QT MPEG4 Exporter ver.1.98
(05.05.xx作成)
QT MPEG4 Exporter ver.1.98     2005年05月04日(水)のBlog記事より
QuickTime 7でH.264/AVCの無料エンコード
QT MPEG4 ExporterはQuickTime PlayerからMPEG-4などを書き出すツールです。本来、QuickTimeの動画変換機能はQuickTime Proを購入しないと利用できない機能ですが、「AppleScriptを使うといいことがある」ということをユーザーに示すための戦略的なポリシーとして、AppleはQuickTime Proの機能の一部をAppleScriptからは無料で利用することができるようにしました。同時にそれは、QuickTime fo Windowsと比較したときのMac OSのアドバンテージともなります。QT MPEG4 Exporterは単に変換機能を呼び出すだけではなく、最適化されたパラメータ群を同時に提供し、複数ファイルの一括変換などにも対応した強力な無料エンコードツールです。QT MPEG4 ExporterをはじめとしたAppleScriptツール群は、PowerPCプロセッサの処理能力やMac OS Xの優れたGUIと同様に、MacintoshでQuickTimeを利用することのメリットとなるでしょう。
以前のバージョンがQuickTime 7がインストールされている環境で動作しない問題を解決し、新たにH.264/AVCを利用することができるようになりました。QC(品質固定)の可変ビットレート映像、音声も可変ビットレートのAACで書き出すことができます。QC設定なので、高速な1 passエンコードでも高画質を維持して、QCIFからHDサイズまで、一貫した画質を維持することができます。映像の内容に応じた最適なビットレートが選択されるので、無駄のないエンコードによりファイルサイズも必要最小限に抑えられます。
QuickTime 7がインストールされている環境ではMPEG-4 CODECについても同様の可変ビットレートを利用するようにしました。
QT MPEG4 Exporterでは、これらの可変ビットレートによるMPEG-4エンコードはQuickTime 7のみで利用できます。技術的にはQuickTime 6でも利用できるはずですが、こちらの開発環境がQuickTime 7に移行してしまったので、QuickTime 6においては可変ビットレートへの対応は遅れる見込みです。
その他、WQVGAサイズの3GPP、AAC音声のみの3GPP2の書き出しに対応しました。ただしAAC音声のみの3GPP2に関しては、プロファイルが固まっていないため、ネットワークインストーラにてデータを後で提供します。
このツールのver.2.0以降がMPEG Exporter TNGという位置づけなので、QT MPEG Exporterに残されたバージョン番号は1.98と1.99だけでした。今回、ver.1.98を消化してしまいました。まあ、どうでもいいことなんですが。
現在、H.264の書き出しは画質を重視した設定になっており、あまり圧縮率は高くありません。しかしあまりビットレートが高いとH.264としてのうまみがなくなるため、MPEG-4よりも高画質で低ビットレートとなる設定を行っています。
可変ビットレートは実は3GPPなどでも利用できるはずなので、今後は考慮して行きたいと思います。もう一つのエンコードツールであるMPEG Exporter TNGはすでに全面的に可変ビットレートによるエンコードに切り替えてあります。
WQVGAサイズの3GPPの書き出しは、auのW21SA用です。DoCoMoやVodafoneの端末では再生できません。
新たに追加した3GPP2の音声だけのモードはauのW31Sなど対象としていますが、基礎資料が少ないためにパラメータの数字が詰められません。その他にも対応機種があれば最大公約数となるようにパラメータを考慮します。引き続き、情報をお待ちしています。
変換後に、アプリ本体と同じフォルダ内に変換にかかった時間が統計データとして出力されます。H.264とCinepakのエンコード速度の比較などもできます。