AViUtlで拡張 x264 出力(GUI)の利用

AViUtlで拡張 x264 出力(GUI)の利用

AviUtlでMTSファイルから変換したMP4はWeb配信用途に利用可能か
(2008.04.21作成, 10.01.09更新)
I.拡張 x264 出力(GUI)は、扱いにくい x264プログラムを簡単操作でMP4形式で出力
 出来るようにしたAviUtl用プラグイン。
 今回は、PanasonicのビデオカメラHDC-SD9で撮影したAVCHDメディアのMTSファイル
 を素材として、変換したMP4ファイルがWeb配信用途に利用可能か検証してみた。
II.MP4Pluginは、MP4ファイルをAviUtlで扱える事を可能にするプラグイン。
 今回は、SANYOのムービーカメラXacti DMX-HD1000で撮影したAVCHDメディアのMP4
 ファイルを素材として、その使い勝手について検証してみた。

 入手先とインストール
AviUtlは、 ここから 入手(今回はv0.99c2を使用)。
以下のAviUtl用追加プラグインを導入。
 ▼入力用プラグイン
  DirectShow File Reader Pluginは、ここから入手。
   同梱のWindows Vista用「ds_input_vista.bat」の内容は、
     @echo Vistaで使用する場合は管理者権限で実行してフィルタ登録をしてください。
     regsvr32 ds_input.aui
    となっているが、何故か上手くレジスト出来ない!
     ⇒「ds_input.aui」ファイルを手動でC:\WINDOWS\system32にコピーして「ユーザーアカ
       ウント制御(UAC)」を無効に設定して実行する必要があるのか不明?
  MPEG-2 VIDEO VFAPI Pluginは、ここから入手。
    m2v.vfpファイルをm2v.auiとリネームして、AviUtlフォルダに入れる。

  MP4Pluginは、ここから日付の新しい「MP4Plugin_〜.rar」を入手。
   入力用プラグインmp4input.aui(MP4 File Reader)と
   出力用プラグインmp4export.auf(MP4 Export Plugin)をAviUtlフォルダに入れる。
   *Xacti DMX-HD1000撮影のMP4(Full-HD)ファイルを利用するには、このMP4 File Reader
     が必要。
   *MP4のファイルを無圧縮でカット(メニューバー/ファイル/エクスポート→「MP4 Export」)
     する事が出来ると云うが・・・
   
 選択範囲のフレーム切り出し(トリミング)はすんなりと可能だが、選択範囲のフレーム削
     除(カット)は”範囲切取の開始位置はキーフレームでなければなりません”が上手く行か
     ず、使い物にならないファイルで出力されてしまう。
   FLV File Reader pluginは、ここから入手(画像回転のプラグインも、ここから入手)
    解凍後 flvinput.aumを flvinput.aui にリネームしてAviUtlフォルダに入れる。
    →「AviUtlでFLV動画を利用」を参照。
    
 ▼出力用プラグイン「拡張 x264 出力(GUI)」関連のインストール 
  1)拡張 x264 出力(GUI)
   ここからx264詰め合わせ
   (今回はx264.807.release
    01.rar)を入手。
   解凍後、auフォルダ内の
    ファイルのみAviUtlフォル
    ダに入れる。
   pthreadVC2.dllを\Windows
    \System32にコピー
  追記(2009.11.15)
    64ビット版Windows 7での使用
     x264.807.release 01.rarでは、”コンピューターにPthreadVC2.dllがないため、プログ
     ラムを開始できません...”となって利用不可だ。
     これは64ビット版Windows 7では、32bitDLLのインストールフォルダが "C:\Windows
      \System32"から"C:\Windows\SysWOW64"へ変更になった為で、レジストを変更
      すればよいのであろうが・・・
     →x264.1271.release01.rarにアップデート(x264gui.auo、x264gui.iniの2ファイルを
      AviUtlに上書きコピー)したら、エラーは表示されなくなった。
     ・・・このバージョンにはpathreaVC2.dllなるものは同梱されていない(必要ない)。

