AVS Video ReMakerの試用経験

AVS Video ReMakerの試用経験

AVS Video ReMakerは映像無劣化で他形式へ変更可能なリメイクソフト
(2011.06.06作成, 15.04.01更新)
AVS Video ReMakerは、有償の無劣化動画編集・再構築ソフト。
   AVI、MPEG-2、MPEG-4等の動画ファイルの不要な部分をカットしたり、シーンの順序を
   変更したりして結合編集した後に、映像を再変換する事なく出力が可能。
   トランジション効果を適応後も、他のコンテナ形式への変更も映像無劣化で可能。
   DVD/Blu-rayの無劣化リメイクがメニュー付きで可能。
  今回は筆者が日常的に使用している動画ファイルを例として、本ソフトの使い勝手を検証
   してみた。
  検討したマシン環境は、Intel Core 2 Quad Q6600(2.40GHz)、DDR2(PC2-6400)8GB、
   GeForce9600GT(VRAM 512MB, Drive v195.62)で、
  OSは64ビット版Windows 7環境で行った。
 
 AVS Video ReMakerのインストール
 AVS Video ReMakerの入手先は、こちらから (今回は、Version4.0.4.134を使用)。
 インストール中に、プログラムで使用したい言語(日本語)を選択。
 未登録状態(非活性)では機能制限は無いが、出力ファイルの中央に商品ロゴが入って
  しまう。
 解除には59ドルの登録が必要で、AVS4YOU Software18 ツールの使用が可能となるが、
  AVS Video Converter Ver703453 Patch(こちらからDL)で無料解除が可能。
  *リンク切れの場合は、Boxサービスの 「AVS4YOU Path」 から入手。
 
 
 v3.xでなくても、v4.0.4.134でも活性化が可能だった。
*アンチウイルスソフトで脅威と報告されてしまう場合がある。
 
 エンコードの概略
 サポートされている入力ファイル形式
   Real Media(*rm... は、AVS Video Converterではサポートされている形式を示す。
 
 
但し、BI-RGB/AMV3_PCM圧縮AVI、VP6圧縮FLV4、SVQ3_QDM2圧縮MOV等は読
 み込み出来ない。ナッ何んと!Windows Media Videoには未対応だ。
 
 
又、Huffyuv圧縮AVIファイルは読み込み編集可能だが、リメイクすると汎用プレイヤ
 
何故か?描画が出来ないファイルとなってしまう不具合がある ?(゜_。)?
  AVS Video Recoderでカムコーダーやビデオカメラからを転送したファイル
   ・・・今回は検証せず。
  AVS Screen Captureで録画したファイル
   付属製品なのでサポートされているのは当然なのだが・・・以下の如く問題が多い。
   AVS Video ReMakerでBlu-rayメニューを作成中にプレビューしているところを、更に
   別のAVS Video ReMakerを重複起動してAVS Screen Captureを起動してエリア
    640x360を録画した。
 
   AVI形式(Huffman Codec:21.6Mbps, 15fps、PCM:44100Hz)とFLV形式(Screen video
    :11.8Mbps, 15fps、MP3:22050Hz)で保存したファイルは読み込み可能だった。
    しかし、AVS Video ReMakerでリメイク・出力しても・・・
    AVI形式のHuffyuv映像は、Windows Media Player (12.0)、MPC HomeCinema(1.5.0)、
     GOM Player(2.1.30)、VLC MediaPlayer(1.1.8)、SMPlayer(0.6.9)、KMPlayer(3.0.0)、
     SPlayer(3.7)等汎用プレイヤーでは描画が出来ない
    FLV3形式のScreen video映像は、VLC MediaPlayer(1.1.8)とFLV Player(2.0)及び
     RealPlayer(14.0)でのみ再生が可能と、汎用性に乏しい。

   一方、 WMV形式(WMV9 Screen:720Kbps, 15fps、WMA:44100Hz)で保存した場合
    は上記の如く、AVS Video ReMakerへ読み込み出来ない。
   しかも、AVS Screen Captureは筆者の環境では、マウスクリック音以外はオーディオ
    デバイスから録音出来ない為、使い物にならなかった (;>ω<)/
 
   なお、AVS Video ReMakerは一時ファイルを保存する場所を設定する初期設定なるもの
   が無い。一方、AVS Screen Captureは初期設定でこれを指定する事が可能なのだが、
 
   AVS Video ReMaker経由でAVS Screen Captureを実行すると、
    C:\Users\ken\AppData\Roaming\AVS4YOU\AVSVideoReMaker\Tempフォルダにも
    録画ファイルが保存されて、アプリケーションを終了してもこれら大容量ファイルが自動
    的に削除さと云う困った不都合がある。
 
