MOVIE COWBOY DC-MC35UL2の使い勝手

MOVIE COWBOY DC-MC35UL2の使い勝手
 
HDDメディアプレイヤー(DC-MC35UL2)はGyaOのシネマ番組をTV視聴可能か
(2007.04.23作成)
 パソコンに貯め込んだ動画ファイルをDVDメディアに焼くことなく、大画面TVで視聴可能な機器と
  して、各メーカーが色々なHDDメディアプレイヤーを販売している。最近では、ハイビジョン対応
  やDRM付きWMV対応の機種が登場し百花繚乱の様相を呈している。
 今回、余ったHDDの有効利用も兼ねて、GyaOの番組をTVで視聴する目的でMOVIE COWBOY
  DC-MC35UL2
を購入しその使い勝手についてメモしてみた。
 DC-MC35UL2の概要
DC-MC35UL2(24,800円税込み)はUSB接続の外付けHDDケースに
 AV再生機能を持たせたもの。
SIGMA DESIGNS社製EM8621Lハードウェアデコードチップを採用しており
 、DVDのVOB/ISOやMPEG-1/2/4とMPEG-4圧縮AVI 以外にもWMV9
 及びハイビジョン画質であるWMV HD/MPEG-2TS/DivX HDの再生に
 も対応している。
映像出力としてコンポジット端子、
 S端子、コンポーネント端子(D端子
 に変換可)に加えDVI 端子(HDMI
 端子に変換可)を装備。
音声出力もアナログステレオ、光
 デジタル出力と幅広く対応してい
 る。

LAN接続によるネットワークメディア
 プレイヤーの構築も可能だ。
 Ximeta 社が開発した独自の通信
 方式NDAS(Network Direct Atta
 ched Storage)を採用しており、
 Windows共有フォルダ内の動画素
 材をTVで再生出来る。
 又、パソコンに直接繋いだローカル
 ディスクとしても扱える。
通常は、本製品をUSB-DEVICEモードでパソコンに繋いで外付けHDDとしてデータをやり取り
 をするのだが、USB-HOSTモード端子にUSB接続型外付けHDDを接続して利用する事も
 可能だ。

 販売元
DIGITAL COWBOY社のホームページは、ここを 参照。

 準備
1)HDDの取り付けとフォーマット
 本製品にはHDDは付属しておらず、3.5インチIDE-HDDを用意して本製品に取り付ける必要が
  ある(S-ATタイプのHDDには非対応)。
 拡張パーティションに対応しておらず、プライマリパーティションでNTFS形式でフォーマットす
   る。
 なお、ハードディスクの総容量が250GB以下の値を指定することが推奨されている。
 又、「パーティションをアクティブとしてマーク(M)」することが推奨されている。
2)TVと接続
 本製品に付属しているのは、コンポジットAVケーブルしかないので、他のケーブルを使用する
  場合は別途購入する必要がある。
3)最新のファームウェアに更新
 工場出荷時のファームウェアはVer.1.0.4なので、Ver.1.1.2(2007/4/13公開、サポート窓口
   のこちらから入手)にアップデートする。
  パソコン上でダウンロードした圧縮ファイル(DC-MC35UL2_1.1.2.ZIP)を解凍して、作成され
   たファイル(MC35UL2_1.1.2_JPN.upgrade)を本製品に内蔵したHDDにUSB経由でコピー
   する。
  パソコンから本製品を取り外した後、本製品を再起動してリモコンでファームウェアファイル
   を選択してOKボタンを押す。
  以後画面の指示に従ってファームウェアのアップデートを実行する。
  <注意>アップデートは必ず本製品に内蔵したHDDにコピーした状態で実行する事。
     USB-HOSTモードおよびネットワークモードでは絶対にアップデートを行わない。
4)NDAS Softwareのインストール
  本製品とパソコンとをLAN接続にするために、2k/XP用は製品CD付属のNDAS Softwareを
   、Vista用はサポート窓口(こちら)から ndas_Vista_32.zipを入手してインストールする。
  再起動後にデバイスIDとKeyの設定を求められるので、本製品の底に記載されている20文
   字のIDと5文字のKeyを入力する。
  本製品のNDASの初期設定は無効になっているので、有効に設定する
5)Windows共有フォルダの設定方法
 本製品はGuestとして、Windows共有フォルダにアクセスするので、
 (1)ローカル接続の「Microsoftネットワーク用ファイルとプリンタ共有」を許可する。
 (2)Guestアカウントを有効にする。
XP
コントロールパネルの「ユーザーアカウント」で、Guestアカウントをオンに設定
  する。
Vista
「コンピュータの管理」の「ローカルユーザーとグループ」の「ユーザー」で、
  「Guestアカウントを無効にする」のチェックを外す。又は、
コントロールパネルの「ユーザーアカウント」の「別のアカウントの管理」で
  Guestアカウントをオンに設定する事も可。
 (3)フォルダの共有
XP
「フォルダオプション」の表示タブの「詳細設定」で「簡易ファイルの共有を使
  する」をチェック する。このチェックが外してあると本製品は(Guest)接続出
  ない
目的のフォルダを右クリックして「共有とセキュリティ」を選択する。
フォルダのプロパティ画面で「危険を承知した上で、ウィザードを使わないで
  ファイルを共有する場合は ここをクリックしてください。」をクリックする。
「ファイル共有の有効」警告画面で、「ファイル共有を有効にする」を選択して
  「OK」ボタンを押す。
「ネットワーク上でこのフォルダを共有する」にチェックを入れ、「適用」ボタン
  を押す。
  「共有名」には必要に応じて任意の名前を設定する。
安全の為に「ネットワークユーザーによるファイルの変更を許可する」のチェッ
  クを外す。
Vista
目的のフォルダを右クリック「共有..」の「詳細な共有」で、Guestを追加する。
  Guestの登録は、「共有」タブのみならず、「セキュリティ」タブでも追加する
  安全の為に「読み取り」 のみアクセス許可とする。
コントロールパネルの「ネットワークと共有センター」で「パスワード保護共有」
  を無効に設定する(と、Guestアカウントがオフでも接続出来てしまう!)。
6)本製品はパソコンとUSB接続した状態では、メディアプレイヤーとして利用する事は出来な
  いので、TV接続で視聴する場合はUSBケーブルをパソコンから外した状態で使用する。

