Smart Cutter PS/TSでMPEG2-TSのカット編集
Smart Cutter PS/TSでMPEG2-TSのカット編集
M2TS/MPEG2/VOB動画をフレーム単位で無劣化カット出来る無料ツール
（2010.06.02作成）
Smart Cutter PS/TSは PS、TS 、M2TS、VOB形式等の動画を簡単にフレーム単位でカット
編集する事が出来るフリーで使用可能なソフト。一度に複数のカット処理が出来、トリミングし
た動画を結合して一つのファイルとして出力する事が可能だ。
・対応形式
　M2TS, TS, PS, TP, TRP, MTS, MPG, VOB, H.264/AVC, AVCHD, MPEG2, DVD等
　＊筆者が手持ちのMPEG2-PS, -TSで検討した成績は、結果3)を参照。
今回は、PT1で地デジ番組をキャプチャした動画のCMカット編集用途に Murdoc Cutter
　 及び HDTVtoMPEG2と比較する目的で試用してみた。
OSは、64ビット版Windows 7 Professionalで実行した。
　DirectShowフィルタ・コーデック類のインストール状況は、以下の如くで
　　Haali Media Splitter v1.10.175.0
　　ffdshow tryouts revision3426_20100509_clsid
　　　　ビデオデコーダーで H.264/AVC,Xvid,DivX,Other MPEG4,Huffyuv,FLV1を有効
　　　　オーディオデコーダーで AC3、AAC,Vorbisを 有効に設定
　　Elecard MPEGPlayer v4.0.3.60412
　　　　MainConcept MPEG/MP4 Demultiplexer等が 導入される。
　　AviSynth 2.5.7、 tsMuxeR GUI 1.9.9
　Win7DSFilterTweaker 3.0で、本来のデコーダを MP3デコーダ以外の多くは ffdshowへ
　　変更した（こちらを参照）。
　
　入手先とインストール
Smart Cutter Ps/Tsの Portable Versionの入手先は、ここから （今回は1.2.5 を使用）。
　smart.cutter.rarを解凍後のフォルダsmart.cutterを適当な場所に配置する。
　デフォルトでは、キャプチャ画像や出力途中でハングアップすると中間ゴミファイルがこの中に
　 保存されてしまうので、監視し易い場所とした方がよい。
　
　 　又、編集中クラッシュすると、
　 　 C:\Users\xxxx\AppData\Local\
　 　 CrashDumpsに.dmpのゴミファイル
　 　 （1ファイル14.0MB位）が残存して
　 　 しまう。
　今回用いた素材
　PT1で録画した地デジ二ヶ国語二重音声の洋画番組（X-MEN[デ][SS][二][字].ts、
　　収録時間 1時間54分、実時間 1時間33分、MPEG2_AAC圧縮）を元素材とした。
　 しかしこの元素材は読み込み/カット編集出来、結合して出力する事も可能だが、作成され
　　たファイルは残念ながら、画像サイズ320x192のワンセグ映像しか再生出来ない等不都
　　合なムービーとなってしまう（結果と考察を参照） Y (>_<、)Y
　そこで、別記の方法A（こちらを参照）に準じて、
　　BonTsDemuxと WAV to AC3 Encoderで処理後、tsMuxeR GUI で「TSMuxing」
　　出力したMPEG2_AC3.tsファイルを素材とした。
　
　操作方法
1) smart.portable.exeを実行してSmart Cutter PS/TSを起動すると、メイン画面が表示される。
　　メイン画面はタイトルバーが隠れたFull Screenで起動するので、画面サイズの変更が可能
　　となるように、所謂元へ戻す（縮小）表示にしたいのだが、中央右の「FULL」ボタンは上手く
　　作動しない不具合がある・・・これには、
　　⇒ 「スタート」右クリック「プロパティ」で、「タスクバー」メニューの「タスクバーを自動的に隠、
　　　 す」をチェックした後に 、サイズ変更が可能となる。
　
　設定
　 「Options」ボタンをクリック
　 「Use souce folder as dest...」
　　 のチェックを外して適当な場
　　 所を指定しても、自動的に保
　　 存出来るようにならない。
　 「Auto De-Interlace」を有効に
　　 すると、Full HDサイズのファイ
　　 ルを操作しようとするとガクガ
　　 ク再生となってしまう（又は有
　 　効に設定出来ない）！
　 「TME Mode」 means making
　 　output compatible with Total
　　 Media Extreme
　 「Stream Fix」 substitute the
　　 Frame Type Display on UI
A)単一ファイルのカット編集
　1) 「Open」をクリックして、カット編集したい動画を選択する。