    ・・・このTempフォルダはCCleaner、Glary Utilitiesで削除対象とならない Y (>_<、)Y
    なお、このフォルダに保存されたAVIファイルは問題なく通常のプレイヤーで再生可能。
 
 出力可能なコンテナ形式 (  )内は変換可能な音声形式
 本ソフトで出力可能なコンテナ形式は、以下のものがある。
  AVI(PCM/Microsoft ADPCM/CCITT A-law/CCITT u-law/IMA ADPCM/MS GSM/
     MP3/MP2)
  MPEG(MP3/MP2)
  MP4ISO v.1/MP4ISO v.2/MP4 for PSP/MP4 for iPod(AAC)
  MOV(PCM/CCITT A-law/CCITT u-law/IMA ADPCM/MP3/AAC/AMR ACELP)
  FLV(PCM/MP3/AAC)
  MKV(PCM/MP3/MP2/AAC/Ogg Vorbis)
  3GP/3G2/3GMP4(AAC/AMR ACELP)
  M2TS(LPCM)
  Blu-ray(LPCM)
  DVD(MP2)
  しかし、素材の動画形態によっては下記の例の如く適用出来ないコンテナ形式も多い。
  Blu-rayへのオーサリング
   Blu-rayフォルダとしてハードディスクにBlu-ray動画を保存
  DVDへのオーサリング
   DVDフォルダとしてハードディスクにDVD動画を保存
 
 操作手順
 
 操作手順の概要
  1)ファイルメニューの「ファイルの追加」から素材を登録。
    複数の読み込みも可能だが、各々の動画が同じサイズ・同じフレームレート・同じコーデック
   で作成されていないと登録出来ない。
  2)編集機能は、カット(トリム)編集、トランジション効果の挿入及びチャプタの指定とDVD/Blu-
   ray用メニューの作成機能が搭載されている。ビデオを再変換しなければならにようなビデオ
   効果等の機能は搭載されていない。
   <カット編集>
    タイムラインのカーソルを区切りしたい位置にスライドさせおいて、「分割」ボタンをクリックし
     て分割操作を繰り返し、カットしたい領域を選択して「削除」ボタンを押せばよい。
   <マルチトリム編集>
 
「トリム」ボタンをクリックして「マルチトリム」編集画面を起動する。
 
 
「マークイン」と「マークアウト」ボタンで抽出したい領域を指定するとシーンが登録される。
 
 
「はい」をクリックして終了しメイン画面に戻ると、トリムした領域が連結して配列される。
 
   
   <トランジション効果の挿入>
   注意: [トランジション] ボタンが灰色となって選択出来ない場合は、「プロジェクトを保存」して
     一旦ソフトを終了してから再起動すれば選択可能となる \(´_`)/
   「トランジション」画面でシーンないしクリップの移行部に目的のトランジションをドラッグする。
    該当部を右クリックして「トランジション」を選択して、再生時間を調整する。
 
   <参考>ナッ何んと!カット/トリム編集は無論の事、トランジション効果を適応した後に
    
リメイクしても、映像全てが再変換される事なく低(無?)劣化で出力が可能なようだ く(゜_。)ノ

     AVS Screen Captureで録画したFLVファイルを用いてカット三箇所、トランジション三箇所
     適応して検証したところ、
     MediaInfoによる リメイク前・後のファイル解析では、収録時間以外は元素材と同じだった。
 
 

*トランジション部分は新しく映像が作成されるが
 (右は、ワイプ・エキストラの「充填されたV:右へ」
 を適応した部位の映像を FLV Playerで提示)、
 該当部のビデオ情報を解析する事は出来ない
 ⇒これは、スマートレンダリング技法が使用さ
   れているのであろう(考察 4を参照)。
 
  3)「スタート!」ボタンをクリックして、出力ファイル名と保存先を指定し、ビデオでコンテナ形式を、
   オーディオで音声の圧縮形式を選択する。
   今回は、分割されたクリップを結合して一つのファイルとして出力する事が目的なので、「それ
   ぞれのクリップを新しいファイルに保存」にチェックを入れずにリメイクする。
  4)ビデオのパラメータを設定する箇所が無いのは了解出来るが、オーディオのサンプルレート、
   ビットレート、チャンネル等を設定する箇所も無い。
  以下、個別のリメイク例について設定方法とその成績を提示する。
  I. Xacti DMX-HD1000撮影Full-HDファイルのリメイク
  (1)素材:SANYO製のムービーカメラ Xacti DMX-HD1000のFull-HDモードで撮影したMP4ファ
    イル(H.264+AAC.mp4)
  (2)編集:今回はカット編集のみ実行
 
  (3)出力形式の選択:AVI, MP4, MOV, MKV, FLVから選択(MPEG, M2TS等への変換は不可)。
 
  (4)オーディオの圧縮形式を以下の組み合わせから選択。
    ビデオにP4ISO v.2を選択したら、オーディオはMPEG-2/4 Audio(AAC)以外に選択の余地
     は無い。
 