 TVメニュー画面
取り付けHDD
接続USB機器
 USB接続型HDD
LAN接続機器:
 COMP:パソコン
 HD-HGL:
  Link Station

 視聴可能な動画素材
検討に用いた素材は、手持ちの動画サンプルファイル(「動画圧縮サンプルの作成と提供」)
 やDVD Decrypterで作成したDVDのIFO/ISOファイル(ここを参照)。
素材のフォーマット形式
(映像_音声.コンテナ)
本製品での再生
 WMV8_WMA8.wmv
×
 WMV9_WMA9.wmv
可能
 RV10_RA8.rm
×
 VP6_AAC.nsv
×
 SVQ3_QDM2.mov
×
 XviD_AAC.mov
×
 H.264_AAC.mov
×
 MPEG4_AAC.mp4
可能
 XviD_AAC.mp4
可能
 H.264_AAC.mp4
音声のみ
 MPEG1_MP2.mpg
可能
 MPEG2_MP2.mpg
可能
 H.264_MP2.mpg
×
 BI-RGB_PCM.avi
×
 HFYU_PCM.avi
×
 MsMPEG4v2_MP3.avi
音声のみ
 DivX5.21_MP3.avi
可能
 XviD1.01_MP3.avi
可能
 3ivx4.51_MP3.avi
可能
 WMV9_MP3.avi
可能

 H.264_MP3.avi

音声のみ
 VP6_MP3.avi
音声のみ
 
素材のフォーマット形式
(映像_音声.コンテナ)
本製品での再生
 
DivX6.11_MP3.divx
可能
 
XviD_MP3.divx
可能
 
H.264_MP3.divx
音声のみ
 DivX5.21_Vorbis.ogm
×
 XviD2.1_Vorbis.ogm
×
 3ivx4.51_Vorbis.ogm
×
 H.264_Vorbis.ogm
×
 VP6_Vorbis.ogm
×
 DivX5.21_Vorbis.mkv
×
 XviD2.1_Vorbis.mkv
×
 3ivx4.51_Vorbis.mkv
×
 H.264_Vorbis.mkv
×
 WMV9_Vorbis.mkv
×
 RV10_RA8.mkv
×
 VP6_Vorbis.mkv
×
 Sorenson_MP3.swf
×
 Sorenson_MP3.flv
×
 VP6_MP3.flv
×
 MPEG2_AC3/LPCM.vob
可能
 MPEG2_AC3/LPCM.ifo
×
 MPEG2_AC3/LPCM.iso
可能
 MPEG-4.avi は映像と音声がインターリーブされている必要があり、インターリーブされてな
  いと無声となったり、再生出来ない場合がある。

