Any Video Converterフリー版の試用経験

Any Video Converterフリー版の試用経験
Any Video Converterフリー版のハイビジョン出力はAVI への変換のみ可能
(2008.08.28作成)
Any Video Converterフリー版は、使いやすいインタフェースを持って、様々なビデオを
 AVI、WMV、MP4、MPG、FLVに変換可能なコンバータ。又、Youtube や Google のオンラ
 イン動画を直接他の形式に変換することも可能となっている。
既存の動画関連ソフトのうち、筆者所有のSANYOのデジタルムービーカメラ Xacti DMX
 -HD1000
でフルハイビジョン撮影した素材(各々Full-HDモード撮影:MPEG-4 AVC/
  H.264
形式のMP4ファイル)に対応しているものは少ない(ここを 参照)。
今回、フリー版のAny Video Converter 2.6.2を試用したところ、対応していたので、
  この特異ファイルとMPEG2-TS及びMPEG2を素材として、本ツールの動画変換の使い
  勝手を中心にWindows Vista環境で試用してみた。
  そして、変換出力したWMV9、FlashVideo(以下 FLV1)と MPEG-4 AVC/H.264(以下
  MPEG-4/H.264)をWeb配信用途に利用可能か、検証してみた。
  
 Any Video Converterの入手
Any Video Converterフリー版の入手先は こちらから(今回は v2.6.2を使用)。

 対応フォーマット形式(読み込み可能な素材)
 この手のフリーソフトとしては珍しい
 RMVBに対応している以外にも、
 MPEG2圧縮型MPEG2-TS(.m2ts)
 に対応している(但し、"All Files"で
 ビデオを追加しないと読み込めない)。
  <特異動画ファイルへの対応状況>
   
MPEG-4 AVC/H.264(MPEG-4/H.264)ファイル  こちらを参照。
     Xacti DMX-HD1000のFull-HDファイルも含めて問題なく変換可能だ \(^o^)/
   MPEG2-TSファイル   →こちらを参照。
     一般的なMPEG2圧縮型のMPEG2-TS(MPEG2_AC3orAAC.m2ts)には対応している。
     H.264_AC3圧縮型のMPEG2-TS(H.264_AC3.m2ts)には、Blu-rayビデオ作品Bから
      リッピングしたm2tsファイル以外は未対応だった (;_;)

 出力可能なフォーマット形式
   動画 :DVD_NTSC/DVD_PAL/MPG-1/MPEG-2/
       FLV/Mobil MPEG-4/AVI//WMV/MP4
   オーディオ:WAV
 動画変換操作の手順
以下、MP4への変換を例に操作手順の概略を示す。
「ビデオを追加」アイコンから素材を読み込む。
 同一の設定条件で変換するなら、複数の素材の登録が可能。
 「出力形式」欄のプルダウンから目的のフォーマット形式(ここでは、「MP4動画(*.mp4)」)を選択。
   出力したい範囲をトリミングす
    る事が可能だ(上図)。  

   幾つかのファイルを結合して
    変換したい場合は、Ctrある
    いはShiftキーを押して複数
    のファイルを選んで右クリッ
    クして「出力を合併」をクリッ
    クする(右図)。

 変換条件の設定を「ビデオオプション」欄で行う。
   MPEG系統の場合、残念ながらビデオサイズをカスタム入力する事が出来ない!
   今回のようにシネスコサイズ(640x272)が素材の場合、プルダウンメニューには無い
    アスペクト比で出力するには、下記の方法でビデオサイズのリサイズを行う。

  「編集」メニューの「オプション」をクリック。
    「Video」タブの「ビデオをリサイズ」で「幅にファイト」にチェックを入れると、元素材のアスペ
     クト比に高さを調節して出力してくれる!
     「16ピクセルの倍数に」をチェックすると、他の編集ソフトとの互換性が高くなる(今回は最
       終出力なので未チェック)。
    必要があれば 「インターレース解除」をチェック。
  出力先を「Genaral」タブで指定する。
    「コーデック名を出力ファイル名に追加」のチェックはそのままにしておくと、出力後ファイル
     の整理に便利。
   「Audio」タブで音量の調節やパラメータの設定を行う。
      「音量の標準化」のチェックはそのまま。
      AACパラメータ:MPEG-4, Mainのチェックもそのままとする。
 最後に「変換」ボタンをクリックすると、上から順番に同じ設定条件でエンコードされる。
  *設定の異なった素材を登録出来る機能を持っていない。
→出力先にフォーマット別
  のファオルダが作成され
  て出力される。
 