今回は、ビデオ:MP4ISO v.2、オーディオ:MPEG-2/4 Audio(AAC)でリメイクした。
  (5)成績:MediaInfoでリメイク前・後のファイル解析結果
 
 
残念ながら、ビデオのビットレートが素材の2倍となり 2倍速映像となってしまう Y (>_<、)Y
オーディオはそのまま使用されず サンプルレートが変更されている。
 
  II. Panasonic HDC-SD9撮影ファイルのリメイク
  (1) 素材:Panasonic製のビデオカメラ HDC-SD9のHGモードで撮影してムーブしたM2TSファイル
     (H.264+AC3.m2ts)。
  (2)編集:今回はカット編集のみ実行
 
  (3)出力形式の選択:M2TS, Blu-ray以外の選択は不可。
 
  (4)オーディオの圧縮形式は、LPCMしか選択出来ない。AC3が無い (;.;)
 
  (5)成績:MediaInfoでリメイク前・後のファイル解析結果
 
 
ビデオ情報は元素材と同じ。音声はAC3→PCMへ変換された。
 
  III. PT1録画地上デジタル放送ファイルのリメイク
  (1)素材:PT1で録画した地デジ二ヶ国語音声の洋画番組をMurdoc Cutterで無劣化カットし
     た1分12秒のTSファイル(MPEG2+AAC.ts)
    読み込み時にオーディオトラックの選択を催促する「ビデオのインポート」画面が表示される。
    あらかじめ調査しておいた 1の日本語トラックを選択してインポートした。
 
  (2)編集:今回はカット編集のみ実行
 
  (3)出力形式の選択:AVI かMPEGで選択。何故かM2TS(又はTS)にリメイク出来ない (;>ω<)/
    ・・・素材の拡張子 .tsを .m2tsにリネームして読み込んでも同じだ。
 
  (4)オーディオの圧縮形式を以下の組み合わせから選択。
    MPEGでAAC変換をサポートしていない Y (>_<、)Y
 
 
今回は、ビデオ:MPEG、オーディオ:MP2でリメイクした。
  (5)成績:MediaInfoでリメイク前・後のファイル解析結果
 
 
コンテナ形式は仕方なくTS→MPEGへ変更。ビデオ情報は元素材と同じ。音声はAAC→
  MP2へ変換された。
 
  IV. Blu-rayビデオのリメイク
  (1)素材:Corel VideoStudio 12 Plusで作成したタイトル11個から構成されているモーションメ
    ニュー付き自作Blu-rayのBDMV\STREAM内のM2TSファイル(MPEG2+AC3.m2ts)。
   今回は6個のクリップを読み込んだ。
 
  (2)編集:チャプターのマーカー設定
    「チャプタの自動追加」ボタンをクリックして「それぞれのクリップの始めに」を選択することで、
      ファイル毎にチャプターを作成する事が可能になるのだが、
      ・・・チャプターの位置が少々ズレて設定されてしまう不具合が発生した Y (>_<、)Y
    致し方なく手動で、チャプタ画面でタイムラインのカーソルを 区切りたい位置にスライドさせお
      いて、「チャプタの追加」ボタンをクリックしてマーカーを設定する操作を繰り返して行った。
    チャプタ欄に登録したら、適当なチャプタ名を入力して変更する。
 
  (3)デスクメニューの設定:スタイルは今回「ビデオ」を選択。
    タイトル名を入力して、30秒の背景音楽(WAV)を挿入し、
    作業領域に30秒のオープニングとエンディング動画(MPEG2)と1個の静止画(BMP)を挿入した。
 
   メニューの構成と仕上がり具合をプレビューする事が可能。
 
メニュー編集中にプレビューしたBlu-rayのメニュー部分を提示
 WindowsMedia(MWV9_WMA9) 750Kbps,約1分のデモ
アマレココでビデオキャプチャしたものを WMVに変換して提示した。
Embed方式
Stand方式
  メインメニューに動画とBGMの挿入は可能だが、ページメニューのチャプタボタンがアニメ
   ーションとならないのは寂しい (>_<、)
   編集が終了したら出力前に、「ファイル」メニューの「プロジェクトの保存」でセーブしておく
    (プロジェクトファイルは拡張子 .vrpで保存される)。
    本ソフトは、AVS Video Converterとは異なりプロジェクトの保存機能を搭載 している。
  (4)出力形式の選択:ビデオにBlu-rayを選択。オーディオはLPCM以外に選択出来ない。
    ・・・本ソフトはAC3変換をサポートしていない。
    「それぞれのクリップを新しいファイルに保存」は未チェックで、「スタート!」する。
 
