイルやレベルの指定は出来ない。
  オーディオ圧縮は、AAC以外に選択の余地は無い。
  今回は、96 Kbpsに設定。

  3Dの深度や全幅変換か幅半分変換かを設定する項目は無く、
   お任せ変換となってしまう
<成績>全幅(フルサイズ)のサイドバイサイド形式で変換された。
 
 
 
残念ながら、TOSHIBA Blu-ray Disc Playerで再生出来ない Y (>_<、)Y
  *PowerDVD 11 Ultraでは、HS244HQモニターで3D再生可能だ。
    立体感は、今回の条件では・・・ ☆☆(Good)だ!

赤青アナグリフ形式への変換成績は、「各種2D→3D動画変換ソフトによる立体視化の比較
を参照。
 
 
 
MP4(H.264_AAC、512x288、750Kbps)にAVS Video Converterで再変換して提示。
 *VideoPadで変換したMP4は、そのままではFastStart再生出来ない結果 3参照)!
 アナグリフ赤青3Dメガネでご視聴下さい。
 
 立体感は、今回の条件では・・・ ☆☆☆(very good)
(From Xserver)

 <備考A>各種出力フォーマット形式とエンコーダ
   AVI :本ソフト内臓のネイティブコンプレッサーの他にも、インストールされているDirectShow
     タイプのエンコーダを利用する事が可能。
 
   WMV, ASF:WMV8/WMV9/WMV9 ScreenとWMA9/WMA9.2/WMA10 Proから選択
   MPEG:MPEG2/2とMP2のみ
   3GP:MPEG4/H.263とAAC/AMRから選択
   MOV:H.264のみとAACのみ
   FLV:H.264/FLV1とAACのみから選択
   RM:RV2のみとVSELPのみ
 *本ソフトに搭載されているH.264の圧縮は品質レートでしか設定出来ないが、他のエンコーダは
   ビットレートで設定する。

 <備考B>ディスク及びポータブルデバイスへの出力
  Blu-rayへの出力も可能となっていたので試用する事としたのだが、単にデータデスクとして利用
   可能なだけで BDAVやBDMV規格のビデオ構成にオーサリング出来る訳ではない。
 

 結果
1)VideoPadは高度な編集機能を搭載するも操作は簡単で、フルハイビジョン映像でもスームーズ
 に作動する使い易い無料の動画編集・変換ソフトだが、
  無劣化のカット編集機能は搭載していない。
2)対応可能なファイル形式は多いが、多重音声の素材には未対応で、MPEG2-TS, MKVやWebM
 へ変換出来ない。
3)H.264圧縮は、プロファイルやレベルの指定が出来ない。又、残念ながらビットレートで設定が出
 来ない事は、ストリーミング配信用途に使用する場合は何かと不便だ。
 しかも、MP4(H.264_AAC)で出力したファイルはそのままでは FastStart再生出来ないY (>_<、)Y
 
 512x288, 品質レート 22.0(798Kbps)で出力した配信試験(Xserver)は→ こちら
4)ステレオスコピック 3D形式で2D動画を3D変換する際に、3D化に関する詳細設定は出来ずお任
 せ変換となってしまうが 、立体感はマズマズだった。



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