　　本ソフトは、不要部分を切り取るのではなく、逆に必要部分を抜き出して（トリミングして）
　　繋げ直すことで不要部分をカットする。
　2) で再生・停止。
　　　画面中央の を動かすと大きく移動し、を動かすと微妙な調整が出来る。
　　　 でも移動可能。
　　　微調整は、：12フレーム移動、：1フレーム移動で行う。
　3) トリミングしたい始点部分で、「NEW START POINT」ボタンをクリック。
　4) トリミングしたい終点部分で、「NEW END POINT」ボタンをクリック。
　　 メイン場面下方の左及び右領域をクリックすると、始点及び終点映像をプレビュー出来る。
　5) ボタンをクリックすると、指定した部分のトリミング動画が作成される。
　　　作成された動画は、初期設定では読み込んだ動画と同じフォルダに作成される。
B)複数のトリミングした動画を結合する場合
　6) 3)と4)を実行後、右上の「add list」ボタンをクリック。
　7) 6)を繰り返し、複数のトリミング領域をリストに登録する（今回は7箇所）。
　　残念ながら、タイムライン上で何処の領域を抽出しているのかは、該当箇所の右クリック
　　Viewで一つの領域しか表示出来ず、全体を一目で視覚的に把握する事は出来ない。
　
　
拡大表示へ
　8) 「link」ボタンをクリックして (有効)とした後、「Record List!」ボタンをクリックすると、
　 　「Save some file」画面が表示される。保存先を指定しファイル名を入力して「保存」すると、
　　 結合された動画が作成される。
　　 ”Transcoding Opeartion Complete!”と表示されたら完了。
　　 今回の素材では、保存後完了迄に要した時間は 8分26秒。
　
　※「link」を (無効)のままで「Record List!」をクリックすると、結合されずに複数のトリ
　　 ミング動画として出力される。
　※「Record List」領域で右クリックすると、右のメニューが表示される。
　　 リストされた部分の補間や削除、プレビューが可能となる。
　　但し、削除して再登録や並び替えは上手く出来ない不具合がある。

C)プロジェクトの保存と呼び込み
　　「Record List」領域の右クリックメニューで、プロジェクトを保存、又は
　　呼び込みが可能。
　　
　※ 「Capture Frame」を実行すれば、静止画キャプチャ可能だが・・・
　　　画面中央に大きくウォーターマーク「FAME」 が挿入されて使い物にならない。
　
　結果と考察
　1)編集操作は直感的で分かり易く、動作が軽快で、選択範囲の指定は微調節可能だ。
　　Murdoc Cutter（こちらを参照）とHDTVtoMPEG2（こちらを参照）はGOP単位での
　　カットだが、本ソフトはフレーム単位でカット可能だ。
　　又、編集プロファイルを自由にが保存出来るのは嬉しい。
　　一方、本ソフトには10〜15秒先送りに相当するジャンプボタンがない。
　　又、HDTVtoMPEG2やTSSniperのように番組の何処の領域をカットしているのかを一目
　　 で視覚的に把握出来ない。
　2)読み込みファイルのトラックやPIDを選択する機能を搭載していない。
　　 　Murdoc CutterとHDTVtoMPEG2は、PIDの選択が可能だ。
　　結合して出力する場合フォーマット形式を選択出来ず、.mpgで出力される。
　　 　Murdoc Cutterは、192byte（.m2ts）か 188byte（.ts）
　　 　HDTVtoMPEG2は、Transport Stream（.ts）か HiD TV（.tp）か Mpeg 2（.mpg）
　　　 と出力方式の選択が可能だ。
　3)MPEG2-TS対応無劣化カット編集ソフトにおける対応ファイル形式の比較
　　本ソフトは、MPEG2-PS型のMPEG2, VOBやH.264圧縮型MPEG2-TSにも対応してい
　 　 るが、音声多重の素材には問題が多い。
　　　Blu-rayビデオBからリップしたファイル（こちらを参照）は出力時にクラッシュしてしまう。
　　　又、PT1で録画した邦画番組では結合出来ても、上手く繋げて再生する事が出来な
　　　 い場合があった（＜注意＞WMPlayerを参照）。
　

素材の由来
（映像圧縮_音声圧縮）
　カット編集ソフト
TIDEJI
-HG
HDC-
SD9
Blu-ray
Video
DVD MW
TIDEJI
-DR
PT1-
TIDEJI
MPEG2
VOB
BDMV
BDAV
（H.264_AC3）
(MPEG2_AC3)
（MPEG2_AAC）
（_MP2）
（_AC3）
　Smart Cutter
　 Ps/Ts 1.2.5
○
○
×
○
○
○
○
＜注意＞
○
○
　Murdoc Cutter
　　1.9f3 （こちらを参照）
×
×
×
○
○
○
○
×
×
　HDTVtoMPEG2
　 1.11.94 （こちら参照）
×
×
×
×
⇒TS化
×
⇒TS化
×
⇒TS化
○
×
×
　TSSniper 0.80.