 GyaOのシネマ番組(ASFファイル)の再生
1)DRM(デジタル著作権管理)付きDRM-ASFファイル
  GetASFStreamでダウンロード保存したDRM付きASFファイル(ここを参照)は、ネットワー
  経由でもTV
再生出来なかった!
2)DRMを解除したNoDRM-ASFファイル
  パソコンに保存したGyaO番組をAutomate unDRM及びFairUse4WMでDRMを解除したASF
  ファイル(ここを参照)は、途中で無声となる場合がある他に約 45分位経過した処で再生
  来なくなってしまう!
  この45分前後の処をGetASFStreamが上手く繋いでくれないのであろうか?
 ⇒拡張子 .asfを .wmvに変更する(.asf には正式に対応していないようだ)と、
    早送りが x4から x32迄可能となる場合がある。
    45分以降再生出来なかったファイルが最後迄再生可能となる場合がある。
   等、操作性が向上するケイスもあるが、まだまだ不安定要素が多く途中でガッカリしてしまう!
   ファームウェをVer.1.1.3(2007/6/1公開)にアップグレードしても同じだった。
3)Avivo Video Converterで変換したMPEG2ファイル
  視聴可能ないずれの形式に変換してもよいのであろうが、汎用性の高い形式に手っ取り早
  く変換出来るソフトが望ましい。
  この用途には、 Avivo Video Converter v1.12が打って付けだ(ここを参照)。
   無料のDVDオーサリングツールの場合と同様に、FairUse4WM 1.3でDRMを解除すると上手
    く変換出来ないので、Automate unDRMのDecryptItで解除したASFファイルを素材とした
    (ここを参照)。
訂正(2007.08.15)
FairUse4WM 1.3 Fix2でDRMを解除したGyaO映画は、DVDオーサリングツール
やAvivo Video Converterの素材として利用可能となった。         →ここを参照
   Output Format形式はDVD/MPEG2で、Output QualityはLowで出力した。
    1時間39分番組の場合、他のDVDオーサリングツールやSUPER cでは、2時間30分〜
    4時間00分掛かるが、本ソフトは20分〜30分と短時間に変換可能だった。
   画質の劣化は、GyaO素材は元々良くないので大差なく、映像と音声が解離するという
    不具合は見られなかった。

 結果
I. 本製品は EM8621を搭載しWMV9に対応しているというのだが・・・
 1)何んと。パソコンに保存してあるDRM付きWMV動画をネットワーク経由でもTV再生出来ない!
  <参考>ネットワークプレイヤーという範疇のバッファローの「PC-P4LWAG」、I-O DATAの
    「AV-LS300DW」、長瀬産業の「DVX-700 M20」は、DRM付きWMV動画に対応している
    というのに
    ・・・ファームウェアのアップデートレベルで対応出来ないものなのか?
 2)DRMを解除したWMV動画なら、再生可能であろうと期待したのに・・・
   ナ!ナント、約 45分経過したところで再生出来なくなってしまうケイスが度々だ!
  <参考>機能的には同じASIユートピアの「DVP-540HD」、アスクの「TViX M-4000P」とネッ
    トワーク機能のない挑戦者の「MOVIE TANKIII」では再生可能か?
    ・・・詳細な検証報告は皆無な為、購入して試用してみる以外に確かめる術がないとは困
      った事だ。   
 <対策>買い替える訳にも行かないので仕方なく、しばらくはAvivo Video Converter
   MPEG2に変換して使用し続ける事とした。
II. その他(使い勝手の悪さ
 3)MP4の再生は可能だが、汎用されている H.264_AAC.mp4には未対応だ。
   AVI 形式も、BI-RGB, Huffyuv, MsMPEG4v2, VP6のみならず H.264にも未対応とは寂しい
   限りだ 。
 4)これら機種のプレイヤーは、シークバーは付かないものなのか?
   32倍速までの再生は可能なのだが、実に使い辛い。
 5)本製品のLAN接続の通信プロトコルはNDASで、TCP/IPを使った NASより若干通信速度は
   速いという。パソコン内にある動画を再生する目的では問題はないのだが・・・
   LAN接続でパソコンに直接繋いでローカルディスクとして扱う場合は、ギガビットLANでないと
    USB2接続の4分の1以下の速度しか出ないので、大容量の動
画を出し入れする用途には
    不向きだ。
 6)地域の離れた住居から動画素材を持ち運ぶ場合には、本体は57.0(W)×150.0(D)×185.0(H)
   mm、重量約564+HDD重量gと大きいので、別途携帯用の外付け2.5インチHDDを購入して、
   USB-HOSTモード接続で利用する方策を講じる必要がありそうだ。
 今回は 売りであるフルハイビジョン(HD)動画で検討していないが、画質のほどは如何?


| Kenのムービー計画へ >動画狂コーナーへ |