  
  2)Nero Digital Audio
   音声のエンコードに必要。
   ここから NeroDigitalAudio.zip
   (Nero Digital Audio1.1.34.2)
   を入手。
   解凍後、win32フォルダ内の
    neroAacEnc.exeを
    AviUtlフォルダに入れる。
  3)自動フィールドシフト インタレース解除プラグイン:必須ではない。
    AviUtl標準の二重化や自動、自動24fpsの代わりに選択して使用する。対応した出力プラ
    グインを使用すると動きが滑らかになる。
   ここから今回は、ver7.5a(afs_75a.lzh)を入手。
   上段のフォルダ、
    ファイルをAviUtl
    フォルダに入れる。

    afsvf.aufを入れる
    と干渉して動作し
    ないと云う。
   
  4)Microsoft Visual C++ 2008 再頒布可能パッケージ (x86)
   拡張 x264 出力(GUI)の動作に必要。
    ここから vcredist_x86.exeを入手して、システムにインストール。
  5)Microsoft .NET Framework 3.5
   拡張 x264 出力(GUI)の動作に必要と云うが、Vista SP1環境では未インストールでも支障
   ないようだ。

    ここから dotNetFx35setup.exeを入手して、システムにインストール。
   *Windows XPではNet Framework 2.0 SP1も必要。
1)〜3)のプラグインはAviUtlフォルダの第一層に入れた。
  最終的に使用しているプラグインは、下図の如くとなっている。
その他の必要ツール
   ffdshow及び各種コーデック・フィルター類(DivXやHaali Media Splitterなど)以外にも
 今回の素材PanasonicHDC-SD9撮影のMTSファイルをAviUtlで利用するには、特別な環境
   整備が必要だ(「PanasonicビデオカメラのMTSファイルの再利用」を参照)。
   MpegSplitter with AVCHD patchここから入手してインスト
    筆者の環境ではDirectShow Filter Toolを用いて、ElecardMPEG Demultiplexer
    メリット
0x00800200から 0x00400200に変更ここを参照)
   WinDVD8 for I-O DATA(以下、WinDVD8)
    I-O DATA製のBD&HD DVDコンポドライブBRD-SH6Bに付属
   CoreAVC v1.5.0.0ここから入手(シェアー?)してインスト
    ffdshowのAC3を無効に設定するが、筆者の環境ではAC3Filterが有効となってしまうの
    で、DirectShow Filter Toolを用いてAC3Filterの登録を解除して、InterVideoAudio
    Decoderを有効化する。

 設定準備
素材は、以下のAVCHD規格のフルハイビジョンで撮影した映像実体ファイルを用いた。
 I. PanasonicHDC-SD9のHGモードで撮影したMTSファイル(ここを参照)
   映像圧縮AVC/H.264,解像度1920x1080,29.97fps、音声圧縮AC3のMPEG2-TS
 II.Xacti DMX-HD1000のFull-HDモードで撮影したMP4ファイルここを参照)
   映像圧縮AVC/H.264,解像度1920x1080,59.94fps、音声圧縮AACのMPEG-4
ファイル>環境設定>システムの設定
   「最大画像サイズ」を、フルハイビジョンサイズ1920x1080(又は2000x1100)に設定。
   「リサイズ設定の解像度リスト」に任意のサイズを追加(今回は、640x360で出力)。
   「出力終了時のサウンド」を指定する。
   「出力時のファイル書き込み単位」を 4096KByteに変更
   「追加読み込みしたファイルのfpsを変換しない」をONにする
ファイル>環境設定>システムの設定>ショートカットキー設定にて、
   「前のキーフレーム」に「[」を、「次のキーフレーム」に「]」を、「選択範囲のフレーム削除」
   に「Delete」キーを割り当てておく。
尚、Vistaの場合は管理者権限、Windows XP SP2互換モードで実行する必要がある。