　 600 （こちらを参照）
○
WMP12
無声
○
WMP12
無声
△
GOM,VLC
WMP12
○
WMP12
無声
○
WMP12
無声
○
WMP12
○
WMP12
×
×
　H264TS_Cutter
　 111β （こちらを参照）
○
○
○
×
×
×
▽
一箇所
のみ可能
×
×
　
　＊TIDEJI-HG, TIDEJI-DR：Panasonic製のBDレコーダーDMR-BW800で録画した地
　　　　デジ放送（邦画番組）を、HGモード 又は DRモードでダビングしたBD-REから リ
　　　　ッピングしたM2TSファイル
　＊HDC-SD9： Panasonic製のビデオカメラ HDC-SD9のHGモードで撮影してムーブ
　　　　したM2TSファイル
　＊Blu-ray Video： BDビデオ作品Bから AnyDVD HDでリッピングしたM2TSファイル
　＊DVD MW： DVD MovieWriter 5 BD for I-O DATA を用いて、BDMV形式 又は
　　　 BDAV形式で出力したM2TSファイル
　＊PT1-TIDEJI：デジタルチューナPT1で地デジ放送（邦画番組）を録画したTSファイル
　 なお、いずれのソフトも二ヶ国語二重音声のAACからなる今回の洋画番組（X-MEN
　 　[デ][SS][二][字].ts）には上手く対応出来ていないので、上記の方策が必要たった。
　
　＜注意＞カット・結合後のファイルは、Windows Media Player12とVLC media player
　　　　 では初めのトリミング領域しか再生出来ず、次のカット部で停止してしまう。
　　　　　但し、Windows Media Player11, 「DV」プレイヤー, Qonohaや MPC HomeCinema,
　　　　　　 　GOM Player, SMPlayer, KMPlayer, SPlayerでは問題なく再生可能だ。

　　　　なお、TSSniper については→「TSSniperでMPEG2-TSのカット編集」を参照。
　4)残念ながら、トリミングの初めに0.5秒間（1GOP単位、12フレーム）、邪魔な「FAME」と
　　 いうウォーターマークが挿入されてしまう。
　
　　今回の 7箇所トリミングしたクリップを結合した場合は、各クリップの初めと最後の計 8
　　 箇所にこの邪魔なマークが挿入されてしまった。
　　TV番組なら邪魔にならないが、ビデオカメラで撮影した素材の無劣化カット編集用途の
　　 場合には、筆者は細かくカットする事が多いので挿入されるマークは目障りだ 　(;＞ω＜)/
　5)今回用いた実時間 1時間33分番組のCMカット編集後ファイルの汎用性について
　　Windows Media Player12でも音ズレなく CMカットした所で停止してしまう事なく再生
　　　可能だった。
　　tsMuxeR GUI 1.9.9でBlu-ray disk（BDMV化）：
　　　拡張子.mpgでは上手く読み込み出来ないので、.tsにリネームすると問題なく読み込
　　　みとBDMV化が可能となった。
　　　そして ImgBurn 2.5.1.0でISOイメージファイルにして、PowerDVD 8 Ultraで再生した
　　　ところ、音ズレなく CMカットした所で停止してしまう事なく再生可能だった。
　　・・・このファイルの再利用については、これ以上の深追いは止める事とした。


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