  (5)オーサリングの進捗状態
 
  (6)成績:
    6個のクリップ(計 21分38秒)のBlu-rayオーサリングに要した時間は、 4分31秒と短時間
     に完了した。
    MediaInfoでリメイク前・後の本編動画ファイルの解析結果
 
 
ビデオ情報は元素材と同じ。音声はAC3→PCMへ変換された。
 
 結果と考察
 1)AVS Video ReMakerは、カット編集後映像無劣化で他のコンテナ形式への変更も可能な
  リメイクソフト。インターフェースはシンプルで直観的に操作が可能だ。
 2)再変換なしに編集が可能なのは MPEG 形式だけで、他の形式のビデオ ファイルは編集
   出来ないと云う報告があり、別途検討したところ、
   XviD圧縮 AVI/ MKVは編集操作が出来ず、Huffyuv圧縮 AVI は描画出来ないファイルと
    なって出力されてしまう。一方、
   DivX圧縮 AVI/ MKV 、MsMPEG4v2圧縮 AVI、Sorenson圧縮FLV1やH.264圧縮MOVは、
    カット編集後も元素材と同じ映像画質でリメイク可能だった。
 3)編集機能は、無劣化でリメイクする事が目的なのでカット編集とトランジション効果の挿入
  以外の洒落た機能は搭載していないが、DVD/Blu-rayのメニュー作成は可能だ。
 4)トランジション適応後も元素材と同じ画質でリメイク可能な本ソフトは、商標には記載され
   ていないがスマートレンダング対応ソフトと云う事なのであろうか。
  *
映像の全てをレンダリングするのではなく、映像を編集した継ぎ目などの必要最低限の
   範囲に絞ってレンダリングすることにより、低劣化で高速処理を行うことが可能な技術。
 5)音声は無劣化でリメイク出来ず変換を余儀なくされる。コーデックに AC3を使用出来ない。
  ビットレート等のパラメータを設定出来ず、お任せ変換となっているのは不親切だ。
 6)多重音声動画に対応しているが、、単一の言語しか格納出来ない。
 7)変更可能なコンテナ形式は素材の動画形態によって制限が多い。PT1録画地上デジタル
  放送ファイルがTS形式でリメイク出来ず MPEGに変更出来るのは、幸いかもしれない。
 8)AVS Video ReMaker経由でAVS Screen Captureを実行するとアプリを終了しても、一時
  フォルダ内の大容量ファイルが削除されない不都合がある(上記参照)。



追記(2015.04.01)
DVD収載ビデオを一定時間毎に分割出力する方法
DVD収納ビデオを映像無劣化で一定時間毎の短縮ファイルに、自動的に分割・保存する方策

今回の素材は、Corel VideoStudio 12 Plusで作成した自作のDVDビデオ「トルコ旅行」(MPEG2: 7.6Mbps,
720x480, 29.970fps、AC3: 256Kbps, 48KHz)。21個のトラック(タイトル)から構成されている。
AVS Video Remaker 4.3
1) [ファイルを追加] から、ここではタイトル17(収録時間8分18秒)のトラックをインポート(Fig00)。
2) チャプターメニュー>「チャプター自動設定」で時間間隔を調整すれば、目的の時間(今回は 2分)毎
にチャプターの追加・設定(今回は 5箇所のチャプター付け)が可能(Fig01)。
3) 残念ながら、「それぞれのクリップを新しいファイルに保存」をチェックして出力してもチャプター毎に
分割して出力出来ない(”それぞれのチャプター”ではダメなのだ) ┓(´_`)┏
そこで、全自動ではないが(全自動による変法は、下記に記述)、
4) 「チャプター画面」で任意のチャプターを選択しておいて、「ファイルリスト」画面に変換。[分割] を
クリックすれば、現在の位置(チャプターの位置)で分割される(Fig01_2は、チャプター3の位置)
これを今回は 4回繰り返して 5個のクリップファイルとする。

5) 映像無劣化で変換可能な形式( AVI, MPEG, DVD, Blu-ray, M2TS)のうち MPEG形式で、
「それぞれのクリップを新しいファイルに保存」をチェックして出力する(Fig02_2)。
 
6) すると、2分毎に分割された5個の MPEGファイルが出力される \(^O^)/(Fig04_2)。
 
 


 ============= 以下の記述は、全自動による変法 =============

そこで
4) チャプター情報を付けて、先ずは映像無劣化で DVD形式で出力する(Fig02)。
 
5) 次に、VobUtils Tools 0.1(VOB ファイルをチャプター毎に分割してくれるソフト,
http://www.digital-digest.com/dvd/downloads/showsoftware_vobutils_387.htmlから入手)
を用いて、先に出力したDVDのVTS_01_0.IFOを指定して抽出する(Fig03)。
 
6) そして、[Extract All] をクリックすれば2分毎に分割された5個のファイルが出力される \(^O^)/(Fig04)。
 
 

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