 AviUtlの編集操作
以下、 PanasonicHDC-SD9のMTSファイルを素材とした場合の操作方法のポイントを
記述する。操作方法の詳細は別項を参照。
サイズの変更
 設定>サイズの変更での「指定サイズ」で任意に指定が可能。6 の倍数で指定する。
 今回は、Web配信用に640x360で出力する事とする。
クリッピング
  設定>クリッピング&リサイズの設定で、上下左右を
  削って、元の縦横比を合わせてチェックを入れて有効
  にする。
  近距離の邪魔者を削除して、遠距離の被写体を描画
  する目的で行った(元素材の解像度が大きいので、拡
  大したことにはならない)。
  この操作は試行錯誤になるが、プレビューしながら
  調整が可能だ。
音量の調整、最大化の設定
  周囲の雑音が多いので音量を下げる(-150)事としたが、音量正規化計算をしてくれない!
  ・・・音声波形の増減で判断し、表示>「再生ウインドウの表示」で確認する。
使用したMTSファイルは、カット編集や追加読み込みしてもBlu-rayビデオ作品からリッピング
  したm2tsファイルのようにクラッシュする事もなく操作は比較的軽快だ。
なお、インターレースの解除やその他色調補正などのフィルタ類は今回使用せず。

 拡張 x264 出力(GUI)の設定
今回トータルのビットレートは、Web配信用に750kbpsを目標とする。
 ファイル>プラグイン出力>拡張 x264出力(GUI)
  をクリック。
  「保存」ダイアログで、「ビデオ圧縮」をクリック。

  初めに、「メニュー」の「プリセット」で「高画質:低速」を選択しておく。
  ビデオの設定
   「ビットレート」タブで、今回はマルチパスーNth PASS,2 Pass、
        ビットレート:654kbps。

  音声の設定
   NeroAACエンコーダを選択して、neroAacEnc.exeの指定
    でAviUtlフォルダ内に追加した場所を指定する。
   エンコード設定でプルダウンから、今回はAAC-HE 96kbps
    とし、処理は 2Pass,処理モードWAVとする。
  その他のビデオの設定
    「レート設定」、「マクロブロック」や「詳細」タブの設定は、筆者には難解な為、
     プリセット:高画質:低速の設定値を変更せずに実行した。
    「詳細」タブの詳細設定「SAR(Sample Aspect Ratio)」について
     1)ソース(=ターゲット)解像度(H*W)で、再生画面アスペクト比(A:B)の場合
      SAR(X:Y)の求め方は、 X:Y = W*A : H*B
      地デジの場合は、1920×1080ソース(ターゲット)に対して16:9で再生させたいの
        で、1:1と設定する。
     2)解像度を変更しない場合は4:3を入力する?
      解像度を変更する場合は 0:0のままでよい。
    「拡張設定」タブでは、
     「初期Delayカット」と
     「TimeScale4倍精度」
     のチェックを外す。
      これをチェックしたままだ
      と可変フレームレーとな
     ってしまうので、Web配
     信用には適さない。
    *自動フィールドシフトを使う場合は、「自動フィールドシフト v7対応」にチェック。
      音ズレを防ぐために「初期Delayカット」もチェック。
設定が完了したら、出力場所を指定し名前を入力して、「保存」をクリックすると出力が開始
  される。
  映像エンコード後に音声のエンコー
  ド処理とMuxされて完了する。

 結果 :
I.PanasonicHDC-SD9撮影のMTSファイル(HGモード)の編集・変換
AviUtlで変換したMPEG-4 AVC/H.264の配信テスト
 (751Kbps,約1分)
(Xserver)
映像ビットレート654kbps+音声ビットレート96Kbpsに設定したところ、各々653Kbps及び
98Kbpsで変換され、目標値で出力された。Web Serverから疑似ストリーム配信が可能。
但し、何故か?筆者のWindows2000のQuickTime7.1.6環境では描画出来ない
受信環境の速度が充分でないと、切れぎれ再生となってしまう。
注意:ご覧頂くにはQuickTime7以降が必要です。

 参考:動きの速いMPEG2素材を用いて、MPEG-4_AVC Output Pluginで出力した
   場合と比較しようとしたのだが・・・
拡張 x264 出力(GUI)で変換した場合
 (約500Kbps,約1分)
(Xserver)
上手く変換出来ず、切れぎれ再生。途中で停止・クラッシュしてしまう事あり!
MPEG-4_AVC Output Pluginで変換した場合
 (530Kbps,約1分)
(Xserver)
問題なく変換、配信が可能だ