なお、変換が終了すると
  毎回、プロ版へのアップ
  グレードを催促するダイ
  アログが表示される。
 成績
   登録素材上段4つはH.264圧縮型MPEG2-TSファイル、下段3つはMPEG2圧縮型MPEG2
    -TSファイル。いずれも変換出力されるが、H.264圧縮型の多くは音声は通常に変換さ
    るも映像の描画がスローとなってしまい結果、映像が遅延再生する事となってしまう。
   MP4素材は、Xacti DMX-HD1000のFull-HDファイルも含めて問題なく変換可能だった。
 

 各形式への変換設定項目と留意点
主要な各変換形式別の圧縮コーデック、ビデオサイズ、ビットレート等を表示した。
×印:項目無く設定出来ない   
出力形式⇒
DVD NTSC
MPEG-II
Flash
AVI
WMV
MP4
ビデオオプション
 ビデオコーデック
mpeg2video
mpeg2video
flv
WMV V8
WMV V9
x264
mpeg4
xvid
 ビデオサイズ
入力不可
720X480
入力不可
入力可能
(3桁不可)

176x144
220x176
320x240
640x480
入力可能
入力可能
(3桁不可)

入力不可
 ビデオ外観
Auto
4/3
16/9
Auto
4/3
16/9
×
×
×
×
 ビットレート(kbps)
入力可能
200〜800
入力可能
256〜1800
入力不可
10, 15,
25, 30
入力可能
64〜8000
入力可能
256〜768
入力可能
256〜2500
 フレームレート
29.970
25
29.970
×
10, 12, 15,
25, 29.970
×
Auto,
25, 30
オーディオオプション
 オーディオコーデック
ac3
mp2
ac3
mp3
mp3, ac3,
aac, mp2,
Original
WMA 9.2
aac
 ビットレート(kbps)
入力不可
128, 192
入力可能
128〜384
入力可能
64〜192
入力可能
12〜320
項目無し
×何故?
入力可能
32〜320
 サンプルレート
48000
44100
48000
11025
22050
44100
48000
8000
11025
16000
22050
32000
44100
48000
×何故?
8000
11025
22050
24000
32000
44100
48000
 チャンネル
2
2
2
1, 2
×
2
 オーディオを無効
No, Yes
No, Yes
No, Yes
No, Yes
×
No, Yes
 A/V同期
Default
Basic
Default
Basic
Default
Basic
Default
Basic
Default
Basic
Default
Basic
 オーディオトラック
素材に依存
素材に依存
×
×
×
素材に依存
 I) DVDビデオNTSC動画への変換
  MPEG2とAC3の組み合わせが採用され、ビデオサイズは720X480に固定され変更す
   る事は出来ない。
 II) MPEG-II動画への変換
  映像はMPEG2、音声はAC3かMP2となる。
  ビデオサイズをカスタム設定出来ないので、シネスコサイズの場合は上記MP4動画へ
   の変換で用いたリサイズ法に準じて設定する。
 III) Flash動画への変換
  圧縮コーデックの選択は出来ず、映像は古いSorenson H.263、音声はMP3となる。
 IV) AVI 動画への変換    
  映像は内蔵されている形式でしか圧縮出来ず、映像圧縮に汎用されている DivX を、
   音声圧縮にオーソドックスなPCMを使用出来ない!
  XviDとMP3の組み合わせが妥当であろう。
  なお、H.264_AAC.mp4やH.264_AC3.m2tsをビデオコーデック、サイズもオーディオコー
   デックも "Original"で変換してみところ直ちに出力されるが、映像の再生が出来ず
   Original とは何ぞや分からない。
 V) Windows Media Video動画への変換
  WMV8以外にも、この手のフリーソフトとしては稀な WMV9を使用する事が可能だ。
  何故か?オーディオのビットレート、サンプルレートを設定出来ない。
 VI) MP4動画への変換
  映像圧縮は H.264, MPEG-4又はXviDから選択が可能。音声はAACのみ。
  MPEG-II変換のようにアスペクト比(ビデオ外観)の設定が出来ない。
  ビデオサイズをカスタム設定出来ないので、シネスコサイズの場合は上記の方法で
   リサイズする。