II.Xacti DMX-HD1000撮影のMP4(Full-HD)ファイルの利用
 1)筆者が通常使用している環境では、QuickTime Pro作成のフルハイビジョンサイズのMP4や
  DMX-HD1000撮影HD-SHQファイルを利用する事は可能だが、何故か?DMX-HD1000
  撮影Full-HDファイル
は読み込む事すら
出来なかった・・・
  追記
   その後の検討で、Haali Media Splitter v1.7.62.21とCoreAAC directshow filter 1.2.0.573
     ffdshow20061017を用いた環境では利用出来なかったが、ffdshow(20071203;tryouts
    revision1685以降)を導入した環境では利用可能だった。

  今回新規にMP4Plugin
   MP4 File Readerを導入
   たら、読み込みが可能と
   なった!
   編集操作中に右の警告が
   表示されるが、無視して
   「はい」しても、他形式へ
   変換に支障はなかった。
 2)MP4PluginMP4 Export Plugin
   DMX-HD1000撮影Full-HDファイルを無劣化で、カット・結合して出力する事が可能に
   るであろうと期待したが、
   残念ながら、右の警告と
   関係するのか、キーフレ
   ームの位置の問題なの
   か?
   出力出ても映像及び
   音声の中断や欠落が起
   こってしまう。
   何か良い方策があるの
   うか?
 <参考>本家のMP4 Export Plugin使用説明書(添付文書から引用・抜粋)

追記(2010.01.09)
 
 AViUtlでDVDビデオをアップコンバート
  素材:DVD MovieWriter 5 for Sanyoで作成した自作のDVDビデオからVobUtilsを用いて
      リッピングした一つのタイトル(MPEG2_PCM.vob)ファイル。
      収録時間:5分10秒。720x480(16:9)
  AviUtl
0.99i2を使用。
  アップスケーリング用フィルタ
:下記より入手。解凍して...aufファイルを AuiUtlフォルダに
     入れる。
     ノイズ除去フィルタ:デフォルトで添付
     バンディング低減フィルタMT: banding13b.zip(ここから入手)→banding13b_MT.auf
      エンコードにより発生するバンディング(境界に階調割れ)をうまくディザ処理を行なう
      事により低減させる。
     アンシャープマスクMT:unsharpMT7.zip (ここから入手)→unsharpMT.auf
      色と輪郭をはっきりくっきりさせる。効果抜群。

     WarpSharpMT :warpsharpMT133.zip (ここから入手)→warpsharpMT.auf
      色と輪郭をはっきりくっきりさせる。
癖がある輪郭強調フィルターだが威力は最高。

     これら設定方法の詳細は、記事「aviutl おすすめフィルタ集」を参照。
 アップスケーリング用に使用したフィルタの設定」(表示
    クリッピング&リサイズで720x480→1920x1080へアップスケーリング。
  拡張 x264 出力(GUI) x264.1271.release01を使用。
    設定 :シングルパス-品質基準VBR、品質(Quality):22
         NeroAACエンコーダ:AAC-LC 320Kbps
         レート設定:QP変動幅の最大を10に設定。詳細のスレッド数:4に指定。
 拡張 x264 出力(GUI)の設定表示
  環境32ビット版Windows Vista環境64ビット版Windows 7環境で比較した。
 
  結果:変換したファイルの情報(MediaInfoで解析)
 
  画質と変換時間
       両環境で変換時間の差異はほとんどなかった。
       DVDビデオの元素材は、拡大表示した為に全体にボケている

     
 AviUtlの上記フィルタ処理でアップコンバートした場合は、ボケやモスキートノイズは
       目に付かなくなっているが、ノッペリとした感じとなった。
       変換に実時間の 7倍と長時間掛るようでは実用性に乏しい。
       SpursEngineを用いたDVD MovieWriter 5.3 for TOSHIBAによるアップコンバートは、
         費用はかかるが実用性は高い(II-2....「HD1920 H264 Up Convert...」を参照)


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