 <参考>YouTube動画の直接変換
メニューアイコンの「YouTube」アイコンをクリック。
ダウンロードダイアログが表示されるが、ここではそのままにしておく。
Webブラウザを起動して、YouTubeのサイトにアクセスし、目的の動画ページを表示する。
 アドレスを右クリックメニューから「コピー」する。
ダウンロードダイアログのフォルダアイコンをクリックすると、入力ボックスが表示される
 ので、カーソルを合わせてコピーしたアドレスをペーストして、「OK」 ボタンをクリック。
リストに追加されるので、出力条件の設定をして、「変換」ボタンをクリック。
 →元動画(FLVファイル)のダウンロードとエンコードが順次行われる。
保存先のフォルダ内に、
 「YouTube」フォルダが作成さ
  れて、元のFLVファイルがダ
  ウンロードされる。
 変換(今回は「MP4」)フォルフ
  ダ内に変換されたファイルが
  作成される。

 結果
Any Video Converterフリー版は、シンプルな操作性で直観的に作業が可能。
 高度な変換設定は出来ないが、マニアックを追求しなければ一般ユーザに必要な設定
   は可能となっている。
 複数のファイルを同じ設定条件なら一斉に変換する事が可能(変換進行中でも登録する
  事が可能)。
 この手のフリーソフトとしては珍しいRMVBに対応している以外にも、Xacti DMX-HD
  1000
Full-HDファイル
に対応していた。
 又、トリミング編集と結合して出力する事が可能。
 但し、2-パスエンコードは出来ない。
     AVI への変換にDivXなどのコーデックを利用出来ない。
     FLVはH.264圧縮を使用出来ない(
FLV4で出力出来ない)。
    
AVI への変換はサイズで(フルハイビジョンサイズでも)出力可だが、AVI 以
      の変換は720x576以下に制限される
同様のインターフェースを持ったFormatFactoryと比較すると、
  WMV9への変換、インターレース解除、トリミングと結合が可能だ。
 しかし、
  AVI 以外の変換では、フルハイビジョンサイズで出力する事が出来ない。
  複数のファイルを異なった設定条件では、一斉に変換する事は出来ない。

以下に、シネスコサイズのMPEG2ファイルを素材として、
  *MPEG2 640x272 24.00fps 8,000Kbps、MP2.48000Hz 384Kbps CBR Stereo
 映像ビットレート436kbps+音声ビットレート64Kbps=目標値500Kbpsに設定して、Web配
 信用に変換したムービーを提示した。
Any Video Converterで変換したWMV9の配信テスト
 (510Kbps,1分)
映像ビットレート446Kbps+音声ビットレート64Kbpsと目標値よりやや高めに
出力された。
Web Serverから疑似ストリーム配信が可能。
注意:ご覧頂くには、Windows Media Player9以降が必要です。

Any Video Converterで変換したFLV1の配信テスト
 (532Kbps,1分)
映像ビットレート468kbps+音声ビットレート64Kbpsと目標値より高く出力された。
Web Serverから疑似ストリーム配信が可能。シーク操作も可能だ。
注意:ご覧頂くにはFlashPlayer7以降が必要です。

Any Video Converterで変換したMP4の配信テスト
 (541Kbps,1分)
映像ビットレート435kbps+音声ビットレート106Kbpsと目標値よりかなり高く
出力された。又、ビデオサイズは640x288とやや縦長に出力されてしまった。
残念ながら、Web Serverから疑似ストリーム配信出来ない。
注意:ご覧頂くにはQuickTime7以降が必要です。

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